おはようございます、当ブログのプレイングマネージャー、一龍(@ichiryuu)です。(部下はいません)
さて今日は、生田洋介さんの本をご紹介。
日々プレイングマネージャーとして自分自身の業績と、部下を育てること、チームの成績を残すことに苦心惨憺している方々へ強い味方となる本の登場です。
はっきり言ってこれはプレイングマネージャー必携の教科書です。
【目次】
はじめに
序章 ”指導者”ではなく”促進者”になれ
SCEN1 新しいチームがスタートするとき
SCEN2 プロジェクトが動き出すとき
SCNE3 仕事を任せるとき
SCNE4 日常業務のなかで
SCNE5 面談の場で
SCNE6 会議の場で
SCNE7 ランチ・飲み会などの場で
SCNE8 部下が失敗したとき
SCNE9 部下が成功したとき
SCNE10 プロジェクトが終了したとき
終章 あなた自身が手本たれ
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★”促進者”の心構え
促進者という立場でチームのメンバーと向き合う際には、次のような考え方を持つといいでしょう。
1. 誰もがいい仕事をしたいと考えていて、そのための知性と能力を持っている2. 立場や役所にかかわらず、誰の意見にも同じだけの価値がある
3. 意思決定はひとりで行うよりも、チームで行ったほうが質が高い結果が出る
4. 人は、自ら考えたことに対しては主体性と情熱を持つようになる
★「キックオフミーティング」を開催しよう
新しいチームで再始動する際は、いかに早くチーム内の関係性を構築するか、そしていかに同じ方向を向かせるかが、部下育成やプロジェクト成功の鍵となります。
そこでおすすめしたいのが、サッカーの試合開始を意味する「キックオフ」と称したミーティングを持つこと。チームのメンバー全員が集まって「チームの方向性」や「あり方」を考える機会をつくるわけですが、「キックオフ」と名付けることで、何かが始まりそうな予感を印象づけることができます。
★必要な能力(スキル)を分析させよ
スキルというと、どうしても「専門知識」に目がいきがちで、「仕事術」や「対人スキル」は2次的なものと考える傾向があります。しかし、それらは専門的な能力を発揮するための土台であるため、絶対に欠かせないものです。とくに「対人スキル」は、将来的にリーダーシップを発揮するうえで必要な人格形成に大きく関わるので必須です。
マネジャーは、3つのスキルの必要性を説いたうえで、それぞれの能力(スキル)タイプごとに「長所と短所」「パフォーマンスへの影響度」「緊急度と重要度」という視点から伸ばすべきポイントに優先順位をつけ、提示してあげる必要があります。
★部下と雑談するべし
健全な土壌をつくるためには、「あいさつ」と「雑談」が不可欠です。「あいさつ」は、関係性を保つための最低条件であり、「雑談」は関係性を強めるための潤滑油といえるでしょう。とくに最近は、年上との接し方がわからない若者も多いようなので、「あいさつは下からするものだ」という先入観を持たずに、上司から働きかけることが大切です。
チームのメンバーとは、できれば毎日3分、話しをしましょう。待っているだけでは、向こうからはきてくれません。「歩きまわりコミュニケーション(対話)」を積極的に行い、部下のところに出向きましょう。
★合い言葉は”ありがとう”と心得よ
会社が組織である以上、上司のいうことに部下が従うのは当然のことですが、何かを頼んだとき、「仕事なんだからやってもらって当たり前」と思わないことが大切です。<中略>ちょっとした作業でも、やってもらったら「ありがとう」と言いましょう。すると、部下は自分が肯定された気持ちになり、自分も成長しようと前向きな気持ちになる者です。リーダー自らが率先して「感謝」の気持ちを表しましょう。
メンバー個々を観察するときのポイントは、各自の「エネルギー状態」です。エネルギー状態の味方には、「エネルギーレベルが高いのか(ハイ)、低いのか(ロー)という視点と、「エネルギーの質がポジティブなのか、ネガティブなのか」という視点があります。
この2つの視点を掛け合わせると、左の4つの「エネルギー状態」に分けられます。(写真参照)
【感想など】
今回の【ポイント&レバレッジメモ】は、ここまでで本書の前半部分だけです。
最初に「プレイングマネジャーの必携教科書」といいましたが、とにかくありとあらゆる場面を想定して、マネジャーのためにチーム作りのポイントを教えてくれているのが本書。
目次を見ていただければ分かると思いますが、チームを作る前の心構えから始まり、チーム結成時からプロジェクト終了まで、日常業務はもちろん、お酒の席のアドバイスまで。
とにかく「こんなところまでアドバイスしてくれるの?」と本書の丁寧さには驚くばかり。
ちなみにタイトルの『指導しなくても部下が伸びる!』から、「何もしなくても勝手に部下が伸びるメソッドが書いてある」とおもったら大間違いです。
いや、一部は正解かも。
要するに、部下が成長し、自らが考えてチームが動く仕組みづくり、チーム作りを解説した本です。
で、その下準備と言いますか、お膳立てをするのがマネジャーですよということなんですが、本書を読んでの感想が・・・。
「マネジャーになりたくない・・・」
本書を紹介するのに、元も子もないことを言ってしまいましたが、正直な感想です。
本書が詳しく細かく解説してくれればくれるほど、あまりに沢山ある項目に、「こんなにできない」と悲鳴を上げてしまいつつ、「俺全然できてない・・・」とちょっと自己嫌悪が。
あらためて「プレイングマネジャーって大変だな」と嘆息したのでありました。
もっとも、本書に紹介されている72の行動すべてができていなければ、優秀なプレイングマネジャーではないなんてこともなく、いろいろなタイプの人がいていいと思います。
ポイントは目標と価値観の共有。
そしてコミュニケーション。
これを日々心がけて、できていれば大丈夫だ、ということも本書を読んで再確認できました。
考えてみれば、面談も、会議も、飲み会も普段の雑談も、上記2つの関わるもの。
形はどうであれ、そこがしっかりできていれば、あとは「託してみなさいよ!」ですね。
ただし、オラオラ系の上司はもう流行らないのでしょうね。
柔道全日本でもコーチの体罰や恫喝が問題になるぐらいですから(ワタクシは体罰は反対派ですが、武道の世界ではそんなの当たり前やろと思ってました)、隔世の感があります。
ワタクシの若い頃は、めちゃくちゃ怖い上司がいて、朝礼から恫喝なんてことが多々ありましたからね。
でもそれはそれですごく勉強になったと、今になって思います。
だから、ちょっと本書を読んで仕事のチームなのに学園者の青春ドラマみたいな感じがしてしまいました。
先生と生徒たちが一緒になって、飛騰の目標に向かっていくなかで成長していく。
そんな感じ。
仕事でこういう感覚というのは、ワタクシは世代的に違和感がありますが、若いビジネスパーソンにはこうでないといけないんだろうなぁ。
さて、本書にはこんなコーナーもあります。
これ、なかなかいいんですよ。
本当にコピーするなりしてポケットに入れておきたい。
また、「会議がサクサク進むお助けカンニングメモ」は本当に使える!
ということで、1冊まるまるすぐに使えるプレイングマネジャーの教科書。
上司として行き詰まっていることがある方、これからチームを持つ方、まずは一読を!
本書は日経BP社、東城様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
同著者の既刊本です。
チームのパフォーマンスはリーダーですべて決まる!
多忙を極める日々の中、自らもプレーヤーとして成果を出しながら、チームとしての結果も出すプレイングマネージャーが求められています。そのなかで、結果を出し続けているリーダーと、そうでないリーダーとの違いは何でしょうか。
本書では、明日から使える職場での実践方法だけでなく、結果を出し続けているリーダーに共通する「マインドセット(心構え)」にもフォーカスし、ハイパフォーマンスチームを牽引するリーダーとしての考え方と具体的技術を紹介していきます。
数々のコンサルティング、トレーニング経験を通して見てきた、デキるリーダーの「ビヘイビア(姿勢、言動、行動)」を紹介することで、ハイパフォーマンスリーダーを目指すための一冊です。
本書内で紹介、引用されている本
信頼感のないリーダーは組織を破壊する。信頼感は新しい価値を創造し、組織を活性化する。なぜあの人に信頼感があり、人が喜んでついていくのか。なぜあの人には人をひきつける力がないのか。リーダーシップを発揮する「信頼」について、企業の実態を知り尽くした経営コンサルタントと行動科学の専門家が、数多くの事例をもとに具体的に説明する。また、信頼感獲得のためにとるべき具体的行動を丁寧に提示する。
プロ野球中日ドラゴンズ前監督の落合博満氏の言葉で《指導者は見ているだけでいい》という言葉があります。
この言葉の真意は、「選手に自分で考える習慣を身に付けさせる」ことにあると言っています。
部下が自発的に動くことを阻害しないで見ているというのも指導者の仕事なのかもしれません。
タケゾウさま
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りなんですが、上司としては部下を信頼して自発的に動くようになるまで口出ししないで我慢するのが一番難しいですよね。
ついつい口出ししてしまいます(笑)。
我慢が大切ですね。