おはようございます、休みボケが続いている一龍(@ichiryuu)です。
さて昨日は部下を持つ上司や先輩に向けた本を紹介しましたが、今日は新入社員向けの本をご紹介。
時期的に、つい先日まで研修でビジネスマナーをみっちり仕込まれた新入社員の方も多いと思いますが、本書ではもっと深い部分。
タイトルのとおり、礼儀も含めた社会人としての”心得”を学ぶことができます。
【目次】
第1章 基本の心がまえ まず、これだけは知っておこう
第2章 日常の礼儀 職場で気をつけたい基本マナー
第3章 仕事の礼儀 気持ちよく仕事をするための行動と心遣い
第4章 電話・メールの礼儀 顔の見えないコミュニケーションで気をつけること
第5章 お客様への礼儀 会社の顔として気持ちのよい対応をする
第6章 飲み会の礼儀 「できる人」といわれるための行動と心遣い
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★礼儀を身につけるのは「いい人生」を送るため
次のことがしっかりできることは良いことだと思いませんか。
1、挨拶がしっかりできる
2、「ありがとうございました」を心から笑顔で言える
3、人様を尊敬する
4、表面だけではなく、心から感謝をする
5、相手を立てる
6、自分は謙虚である
<中略>
こういう生き方をしなくても生きてはいけるでしょう。ですが、すばらしい人に巡り会い、いい人生を送り、いい仕事をしたいと思っている人は、ぜひ礼儀正しい人で会ってください。
★他人のことを考えるから、人がついてくる
利己は、礼儀をわきまえない最たるものです。相手のことを考えないからです。
利他の心があれば、相手のことも考えるようになります。人様に感謝するという気持ちがあれば、自分だけではなく相手のことを考えるようになります。
若いうちは、多少でもそういう気持ちを持っていただければと思います。
そして、心の片隅に、自分の将来で利他という考え方をもっと具現化すべき時が来るということを覚えていてほしいと思います。<中略>
ただ、若いときは、しっかり仕事を覚えたり、学んだりすることを中心にして、自主自立することを第一義にすることでいいと思います。ただ、人様に感謝しながら、利他の心を少しだけでも持ちながら、です。
★「時間を守る」は「自分を守る」
(お客様はあなたが)しっかりしているかどうかを見分けるとすれば何を見るでしょうか。
それは何と行っても時間を守るか守らないかです。いくらこぎれいでも挨拶が良くても、にこやかで態度が良くても、時間を守れない人間はいいかげんなヤツと思われてしまいます。<中略>
時間を守ることは、自分を守ることでもあります。しっかり自分が時間を守れば、そういう人だと評価を得ることができます。また、相手も時間通りに約束を守り、自分のよけいな時間を他人に取られることもありません。
★「正論」だけでは説得できない
先にも述べましたが、社長が正論を言えば、「はい、かしこまりました」と即答する幹部でも、経験不足の若手が正論を言うと、幹部は「んん?十年早い!」と言いたくなるのです。<中略>
ましてや、若い女性が正論を言うと、言葉には出さなくても「何を生意気な」と思う人がたくさんいるのです。<中略>
そこで、若手男性や女性が人を説得するのに何が必要か。
それは、普段から礼儀正しくあることと謙虚であることです。
つまり、「正論」+「礼儀」=説得力ということです。
★「わからない」も反応のひとつ
人に反応する人になりましょう。
わからないから黙っている。
成果を問われてプレッシャーを感じて黙ってしまう。
自分を大きく見せなくてはいけないと思って黙っている。
間違ってことを言いたくないから、発言をしない。
失敗が怖いから行動しない。
これらは、「無反応」という失礼です。<中略>
無反応であると、自分が損するだけではなく、まわりや組織に対して迷惑をかけます。間違ってもいいから、恥をかいてもいいから、反応して、賛成するなり反対するなり、何らかの意見を言うなり、何か反応すべきです。
★電話とメールの使い分けの原則
断る電話や悪い話しは、メールではなく、電話でまず話すべきです。
電話よりさらによいのは、会いにいって話すことです。問題がある時こそフェイス・トゥー・フェイスでしっかり話すことです。もしそうできないのなら、電話をすることです。電話では相手の受け取り方を感じることができます。立腹しているのか、驚いているのか、仕方がないと感じているのかが、だいたいつかめます。相手にとっても、質問もできるし、小言の一つも言えるわけです。
【感想など】
本書は 「入社1年目から身につけたい ビジネスマナー以前の社会人の心得」 とタイトルにあるように、主に新入社員をターゲットにした社会人としての”心得”を説いた本。
基本的な社会人としての心得や、ビジネスやお酒の席での礼儀作法をしっかり説いてくれています。
社会人としてどういう心がまえでいなければならないのか?
こういうことは学校では教えてくれませんし、職場でも、研修では名刺交換や電話の応対方法などのビジネスマナーは練習しますが、もっとも根本的なところは教えてくれません。
ということで、今回の【ポイント&レバレッジメモ】では、”根本”にかかわるところをメインにピックアップしました。
もちろん本書には精神的なものばかりではなく、実際的なビジネスマナーのハウツーも「これは使える!」と思うものが多数ありました。
午後一番のアポイントは「13時半」がいい
10分おくれるなら、15分遅れますと言おう
飲み会では陶器ではなく透明なグラスを準備してもらう
などなど
詳しくは本書をお読みいただけたらと思います。
さて、こういったテクニックはすぐに誰でも真似できると思いますが、やはり大切なのは”根本”の部分。
本書も焦点をそこに当てています。
「礼儀作法は大切です」。
こんなことは誰でもわかっているし、往々にして自分はできていると思っています。
また、若いときはついつい正論で反抗したくなるし、心の底ではできない上司・先輩をバカにしているものです。
「自分は正しい」「自分のほうが仕事ができる」と思っているとついついそれが態度に出てしまう。
でもそれではどんなに正しいことを言っても”文句”にしか聞こえないし、どんなに仕事をこなしても認められにくいのです。
なぜなら、自分のまわりはすべて、感情を持った生きた人間だからです。
ワタクシも多分、そういう若手でした。
今ある程度歳を取って、こういった若手に出会うたびに、「自分は随分損をしたんだろうなぁ」と思ってしまいます。
本書には
「正論」+「礼儀」=説得力
という公式が登場します。
この公式は若いうちは本当の意味で理解できないかもしれません。
しかし、これはまぎれも無い事実です。
そしてよく考えてほしいのは、仕事ができるできないは、仕事の現場に置いてだけ表面化されますが、礼儀作法というものは職場でも、宴会の席でも、プライベートでも表れます。
仕事よりもずっと長い時間、あなたがどんな人間化を表しているのが礼儀作法なのです。
これはワタクシ独自の理論で偏見かもしれませんが、焼き肉(鍋でもいい)に行くとその人の人柄が見える化します。
通称”焼き肉理論”。
食べるばっかりで肉を焼こうとしない若手と、みんなの分まで焼きつつ自分もしっかり食べている若手。
(先日もワタクシ、自分の送迎会なのにせっせと焼き肉を焼かしていただきました)
そしてこの前者に、実は正論を吐いても”文句”にしかとられない人が多いんですよ。
こんど職場で焼き肉に行くことがあったら観察してみてください。
きっとこの理論当たっていると思います。
なぜならば、先輩に肉を焼かせて自分はただ焼けた肉をパクパク食べている若手というのは、おおげさな言い方ですが”利他”の精神がまったくない。
悪気は無いのでしょうが、悪気が無い態度というものはその人の根底をさらけ出してしまっている。
本書の第6章では 飲み会の礼儀 が解説されています。
まだ、たいして仕事ができない新入社員にとって、飲み会というのはもしかしたら仕事以上に大切な場となるかもしれません。
如実にあなたが表れる場です。
ビジネスマナーの部分だけでなく、6章があなたの人生を変えるかもしれません。
「礼儀正しさは最強の武器」です。
仕事の内容は年代によって変化しますが、礼儀正しさの価値は変わりません。
早い時期に身につけて、「かわいいヤツだ」と思われればそれだけスタートダッシュにつながるはずです。
新入社員諸君、ぜひ最強の武器を身につけてください。
本書は日本能率協会マネジメントセンター、木村様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
本書では各章の終わりに”ブックガイド”でオススメ本が掲載されています。
その中から気になった本をいくつかピックアップ。
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