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真っ向勝負の勉強本【書評】原 尚美(著)『7人家族の主婦で1日3時間しか使えなかった私が知識ゼロから難関資格に合格した方法』( 中経出版)

えー、タイトルが長いですが、そういう内容の本です(笑)。

そして、いたって正当骨太真っ向勝負の社会人のための勉強本です。

いや実際、この本のメソッドは使えます!

【目次】
はじめに
第1章 「なにを考えて、どう勉強すれば本番で点を取れるか」を整理する
第2章 絶対に集中力が途切れない「勉強環境」のつくり方
第3章 本当に時間がなかったからこそ編み出せた「超合理的」な勉強法
第4章 本番で確実に点を稼ぐ「受かる人」の考え方
第5章 重圧に負けない「メンタル」の鍛え方
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】

★朝には朝の、夜には夜の勉強法がある
◇「朝」を活用して勉強時間を稼ぐ

「集中できる要素」だらけの朝は、難しい問題や計算問題など、思い切り頭を使う勉強にあてるのが効果的です。

◇「夜」は暗記と復習にあてる

睡眠には、頭の中を整理する効果があります。「整理」とは、具体的には「必要のない情報を忘れ、必要な情報同士を結びつける」という働きです。<中略>
夜の勉強は「暗記」と「復習」に重点を置き、30分から1時間程度勉強したらぐっすり寝て、頭が整理された状態で翌朝の勉強に臨みましょう。

⇒ 「朝」は難問や計算問題を解き、「夜」は暗記や復習をする

★ノートはとらない

 大事なことはほとんどテキストに書いてあります。「書いてない部分」をテキストに書き込んでいく、というイメージで勉強を薦めていくと、「最強のテキスト」ができ上がります。このテキストを徹底的に活用しましょう。<中略>
当然のことですが、授業を受ける目的は、完璧なノートをつくることではなく、授業の内容を頭にインプットすることです。綺麗なノートをつくると、目的が達成したような錯覚に陥り、安心してしまいます。ノートをとる「作業」と「勉強」とを混同してはいけません。

⇒ ノートはとらず、テキストに直接書き込む

★1冊の問題集で3冊分の知識を吸収する「付箋」の使い方

 問題集を使いこなす上で私が工夫していたのが、付箋の使い方です。付箋を貼る位置に「意味」を持たせ、解いた問題の性質ごとに貼る位置を変えていました。

「攻略済み」→ ページの下
「攻略済みだが、重要かつ基本的な問題」→ ページの上
「できなかったので再チャレンジ」→ ページの横
「理解できていないので、テキストに戻って復習する」→ ページの斜め下
「攻略済みだが、ちょっと気になる」→ ページの斜め下

7人家族の~

最終的には、すべての付箋が、「攻略済み」の位置にくるのがゴールです。

★予習は「百害あって一利なし」

 これから勉強しようという分野は、未知でわからないことばかりです。授業の前にテキストをよんだからといって、あまり頭に入ってきません。時間がかかるばかりで、知識の吸収としてはそんなに望めないでしょう。
そして予習で怖いのは、まだ知識のない段階で自分なりの勝手な解釈をし、「わかったつもり」になってしまうことです。素人が解釈を加えても、たかが知れています。むしろ専門家である先生の説明を、白紙の状態で聞いた方が知識の吸収力は上がります。

⇒ 予習をせず、「丸腰」で授業に望む

★5色のマーカーを使い分けて暗記する

 論文試験の理論や条文を暗記するには、「問題提起」「結論(定義)」「理由(根拠)」「例外」を探し出して、要約するのが有効<中略>
これらを要約するときに、便利なアイテムがマーカーです。私は「黄色」「オレンジ」「緑」「青」「ピンク」の5色のマーカーをいつも用意していました。

まず、「問題提起」「結論(定義)」「理由(根拠)」「例外」の4つの箇所を探し出して、それぞれを黄色のマーカーで線を引いていきます。さらには、それ以外で「重要」だと感じた箇所にも黄色のマーカーを引きます。
この時点では、色を使い分ける必要はありません。とにかく、論文の骨格を探し当てることに集中します。

いったんすべて黄色のマーカーを引き終えたら、その中で、特に覚えておきたい大事な箇所に、マーカーを塗り重ねます。最初に黄色のマーカーを使うのは、5色の中では最も色味が薄いので、重ね塗りがしやすいからです。<中略>

こうして色分けをしていけば、後で「結論(定義)」だけをチェックしたいときに視覚的に見つけやすくなります。

⇒ 5色マーカーで、難解な文章を塗り分ける

【感想など】
これほどタイトルのとおりの本も珍しいのですが(笑)、タイトルのとおり家事に追われる主婦が、一念発起して勉強し、合格率10%以下といわれる税理士試験にストレートで合格した勉強法をまとめた本です。

ワタクシなどは社会人になってから取った資格は全然大したものじゃないので、こういう本について語る資格はありませんが、遥か遠い昔の大学受験勉強での経験などをもとに、本書を読んでの感想などをちょこっとお話ししたいと思います。

社会人の勉強にとって一番の障壁は”時間”でしょう。

著者の原さんもタイトルのとおり一日3時間しか使えなかったわけですが、その短い時間をいかに有効に使うかが合否を分ける最大のポイントになると思います。

今回の【ポイント&レバレッジメモ】では、ネタバレ自重のためかなり制限しましたが、原さんの場合、ポイントは ノートをつくらない という点ではないかと。

「東大生のノートは~」なんて本が一時期流行りましたが、勉強の中で作業的要素が非常に濃いノート作りほど時間をロスするものはありません。

”書く”という行為はすごく時間を食うのです。

で、しかも美しいノートが完成すると勉強した気になるという厄介な副作用までついてきます。

ワタクシの勉強方法は高校時代の世界史の恩師に、

ノートをまとめる時間があったら、教科書に書き込め!
書き込んだ教科書を繰り返し読め!
問題集を1冊完璧にやれ!

と教えられたのがベースになっていました。

それまで、授業ではノートをとる、それも綺麗に書くのがあたりまえと小学校から教えられてきたわけですから、マーカーで塗られ、赤ペンでびっしりポイントを書き込まれた先生の教科書を見せられた時はかなり衝撃でした。

最初は教科書に書き込むことがすごくていこうあったのですが、
しかし、やってみたら結果的にはこの方法が一番時間短縮できた方法でした。

特に資格試験のように(膨大な量ではあるけれど)範囲が決まっている勉強においてはテキストを丸覚えするつもりで読み込み書き込むのが一番効果的だと思います。

ノートなんていりません。

また、本書でも登場しますが問題集を繰り返し解く方法も非常に有効。
ワタクシも1冊ぼろぼろになるまで繰り返し解きました。

ただ、どれができる問題で、どれができなくて繰り返さなければならない問題かを、視覚化して把握する方法がワタクシにはありませんでした。

ここをうまい仕組みで効率よくできると、さらに効果的。

本書で紹介されている付箋を使った”見える化”はいいですね。
ぱっと見、付箋の量と位置でまだできない問題がどれだけ残っているかがわかりますから。

これはTTPさせてもらいます。(資格試験の勉強があればの話ですが・・・)

こういった社会人の勉強のためのネタが満載の本書。

今回は割愛しましたが、後半では本番でのテストの受け方やメンタル面でのアドバイスもあります。

いやぁしかし、「”原さんちのお嫁さん”では終わりたくなかった」というのが一念発起した原因ということですが、それで税理士を目指すというのはすごいです。

そこで行動を起こした著者にまず敬意を払いたいですね。

資格では飯は食えないと言いますが、資格を取らなければ土俵に上がれない分野も確実にありますから。
自分の人生を切り開くために資格試験を目指している方、ぜひ一読していただければと思います。

本書は著者様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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