<楽天ブックスはコチラ> 『残念な人の英語勉強法』
さすがは山崎さん。
英語が“残念”なことにならないためのビジネスパーソン向け勉強法をしっかり教えてくれます。
しかもあのテストも勉強法もバッサリ斬りながら・・・。
【目次】
はじめに
本書の使い方
1章 日本人の英語はなぜ通じないのか
2章 間違いだらけの英語学習
3章 もしネイティブがTOEICを受けたら
4章 脱・残念な英語
5章 説得力の要は発音
6章 一生もののボキャブラリーと文法
7章 ビジネス英語のフレームワーク
8章 英語以前の学びの本質
おわりに
巻末付録
【ポイント&レバレッジメモ】
★「日本人は英語ができない」のはチャンス
少し問題発言かもしれないが、みなが英語ができないことはチャンスである。他よりも優れているものに価値がある。だから、まわりの英語のできない人は放っておいて、自分だけができればよいのである。
「今の環境では英語は必要ない」というのは視野の狭い驕りだ。英語ができないから、英語で仕事をする環境を「思いつかない」というのが正しい。
★成果が出ない人の英語勉強の共通点
・わからないことをわかるようにするのではなく、すでに知っていることを確認することで時間を浪費している
・英語のコアになる部分が理解できていないのに、難しいことを学ぼうとしている
・本質的な部分とそれほど重要でない部分の区別ができていないので、勉強時間あたりの生産性が低くなっている
⇒TOEICで730点を超えられない人は、勉強の仕方が正しくない可能性を疑うべきだ。
★子供より大人のほうが英語学習には有利
大人は英単語を知らなくても、知っているモノゴトが多いので前後の文脈やシチュエーションで推察できる。それに論理や考え方のベースがある方が、外国語は勉強しやすい。
また、大人になると記憶力が落ちるというのは待ち型認識であり、大人になると逆に記憶力が上がっていく。
★730点取れたら、TOEICの勉強を離れる
おそらく、発音、文法、ボキャブラリーの基本的なところがおさえられているのが、730点のレベルだと思われるが、その先はTOEICの勉強よりは、むしろ、自分の仕事に関係することだけに集中して英単語や表現を覚えたほうがよいだろう。
さらに、信頼できる英語の教師がいるならば、TOEIC300点や500点レベルであっても、仕事と関係あるところから習う方がよい。仕事のために真剣に勉強すれば、「結果として」文法もわかるし、ボキャブラリーも増えるからである。
TOEICで満点を取るための勉強は、特にビジネスパーソンにとっては本当にムダだと思う。ネイティブでさえ満点を取れないテストで、満点を目標にすることに何の意味があるのだろう。仕事で使うための英語を勉強し、実践した「結果」として満点が取れるようなやり方が必要だ。
★発音練習の5ステップ(抜粋)
◇ステップ1:アルファベットと、1から10までの数字の正しい発音を理解する
正しい発音の習得のために、まずお勧めしたいのが、アルファベットと、1から10までの単語の正しい発音を徹底的に訓練することである。全部でたったの36語だ。いまさら、という向きもあるかもしれないが、ほとんどの人が正しい発音を知らないし、できていない。<中略>
ちなみに、この36語は投下時間に対する効果が高い。なぜなら、アメリカ英語の主な音のうち、この36語で母音の45%、子音の80%をカバーできるのだ。
◇ステップ5:英語の歌を1曲完璧に歌えるようになってみる
英語独特のリズムを、歌詞という文脈の中で体得できる
オススメ曲
<男性向け>ビートルズ
・In My Life
・I Call Your Name
・A Hard Day’s Night
<女性向け>カーペンターズ
・Yesterday Once More
・Sing
・Top of the World
★ボキャブラリー習得に関してよくある間違い3つ
・単語帳では語彙力は上がらない
・「聞き流し」は時間のムダである
・必要と興味のない分野の語彙は、ほとんど覚えられない
★中学校単語を深く学ぶ
(236語)この重要な品詞のうち、どれだけ勉強を進めていっても、ほとんど数が増えていかない品詞がある。それは、前置詞、助動詞、冠詞の3つである。この3つで43単語だ。これらは、ボキャブラリーというよりは、文法と絡めて勉強すべき分野である。
次に動詞である。動詞は、ほとんどひとつの意味しか持たないものと、他の品詞と一緒になって熟語となり、高頻度で使われるものとがある。たとえばtake,makeなどであり、それらをピックアップしていくと、40語に絞られる。
とりあえず、この動詞40語と、先ほどの43語、合計83語に絞って、意味を深く理解すれば、Effective Business English Speakerを目指すのに、十分な素地ができあがる。
まずは、ここに集中しようというのが我々の提案だ。
【感想など】
ワタクシいつも英語本のご紹介の時、引け目を感じつつ紹介しております。
ワタクシ自身が全然英語できませんので。
でも勉強はしたはずなんですよ。
本書でも
高校卒業程度の人で最低でも約850時間、大学受験をした人や英語に注力した人なら1700時間ほど勉強してきたはず
と書かれているように、かなりの時間を費やしたはず。
でもいまだに外人さんと会っても目をそらしてしまう一龍です。
でもいつかは普通の会話ができるくらいにはなりたいと思っております。
そんなワタクシが英語本の書評など、おこがましいのですが素直な感想などを少々。
さて、当ブログでこれまでご紹介してきた英語本とはひと味違った内容です。
いくつか特徴を紹介します。
その① ビジネスパーソンに必要な英語勉強に特化した内容
本書の目的はあくまでビジネスシーンで使える英語の学習。
したがって著者が設定するゴールは
英語で仕事ができる人をゴールにしよう。
これを「Effective Business English Speaker」と定義しています。
その内容は
・非ネイティブとして十分な英語力を持っている。
・自分の仕事が英語で完結できる。
・個人の生活や趣味について深い洞察を持っている。
・最新のビジネスの話題や時事問題にも精通している。
・文章や話の構成がしっかりしており、対人スキルが高い
その②発音重視!
発音が悪いと、どれだけいい話をしていても信憑性が乏しく思えてしまう
確かにそうかも。
これまで当ブログで紹介してきた英語本の多くは発音にあまり重きを置いていませんでした。
それは英語を話す人が必ずしもネイティブではない。
ブロークン英語でもいいからとにかく意味が通じればいい。
というスタンスでした。
しかし、本書は逆。
そりゃそうですよね、ビジネスでは“信用”が第一。
ヘタな発音で、「コイツ大丈夫かな?」と思われるより、「お主できるな!」と思わせたほうが仕事もスムーズに行く場合があるでしょう。
それに、安河内先生が「発音できない単語は聞き取れない」おっしゃってましたよね。
日本人にとっては凄く苦手な発音ですが、ここは注力すべきかと。
その③TOEICの価値
発音を重視する一方、TOEICについてはその価値を認めつつも、かなりケチョンケチョン&バッサリ。
これも本書の面白いところ。
多くの企業がTOEICを昇進や人事考課の指標に取り入れているのですが、考えてみれば仕事ができるかどうかとTOEICで満点取ることは必ずしも一致しないわけで、さらにいうと、英語力を計る指標としてもネイティブが満点を取ることが難しいテストの価値はいかほどのものかという疑問を投げかけておられます。
従って本書では730点取れたら、TOEICから離れて仕事を通して英語を勉強することをオススメしています。
まさしく “技は実戦の中で磨かれる” ですよ。
さて、前半はこういった内容がメインですが、後半、特に6章以降はガチの英語勉強ネタ満載。
なかでも英語スクールでの効果的な勉強の仕方は、現在スクールに通っているけど効果が出ないという方にはかなり有益なネタかと思われます。
“レッスン中にノートは取ってはいけない”なんて目からうろこでした。
英語が必要なビジネスパーソンに。