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「内側に向かうな。外に出しぇ」【書評】齊藤正明(著)・腹肉ツヤ子(漫画)『マグロ船で学んだ人生哲学』(講談社BIZ)

 

マグロ船で学んだ人生哲学 -ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集 (講談社BIZ)

マグロ船で学んだ人生哲学 -ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集 (講談社BIZ)

 

 

先日、築地朝食会でお話を聞かせていただき、ワタクシ、即ファンになってしまった齊藤正明さん。
今回はその齊藤さんの新刊を紹介します!

 

【目次】

ボクがマグロ船に乗せられた理由
はじめに
登場人物紹介
1話 転職しようかどうか迷っています
2話 上司が嫌なヤツで困っています
3話 立てた目標は、最後までがんばりたいです!
4話 人生、予定通りにいきません!!     他

マグロ船後のボク
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】
本書は齊藤さんとマグロ船の漁師たちとの一問一答の形式で人生哲学が語られています。
今回はその中から7つの対話を抜き出しました。

Q:転職しようかどうか迷っています

A船長:おいどーらがマグロを捕りに行くとき一番大事なことを知っちょるか?それは決めることど!!
サイコロ振って「丁」なら残れ!「半」なら転職してみよ!
おいどーらも、どこにマグロがいるかなんてわからん。水温調べたり、近くにいる船から情報を集めて、『ここで漁をしよう』と、『えいや』で決めちょる。当たり前じゃが、そこにマグロがいるなんて保障はねーんど。でもの、決めないといつまでも海をウロウロすることになるんど。どうせ、いつまでもウロウロしたって、『ここでならマグロが必ず採れる』なんてわからんど。それであれば、早く『ここで漁をする』と決めて、漁をしたほうがええ。

⇒人生でもっとも恐いのは、どちらにも舵を切れず、迷ってばかりで、チャンスを逃してしまうこと

Q:立てた目標は、最後までがんばりたいです!

A親方:じゃからお前の話はいつもつまらん!!
結果に気を取られすぎるのはもったいねえ。おいどーらはマグロが大量に採れるかどうかは気にせんようにしとる。むしろ目標までの工程で起きること、見ることを楽しんどる。そっちのほうが人生に効いてくるんど。

⇒目標までの道のりを楽しめば、いい結果につながる

Q:人生ってなんですか?

Aコック長:人生?そげなもんパチンコに決まりよろーが!!
やらんと当たらんし、やったからと言って当たるわけじゃねー。
(人生は)パチンコと同じで、スロットを多く回せばいつかは当たるど!!

⇒ヘタな計画よりも、挑戦する数を増やしたほうがいい

Q:どうしたら尊敬されるようになれるんですか?

A船長:尊敬されることを意識するからおかしくなるんど。自分にできねーことがあるほうが、若ぇ子のやることでも、うまくやりよるなら、『うめぇのぉ』って言えるじゃねーか。人はの、『仕事ができるできない』よりも、自分をちゃんと見ててくれる人を尊敬するんじゃなーんか?

⇒できないことが多い人のほうが、いいリーダーになることもある

Q:(描いたマグロの絵の間違いを指摘されて)そんな小さなこと、どうでもいいじゃないですか

A船長:人はの、起きて目が開いちょるからといって、見えるものを正しく見ちょるわけではねぇ。齊藤のように、かなりいい加減に見ちょる。正しく見ちょかんと、目の前にチャンスがあってもそれに気づかず通りすぎるんど。せっかくマグロ船に乗っちょるんじゃから、しっかり見ちょかな損ぞ。

⇒きちんと見ればチャンスが見つかるときもある

Q:どうしたら万能になれますか?

A船長:それは齊藤が、おいどーらが、得意な面だけ見てるからそう思うだけど。何でもできると思われているおいどーらも、できることは、ほとんどねぇ。それに、おいどーらは、齊藤のようにパソコンはできんし、書類もつくれん。自分はスーパーマンだと思いすぎちょるから現実とのギャップに苦しむんど。最初はの、自分は何もできないダメなやつと認めることど。そこから一歩ずつ、磨いていくんど。

⇒自分のできないところは認めて、そこから一歩ずつ、磨いていこう

Q:どうしたらモテますか?

Aモテる漁師:一番早ぇのは、相手の悩みを解決してやれば、頼りになると思われて、好いてくれよるもんど。『いいアドバイス』やらはあんまり関係ねーんど。こっちがしゃべるより、むしろ、相手の話をちゃんと聞いてやるほうが、ずっと大事じゃ。何が悩みで、どんな解決方法が相手に合うんかは、よぉーく話を聞かんとわからん。相手の話を聞かんうちから、えらそうにアドバイスをするのは、マグロをよう捕れん船と同じじゃ。海は広れぇ。その広れぇどこかにマグロが泳いじょる。どこをマグロが通るかの予測は、『仲間の船の情報』や『魚群探知機』やらを頼りにする。何も情報がねぇなかで縄(仕掛け)を流しても、マグロなんて捕れめぇが。

⇒モテる秘訣はアドバイスよりも聞き役にまわること

【感想など】
8月5日の築地朝食会で齊藤さんとお会いすることになり、本書ともう一冊、御著書を読んで行ったのですが、本書の漫画の影響ですっかり“ポッチャリ、色白、虚弱体質”を想像して行ったら全然違った方でした(笑)。

目の前でササっと雨合羽を着こみヘルメットを装着、話もハキハキして分かりやすくて面白い。
本書で描かれる乗船前と乗船中の齊藤さんとは全く別人の印象でした。

齊藤さんのもともとの資質もあったのでしょうが、『この方は体験から学び成長したかたなんだなぁ』と。

本書は若いビジネスパーソンに特に読んで学んでほしい教訓が詰まっています。

その中の一つが、

人生は案外、悪いことが起きても、その後、それが良い出来事に変わる可能性がある。

という点。

仕事の内容でも、環境でも、あるいはプライベートでも、その時は苦しくて不本意で「どうして俺がこんな目に・・・」と思うようなことでも、あとあと意味を持ち、役に立つ経験だったと気づくことが多々あります。

齊藤さんの場合はまさしくこのマグロ船の経験。

仕事とはいえ、これはきついですよ。
ワタクシも船が苦手なので船酔いのつらさはよくわかります。
しかもそれが40日!

でもこの経験があって、後に出版され、講演もされるようになるのですから人生って不思議ですよね。

今、本当に辛いビジネスパーソンよ、きっと将来「あの経験があったから今の俺があるんだ」と笑える日が来るから。

信じて頑張れ!

そしてもう一つ。

「自分はなんて不幸なんだ」と思っているビジネスパーソンへ。
一度、マグロ船員の考え方へパラダイムシフトしてみてはいかが?

本書を読んでいて思うのは、過酷な環境で働く漁師たちの楽しそうな雰囲気。
それに対して、日本のビジネスパーソンって電車なんかで見るとなんかドヨーンと疲れてますよね。

その点に関して齊藤さんは

 漁師は不便だけど幸せで、多くの日本人サラリーマンは便利だけど不幸だと感じている両者の違い。それは何かと聞かれれば、僕は「考え方が正反対だから」と答えます。
 大半の日本人は、便利すぎる社会に慣れすぎたため、少しでも嫌なことが起きると、「自分はなんて不幸なんだ」と、思い込んでしまうようにできているのです。
 一方漁師たちは、不便なのが当たり前の日常を過ごしているため、「どうしたら毎日楽しく暮らせるのか?」という工夫を、日々ゲーム感覚で考えているのです。

とおっしゃってます。

「不便が当たり前」、そして「いかに楽しく暮らすか」
そう考え方のベースをパラダイムシフトすれば、仕事の理不尽な要求も、プライベートのうまくいかないことも、少し違って見えるのではないかと。

過酷な環境で働くマグロ船漁師たちの人生哲学。
圧倒的に便利で快適な地上で生活する私たちに実行できないはずはないメソッド満載です。
今辛いあなた、本書を読んで笑い飛ばしましょう!

 

マグロ船で学んだ人生哲学 -ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集 (講談社BIZ)

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【関連書籍】

 

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)

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  • 作者:齊藤 正明
  • 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
  • 発売日: 2009/02/21
  • メディア: 新書
 

 

 

2 COMMENTS

マグロ船 齊藤正明

先日の築地朝食会では大変お世話になりました!
とってもていねいに接していただき、本当に
うれしかったです。
見た目、たしかにマンガと全然違いますよね。
マンガ家さんが、そのほうが書きやすかったそうで・・・。
本の内容をわかりやすく、キモの部分を紹介して
くださり、ありがとうございました!
非常にお時間をかけて紹介していただいたこと、
心より感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いします。

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一龍

齊藤様
築地朝食会ではありがとうございました。
親方はじめ漁師の皆さんの、実際の経験や環境から得た人生哲学は大変勉強になりました。
またお会いできることを楽しみにしております。
こんどは大阪でもセミナーよろしくお願いします。

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