今日ご紹介するのは
お嬢様2人を東大に現役合格させたお母様、江藤真規さんの初出版作です。
 タイトルからして何やら“教育ママゴン”的な匂いがして、ちょっと身構えてしまいますが、
 読んでみたら内容が素晴らしい!
 この本の主題である、子育てや子供の教育に関して勉強になるのは言うまでもありませんが、
 この本はマネジメントやコーチング本、そして大人にとっての勉強本としても非常に優れたものになっています。
ハッキリ言ってビジネス本ですよ。
しかも、この本が世に出るきっかけを作ったのが勝間和代さんだったとか。
内容てんこ盛りの教育本、はたして「娘二人を東大現役合格」させた勉強ができる子の育て方とは
【目次】
第1章 勉強好きで何が悪い! 楽しく学べば必ず伸びる
◎勉強の楽しさは親が伝える
◎「勉強好き」も一つの個性
◎受験勉強は人生の糧になる 他
第2章 教育ママで何が悪い! 娘二人を東大に入れた私の子育て
◎職業:教育ママ
◎ミッション:子育て
◎ゴール:子供の自立 他
第3章 できる子の親 7つの子育てポリシー
◎ポジティブにドンと構える
◎制限をかけない
◎あえて負荷をかける 他
第4章 年齢別 子供が伸びる5つの関わり方
◎年齢によって親の「関わり度」を変える
◎幼少期:何でも一緒に(関わり度100%)
◎小学生時代:誘導する(関わり度80%) 他
第5章 東大合格を実現した我が家の勉強法
◎幼少期:刺激を与える五つの遊び
◎小学生時代①:いい生活習慣をつくる三つの工夫
◎小学生時代②:勉強を習慣にする七つの秘訣 他
 【ポイント&レバレッジメモ】
 ◇子育てで大事にした六つのこと
  ・無理とは思わなかった
  ・コミュニケーションを大事にした
  ・環境を大事にした
  ・情報をたくさん集めた
  ・親ばかだった
  ・人任せにしないこと
◇「勉強」は本来楽しいもの ⇒ 勉強に対してつけてしまった「つまらない」という思い違いや「やらされている感」を取り払う
◇「勉強好き」で何が悪い?「勉強が好き」と声に出して言うところから、「勉強好き」な子供は育っていくのでしょう。
◇受験を通して子供が身につけたもの ⇒ 「頑張る力」と「時間の効率化」
◇中学受験をさせる場合、まずは親が「自分の目標」をはっきりさせる ⇒ 何のために受験させるのか、子供へのメリットは何か、ゴールは何か、子供をどのように育てたいのか
◇中学受験では、勉強をする主役はもちろん子供です。でも見えない主導権を握っているのは、子供の幸せを心から願う親なのです。
◇子供の興味が上向きになったときこそが、子供が伸びるチャンス ⇒ 子供の興味に乗っかってしまえば、子供は面白いほど自分で動き出す
◇ベストバランスを探る ⇒ 子供の能力を引き出したいなら放っておいていいはずはない。ある意味、やらせなくてはいけない。しかしそれが過剰になってもいけない。
 ◇できる子の親 7つの子育てポリシー
  ①子供の勉強(機会を与えることに関して)に熱心である
  ②制限をかけない
  ③あえて負荷をかける → 頑張ることができる体質を身につける
  ④刺激を与える
  ⑤競争相手を作る
  ⑥自信を持たせる
  ⑦愛情はかけても期待はかけない
◇「自立した人間を育てる定義」・・・私たち親には、子供が大人になった時に自分の力で生きていけるような力を備えさせ、自分で考え判断できる能力を身につけさせるべく育てていくことが課せられているのでしょう。
◇大人になっても重要な学ぶ姿勢、好奇心、知識、考える習慣、頑張る力は勉強をする過程で備わっていく。
 ◇年齢別 子供が伸びる関わり方
  ①幼少期:何でも一緒に・・・関わり度100%
  ②小学生時代:誘導する・・・関わり度80%
  ③中学生時代:待つ・・・関わり度50%
  ④高校時代:足を引っ張らない・・・関わり度30%
 【感想など】
 いや~、参りました。
 内容濃過ぎです。
 特に、
 本書のキモである第3章の「7つの子育てポリシー」と、第4章の「年齢別 子供が伸びる5つの関わり方」は項目だけあげておくにとどめました。
なんせ、ここは内容が濃過ぎて、抜き書きしだしたらきりがないので。
ただ、ワタクシも子をもつ親として、特に耳が痛かった部分を少しだけ紹介すると
例えば、
親は、自分と子供をオーバーラップさせて考える癖がある。自分の子供だから自分と同じ生き方をする、と心のどこかで決めつけている。子供の能力も自分と同じようなものだと思っている。
確かにそう思ってる部分ありますね。
 子供は親と全く別の“個体”なのに、いつの間にか子供の可能性に親が制限をかけている。
普段、成功哲学好きのワタクシは自分に制限をかけたり、マイナスイメージをもつことを避けているのに、子供には「お前には無理!」とか「まだ早い!」とか言ってしまってます。
反省。
それから
「自信を持たせる三つの方法」の部分では
「~しなさい」「~するのが常識!」
結果を急いで指示命令型の言葉ばかりかけていると、子供は自分で考えることができないばかりか、自信までなくしてしまいます。
「あなたは、どう思うの?」
投げかける言葉にこの一言を入れて、まずは子供の意見を聞いてみる。
 これは耳が痛い!かなり痛い!
 結構体育会系のノリで子供に接してしまうワタクシは
 「はよ~せんかい!」「~するんがあたりまえやろ!」とオラオラ系で命令してしまいますが、これが自分で考える機会を奪っている上に自信喪失のもとになっているとは・・・
さらに反省。
さて、冒頭部分で書いたように、本書の第3章と第4章を読んでいて、この本は「育児書」であると同時に「マネジメント」本であり「コーチング」本としても優れていると気がつきました。
例えばこんなエピソードが出てきます。
 アメリカで娘の友達のお母さん、クリスに職業を聞かれたとき
 「I’m just a housewife!」(私はただの主婦よ)と答えたところ、
「なんで、ただの主婦なんて言うのよ。『ただの』ってどういう意味?主婦の仕事ってとても大変なのよ。そもそも家庭に主婦がいなければ、子供だって育たないし、一家はバラバラになってしまう。私たち主婦は一家の健康を考え、みんなをまとめ、子供をしっかり育てている。こんなに大事な仕事をしているのに、なぜマキはその仕事に誇りを持たないの?私だったら『just』なんて絶対につけないわ。私はいつもこう答えるの。I’m a general manager!」
確かにそうですよね、「家庭」という組織をまとめ、家族それぞれの能力を発揮できるよう環境を整える。そして目標に誘導していく。
まさしくゼネラルマネージャーですよ。
そしてこの家庭での経験は
「家庭で子供を育ててきた経験は、会社という組織の中で、人を育てることに使えるに違いない」
という著者の言葉につながっていくのですが、ワタクシもそう思います。
 ある意味、会社で他人を動かすことより家族の方が扱いにくい部分はあるでしょう。
 だって会社だったら、最終的に頑張りは給料に結びつきますから、社員もそれなりに動きますからね。
 ところが家族となるとただ命令しておけばいいわけではない。
 心のどこかに“親子”という甘えがあるし、思春期や反抗期だってある。
 長年にわたって目標を設定し子供たちをそれに向かわせることは並大抵のことではありませんよ。
 さて、最後に、本書 第5章 東大合格を実現した我が家の勉強法 も必読です。
 もちろん、ガチの受験生や子育て中の親御さんにこそ読んでいただきたい内容なのですが、
 資格試験など、少ない時間で効果的に勉強しなければならないビジネスパーソンも大いに参考になる内容がギッシリ。
 プロテインスープなどの食事面や、娘さんの勉強方法など、これは見逃せませんよ。
 子育て中の親御さん、受験生はもちろん。
 部下をいかにまとめるか悩んでいる中間管理職の方々、そして勉強しなければならないビジネスパーソン。幅広い方々に読んでいただきたい一冊。
追伸:父親のワタクシとしては、お父さんがどのように子育て(あるいは子供の受験勉強に)に参加していたかを知りたかったのですが・・・ その点だけが残念。
 【本から学んだことを実践しよう】
 腹筋しながら暗記する
 「ちょっと変わったオリジナル勉強法」に出てくるのですが、
血圧が上がると集中できるそうですし、運動不足も解消できます。
という説明。
 夏に向けて腹筋しながら英単語覚えてみようかな。
 【管理人の独り言】
 年度初めの忙しさに、もうギブアップ状態です。
 唯一のすきま時間である家に帰ってから寝るまでの間を、本を読むよりブログ記事作成に使っているため、かれこれ2週間ほど全く本が読めません。
何とか今週中に年初の仕事を片付けて、また一日一冊ペースで本が読める状態にしたいと奮闘中です。
ん~、まだ出口が見えてこない・・・
頑張れ自分!
そんな中、勝間さんがまた新刊を出されるようです。
勝間さんの専門分野ですね。楽しみです。

