今日ご紹介するのは、昨日に引き続きアルファーブロガー小飼弾氏の新刊
前作の
から引き続き、山路達也氏とのコンビですが、
今回はいうならば、小飼弾氏による“人生相談”
そして質問を小気味よくバッサバッサと斬っていく。
そんな感じで楽しみながら読み進めることができました。
はたして、アルファーブロガーにしてプログラマーの小飼氏は、数々の質問にどんな“決弾”を下すのか・・・。
意外な答え、感動する答えも多々ありますよ。
【目次】
INTRODUCTION
00 決弾 Determination
選択肢が過剰な時代
決断とは捨てること
良い決断をするには心のゆとりが必要 他
01 男女 Affection
異性にモテない
配偶者に不満
親の干渉が激しい 他
02 親交 Communication
友だちができない
人間関係に悩む
知り合いと距離をおきたい 他
03 楽習 Education
勉強しないといけないのに、ついついゲームをやってしまう
大学に進学すべきか
子供が勉強しない 他
04 仕事 Occupation
就職と音楽のどちらを選ぶ?
正社員になりたい
ベンチャーと上場企業 他
05 育児 Cultivation
いじめ対策
学生だが、出産すべきか
子供を持つべきか 他
06 人生 From conception to termination
親の期待が重い
やりたいことが分からない
自分探しが止まらない 他
ADDITION 対弾 v.s勝間和代.
「知的生産のサバイバル術」
CONCLUSION
書棚 Information
【ポイント&レバレッジメモ】
◇すでにうまくいったパターンがたくさんあるほど、上手に選択できる可能性は高まります。自分の中に、こうしたパターンを作りあげる方法は、試行錯誤だけです。そして、試行錯誤は暇がないとできません。
◇選択肢が多すぎるときは、経験上うまくいったパターンを基に、選択肢を減らす。逆に選択肢が少なすぎる場合は、視点を変えて、選択肢を無理やりにでも増やす。これが、決断する際の基本戦略
◇決断する瞬間の「高揚感」が最大限になる選択肢こそが、自分にとっての最適解である。
◇人生経験は、一瞬一瞬の静止画ではなく動画、言い換えると積分です。経験を積むほどに、面積は増えていきます。
◇「私がこの人を男にしてあげる」「私がこの人をもっと美人にしてやる」くらいの気概があったほうが、後で笑うことになります。本当にすごいのは、金持ちや美人の配偶者を見つける人ではなく、配偶者を金持ちや美人にする人です。
◇発言してそれを他人が聞かない限り、あなたの意見はこの世に存在しない。心の中で思っているだけなら、それは単なる妄想。
◇およそその道のトップで、嫌々その位置にたどり着いた人などいません。身に付けるべきは、勉強力ではなく楽習力です。
◇日本語をよりよく使うためにこそ、英語を学ぶべき ⇒ 「文明の器」になるのは普遍語ですが、普遍後は「文化の器」になりにくい
◇英語の原書を読めるようになりたかったら
①お気に入りの翻訳本を見つける(ビジネス書より物語が望ましい)。
②ストーリーがそらで言えるぐらいまで読み込む。
③原書を読み始める。
◇3つくらいは打ち込むべきものを持ち、時々「転作」すればいい
◇何の答も用意しないでアドバイスを求めるというのは、その人が手間暇かけて培った知恵と経験をタダでよこせと言っているのと同じこと
◇小飼弾氏の考える仕事の法則(抜粋)
・「仕事ができる人」とは、他者が器用か要領が良いか才能があるか気にかけている暇があったら仕事をする者のことである。
・自分の適性や才能は、仕事をやりとげるごとに上がっていく。
・「石の上にも三年」ということわざは社会では通用しない。3年どころか3秒も待てないのが顧客というものである。3年かかる仕事をどうやってみせるか、それが腕の見せ所。
・「見ている人は見ている」の人とは、顧客のことである。一流はそれを知っている。二流はそれを上司と勘違いする。三流はそもそも見られていることに気がつかない。
◇うまく仕事をこなしている人の成功サイクル
①生産性を向上する→②向上した生産性を、暇にまわす→③暇な時に、チャンスが巡ってくる→そのチャンスをものにする→⑤①にもどる
◇親になると「絶対的自由」、すなわち「自分の手に届く物事の範囲」は大きくなる
◇おもちゃとは、子供のためでなく、大人がラクをするためにある
◇「大人になる」ということは、「自らが自らの権威となる」こと
◇自分で自分を探すのではなく、人に探してもらえるようになれば、フリーターでも恐くはありません。
◇人間の成長を測る基準は、その人がこなしてきたイベントの数 ⇒ 「イベント密度」が高い都会に住む
◇命の重さは、人種でも財産でも社会的地位でもなく、ただ余命の長さによって決まります。
【感想など】
本書は“小飼弾氏による人生相談”的な内容の本ですので、今回の【ポイント&レバレッジメモ】はまとめというより、気になったフレーズの抜粋となりました。
当ブログの読者さんなら、小飼弾氏の経歴をご存じの方も多いのではないかと思いますのでそれについては触れませんが、
かなり特殊な経歴の持ち主。(どちらかというとアウトロー?といってもいいのかな)
それだけに質問に対する回答は「エエーッ」という答えが多いのかと思いきや、
意外や意外、地に足のついた現実的な答えが多くありました。しかも、深い。
平平凡凡とした人生を生きた方より、良くも悪くも現実をしっかり見てきた、ということなのでしょう。
例えば
A:どうしたら異性にもてるようになるのか?
という質問に対する答えの中に
モテない人はその代わりに「自分の時間」や「孤独」を得ている
というフレーズが出てきます。
こういうフレーズが言えるのは人生のある時期
孤独の中で「深く自分と向き合う時間」を持ち、「孤独を楽しめる感性」を培ってきた人だとワタクシは思います。
また、意外ついでに言うと
本書で一番グッときた章は、小飼氏の本だけに「楽習」とか「仕事」のパートかと思うでしょ
いえいえ、実は「育児」のパートでした。
特に
「学校の先生が言うことと、弾(娘にはこう呼ばせています)の言うことが違ったら、弾の言うことが100%正しい。例外はない」
と娘さんに言い聞かせているところ。
その理由が、
僕はその間違いに対して責任を負えますが、先生は負えないから
これにはガーンとやられた感じでした。
そうなんですよね、子供の人生に責任を負うのは学校の先生ではなく親なのです。
ですが、ワタクシそこまで責任について普段考えていないですよ。
それに「お父さんの言うことの方が正しい!」と言いきる自信もありませんし。
ただ、父親というのは子供にとってなかなか越えられない壁であり続けたいとは思いますが。
小飼弾氏による人生相談、人生指南の書。
男女間の問題から勉強、仕事、育児そして生き方まで。幅広く“決弾”を知ることができる一冊。
小飼氏いわく、「決断は、買えない」。しかし『決弾』は買ってしかも学ぶべき内容充実。
オススメの一冊です。
なお、本書巻末に特別付録として小飼弾氏と勝間和代氏の“対弾”が掲載されています。
タイトルは「知的生産のサバイバル術」
これがかなり秀逸な内容で、特に対談後半の読書論は読書好きなら必読の内容。
なんせ、日本を代表する多読家のお二人の読書談義ですから得るところ多いですよ。
【関連書籍】