元祖A6ノートの奥野さんが教える新書に的を絞った独学術。
でも、かつての大学生はこういう新書の使い方をしていましたよ。
【目次】
序章 ビジネスパーソンのための新書活用法
「読まなくてはいけない本」は読まなくていい
情報源は少ないほうがいい 他第1章 だから、新書を読みなさい
広く浅く知るための「お試し版になる」
知りたいことは「全部、新書に書いてある」 他第2章 奥野式「新書ザッピング術」のすすめ
ルール1 自分を観察して、紙に課題を書き出す
ルール2 課題を解決するための新書リストをつくる 他第3章 新書を制覇する17の技
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【ポイント&レバレッジメモ】
★「情報源を絞る」
◇情報に触れる時間をこれ以上増やすのではなく、情報をシャットアウトして自分の頭で考える時間を増やしていく。そのために情報源をあえて絞る必要がある。
◇インターネットは、情報を「選ばされる」メディアの典型だ。
◇みんなが読んでいるビジネス書を読んでいるだけでは、ビジネスバーソンの読書としては受動的すぎる。
◇ 「インプットの逆張り」・・・インプットを逆張りすれば、何も特別なことをしなくても日常生活をベースに、レアな情報を手に入れていくことができる。 → 「人の行く裏に道あり花の山」
★「何でもある」・・・新書棚は「ミニ書店」
教養新書から.何でもありの世界へ。新書は、いまや知の総合デパートを超えて、娯楽からタレント本まで、中身を問わない、ただの「パッケージ形態の一つ」になった。昔なら考えられなかったようなダイエットの本もあれば、サブカルチャーの本も大量にある。扱うテーマも書き手もここ数年で一気に膨張している。
★新書にロングセラーが多い
◇最近の本しか読めないのは、読書するうえでは大幅なマイナス
◇本がほかのメディアより優れているのは、過去に強いからだ。
◇ロングセラーを読むメリット
・時のふるいにかけられて残っているため、内容が優れていることが多い
・普遍的、本質的な内容の本が多い
・「ここ最近の本や話題書」という狭い範囲から脱したアクティブな選択ができる
・最近の本と比べて読むことで「新旧」の比較ができ、比較軸が増える
★(新書は)広く浅く知るための「最高のオリエンテーションツール」・・・新書は関心分野の「お試し版」
あらゆるジャンルの第一人者の知識や考え方を、わずか700〜800円程度で聞きかじることができる。しかも、難しい専門書や高級な単行本からの引用も多いから、その一冊を起点に、それらに当たることも可能だ。
◇新書は「入門書にもってこい」・・・よく話題や知識が多い人のことを「引き出しが多い」などというが、あるジャンルの入門書を読むことは、この「引き出し」自体をつくることだろう。
◇仕事のヒントにビジネス書を読むのは、誰もがやることだから、そこから大きな差異を生み出すのは至難の業だ。そんな場合、半歩くらい視点をずらして本を探してみるのがおすすめだ。
★「新書ザッピング術」
①読む本のテーマを決める
②課題を解決するための新書をリストアップ
③三冊まとめて同時に買う
・新書を3冊まとめ買いして、短期間で一気に読んでしまう
④1冊目は「ロングセラーかベストセラー」→ 2冊目は「最近の本」→3冊目は「一番やさしい本」or「変化球の本」
・カブリを避ける(著者、レーベル、著者の属性)
⑤喫茶店で3冊読みきる
⑥目次から著者のメッセージを読み取る
・三冊の「著者プロフィール」を比較する
・目次の構成は、著者と編集者の戦略が描かれた、本の設計図
⑦「はじめに」「まえがき」を精読する
・「はじめに」は本の中で一番おいしい部分
なぜこの本を書こうと思ったのか。
どういう人にこの本を読んでほしいと思っているのか。
この本で伝えたいメッセージをひと言でいうと何か。
この本で展開する話の核心部分は何か。
この本を読むことで、読者にとってどのような効用があるのか。
⑧読む箇所の優先順位をつけ、拾い読みする
・自分に必要なところを探すという「明確な問題意議」を持って拾い読みすること
⑨気になった部分をチェックする
・チェック箇所の相対評価・・・「この本の中で重要な箇所はどこか。上位10個程度を抜き出せ」
⑩3冊の違いに着目する
・三冊の中での重要箇所にマーキング・・・「三冊の中で重要な箇所はどこか。上位10個程度を抜き出せ」
・「三冊の主張で共通すること、違うことは何か」・・・「自分の考えを揺さぶられた部分」であること
⑪「ザッビングメモ」をつくる
・「新書ノート」に三冊から学んだ「独自の研究結果」をまとめてしまう
・感想レベルでいいので何か書いておくと、自分に固有の考えに到達する切り口になる。
【感想など】
本書は読む本を新書に絞った独学方法の本です。
読む対象を新書に絞ったという着眼点と、超アナログ読書術ぶりが奥野さんらしく、しかも懐かしく読ませていただきました。
というのも、ワタクシのようなネットがなかった世代の昔の大学生は、本書に書かれているような学習法を多かれ少なかれみんなやっていたのですよ。
今の学生さんは調べると言えばまずネットでしょうが、
当時は教授が来週までに「○○について調べてレポート提出!」というと調べる方法は文献に当たる以外にありませんでした。
それでまず大学の図書館に行くのですが、めぼしい文献はフットワークの軽い誰かがすでに借りていて本がない。
返却なんて待っていられないから本屋に行くのですが、貧乏学生には専門書は高くて手が出ない。
そこでどうするかというと、大学近辺の古本屋さんをはしごして(当時はいっぱいあったのに、去年同窓会で行ったら一軒しか残ってなかった)テーマに関連ある新書を買いあさってくるわけです。
当時は今のように新書のレーベルは多くなかったのですが、おそらく大学の教授が毎年同じテーマのレポートを学生に課すのでしょう、必ずテーマに関連する本が古本屋に複数並んでいました。
1冊100円から300円ぐらい。
1000円で3~5冊くらい買って帰って、下宿でザーッと読むわけです。
新書は専門分野の入門書的役割があるので、わかりやすく、文章も平易で、だいたい1日あればすべて目をとおせます。
そしたら後は、レポートに使えそうな部分を適当に抜き書きして、並び替えて、ちょこっと自分の考えを書き足してレポートのできあがり。
これって本書の、新書選び → 読み比べ → メモ作り の流れと同じですよね。
もちろん、奥野さんのザッピング術のようにシステマティックなところまで昇華された洗練されたものではなかったですが。
最初に言ったように昔の大学生って先輩に教えられてこういう方法をみんなそれなりに身につけていたものです。
居酒屋で「とりあえずビール」というのと同じで、レポートときたら「とりあえず新書」という条件反射。
で、オッサーンには懐かしいこの勉強法もネット時代の若者には新鮮に映るのであろうと想像しつつ、この方法の有効性を少しだけ考えた場合に思い至るのは、
今ほどインプットの源を新書だけに絞って知識を広めるのに適した時代はないということ。
まず、ワタクシたちの学生時代は、調べるテーマ対象について書かれた新書自体が少なかったので、ネタ本が同じになり、結局どの学生のレポートも似たり寄ったりという結果になっていました。
が、現在のような新書ブーム下においては、著者が言うような「情報の逆張り」やパッシブな情報の選別がより広範囲に可能になっていることは事実。
一部では確かに「新書の軽薄化」と言われても仕方ないレーベルも存在することはワタクシも認めますが(どのレーベルかは言えませんよ)、それでも新書がカバーする分野が広がることは、お小遣いの厳しい学生やビジネスパーソンにはありがたいこと。
「量が質を凌駕する」状態をどう利用するかは読者側の力量の問題ではないかと。
それに昔と変わらず、専門分野の入門書、あるいは教養書としての新書という位置づけを意識した骨太の新書は今でも確実に存在していますし、そういった新書は参考文献もしっかり記載されていてさらに掘り下げて調べるときの羅針盤ともなる。
まさに新書ブームの今にふさわしい勉強方法ではないかと思われます。
まずは新書3冊からはじめてみますか。
【関連書籍】
今回はあとがきから、著者が影響を受けた(助けられた)新書をピックアップ。
なお、本書内にザッピング術の紹介を通してたくさんの新書が紹介されており、それらを追っていくだけでもかなり読書の参考となること間違いなし。
さらに、キャンペーンで著者推薦の「お気に入り新書」リストのプレゼントも行っています。
【管理人の独り言】
猛烈な台風と言われていたので身構えていた台風18号でしたが、朝起きたら拍子抜けするほど静かな状態。
てっきり学校は休みだと思って油断して寝てた子どもたちは、警報が解除されて急いで学校に行く用意開始。
「なんやねん、この台風。根性無し!」
気持ちはわからんではないが、無事に通過してくれたのが何よりなんやぞ!
被害にあわれた方、心からお見舞い申し上げます。
それにしても、Twitterで関東方面の方のつぶやきが面白かった。
特に電車に関するもの。
JRが運休が多かったのですか?
「JRの根性無し」とか「京成を見習え」とか。
田舎者には状況がようわかりませんが、安全第一。
「命こそ幸せ」ですよ。
こんばんは。
台風すごかったです。笑
今日みたいな混雑した電車の中で、ちょうど読みやすいのが新書ですよね!
男性なら、スーツのポケットにジャストサイズ。
しかも多分野で読みやすい。
通勤のお供にぴったりです!
sugiyuzu 様
こんばんは
関東の電車はひどい状態だったみたいですね。
ニュースで見ました。
そのなかでsugiyuzuさんもつぶやいていたんですね。
そうですよね。
新書の大きさって誰が考えたのか、絶妙ですよね。
ポケットにも手にもジャストフィット。
個人的には文庫本サイズはもう廃止してすべて新書サイズにしてほしいくらい。
最近の文庫は値段も高いし。
本好きにとっては今の新書ブームは楽しいですよね。