おはようございます、一龍です。
今日ご紹介するのは文章力・表現力を上げるための出口 汪さんの新刊。
タイトルどおり”日本語練習帳”です。
はじめに
どんな学問でも技術でも、それを学ぶときは真似ることからスタートしますよね。
画家を目指す人が名画の模写をするように、昔も今も小説家やライターなど、文字で表現する人は名文を書き写すことで練習したそうです。
そんな文章の練習のための本が本書です。
本書の紹介をするとともに、名文章を書く写すことの効果なども紹介したいと思います。
ポイント&感想
◆名文を書き写す効果
私が思うに、名文を書き写すことには、次のような効果があります。
・文章力が身につく
・美しい表現の仕方が学べる
・漢字や語彙力が鍛えられる
・文学の面白さが発見できるそして美しい日本語を自分のものにできる。
◆本書の構成・使い方
本書の使い方はいたってシンプル。
各作品の作家の紹介、作品の解説、あらすじ、そして出口先生による観賞のポイントが書かれています。
川端康成の『雪国』だと
島村という鏡を通して描かれる人間も自然もどこか幻想的であり、日本の伝統美を超えて、そこには透明な叙情が一貫して流れています。
とあり、そういう観点を持って観賞するのかとなっとく。
ちなみに、本書でテキストに選ばれている作品は
第1章では物語の世界を堪能するとして、
「雪国」「大人のための残酷童話」「信さん」「一房の葡萄」「ノックの音が」「笑うな」「女生徒」
第2章では古今の名作を味わうとして、
「枕草子」「坊ちゃん」「君死にたまふことなかれ」「初恋」「汚れっちまった悲しみに・・・」「沈黙」「痴人の愛」
がピックアップされています。
さあ、あとは文章を味わいつつ書き写してみるのみ。
見開きで左にテキストの文章、左に原稿用紙風記入欄となっています。
この原稿用紙風記入欄という演出が憎いですね。
せっかくなら、ちょっといかめしい万年筆など用意して書き込めば、文豪の雰囲気を味わえそうです。
文章力・表現力を養うのが目的ですが、大作家さん達になりきって雰囲気を楽しむのもいいかもしれません。
”学ぶ”とは”真似る”ことですから。
本書はDiscover21者様から献本していただきました。
ありがとうございました。
蛇足&おまけ
いまペン習字をしているからか、ふと思ったのですが、こういう名文で練習できるペン習字のテキストってないんですかね。
それだったら、文章力・表現力の練習と同時に字の練習にもなるのに。
目次
はじめに
本書の構成・使い方
第1編 物語の世界を堪能する
第2編 古今の名作を味わう
関連書籍
同著者の既刊本をいくつかご紹介