
おはようございます、一龍です。
人前で話すのが苦手な方、多いと思います。
そんな方のために今日は、『本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方』の、
第4章 もう泣かない! あがらない! 本番で成功するためにやっておくべき12こと
から、日頃から実践できること、プレゼン中に使いたいテクニックをご紹介します。
プレゼン本番で成功するためにやっておくべき6つのポイント
★準備段階では、考え尽くす
本書前半で、
「練習はだいたいにしておこう」と言い、「プレゼンや発表は一般に準備に力を使いすぎず、その場での頑張りをもっと大切にしよう」
と著者は主張していますが、それは
その意図するところは、プレゼンや発表が「会話」であり「やり取り」であるということ、相手や状況に左右されること
から、原稿を一字一句覚えるような練習はしないほうがいいと言っているだけです。
あたりまえですが、できる準備はしておいた方がいいに決まっています。
その一つが「考え尽くす」という準備です。
プレゼンが不得意な人が目指しがちな準備が、本番でもその通りに繰り返すための準備であるのに対して、ここでお話している準備は、どんな質問や反応や状況にも臨機応変に対応するための準備です。
プレゼンや発表の直前には、もう一度、その提案についてのあらゆることを、時間の許す限り考えつくしましょう。
なお、その時のコツとして
「こんなことを突っ込まれないだろうか」といったマイナスの感情から、その対策を考えるという気持ちで臨まない
ことをアドバイスされています。
★「慣れないシチュエーション」に慣れる努力を怠るな
毎日慣れきった状況ばかりで暮らしているのに、初めてのお客様企業にプレゼンに行ったり、ふだんはしない大会議室で発表することになったり、想定外の質問にさらされたりしては、うまく対応できるわけがありません。
耳が痛いですが、これは納得。
「人は、アウエイで磨かれる」のです。ふだんから意識して、アウエイに身を置き、慣れないシチュエーションという状況そのものに慣れておくことで、プレゼンや発表時の思わぬ自体に対応するチカラは、徐々に確実に上がっていきます。
知人のいない集会に参加する、行きつけではない飲み屋に入ってみる、究極は海外旅行でしょうか。
日頃から意識して「慣れない状況トレーニング」を積み重ねることでプレゼン発表の基礎体力を養うことができるのです。
★一方的に見られる関係を逆転させる
プレゼンの発表者が緊張するのはなぜか?
それは、見られる側だから、評価される側だから、観察される側だからです。
この一方的に見られる立場を逆転したらどうなるでしょう。
著者はあるとき、プレゼンを受ける側のお客様企業の方たちの様子を観察してみると、自分が落ち着いていることに気がついたそうです。
そして、
これは、一方的に見られる関係を逆転しているから落ち着くのだな
とわかり、それ以来意識して相手を観察するようになったそうです。
プレゼンを聞いて評価する側の人だって、絶対的な評価者ではありません。あなたがしたプレゼンをどう評価するか、採用するかしないか、どんな点を指摘するか、どんな意見を言うかなどで、彼だって上司やまわりから評価されるのです。
そうやって相手の立場に身をおいてみた途端に、見られて評価される側としての緊張は、意味をなさなくなり、ぐっと落ち着くことができるようになります。
★8割伝わればいい、と開き直る
あれも伝えよう、これも伝えようと100%すべてを伝えようとすればするほど焦って失敗する。
そんな経験ありませんか。
こう言ってしまってはなんですが、そもそも、こちらが思っていることを、100%すべて伝えることなど無理なのです。
100%伝えるのが不可能に近いのと同時に、100%伝える必用もない
このことに留意しましょう。
極端な話、「100%伝えること」と「採用されること」「認められること」は別の問題です。
ここだけは伝わってほしい、ここだけは理解して欲しい、というコアとなるポイントにフォーカスしましょう。その「ここだけポイント」を理解してもらうために、その具体例として細部の説明が必用なのだ。そんなふうに考えると良い方向に向かいます。
★うなずき君を、見つけよう!
プレゼン発表も、話者と聞いている人たちの、会話であり対話だとすれば、「誰か特定の人」と話をしているように語りかけると、自然な感じで話すことができます。
著者は、とても反応のいい人、よくうなずいてくれる人を「うなずき君」と呼んで、このうなずき君に向かって友人のように考え、話をするそうです。
この方法の効果は2つ。
1つは、聞いている人が、語りかけられている感じがするということ。プレゼンにしろ発表にしろ、内容にしっかり付き合ってくれやすくなります。聞きやすく、理解しやすく、共感しやすい素地ができます。
2つ目は、話者が話しやすいこと。漠然と誰かに向かうともなく話すのに比べて、変わります。そして、肯定される(うなずかれる)と、こっちもノッてきます。「自分の話していることには意味がある」と感じられ、自信が湧いてきます。
★素の自分が、いちばんの鎧
著者の言う「素の自分」というのは、武道でいうところの「平常心」の状態のことです。
プレゼンや発表のとき、あまり緊張しすぎるのはいけませんが、かといってリラックスしすぎるのもいけません。
また、自分をよく見せようと「自分をつくる」ことをするのもうまくいかないでしょう。
著者は
今の僕は、素の自分にかなり近いところで人前に立っています。
と言います。
誰かにしゃべらされているわけでもなく、何かの役割を演じようとしているわけでもなく、自分の頭とハートで納得したことだけを話し、どんな突っ込みにも、素の自分で答えています。
もちろん、その場に応じたフォーマルさ、相手に失礼にならない適度な距離感は保ちつつも、自分自身としては素の自分でいる。自分自身でいることは、過度の緊張を招かないいわゆる平常心を与えてくれます。何を聞かれようとも、「普通に」「ありのままに」答えればいいのですから。
結局、素の自分でいることが、一番あなたを守ってくれ、プレゼンや発表を成功に導く究極のメソッドなのです。
『本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方』まとめと感想
本書にはタイトル通り37のプレゼンや発表での話し方のコツが書かれています。
そのうちの6つをご紹介しました。
この他にも人前で話すコツがたくさん紹介されているので是非本書をお読みいただけたらと思います。
どれも特別なものではなく、だれでも意識して実行できるものばかりです。
私自身も人前で話す機会が多いのですが、今は人前でもまったく緊張しません。
もちろん最初は緊張しました。
で、本書を読みながら私自身の経験を振り返って、「なにか緊張しなくなったきっかけはあったかなと」考えていたのですが、特にないんですよね。
ただ、思ったのは、場数を踏んだことと、質問されてもわからないことは「わかりません」と言えるようになったことが大きいかなと。
それぐらいで、本当に「気がついたらいつの間にか緊張しなくなってた」って感じです。
場数を踏むことと、いい意味で開き直ること。
この2つは私からなアドバイスということで。
本書はダイヤモンド社、武井様から献本していただきました。
ありがとうございました。
『本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方』目次
はじめに
序章 口べたガチ男が選んだ職業は「コピーライター」
第1章 話すのが苦手だから完璧を目指さない
第2章 話し上手に生まれ変わる8つの心得
第3章 人前で話すのが怖くなくなる10の技法
第4章 本番で成功するためにやっておくべき12のこと
おわりに
『本番でアタマが真っ白にならないための 人前であがらない37の話し方』関連書籍
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