当ブログでは僕はこの天狼院秘本のファンであること、店主三浦さんを本の目利きとして信頼していることを書いてきました。
箱を開けるといつものように天狼院さんのコーヒーチケットと、なぜかコーヒバッグが一つ。
この謎は本のタイトルでわかりました。
天狼院5代目秘本が御開帳になったので、紹介しましょう。

川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』でした。
著者名を聞いたことがないなと思ったらなんと本作が小説デビュー作とのこと。
しかし、もともと劇団の脚本家兼演出家さんだったというだけあって、とても情景描写や感情表現がうまく、読み始めたらどんどん小説の世界に引き込まれ、気が付いたら一気読みでした。
設定とルールがちょっと複雑ですが、そこは仕方ないところ。
そこを超えるとあとは泣くだけ(笑)。
4本のショートストーリーからなる小説ですが、表紙に「4回泣けます」と予告ホームランなみに堂々と読者に挑戦状を叩きつけているのですよ。
僕は天邪鬼ですからこういう挑戦を受けると「絶対なくもんか!」と構えて読むのですが、残念ながら乾杯でした。
1本目は「いい話だなぁ、上手いなぁ」と思いつつ泣かずにスルーしたものの、2本目はかなりウルウル。
それでも何とか耐えましたが、3本目では完全に泣き、4本目では号泣でした。
『恋人』ものは「好きにしたらええがな」的な感じで流せても、『親子』ものはもうだめです。
というこで、4回は泣かなかったけど2.5回泣いてしまいました。
ネタバレするといけないので内容に触れるのはここまでで。
いゃぁ、それにしてもこの作家さんいいわぁ。
ちなみにこの本、天狼院さんで先行発売されたのですが、また例によって天狼院秘本として発売されるに至る裏話が素敵。
ぜひ、天狼院さんのホームページをお読みください。
なお、この本は上記天狼院さんのホームページから通販で購入していただきたいのですが、一応このエントリーにもAmazonリンクを貼っておきます。
【目次】
プロローグ
第一話 『恋人』結婚を考えていた彼氏と別れた女の話
第二話 『夫婦』記憶が消えていく男と看護師の話
第三話 『姉妹』家出した姉とよく食べる妹の話
第四話 『親子』この喫茶店で働く妊婦の話