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日本の未来を決めるカジノとIR、高城剛流成功のポイント

おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。

昨日党首討論でカジノの話題も出ていましたが、いよいよ日本でもカジノが現実のもとして近づいてきました。
でも、カジノとかIRとかまだまだ日本人はよく知らないですよね。

そこで今回は高城剛氏の 『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ! ?』 から、もし日本がIRやカジノを運営するとしたらこうしたらいいという高城剛流成功のポイントをお送りましす。

日本の未来を決めるカジノとIR、高城剛流成功のポイント

★IRとは?

IRとは、カジノを含む統合型リゾート(Integrated Resort)のこと。

カジノとIR。それは、似て非なるものであり、このふたつにおける成り立ちや目的の違いをはっきりと認識していなければ、日本での成功の目はないだろう。

★最も見習うべきは、「外国人による外国人のためのIR施設」

 シンガポールに見習うべき点は、第一に「外国人による外国人のためのIR施設」を作ったことだ。
 外国資本を導入し、外国人を楽しませ、自国民のカジノ入場は高額な入場料で規制する。国家も国民も労せず、痛まずして、利益の一部を頂戴する方法は取り入れるべき必須ポイントだろう。
 そのかわり、アクセスなどは政府や自治体で完璧にフォローすることも学ぶべき点だ。もし、日本のどこかの地方都市にIRを誘致し、そこまでの地下鉄などのアクセスの建設費用をIR企業に吐き出させようとするなら、その予算を使って、さらに目玉となるIR施設をつくりあげたほうがいい。このあたりの都市経営センスは、最終的に求められることになるだろうし、シンガポールから学ぶべき点でもあるだろう。

★英語力のレベルの低さが雇用におけるハードルになる

 フィリピンが注目すべき国となっているのは、その英語力にある。政府自ら「英語を公用語としている国の中で、英語人口の多さは第3位」と自称しているが、正確な調査データは発見できない。しかし、米国カリフォルニア州ブリスベンにあるGlobal English 社 による調査では、この国は突出していた。これは、クライアント企業のグローバル拠点156カ国における10万8,000人の従業員を対象としたビジネス英語スキルに関する調査結果だが、2012年度版の国別ランキングでは、フィリピンのスコアは7.11と世界第一位だ。ちなみに、日本のスコアは3.40と初級レベルに属し、韓国の5.24に大きく水をあけられ、アジア圏では最低水準にあるという体たらくである。
 日本では、2015年4月から大阪商業大学の大学院が、特別教育研究コースとして「IRマネジメント」コースを設立しているが、「一定の英語能力を有する者(かつ3年以上の社会経験を有する者)」が入学の対象となっている。英語ができなければ入学そのものができないのだ。
 大型IR施設が誕生すれば、雇用の増加は当然期待できるが、外資系のカジノ運営企業であれば、英語力があることは大前提となる。日本が英語教育に力を入れて全体の底上げをしない限りは、バイリンガルやトライリンガルの外国人に雇用を持っていかれる可能性も否めないだろう。

★実は、日本人の20人にひとりが「ギャンブル依存症」。自国民向けカジノはありえない!

 日本にカジノはないが、パチンコという立派なギャンブル産業があるのはご存知の通り。そして、第2章に記した通り、ギャンブル依存症者の数字は、各国よりも図抜けて高い。2014年8月に厚生労働省研究班が出した調査結果によれば、パチンコや競馬をやめられない、いわゆる「病的ギャンブラー」の疑いがある人は全国に536万人いるとの推計が出ている。成人全体では国民の4.8%にあたり、男性は438万人(成人男性の8.7%)、女性は98万人(成人女性の1.8%)。驚くべきことに、およそ20人に1人がギャンブル依存症というわけだ。

 日本で、カジノ合法化がなかなか進まなかった背景には、パチンコ産業の業界団体が「カジノが自分たちの市場を食う」として猛反対したことが大きな一因となっているが、実際は、黒船IRの到来により、自分たちが規制されてしまうことを、なによりも恐れている。いうまでもなく、社会を疲弊させるだけの自国民向けカジノなど、もってのほかであるし、それはパチンコも同じだ。

★空港と交通の整備は必須

 海外からの観光客流入に備えるためには、国際空港の体制そのものを整備することも必須条件となる。シンガポールのチャンギ空港は2016年の世界人気空港ランキングの中でも1位を誇っているが、実は羽田よりも航空機の発着数は少なく、空港を利用する旅客数は世界15位( 2015年世界空港旅客数ランキング)だ。
 一方、日本の羽田空港を比較すると、どちらも世界4位。旅客数はシンガポールを上回っているが、空港の魅力や快適性ではいまだ遅れを取っている状況だ。
 もちろん、サービスは施設の拡充を進め、江戸の町並みを再現した飲食店街や、プラネタリウムが見られるカフェ、トイカーのレースを楽しめるスロットカーサーキットなどアミューズメント的な施設も用意されている。しかし、チャンギ空港に比べ、保安検査場が大混雑する点や、24時間営業の店舗の少なさなどの課題はまだまだある。僕も頻繁に羽田の国際線ターミナルを使うが、長時間いて楽しいとは言い難い。
 成田空港もまた、欧米からの大型旅客機に対応するべく、現在ある滑走路を1,000メートル延伸する計画を進め、さらに第三滑走路を建設する案も有力とみられている。しかし、成田は都心へのアクセスが悪いという問題点を抱えるだけでなく、開港以来、23時から翌朝6時までの時間帯の離着陸は原則禁止という、国際空港にあるまじき規制がかけられている。

★高城剛のIR構想とは

 もし、僕がIRを考えるとしたら、国際アクセスの良い大都市で、ランドマーク的な建築物を立てられる場所を選ぶだろう。
 なにしろ、巨額をかけたはずの2020年東京オリンピックでは、世界の度肝を抜くような21世紀を代表する建造物が建つ様子はまったくない。
 お台場は、羽田からのアクセスはいいが、逆にそれが足かせになる。空港が近いことによる高さ規制が厳しく、世界の誰もが驚くものを建てることができない場所だ。屋上に巨大プールを作ったシンガポールや、ラスベガスの成功している施設を見れば一目瞭然だが、IRにおいては、誰もが圧倒される建造物を作る必要があり、そのための立地を選ばなければ、うまくいかないだろう。
 日本には空港を持つ大都市圏以外にも、ベツレヘムの廃工場とまではいわずとも、バブル方崩壊による過去の負の遺産を多く抱えているエリアも多くあるため、これらを生かすこともできるだろう。ベツレヘムの成功は、地方都市にぴったりのサンプルだ。
 さらに僕なら、世界最高レベルの食とホスピタリティを誇る日本だからこそできる、斬新なレストランをずらりと並べるだろう。
 例えば、「吉兆」によるラーメン店や、世界一の高級鮨ともいわれる「すきやばし次郎」による回転寿司、それに京都の老舗旅館「俵屋」のトンカツや天丼、もしかしたら、世界一のシェフとも名高い「エル・ブリ」のフェラン・アドリアに定食をつくってもらうのもいいだろう。他には絶対ないもの、次々とつくらねばならない。
 また、連日連夜フリーライブを行い、音楽業界に一石を投じるのもいいだろう。真夏には、あらゆる音楽を聞くことができる2ヶ月続くようなフリー音楽フェスを開催するなど、そのアイディアは尽きない。
 さらに、ラスベガスにあるような噴水ショーをはるかに超えるスケールで、5,000台のLEDを搭載した小型ドローンを使ったデジタル花火や、シルク・ド・ソレイユをさらに推し進め、人とロボットが一体化したスペクタクルなサイバネティックス・オペラショーも面白いだろう。これは一過性のオリンピックの開会式のようなイベントでは不可能だが、カジノ返事というエンジンがあれば、実現可能になるだろう。

感想など

2000年に石原都知事が「お台場カジノ構想」を発表したとき、実は香川県を含めた瀬戸内海沿岸の数軒も「瀬戸内カジノ構想」といったものをぶち上げていました。
たしか他にも日本中でこういった構想を挙げていた県があったと思います。

結果はご承知の通り、東京都の断念で立ち消えていきましたが。

その頃のことを思えば、いよいよカジノ解禁が現実のものとして近づいてきた昨今は隔世の感があります。

また、「お台場カジノ構想」をパクったシンガポールの大成功ぶりを見ると、「遅いよ!」と言いたくもなりますね。

本当に先見性がないというか、スピード感も決断力もない。
安倍総理になって海外からの観光客を呼び込むことに力を入れるようになりましたが、すでにカジノがあったなら、さらに効果が上がっただろうに残念に思います。

ただ、日本にとってはこの時期に開業に向けて動き出すのはよかったのかもしれません。

というのも、シンガポールの成功例を今度はそっくりパクることができるからです。

もちろんカジノに関しては色々な問題を内包しています。

どんなに自国民の入場を制限してもギャンブル依存症を生み出すでしょうし(現時点でギャンブル依存症大国ですが)、マネーロンダリングなど裏社会の問題もある。

このあたりはカジノを作る前段階で国がしっかり法規制してもらいたい。
それは日本国民の責任。

で、その後の最大の課題はどんなものを作るかという点。

カジノを開業することが、重要ではない。どこにどのように何を建てるのか?そして、カジノというエンジンを使い、何をするのか?これで勝負の大半は決まることになる。
多分ここが日本人には不得手なんだろうな。
 IRは確かに魅力的だ。しかし、「日本のあのIRだからこそ行く価値がある」と思わせるような魅力がなければ、今後増える隣国の競合を抑え、わざわざ東の果ての島国にまでやって来る意味はない。なにしろ、これから周辺国家でも次々と豪華絢爛な施設ができるのだから。ビジネス・エグゼクティブなど、世界中から質の高い観光客を集めるためには、センスがよく、唯一無二の存在となる提案をする必要がある。
こういう魅力的な施設を作るということでは、もう外資に丸投げしたほうがいいでしょうね。

バブル以来、日本のリゾート施設でお役所が関わったものにろくなものはありません。

IRを作るなら下手に官僚が口出しして中途半端なものだけはしてほしくないです。

本書はオトバンク社さまより献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 なぜシンガポールは短期間で観光収入を3倍に増やせたのか?
第2章 マニラ急成長の秘密と、マカオ衰退の理由
第3章 世界一のカジノ国 フランス
第4章 90年代ラスベガスの成功と、近年のニューヨーク州のラスベガス化戦略
第5章 世界のカジノから日本は何を学び、何を生かすべきなのか?
おわりに

関連書籍

高城剛氏の既刊本。

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