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気が付くと病気が良くなっているポイント【書評】樺沢紫苑(著)『頑張らなければ、病気は治る』あさ出版

おはようございます、一龍です。
精神科医の樺沢紫苑先生は頑張らなければ病気は治る、言い換えると頑張りすぎるから病気が治らないのだといいます。

それは一体どういうことなのか?
また、頑張らずに病気を治すポイントはなにか?

ご紹介したいと思います。

 

「頑張らない」で病気が治るポイント

 

★頑張ることが自分を追い込む

よく、まじめで努力家の人ほど鬱になりやすいといいますね。
周囲の期待にこたえるため、目指す自分に到達するため、コツコツ努力するのですが結果がともなわなかったとき激しく自分を責めることでストレスをためていく。
結果、自分で自分を追い込んで行ってしまう人。

闘病もこのパターンが当てはまるそうです。

著者は精神科医の立場から

 病気を治そうと頑張る。しかし、なかなか治らない。その苦しい現実が大きなストレスとなって患者さんにのしかかります。24時間365日、病気のことが頭から離れない。病気に抗う、病気と闘うことで、ストレスは何倍にも膨れ上がり、それこそが病気が治らない最大の原因となる。

というふうに分析しています。

それでは頑張らなければどうして病気が治るのでしょう。

★「自然治癒力のブレーキ」をはずせば病気は治る

 

 病気を治すためには、自然治癒力を高めることが不可欠です。そのために、病気によって引き起こされる不安や恐怖などの心理的ストレスを取り除こう。これが私が考える病気を治すための基本戦略です。
 病気になった患者さんの抱える心理的ストレスの大部分が「否認」によって起きています。つまり、否認による心理ストレスが、自然治癒力を下げる最大の原因であり、否認は自然治癒力の「ブレーキ」なのです。
 病気を否認し続ける限り、病気治りません。逆に言えば、自然治癒力のブレーキである否認さえ乗り越えれば、一気に病気は治るのです。

人間には本来自然治癒力が備わっています。
どんな病気にでも通用するとはいえないでしょうが、この自然治癒力が働くことで病気の治りが良くなることは間違いないでしょう。

しかし、心理的ストレスが強いとこの自然治癒力が十分に働きません。
その大部分の原因となっているのが、病気を受け入れられないとうい「否認」です。

「私ががんのはずがない」「これは現実ではない」といった病気を認められない状態のことです。
なぜ認められないのか?
それは認めることで「不安」が発生するからです。

「否認」から「受容」に切り替えるには、病気を認めることで発生する「不安」を「安心」に帰る必要があります。

その方法を本書から2つ紹介しましょう。

★①医者との信頼関係を構築する

医者を信頼できなければ不安は解消しません。

そのためには

 必用なのは時間です。言い換えれば、何回も会うということです。
 初対面の人間に「自分の命を預けよう」と思えますか?医者に限らず、そこまで信頼できる人間など、一生に何人も出会えるものではありません。
 たった1回の診察で、「この先生は素晴らしい!この先生の言うことはすべて実行しよう。この先生についていこう!」と思うことは、あり得ない話なのです。
 ある程度の信頼関係を構築するのに、最低「3回」会うことが必用です。

医者に何度も会うことだそうです。
最低でも3回。

最近では病院や個人でネット上に情報発信している先生も多いですし、中には本書の著者のように本を出版している先生もおいでるので、読んでみてるのもいいかと思います。

とにかく先生のことを知る努力も必用ということです。

★②「否認」への最良の対処法は「待つ」こと

 

 否認を乗り越えるために重要なのは、焦らないで「待つ」ことです。<中略>
 「少し待ってみよう」と声に出してみるだけで、ジャークの暴走に歯止めをかけることができます。<中略>
 医者はよく「様子を見ましょう」という言葉を使います。否認の状態にある患者さんは、こう言われるとガッカリします。<中略>
 「様子を見ましょう」は「重症ではありません。薬を使わなくても自然に治ると予想されますので、経過を観察します」という意味です。決してガッカリするような言葉ではないのです。
 「様子を見ましょう」を素直に受け入れられないとしたら、それはまだ「否認」の状態にあります。「今すぐ何かをしてくれないと気が済まない」という「焦り」もまた否認の症状ですから。

「様子を見ましょう」と言われてがっかりした経験は私もあります。
「せめて結論(?)だけでも出してくれ」みたいな。

こういう人って、とにかく早い、目に見える成果を求めているんですよね。

「早く治さないといけない」という焦りが「否認」を生み出す原因となります。

これは私の経験からですが、病気になった時点で、「この病気と付き合っていくんだ、焦ることはない」と割りきってしまえれば、徐々に「受容」できるようになっていくんじゃないでしょうか。

とにかく焦りは禁物です。

さて最後に、「否認」から「受容」に切り替わるとどんな変化が起こるのでしょう。

★「受け入れる」と起きる4つの変化

 

1精神的に楽になる
2治療への意欲がアップする
3気づき・自己洞察力がアップする
4「病気がよくなっている」ことに急に気づく

この順番で変化が起きます。
これも私自身が経験したのでそのとおりだと思います。

私の場合は特に病気を受け入れた瞬間、とっても精神的に楽になったのを今でもはっきり覚えています。
それがもう大げさではなく「悟り」を開いたような感覚でした。

それまで「なんで俺がこんな病気にならなあかんのや」と落ち込み、「手術で後遺症がのこったらどうしよう」とあれこれ考えていましたが、手術の前夜、「どんな結果になっても、すべてを受け入れる」と決心した瞬間、体が軽くなり力が湧いてきました。

くよくよ悩むのはよくわかりますが、悩んだところで仕方ないし、認めたくなくても病気は現実に自分の体に存在します。

「すべてを受け入れる」

これが病気への最良のアプローチだと思います。

最後に

私も大病した経験を思い出しながら本書を読みました。

入院生活で思ったことの一つに、「患者には患者がなすべき努力がある」ということでした。

その努力とは何かというと「医者の言うことを素直にきく」ということ。

回復するのは患者の努めですから「もっと食べなさい」と言われたら嫌でも食べる。
「リハビリのために歩きなさい」と言われれば徹底的に歩く。

「手術も治療も任した、回復するためのメニューは俺に任せてくれ」といった感じで病気と向き合っていたなぁと。

「受容」も患者の努めの一つだと思います。
「否認」するのではなく、しっかり正しい方向で患者の勤めを努力していけばきっと病気はいい方向に進むと思います。

本書はあさ出版編集者の吉田様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 頑張らなければ病気は治る5つの理由
第2章 「不安」を取り除けば病気は治る
第3章 病気が治らない2つのパターン
第4章 「受け入れる」だけで病気は治る
第5章 「なかなか治らない」を楽に乗り切る方法
第6章 家族が頑張りすぎると病気は治らない
第7章 「感謝」で病気は治る!
あとがき

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