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水野俊哉『新「ビジネス書」のトリセツ』サンクチュアリ出版【本の紹介】年間1000冊を読む水野俊哉流ビジネス書の読み方のポイント

おはようございます、一龍です。

『「ビジネス書」のトリセツ』というと、当ブログを活字媒体で初めて紹介していただいた、私にとって思い入れの深い一冊でもあります。

そして今回、6年ぶりに大幅改定されて『新「ビジネス書」のトリセツ』として帰ってきました。

ビジネス書を読むにも、出版するにも非常に参考になる本書。

今日は本書の内容から水野氏の読書法を紹介したいと思います。

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『新「ビジネス書」のトリセツ』より、水野俊哉流本の購入、読書、整理、アウトプットのポイント

★差がつく本の買い方 mece検索

かつて、著者は「成功本」や「恋愛本」など、テーマを決めてそのテーマの本を徹底的に読み漁り、主要本を書評とともに紹介するというスタイルの本を数多く出版されていました。

そのころ年間1000冊は読んでいたとのこと。

一体どうすればそれほどの数の本を読み、アウトプットできるのか?
本好きとしては興味あるところです。

まずは読書法の前に、どうやって大量の本をピックアップしているのか、探し方と買い方から紹介しましょう。

著者はワンテーマを決めて書評するスタイルだったので、決めたテーマに関する本を「もれなくダブりなく」ピックアップしなければなりません。

祖も方法とは

「mece」とは「もれなくダブりなく」を意味するフレームワークである。
 探しているジャンルの本を「mece」するためには、僕はパソコン上に「検索リスト」を作るようにしている。
 まず勉強本であれば、近所の書店で「勉強本」の棚を見れば話題の著者の本や新刊はわかるはずだ。そこでそれらの本の著者や書名を手帳にメモし、帰宅してAmazonで検索をかけるのである。

このとき2種類の検索方法を使ってリスト化していきます。

 ここでは「垂直検索」と「横断検索」を使い勉強本を文字通り、網羅したmeceなリストを作っていく。

まずは「垂直検索」について、勉強本を例にすると

たとえば勉強本でいうと、Amazonの検索窓で「勉強」を検索すると、最新の売れ筋が出てくる。

ここで出てくるのは書店では最新刊で平積みされている本に当たります。

これを「並べかえ」のメニューで「売れている順」にするだけでリストが変わるので、「漏れていた本」をリストに加える。

この作業でベストセラーだけでなくロングセラー本もリストアップされます。
そして、

さらに、野口悠紀雄氏、池谷裕二氏、和田秀樹氏、伊藤真氏といった著者名で「指名検索」。
こうして著者別にしても垂直検索をし、リストに加えていく。

次に「横断検索」

Amazonならではの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」をネットサーフィンのように渡り歩いていくのである。

するとまた新しい本と出会うので、「垂直検索」と「指名検索」を繰り返していくと「mece」リストが完成に近づいていくわけです。

このAmazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」は、リアル書店で本棚を見て歩くのとおなじ感覚ですが、大型書店がない田舎に住んでいる者にとってはかなり有効で有益なシステムだと僕は感じています。

ちなみに本の注文ですが、著者は完成したリストをまとめて大型書店などにファックスで流し、一括注文するそうです。

その点は普通の読者は羨ましいけど真似できないですね。

★水野流速読法

さて、年間1000冊読破する水野氏は一体どんな読書法歩ををとっているのでしょう。

意外ですが著者自身は速読はしないと言っています。
書評を書くための読書の場合、精読しなければならないため飛ばし読みのような読み方はできないとのこと。

しかし、フォトリーディングの方法と似ている点が多いといいます。

その共通点とは以下の5つ

1本を読む目的を明確にする
2目標を立ててアファメーションする
3本を要素分解して大事な部分(特に目次とまえがき)から読む
4集中して一気に読む
5何度も繰り返し読む

この中から気になった読書方法を以下に3つ紹介します。

★本を要素分解して大事な部分から読む

ビジネス書は小説とは違い一定の構造を持っています。
したがって、
ビジネス書は、なにも頭から順序立てて読む必要はない。むしろ、その本の内容を、構造的に把握するようにした方がいいだろう。
具体的には
 本の構成要素は、Aタイトル、Bまえがき、C目次、D本文、Eあとがき、となる。これらを頭から順番に読むのではなく、A→B→E→C→Dの順番で読んでいくのだ。もっといえば、本文に関しても、見出しや太字だけ先に読んでしまい、その後、通読するというテクニックもある。
 最近は章ごとに、大事なポイントをまとめている本もあるので、そこから先に読んで、補足説明として本文を読むというやり方もある。
特にBのまえがきとEのあとがきを先に読む理由というのは
 何百冊もベストセラーを読み続けて気づいたことは、ベストセラーになるようなビジネス書ほど、タイトルとまえがきに内容が集約されている、ということだ。
このまえがきに内容が集約されているという傾向は最近特に強く出ていると感じます。
これはAmazonの「なか見!検索」機能を意識したものではないかと僕は勘ぐっています。
だいたい「なか見!検索」ではまえがきと目次と第1章の数ページが表示されます。
ここが読者に買ってもらえるかのポイントだと出版社も考えているんじゃないかな。

 

まぁ、それはそれとして、

 本を早く読んで理解するためには、まずは「まえがき」や「目次」をしっかり読み、だいたい、どのようなことが書かれているのか把握してから読んだほうがよい。これは受験用の問題集で答えを見てから問題を説くような効果がある。なにしろほんの要旨がまとめられているのだから、そこから読めば、理解は早い。
というのは納得できますよね。

 

また、

「あとがき」も、その本を書いた動機や執筆で苦労した点など、著者の本音が書かれていることがあるので、ABCDEの順ではなく、A→B→E→C→Dの順で読むことをおすすめしたい。

 

★集中して一気に読むことで、内容が記憶される

本を読む目的が

 僕の場合は本を読む目的は、書評をするためか、本を執筆するための資料としてである。

と、はっきりしている著者。
書評すると判断した場合の読み方は以下のとおりです。 

 前者の場合、約200〜300ページもの本をたったの2〜3ページに要約して解説する作業になるので、この本の中で著者が最も訴えかけたい点はどこかというAPM(Author’s Primary Message 、最も著者が訴えかけたいポイントという意)を常に意識して読んでいるのだ。そのためには前述のように、「まえがき」をよく読み、目次の構成をチエックし、最後に「あとがき」を読み、そこからおもむろに読み始める。そして一気に読破するのがこつである。

内容把握の一番重要なポイントは一気読みだといいます。

なぜ一気に読破するかというと、脳の短期メモリーに一気にポイントだけ焼き付けてしまうからだ。これが1日おきに1時間ずつ読んでいると、読破するまでに5日かかるので、最初の日に読んだ部分のどこが重要なのかなどを忘れてしまうことがあり、そうするともう一度読み直さなければいけないから効率が悪いのだ。

これは僕もまったく同感です。

僕の場合はすきま時間を使って読むので、一気に読了するということは少ないですが、読了するまでに時間がかかるほど、理解度は低下していると感じます。

特に書評する場合は読み始めからブログで記事として書き終わるまではできるだけ短期間のほうがいいと思います。

どうしても読み終わってから時間が経ってブログ記事にする場合は、内容を丁寧に確認しながら書くので結局もう一度読んでいるのと同じ状態になってますね。

私も含めて、一般の読者にとって本を一冊読み切るだけの時間の塊を確保することはなかなか至難の業だと思います。

が、できるだけ短期間に読み切ることが、結局は内容の理解と時間の節約を助けることになるということです。

★感銘をうけた本は3回繰り返し読む

  感銘を受けた本と出会ったならば、そうした本は、できれば3回読んだほうがいい。そうすることで、本の内容はあなたの一生モノの知的財産として活用できるようになる。
 まず1回目は、まえがきとあとがきを読んだら本文を精読する。そこで「これは!」という内容や言葉に出会ったら、付箋を貼っておく。

 そして2回目は付箋を貼ったところを中心に読む。そして3回目には、ブログや読書メモを作りながら、ぱらぱらとページを手繰りながら、通読するのだ。

この流れ、まったく僕の読書の流れと同じですね。

最初の精読が本全体を「俯瞰」してポイントを探しだすもので、次の段階では付箋を貼ったところを中心に読み返してポイントを確認していく。

最終的にはアウトプットで読書完了となります。

★読書の際の情報整理法

読書をするときに、大切なポイントと出会った時、線を引いたり、書き込みをしたりといろいろな情報整理方法がありますが著者は

 大事なページはまるごとコピーをとって、ファイルに整理する

そうです。

 なぜならメモするのも、パソコンに入力するのも面倒臭いし、ほんの整理にも役立つからである。『「法則」のトリセツ』(徳間書店)のような1冊に300冊もの本の内容を凝縮するような本を書く場合、引用箇所をまとめてコピーして、「記憶」「集団心理」「幸福感」などテーマごとにホチキスで止めてしまうのである。

これはなかなかいい方法です。 
なぜなら

普通のビジネス書は1冊ワンテーマである。

ということ。
また、本書でも書かれていますが、1冊の本に含まれる真実は1%ほどしかありません。

 つまり、「僕の✕✕読書術」みたいな本であれば、大事なページは1冊に10ページくらいであろう。

だとすれば

 大事なページが数ページしかなければ、コピーしてファイリングすれば、大幅な省スペースになる

ということです。

大量に本を読むヘビー読書家は参考にされるといいと思います。

僕の場合はこのブログが読書メモですから物理的にメモが増えることはありません。
ただし、ブログを書くのが面倒だということであれば、ポイントが書かれているページを写真に撮り、Evernoteで管理するのもいいと思います。

Evernoteの文字認識機能は結構強力ですから。

★本には線を引かない

これは好みの問題ですが

 ちなみに僕は、本に線は引かない派である。なおかつ、ドッグイヤー(折り目)もつけないし、読み終わった本はジャンルごとに整理して書棚に並べておくのがお気に入りである。

僕も水野派です。
勉強のためのテキストはどんどん書き込みをしますが、ほんの場合は汚すのが嫌で付箋を貼るのみです。

ただし、

 残念ながら、あらゆる読書術の本を読んでも「線を引く派」「本を汚す派」が優勢をしめており、僕のように「本には何も書き込まない派」(付箋を貼ってコピーをとるのみ)は少数派である。

まぁ、あくまで好みの問題ですから、どちらがいいということはないと思います。

★水野俊哉の読書7つ道具

水野氏の読書7つ道具は以下のとおり

1付箋
2ノート+ボールペン
3音楽
4オヤツ
5パソコン
6イス
7コピー&ファックス

いくつか気になったものについて触れておくと

1付箋

 これは本に貼る付箋とメモ用を併用している。本に貼る付箋は、短冊形のものが色違いで5色入っているものだが、先にも書いたように僕は本に一切線などは引かず大事なところには付箋を貼っているため、これはもう必需品であり、外出時も本と付箋はセットでもっていく。ホテルのショップのおしゃれ文房具コーナーで購入する。また、月に30冊以上本を読むため、5色セットをつきに1回は購入するほど大量に消費する。

僕の場合はこの小さい付箋がお気に入りで、これがないと読書できません。

2ノート+ボールペン

 ノートはetrangerdicostaricaのカラー表紙のノートを全色揃え、日記・アイデアノート、下書き用と使い分けている。アイデアメモ用のスケッチブックも同社の物で、方眼紙のようなタイプなので僕の本に登場するマトリックスや図版の下書きは全てこのスケッチブックに描いている。

ペンはuni-ball signoの0.38mmのタイプをこれも全色揃えている。

4オヤツ

 以前はチョコで糖分補給していたが今は筋トレ中なのでプロテインや肉を食べ、ヨーグルト、野菜ジュースで栄養補給する。

僕の場合はラムネ菓子とココアシガレットが最強です。

6イスと机

 机は業務用の大きい物を縦横に組み合わせてこの字型に使用。イスは『「法則」のトリセツ』脱稿時に脚が折れて壊れたので、増刷の印税で、人間工学に基づいた長時間座っても壊れない椅子を購入。

実は読書(アウトプットも)にとってイスが一番大切なんじゃないかと最近思っています。
一定時間集中力を切らさず読書に集中するためにはできるだけストレスの少ないイスに座るというのが一番重要事項なんじゃないかと。

ということで、高くて買えないですがこの椅子がほしいです。

★インプットしたらアウトプットせよ

読書の最後の段階はアウトプットです。

 ショーペンハウエルは、『読書について』で、「読書は、他人にものを考えてもらうことである」と書いている。「本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない」。つまりインプットしただけではだめなのだ。

とショーペンハウエルも言っているように、読んだものを血肉にするには読みっぱなしではだめです。
アウトプットが必要です。

特にビジネス書の場合は

 では、どのように読むかであるが、ビジネス書読みの王道は、本から知識という栄養を入手し、仕事に活かすということになる。

 つまり、ビジネス書を読んで知識という栄養を入手したら、かならず日々の業務に活かし、仕事の筋力を鍛えるのである。あくまで知識を金にする、スキルアップするという目的のための手段としてのビジネス書であり、ビジネス書を読むこと自体が目的ではない。

即行動に移すということです。

ビジネス書の場合は何らかのスキルを本から学ぶわけですから、それは実際に使ってみなければ自分のものになりません。

また、情報や知識を吸収する場合は人に教えることが記憶するのに有効なので、読書会なども有効かと思います。

もちろんブログを書くのもいいと思いますよ。

『新「ビジネス書」のトリセツ』まとめと感想

今回6年ぶりの大幅改定ということで、懐かしく、また、新しい内容に楽しませていただきました。

以前の本に使っていただいた「ビジネス書とは?」という質問への僕の解答が本書でも掲載されていて、すごく懐かしいなぁと思った反面、「ブロガーマトリックス」がなくなっていたりしてちょっとさみしくもあったり。
(旧作には勉子さんの4コマ漫画が各章にあったんだな)

この6年間の変遷に思いを馳せてしまいました。

さて、今回は著者の読書法についてフォーカスしてみました。

水野氏は専業作家としての読書法ですから一般の読書家には真似しがたいところもあると思われます。
そんなにまとまった時間を読書に当てられないですからね。

ただ、効果的な読書のポイントは参考になると思います。

旧作が発表されてからこの6年間でSNSの発展や動画配信など、ネット上の情報発信が充実してきたことは間違いなく、どんな情報でもネット上で手に入れられる状況ができつつあると感じます。

しかし、紙の本一冊分のまとまった情報をしっかり発信できているサイトというのはほとんど見受けられません。

ネット違って有料ではあるけれども、それだけに信頼できるしっかりとした情報を手軽に取得する方法として読書に勝る方法はいまだにないと言っていいと思います。

電子書籍など、本の出版方法や表現方法は若干の変化が見られますが、その量といい質といい、まだまだしばらくは商業出版された本を読むことに勝る情報収集方法は出現しそうにありません。

となると、今後もやはり我々は高いレベルで読書量と質を確保し続ける必要かあるでしょう。

そのために本書を読んでおくことをお薦めします。

というのも、水野氏のビジネス書をパターン分類したり、あるいは構造を分析する能力は他に例を見ないからです。

読書方法を解説するいわゆる読書本は他にもかず多くあります。
しかし、本書のようなビジネス書というジャンルの本そのものを解説したものはちょっとありません。

この著者の発見したビジネス書のパターン分けや構造を理解しているのとしていないのとでは、読書時の理解レベルが大きく変わってくると思います。

また、このパターンを知ることは、いずれビジネス書を執筆したいと思っている人にとっては「設計図」を手にすることになります。

KDPなど、出版のハードルが非常に低くなっている昨今、本書を参考書に電子書籍を出版する人もやがて登場することと思います(もう登場しているかも)。

いずれにしても、本書は現段階でのビジネス書の総合解説書としてナンバーワンだといえるでしょう。

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本書は著者の水野俊哉様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 ビジネス書のフロントライン
第2章 ビジネス書とデートせよ!
第3章 ビジネス書の正しい読み方
第4章 ベストセラーの法則と書き方
第5章 ビジネス書で得た知識をお金に変える方法
第6章 ビジネス書の資料室
おわりに

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