おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は、中谷彰宏さんの新刊をご紹介。
テーマは”伝える”。
さすがは”伝える”プロフェッショナルの中谷氏!と、最初から最後まで関心しっぱなしの1冊です。
【目次】
はじめに
第1章 聞き手の気持ちになってみることで、伝わる。
第2章 「言いかえる」ことで伝わる。
第3章 「伝え方」を意識するだけで、変わる。
第4章 伝わる質問を、しよう。
第5章 人に好かれる、伝え方。
第6章 伝わるから、笑ってもらえる。
第7章 オノマトペで、気持ちを深く伝える。
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★「ここがいい」より「ここが好き」が伝わる。
売るのがうまい人は「私、これ大好きなんです」と言います。
そうすると、「じゃあ、君の好きなもを頼もう」となります。
店長おすすめや会社のおすすめは、何か売らんかなと感じます。
「私、これすごい好きなんです、個人的に」と言うと、「個人的に」という言葉に強く惹かれるので「じゃあ、◯◯ちゃんの好きなそれを頼もう」となります。
これがすすめ方のうまさなのです。⇒ 好き嫌いで、話そう。
★メモを見ながらの告白は、伝わらない。
「私、滑舌悪くて、ついかんじゃうんですよ」と言う人がいます。
滑舌は一切気にしなくていいです。
ただし、肝のキーワードの1文だけ、かんではいけないところがあります。
頑張りすぎる人はそこをかむのです。
愛の告白は、いちばん大切なところです。
プレゼンテーションも愛の告白と同じです。
そこでメモを見ないことです。
文字を伝えようとすると、ついきちんとやろうとしてかんだり、メモを読んだりしてしまいます。
間違えてもいいから、言葉より気持ちが伝わるようにすればいいのです。⇒ メモより、相手を見る。
★「なぜならば」を考えることで、「深堀り力」がつく
「なぜならば」を考えると、人に寛大になります。
人のいいところを見ることができるからです。
キレるのは、解釈が浅くなるからです。
きちんと、深い解釈ができていれば、本当の意味がわかって、キレずにすむのです。⇒ 「なぜならば」を準備しよう。
★オチまでの前振りは、短くする。
オチは、文字にすれば、3行目です。
1行目で、状況がわかる。
2行目で、「おやおや?」という展開になる。
3行目で、「なーんだ」というオチになる。
オチの前には、2行あれば十分なのです。⇒ 前振りを、カットしよう。
★話しはツッコミで伝わる。
話し方で大切なのはツッコミの部分です。
漫才コンビで重要なのはボケよりツッコミです。
ボケのほうが面白いことを言って目立つような気がします。
面白いことを言っただけではウケません。
ツッコんで初めてウケるのです。⇒ ツッコもう。
★「早くしなさい」より、「タッタカ・タッタカ」で伝わる。
「早くしなさい」は、行動に結びつかない、伝わらないことばなのです。
伝わる言葉はオノマトペです。
擬音語・擬態語のことです。
「タッタカ・タッタカ」は、楽しげな言葉です。
話し手も聞き手と一緒に体が動いてしまいます。
「早くしろ」と言う人は、自分はじっとしたまま相手を動かそうとしているのです。⇒ 動きながら、話そう。
【感想など】
いやぁ、これは納得、目からウロコ、そして早速TTPのオンパレード。
いつも中谷さんの本は、優しい口調でしかも深く、でも軽やかに読めてしまうという感じでしたが、さすが月刊中谷彰宏の異名を取る作家さん、”伝える”のプロフェッショナルだけあって、今回のテーマは結構”メソッド”の部分が多かったように思われます。
その分、ネット世界の端くれでちまちま記事を書いているブロガーとしても勉強になりました。
まず、中谷さんがいう、伝える(伝わる)レベル、定義ですが、冒頭部分でこう説明されています。
「伝わる」には3段階があります。
1. 理解される
2. 納得される
3. 行動してもらう
理解され、納得され、行動させて初めて本当に伝わったことになるのです。話し手の最終目標は、聞き手が行動することです。
つまり本書でいう”伝える”とは、伝えた相手に何らかの作用をもたらすレベルを指します(タイトルのとおり)。
何らかの情報やデータを、伝言ゲームのようにただ移動させるといったものではありません。
書評ブログでいうなら、紹介する本の良さを伝えるだけでなく、紹介記事を読んだブログ読者が思わずポチッとしてしまう。
そこまでいかなければ伝えたことにならないわけです。
ということは、売り上げの少ない当ブログは全然伝えられていないということなのか・・・。
さて、本書を読んでの印象ですが、最初に触れたように中谷さんの本にしては珍しくテクニックをたくさん紹介しているなぁと。
これはやはりプロの作家さん、表現者としてのこだわりがネタとして登場しているのだと思いますが、テクニックはあくまでもテクニック。
例えば、
言い切る断定表現は強さを秘めています。
「七人の侍」は強そうだけど、「7、8人の侍」というと弱そうに聞こえます。
こういった表現方法の基本的なテクニックの紹介が本書では多々見られたのですが、その表面だけを見てはいけないと感じました。
先述したように、”行動してもらう”ほどに何かを伝えなければ伝えたことにならないのです。
テクニックはあくまで伝える手段にすぎません。
では何を伝えるのか?
本書を読んでいて一貫して感じたのは”感情”を伝えるということでした。
例えば地震のあと津波がくるというときに、「逃げてください」では誰も逃げません。
「逃げろ」と言えば伝わるし、もっといえば走りながら逃げている人が「逃げろ」と言うと、みんながついて逃げます。
この例は、どちらより”感情”を伝えているかハッキリわかるでしょう。
言葉にしても文章にしても、ボディランゲージも含めて、どういう表現がより”感情”を伝えるかという視点でテクニックを使うことが重要でしょう。
とはいえ、表現を変えるテクニックだけで劇的に伝わる方法もあるとわかったのも、本書を読んでの収穫でした。
それは本書後半に出てくるオノマトペ(擬音語・擬態語)。
「早くしなさい」といわれるよりも、「タッタカ・タッタカ」といわれると体が勝手に動く。
中谷さんはオノマトペは日本語最強の魔法、一種の「呪文」と表現していますが、確かにそうですね。
日本人にとって、このオノマトペは民族言語のようなもの。
あらゆるところにオノマトペは出現します。
中には正直いって意味がよく分からないけど伝わるというものがたくさんありますよね。
たとえば、うどんの麺を表現するのに”シコシコ”ってよく使いますが、ワタクシ未だに”シコシコ”がわかりません(笑)。
けど、何か伝わってくる。
この、”何か伝わってくる”がすごく大事だとおもいます。
よし、これからはオノマトペで書評を書くか。
しかも、読むとポチりたくなるオノマトペつきで。
読むと伝える力がムンムクついて、ビンビン相手に伝えられるようになるメソッドがキュッキュッな1冊。
間髪入れず、クリックポン!
本書はあさ出版編集者の吉田様より献本していただきました。
ありがとうごじました。