おはようございます、我が家ではオチのない話しは禁止にしている一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は、メディアトレーニングのプロ、山口明雄さんの本をご紹介。
自分の思っていることを誤解されずに伝える、返答するというのはかなり難しいもの。
全然思ってもみないとり方をされて、「そんなつもりじゃなかったのに・・・」って経験ありますよね。
なぜ誤解されるのか、誤解されずに伝えるにはどうしたらいいか、目からウロコの1冊です。
【目次】
prologue なぜ、あなたの話しはいいたいことが誤解されて伝わってしまうのか?
第1部 「誤解されない話し方」の技術
第2部 「炎上しない答え方」の技術
あとがき
【ポイント&レバレッジメモ】
★逆ピラミッドとは
逆ピラミッド(インバーテッド・ピラミッド)とは、文字どおり逆さにしたピラミッドです。<中略>頂点は巨大な四角の土台です。大事から細事へと、事柄の重要度順に述べるのが逆ピラミッドです。
逆ピラミッドは、テレビ、新聞とも、報道文体の国際標準となっています。それだけではありません。一部の人たちは、論文、プレゼン、報告書、企画書、Eメール、ブログなどでも、理解しやすく、誤解を招かない文章スタイルとして意識的に活用しています。
逆ピラミッドでは”重要度序順”で話しをします。いちばん大事なことは、報告なら結論、物語なら結末です。次に二番目に大事なことを話します。多くの場合、結末・結論をもたらした理由や原因です。その後で、その次に大事なことを話し、さらにその次に大事なこと・・・というふうに、重要なことから順番に話します。話しの発端や背景は、通常、一番最後にきます。これが逆ピラミッド形式の書き方・話し方です。
役割は、情報共有がない人にも、逆ピラミッドで語るニュースを理解してもらえるようにすることです。なじみのない話しをいきなり結論から聞いても、わけがわからないことはじゅうぶんあり得ます。そこで、二段重ねの逆ピラミッドの上の段、すなわちリードで、記事の結論とともに、話しの背景、発端、展開に相当する情報を簡潔に述べるのです。こうすれば、下段で逆ピラミッドの順番で詳しく話しを進めても、話しの意義が理解できます。
■「誤解されない話し方」のヒント(抜粋)
★質問には本質から答える
話すときは核心、すなわち結論から話す、質問に答える時も開口いちばんに質問の本質にストレートに答える———このことが、耳から話しを理解してもらうために何よりも大切なことです。そして、もちろん誤解を防ぐ最高の手段です。
★「話してもわからない」を前提に話す
(取材記者の脳裏に)「バカの壁」を察知した時の対処法のひとつは、たとえば「ひょっとしてあなた(記者)のお考えとは180度違うかもしれませんが〜」というような前置きをし、自分の考えはどんどん言うけれど、記者が引き出そうとしているコメントには答えないことです。
★話し相手の願望に合わせる
「バカの壁」を逆手に取るのが、話し手の願望に合わせた話し方です。
スピーチやプレゼンではこの手法を、「情動的な話し方」「神経言語プログラムを活用する戦略的話し方」などと呼びます。話し手の理解度にではなく、話し手の願望に合わせるのです。それは相手の心に働きかけるような話し方です。共感、感動、行為、逆に反感、怒り、敵意と言った、感情の部分に焦点を合わせて話すのです。
★できるかぎり比較しない
「相手を褒めたつもりなのに、なぜか起こらせてしまった」と言う話しを、受講者からよく聞きます。どうやら最大の元凶は「さすが」「意外と」「比べて」の三つの言葉のようです。
「さすが」「意外と」をつけると「自分の価値観と比較して」「それまでの評価と比べて」というニュアンスがでます。聞き手が話し手の価値観やそれまでの評価に合意できなければ、褒めたことになりません。
【感想など】
この本、すごく腑に落ちました。
タイトルと目次を見ていただければおわかりと思いますが、本書は大きく前半と後半に内容が別れております。
前半は「誤解されない話し方」を解説。
今回はこの部分だけでピックアップしました。
後半の「炎上しない答え方」は主にネット対応の仕方を解説してくれていて、現在の企業ではこちらも重要となるでしょうが、基本となるテクニックは前半に登場していますので、今回は前半を中心に取り上げました。
さて、話しを戻しますが、なぜこの本の内容が腑に落ちたのか。
当ブログでワタクシが仕事の愚痴的に時々書いているのですが、私のチームには「面倒見てやってくれ」と押し付けられた50代のおじさまがおります。
そのおじさまがめちゃくちゃ話しが分かりにくい。
会議中に一応年長者の顔を立てて意見を求めると、滔々と語りだすのですが何を言いたいのかよくわからない。
でひとしきりしゃべって結局、議題と関係なかったりということも多々あって、「それ関係ない話しやないですか!」とワタクシの容赦ないツッコミを受けてしまうという・・・。
そのおじさまの話し方がまさしく時系列で話す話し方なのです。
この話し方、話しが分かりにくいだけじゃなくて、最終的に無駄な話しだったとしても、最後まで聞かないとわからないという大きな欠点もあります。
こちらは1分1秒でも会議を短く終わらせようと下準備をしてきているのに・・・。
まぁ、おじさまに対する愚痴は置いておいて、誤解されない話し方。
本書で語られているのは「誤解しようがない、違う意味にとりようがない話し方」と言ったほうがいいのでしょうか。
相手にこちらの頭の中に描いている映像をそのまま思い浮かべさせて、勝手な妄想を膨らまさせない、相手の思考を縛る伝え方です。
そう、誤解は曖昧な情報を伝えて、相手に勝手に妄想させる余地を与えるから発生します。
そのためのメソッドが逆ピラミッド式の話し方です。
もうすでに報連相関連のビジネス書では「結論から話す」というのはよく見かけますが、これと同じですよね。
ワタクシも意識して職場ではこの方法で話しています。
確かに伝わりますね。
それに、伝える時間が短くてすむ気がします。
最初に結論をバーンと伝えるので勢いが出るのでしょうか、テンポよく伝えることができ、時系列で話すよりも短い時間ですんでいると思います。
それに逆ピラミッドの最先端部分まで話さず、伝わったなら途中で話しを切り上げてもいい。
なれると非常に便利な話し方だと思います。
ただし、この話し方はプライベートでは副作用がでます。
本書にもビジネスでは逆ピラミッド型、プライベートでは時系列で話しをするように使い分けている人が登場しますが、たとえば妻の話しで
「今日ね、仕事から帰ったらちょうど隣の奥さんが庭でお花植えていて、ちょっと立ち話になったら・・・・<延々続く>・・・・・実家のお父さんが・・・・そこでうちの犬が吠えて・・・・<さらに延々続く>・・・
・・・で、大根もらってん!」
その間、数分かかっているわけですが、結論は「隣の奥さんから大根をもらった」、それだけです。
これをしっかり聞いてあげるのが大切なのですが、逆ピラミッドに慣れるとちょっとイライラしますよね。
家庭ではぜひとも時系列で他愛もない会話を楽しみましょう(これも修行です)。
ということで、どうも自分の伝えることがストレートに伝わらないと言う方、本書参考に逆ピラミッドで話してみませんか。
事例も満載です!
本書はDiscover21社様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
本書内で紹介・引用されている本を紹介。
ソーシャルメディアで炎上?なんて自分には関係ない。会社勤めをする、そんなあなたにこそ読んでいただきたい。同僚と飲みに行くのは会社近くを避ける。そんな慎重な人もツイッターなどソーシャルメディアへの投稿でついうっかり。そして炎上。翌日、会社に謝罪する。そもそも投稿などしないから関係ない。そう思っても誰かがあなたの役職に“なりすまし”孫正義氏を罵倒。そして炎上。翌日、会社が謝罪する。いずれも実話でありそれらを具体的社名で綴ったのがこの事件簿。12年前から炎上現場を追い続けた専門記者による炎上回避のための指南書でもある。
参考記事
ブログやミクシィで、ある人物への非難が燃え上がり、収拾不能になることがある。こうした現象を「炎上」と言う。時に何千もの批判が押し寄せ、個人のプライバシーすら容赦なく暴かれる。有名無名を問わず「炎上」の餌食となるケースが頻発する今、そのメカニズムを明らかにし、そうした集団行動(サイバーカスケード)にはポジティブな側面もあることを指摘する。ウェブという「怪物」の可能性を見据えた、現代の「教養」書。
あの一言が命取り!
1945年の終戦から東日本大震災の2011年まで、日本を騒がせた暴言、迷言、珍言の数々—-。 「皆さんの前で腹を切ります」(島田紳助)/ 「本当にこの地震が起こってよかった」(長田義明)/ 「私はUFOに乗って金星へ行った」(鳩山幸)/ 「別に・・・・・・」(沢尻エリカ)/ 「日本人による売春は中国へのODAみたいなもの」(橋下徹)/ 「紀宮さまは私の妹です」(藤谷美和子)・・・・・・。
戦後日本の「舌禍」事件を一挙収録!
企業は不祥事によってではなく、不祥事への対応のまずさによって危機に陥る。その最たるものが「お詫び会見」での暴言、失言だ。命取りになったトップの呆れた一言をご覧いただきたい。