おはようございます、職場の宴会は逃げるけどプライベートの宴会は大好きな一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は、ちょっと変わったテイストのビジネス書をご紹介。
ハーバード・ビジネス・スクールで学んでいた著者はあるとき気がつきます。
ビジネス・スクールで学んだスキルが役立ち、宴会術が劇的に進化していることを。
はたしてビジネス・スクールと宴会術、いかなる関係があるのでしょうか。
【目次】
はじめに 宴会は、ただの”飲みニケーション”ではない
基礎編
実践編
おわりに 宴会力こそ、日本人の強みである
【ポイント&レバレッジメモ】
★すべての宴会術は、たった一つの原理に帰する
自分の話しを聞いてもらえることは驚くほど気持ちのいいものです。みなの注目を浴び、本音でしゃべり、自分が主役になって話しが進む———。それは、超快感なのです。
そして、この「自分が主役になっている超快感」の浪が押し寄せたとき、人は無防備になり、すべてをさらけ出しはじめます。自分がまとっていた防御服やプライドをすべて脱ぎ捨て、「とことん話すモード」「とことんさらけ出すモード」に突入します。この「心のパンツを脱いだ状態」になったらもう止まりません。<中略>
この「心のパンツを脱いだ状態」に参加者を誘うことこそ、「信頼関係を構築するため」の宴会においてもっとも大切なことになります。
★「場所決め」を間違えると痛い目にあう
場所を決める際には、ずばり、2種類の重要な女性陣をうまく巻き込むと有利に進められます。
まずは「母上」という人種です。「母上」とは、どこの部署にも必ずいる、みんなから信頼を得ている年配の女性。いわゆる「お局様」です。<中略>エリア選びのポイントは、(なにか特殊なテーマがないかぎり)「母上」も含めたご年配の方々が比較的帰りやすい場所を選ぶということです。<中略>「母上」が「決めてくれた」場所であれば、そこはもう「聖地」と化します。<中略>
そして、次の押さえるべき女性は、「姉御」です。「姉御」とは、あなたより数年職歴の長い、「それなりに存在感のある女性」のことです。この「姉御」を見方につけることが、宴会だけではなく、社内で仕事をしやすくするコツです。
★「席順」は事前にシミュレーションしておく
宴会に置ける配置の基本は、偉い人を上座に据えるなどの一般的留意事項とは別によく喋る人とあまり喋らない人を混在させることです。特に次の点が大事です。
・よく喋る人を角の席にする(喋らない人が角だと孤立してしまう可能性大)。
・よく喋る仲のいい人同士は、できれば離してみる。
・あまり喋らない人は、隣に喋りやすい人を配置する。
・女性陣に配慮する(オヤジの相手を重点的にさせない)。
★宴会芸は「単純明快、どっかん、バカだなぁ」の3点で攻める
宴会における芸の使命、それは「アイスブレイク」につきます。<中略>
アイスブレイクの役割を忠実に果たすために、芸に求められる要素は3つあります。
ひとつは、「単純明快であること」。<中略>見た瞬間に、「あっ!」とわかる単純明快さが芸には必要です。
次に重要なことは、とにかく「どっかんと笑わせるもの」を狙うべきです。<中略>
最後は、いい意味で「バカだなぁ」と思ってもらえる、お馬鹿な要素が入っていることです。人は誰しも、「お馬鹿」なものを見たあとは、誰かとその馬鹿さ加減を分ちあいてくなるものです。
★「新人芸」はみんなでつくれ
新人芸のポイントは、宴会芸の3つのポイントである「単純明快」「どっかんと笑う」「お馬鹿だなぁ」に加えて、2つあります。
ひとつはコスプレです。全身タイツでも女装でも何でもいいです。とにかく何かをまとわせるということです。<中略>
もうひとつは、先輩社員の「介添え」です。もともと新人芸には笑いが取りにくいところがあります。それは、皆がその新人を見て笑うことに慣れていないからです。<中略>やはり、普段から馴染んでいる顔があると、聴衆も笑いやすいのです。
★自己紹介で手を抜いてはいけない
宴会での自己紹介のポイントは、2つ。きらりと光る強みを見せること、意図的に隙を見せることです。
1つ目の「きらりと光る強み」とは、「強み」だけでは駄目だということです。<中略>きらりと光らせるためには、強みの本質をとことん考え抜くことです。<中略>
そして、2つ目の「隙を見せる」ということは、笑顔でいることは当然ですが、少しジョークを交えたり、自虐ネタを入れたりすることで、取っつきやすい印象を与えるということです。
★合コンは送りバント。そして絶対に君から誘いなさい
合コンは本来、「送りバント」を狙いにいくべきです。「今日こそ彼氏・彼女をつくろう」ではなく、「今日は、この男子の中の誰かと仲良くなって、また合コンできるようになろう」という気持ちで臨むべきなのです。<中略>
自分から誘う「送りバント」をくり返し、自分から仕掛けることを続けるうちに、あなたは「そこにいてもらわなくては困る存在」になります。そのうち「紹介したい人がいる」と向こうから誘いが舞い込むでしょう。
「自分のいいところを見せよう」ではなく。「人の話しを聞こう」という姿勢があなたのファンを増やします。自分から相手を誘い、自分からイベントを仕掛けていく積極的な姿勢があなたの仲間を増やしていくのです。
【感想など】
まだまだピックアップしたい項目がたくさんあったのですがこのあたりで自主規制。
タイトルから「なんでハーバードと宴会術?」と思われることでしょう。
ワタクシも「えっ?」と思ったのですが、なんでもハーバード・ビジネス・スクールは「パーティー・スクール」といわれるほど、各種イベントやパーティが多いそうです。
そして多くの生徒が宴会の達人なのだとか。
考えてみれば、ハーバード・ビジネス・スクールと言えば、世界でもトップクラスのビジネスパーソンが集まるところ。さまざまな分野で実務経験を積んできただけに、ガリ勉の学生さんとは違うわけです。
それに、宴会・パーティというものは一種のイベント。
世界一線級のビジネスパーソンですから、イベントの企画・立案から準備、本番まで、ハイレベルでこなせるのも当然。
もともとスペックの高い人たちですから、これにビジネススクールでの学びが加われば、それはもうその辺の宴会とは訳が違う数段ハイレベルな宴会となるのは必定でしょう。
と、いうことをベースとして宴会術になぞらえつつ、ビジネスで大切なエッセンスを幹事の仕事から導きだそうとしたのが本書の趣旨なのですが・・・
すいません、ピックアップしたのは純粋に宴会術のほうばっかり(笑)。
ただ、いわれてみれば宴会術って深いなぁと改めて思いました。
いやぁ、幹事って難しいですよね。
やっと忘年会・新年会のシーズンが終わったところですが、もうすぐ花見のシーズン。夏になればビアガーデンで暑気払い。そしてまた年末が・・・
「日本全国酒飲み音頭」じゃないけれど、日本って一年中宴会をやってます。
で、たいてい職場の若者が幹事を仰せつかるわけですが、できればこれは引き受けたくない仕事。
だって、さんざん走り回って、準備して、しかも当日は酔えず、そして必ず文句を言う人がいるという・・・。
それに、職場の飲み会ってあまりにもマンネリで不毛だし(ワタクシの場合は)、ワタクシはできるだけ避けております。
しかし本書を読んで180度考えを改めました。
これほどビジネスに役立つスキルの練習になるものはない。
本書冒頭に宴会術から学べるものとして次の4つが書かれています。
・大きな絵(ビジョン)を描き、それをプランに落とし込み、周りの人を巻き込んで実行していくリーダーシップ。
・宴会や出し物の企画によって磨かれる、ゼロベースから物事を作り出すマーケティング力とイノベーション力。
・老若男女が集うお酒の席という不確定要素が満載の実行フェーズを確実に乗り切るオペレーション力。
・「誠意」をベースとして、どんな人とも胸襟を開いて対話ができるようになるコミュニケーション力。
この4つの項目を読んでみると、幹事って確かにこういう力が必要とされる納得できます。
となると、若いうちにどんどん仰せ付けられる宴会幹事は引き受けるべし!ということでしょう。
まぁ、面倒くさいことも多い幹事業ですが、ワタクシ自身が役立ったとおもうことも書いておきます。
ひとつは、課をまたいでの大きな宴会の時、他の課の代表幹事とパイプができたこと。
なかなか部署が違うと普段会話する機会もありませんが、宴会というひとつのイベントを一緒に作り上げる過程でコミュニケーションが深まり、これが仕事にも生きてくるということがありました。
「点と点を結ぶ」働きが宴会にはあると思います。
また、他の部署の責任者、あるいは決裁権はないけれど重鎮と思われるキーパーソンに顔を覚えてもらう、あるいは近づくことができるというのも、あとあと仕事上で効いてきます。
なんかこんなことを書くと、「計算づくか!」といわれそうですが、意図しなくても結果的にそれまでにはないつながりができるのが宴会です。
そして「点と点を結ぶ」というのは、「結ぶ人」のところに一番ご縁の糸が集まるものです。
できれば若いうちに、幹事をどんどん引き受けて、宴会を通じて職場の”ハブ”的存在を狙ってみてはいかがでしょう。
周りも喜んでもらって、自分もしっかり存在感をアピールできる、そんなメソッドがぎっしり紹介されち得る1冊です!
本書は大和書房編集者の三輪様より献本していただきました。
ありがとうございました。
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同著者の既刊本を紹介。
ハーバードMBAの夏休みにすべてを賭けてジャンクフードの全米選手権に挑戦した情熱の塊のような日本男児。この男、果たして優勝できるか?そもそも優勝して何かいいことあるのか?一途な男が国際社会で勝負を続けるなかで見つけた、日本人の本当の勇気とは。暑い夏がもっと暑くなる、涙と笑いの感動実話。