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相手の得することを見抜け!【書評】佐藤 達郎(著)『NOをYESにする力!』 実業之日本社

おはようございます、プレゼンを受ける側に一度なってみたいと思ってしまう一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、昨日に引き続き佐藤達郎さんの著書をご紹介。
アイデア本とは打って変わって今回は相手にYESと言わせる説明術・プレゼン術といった、いわば説得本でございます。

果たしてどんな説得ワザが飛び出すのか、お楽しみに。

 

【目次】
はじめに
第1章 あなたの話しはなぜNOと言われてしまうのか?
第2章 NOをYESにする「4つの力」!
第3章 NOをYESにする「10のテクニック」!
第4章 YESを引き出すシーン別実践術!
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】

★「あなたにいいことが起こる」に人はグッとくる
 決定権者が本当に知りたいこととはなんでしょう?<中略>

 それは、企画の「意味合い」であり、その商品が「もたらすもの」であり、その提案が「意図するもの」です。

 ・その企画を実行することには、どんな意味があるのか?
 ・その提案にYESと言うと、どんな意味があるのか?
 ・その商品を買うと、そんなステキな時間が過ごせるのか?
 ・そのサービスにお金を払うと、どんないい点があるのか?

 企画・提案・営業の説明とプレゼンは、この「意味合い」と「もたらすもの」に焦点を当てることがポイントです。

★言語化力 目指すは「企画の詩人」!
 

自分は詩人なのだ、と想像してみてください。
 ここで詩人といっているのは、詩人が言葉で人に何かを伝えるのが仕事だからです。
 あなたは「企画の詩人」です。
 企画のいいところ、意味合い、企画で実現されることを、必死にアタマを働かせて言葉にしてみましょう。もちろん、本当の詩人みたいに詩的な言葉である必要はありません。

★目的や効果を細かいポイントに分ける

 企画や提案の内容を聞いただけで、「これは文句なくYESだ!」などと言うことは、そうそうある話しではありません。
 であれば、説明する技術としては、いいと言い切れないお客様や決定権者に対して、いいところや目的や効果や意味合いを、ポイントに分けて、少しずつわかってもらうのが効果的です。<中略>
 その商品が、お客様に取ってどんな意味合いを持ち、お客様の毎日にどんな風に役に立つか、他の商品とはどんな風に違うのかを、細かく分けて説明する必要があります。

★本音に迫る3つの諮問

 何度いろいろな案を持っていっても、「ピンと来ない」「パンチがない」と言い続ける担当者もいます。
 こういう場合は、相手に明確な基準がない、というのが本当のところなのです。<中略>
 そんなときは、とにかく質問をくり返します。<中略>
 質問力には、3つがあります。
 範囲を狭める質問
 意図を引き出す質問
 方向を引き出す質問

 質問は次々に繰り出します。
 口調は、柔らかく。でも、意味は、鋭く。
 相手の本音を引き出すべく、YESをもらえる方向を見つけるべく、質問を重ねていきます。マシンガンのようにクエスチョンを繰り出し、YESという獲物を決して逃さないように追いつめるのです。

★相手の関心に即して変幻自在に説明を変える

 自分の考えたプロセスを追体験してもらうのが説明術の基本です。基本はそうなのですが、それだけでは圧倒的に足りない場合が多いのです。それは、なぜか?
 なぜならば、「聞いている人は、あなたではない」からです。<中略>
 提案というものは、そもそもが違う立場の人にするものです。
 となると、相手の立場に立つということが、非常に重要になってきます。そうでなくても、多くの決定権者は提案者に対して厳しい目を持っているケースが多いのです。<中略>
 だからこそ、向こうの立場で説明すること、すなわち「調整力」が重要になってきます。

★究極のテクニックは、「相手の得」にさり気なく言及すること

 決定権者が、YESという理由はなんでしょうか?<中略>
 究極を言ってしまえば、決定権者である「自分自身の得」になるからです。<中略>
 提案する側の熱意は大事です。提案する案を、提案者がいいと思えていなければ、何も始まらない。
 そでれも、熱意だけでは、YESは手に入りにくいのが現実のところ。
 最後のポイントは、相手の得になるということを、いかにわかりやすく説明できるかなのです。

★NOをYESにする「10のテクニック」!(抜粋)

◇論理的整合性をとる

 論理とは、流れです。
 <中略>自分たちの提案の主な部分を小見出し的に書き出し、それを順を追って並べて、「つながり」と「矛盾がないか」という視点でチェックし、矛盾を解消するように調整します。

◇感覚的な側面を考慮する

 提案しているあなた、営業しているあなたに行為や信頼を、わずかなりとも感じなければ、YESというのは難しいものです。<中略>
 YESと言われるのは、企画や商品であると同時に、提案し説明しているあなた自身なのです。そういった意味でも、感覚的な側面を考慮することを忘れてはいけません。

◇全体の意図や目的を述べる

 良識ある決定権者であれば、全体としての意図や目的をことあるごとにリマインドすることで正しい判断をしてくれるでしょう。
 意図や目的を言葉にして相手にわかる形でくり返し伝える。そうすることで、細部に対するネガティブな反応だけでNOと言われるのを防止できます。
 全体としてYESと言ってもらえれば、細部のNOはのちのち実施段階で修正すればいいだけです。

【感想など】
相手にYESと言わせたい場面って仕事をしていると多々ありますよね。

些細なことから、自分のクビや社運をかけた企画、営業、交渉といったヘビーな場面まで、仕事をしていれば当然人を納得させることが必要になってきます。

いかに相手を納得させ、YESと言わせるか。
そのために必要な4つの力を中心に本書ではあらゆる場面に応用が利く説得術・プレゼン術を解説してくれています。

ワタクシは普段、対外的に向かって行う説得とかプレゼンからは無縁なので、本書をいち消費者、説得される側として読ませてもらいましたが、結構納得できる部分がありました。

著者の佐藤さん、昨日紹介した本もそうでしたが、「それを言っちゃおしまいよ」という身もふたもないことを言ってしまうところが結構好きなのですが、本書でもそのテイストが出ております。

まぁ、だからこそよけいに納得できるんですけどね。

たとえば、ワタクシが経験したセールスさんの例で言うと、「それを買うとどうなるのか。どう生活が変わるのか。どんなメリットがあるのか」と言った点を説明しないセールスさんが確かに多いです。

ウソみたいだけど本当ですよ。
皆さんも今まで車とか新聞とか家とか、色々なセールスさんの相手をされたと思いますが、ワクワクさせてくれたセールスさんっていました?

「これを買ったらこんな生活になりますよ、楽しいですよ」ということを語ってくれた人は一人もいません。
ソーラーパネルのセールスさんは「補助金が出てお得ですよ」だし、車のセールスさんは他社の車との性能と値段の比較ばかりだったし、新聞の勧誘にいたっては「洗剤つけますから」とかおまけの話しばかり。

本書はそういった小売りのセールスさんのテクニックがテーマではないのですが、消費者に「買います」と言わせるのも、他社の決定権者に「YES」と言わせるのも基本は同じだと思います。

なんと、「どうなるか」を語る人の少ないことか。
「企画の詩人」であることを意識している人はまず見かけませんね。

また、身もふたもない話しですが、

本書で書かれているように、人は「自分の得になるか」という判断基準で決定することが多々あるとワタクシも思います。
それがいいか悪いかではなくて、それが人間であるということ。

その人間に「YES」と言わせるのが目標だったら、人間の弱い部分というか、心地よい部分を攻めないのは本当にもったいない。

「一生懸命、熱意を持って説明すればわかってもらえる」と思うのはかまいませんが、ちょっと次元が違う。
YESを勝ち取らなければ意味がないのですから、いい意味で小狡く、結果にフォーカスしていく。
ちょっと価値観を変える必要があるかもしれません。

そして、もっとも変わらなければならない、というか身も蓋もないと思われるのは

YESと言われるのは、企画や商品であると同時に、提案し説明しているあなた自身なのです。

これはかなり重たい言葉。

同じ商品を売り込まれても、同じ企画をプレゼンされても、担当する人によってYESになる場合もNOになる場合もあります。

ちょうど、「あいつはOKなのに、俺が触ったらセクハラかよ!」とい場面と同じ(笑)。

この現実は「理不尽だ」なんて思わずに真摯に受け止めるべきだと思います。

で、自分に足りないのはなんなのか?
そのスタートラインに立ったなら、本書を読んで自分を磨き上げてください。

なお、本書第4章では YESを引き出すシーン別実践術として、面談や天職などで使える技術も例を挙げて説明してくれています。

「YES」と言わせたいあなたに。

本書はアップルシード・エージェンシーの宮原様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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