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ダイヤの原石を見つけ出す【書評】佐藤達郎(著)『アイデアの選び方』 阪急コミュニケーションズ

おはようございます、アイデア出しでは突飛なアイデアばかり言って、「ちょっとは真面目に考えてよ!」と怒られてしまう一龍(@ichiryuu)です。(「とりあえずどんなアイデアでも出して」と言っておきながらひどいよね)

さて今日は、そんな馬鹿なワタクシのアイデアのなかにも埋もれたダイヤの原石を見出してくれそうな本をご紹介。
絶対馬鹿なアイデアのなかにいいものがあると思うんだよなぁ・・・。

 

【目次】
はじめに アイデアを正しく選んで、よい企画を実行しよう!
第1章 なぜ、アイデアを”選ぶ・決める”技術が必要なのか?
第2章 アイデアを”選ぶ・決める”ための6つのステップ。
第3章 アイデアを”選ぶ・決める”ための8つテクニック。
第4章 アイデアを”選んで・決める”人に大切な考え方。”つくる・出す”人も、参考に。
第5章 ネーミング、デザイン、イベント企画。”選んで・決める”技術を具体的に活かしていこう。
第6章 人生の、毎日の、様々なシーンで。こんなことにも使える”選んで・決める”技術。
おわりに あなたの毎日に、素敵な選択と決定を!

【ポイント&レバレッジメモ】

★アイデアを”選ぶ・決める”ための6つのステップ

ステップ1 まずは、A4用紙1枚に1案を書く、ことから。
 見やすく、堂々と、キレイに、ハッキリと書いて、効率よくチーム全員でシェアする。
   ↓ 
ステップ2 そして第一次予選!机にA4用紙を並べて、粗選りを始める。
 粗選りは2つの視点、良さそうなものとダメそうなものと、方向性で選択
   ↓
ステップ3 壁に貼って、方向性ごとに分ける。方向性の名前も貼る。
   ↓
ステップ4 入れ替える。方向性の分類そのものも、変える。
   ↓
ステップ5 方向性ごとの一等賞を決めていく。全部で3案に絞る。
   ↓
ステップ6 最後の最後、1案に決める時は、感覚も総動員で。

★アイデアを”選ぶ・決める”ための8つのテクニック(抜粋)
◇このアイデアの根本は何かを、言葉にしてみる。

 議論の基本は言語化することです。このアイデアは、何をしたくて、何を表現して、何を目指しているのか?そういった根本的なことを言葉にしてみるのです。言葉は論理の道具です。言葉にしてみることで、どこが良いのか、どこが良くないのか、なぜ選ぶのか、選ばないのか、そういったことを論理的に考えることができるようになります。
 同時に、言葉は共有の道具です。<中略>論理的に考え、考え方を共有することで、議論は進みます。

◇このアイデアの良いところは何かを、言葉にしてみる。

 何となく良いなと思うアイデアの良いところを、言葉にしていきます。良いなと思う人が、そうでもないチーム員に対して応援演説をする、と考えてもいいでしょう。”好きだぁ、グッとくる、いいと思う”ではなく、どこが良いのかを具体的に言葉にしてみます。できるだけ多くの人にわかるような、一般的な言語化を試みましょう。

◇そして、最後は、感覚で。感覚の中には、言語化しきれない理由が含まれている。

 身も蓋もないことを言ってしまえば、最後は”好き嫌い”や”イケそう、イケなさそう”などの感覚的な判断で決めるのが、一番だと思います。
 なぜならば、”好き”や”嫌い”のなかには、言語化からこぼれ落ちた大事なものが含まれているケースが多いからです。<中略>
 この時は、好き嫌いとか、当たりそうとか、何かいいね!とか、そういった感覚や勘を大事にするべきだと、私は思います。しかも、決定に責任のある人、実際に動く人、売りの中心になる人が、決めるべきです。

★「コンセプト」と「イメージ」、この2つがあれば、生きていける。

 アイデアを開発する時も、”選んで・決める”時も、とにもかくにも重要な2つのことは、「コンセプト」と「イメージ」です。アイデアの細部や企画実施の細かいところは、”選んで・決めた”後にも、いくらでも修正が利きます。検討すべきアイデアが多ければ多いほど、細部に目を奪われていては、良い選択と決定はできません。<中略>
 「神は細部に宿る」。私自身も、これまた真実だと思います。しかし、私たちが通常遭遇するビジネスでの、アイデアを”選ぶ・決める”という場面では、「細部」は後回しにすべきです。「細部」はアイデアを”選んで・決めた”後の、実施段階で思いっきり詰めていきましょう。

★コンセプトは、理屈で考える、大方針

 多くの人は、アイデアの翼を羽ばたかせるためには、あらゆる制約を取り払って・・・と考えがちです。しかし、ある種の制約は、アイデアの翼のための舞台だと考えることもできます。コンセプトという大方針、一種の制約でもある大方針があるからこそ、私たちはアイデアの奥行きを、ずっとずっと遠くまで進めることができるのです。

★「”選ぶ・決める”プロセス」を逆からやれば、アイデア開発ができる。

「”選ぶ・決める”プロセス」を頭において、そこから逆算してアイデア開発をするようにすれば、「”選ばれ・決められる”ようなアイデア」が浮かびやすくなると言えるのではないでしょうか。少なくとも、ただやみくもに思いつこうとするよりは、選ばれやすいアイデア、すなわち良質のアイデアが浮かびやすくなると思います。 

【感想など】

本書は、タイトルのとおり、アイデアの選び方、絞り方と言ってもいいかな、そこにポイントを置いて解説してくれている本。

ビジネス書の世界ではアイデア本と言えば、”アイデア出し”の本がほとんど。
もちろん、それはそれで重要なのですが、意外とアイデアって質はともあれ、たくさん集まるものじゃないですか?

冒頭部分で書いたように、「なにかアイデア出して!」と言われると、ワタクシなどでも、ふざけながら悪ノリしながらですが結構な数のアイデアを出すことができたりします。

同じように悪ノリでバンバンアイデアを出す輩が職場に何人もいるのでとりあえず数は出ます。

しつこいようですが、そのなかには結構面白く、「これいけるんじゃない!」というのもあるんですよ。
でも大抵、「まじめに考えろよ、そんなんできる分けないやろ!」と一喝されて終わると言う・・・。

まぁそれはいいとして、アイデアはよくも悪くもまずまずの量は出ると思います。
でも本当はその先が大事。
せっかくたくさんアイデアが出ても、そのなかからダイヤの原石を見つけることができるか、そこが本当は大きな問題です。

本書が扱うのはその部分。

この紹介記事では”選び・決める”一連の流れの骨格だけを紹介していますが、細部については本書をご確認していただくとして、かなり参考になるメソッド満載でした。

特にそのアイデア選びのプロセスは目からウロコ。
基本的にはブレイン・ストーミングを思い描いていただけたらいいと思います。

ブレストってB6サイズぐらいのちょっと大きめの付箋にみんなが意見を書いてぺたぺた貼っていって、それを整理していくでしょ。

あれをA4用紙でやるんです。
サイズが大きいから窓なんかにぺたぺた貼っていく(実際の写真が掲載されています)のですが、これがまず衝撃でした。

なるほど、チームが共有するには物理的にわかりやすいサイズがあるんですね。

そこからテーマに沿って分けて、実現できそうな順番を決めて・・・・と続いていきますが、もうひとつ衝撃だったのが、「最後は感覚で」というくだり。

ワタクシは直感派ですので、この感覚何となく共感できるのですが、たぶん納得いかない人もいるんじゃないかなと。
もちろん、最終決定にいたるまでに論理的な検討がなんどもなんどもなされているのは言うまでもないのですが。

でも、よく過去の経験を思い出してください。

現実に、最初のアイデア出しの段階ですでに、「あっ、これだ!」と思ったものが、最終決定になることってよくありませんか?

やっぱりいいアイデアって、美人に一目惚れするようなもので、最初から理屈抜きで”決定”していて、それが正しい答えなんだと思うのです。

そういう感覚って大切にしたいなと。

この論理と直感のバランスはアイデアとか企画とか何かを生み出す者に取って、永遠の課題なのでしょう。

さて、本書後半には、東日本大震災のボランティア活動に関連したアイデア出しの実録的解説が掲載されているので、そちらも参考に。

そして最終章では人生のいろいろな場面での”選び・決める”アドバイスを得られます。

人生は”選び・決める”ことの連続。
選択次第で人生が大きく変わるわけですから、仕事のためだけじゃなく、プライベートに役立てるためにも、この本のメソッドを参考にしてほしいです。

本書はアップルシード・エージェンシーの宮原様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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