世界の博物館、第32号はロイヤル・ティレル古生物学博物館です。
果てしなく続く平原に建つこの博物館は、恐竜研究者の楽園なのです。
【今号の一押し】
カナダ西部にあるアルバータ州は世界有数の恐竜化石出土地。
バッドランドと呼ばれる世界最大級の恐竜化石層があるこの土地は世界遺産にも登録されています。
このバッドランド内に建つこの博物館は、恐竜化石の宝庫。
その中でもひときわ目を引くのがこの化石です。
恐竜の中でも特に人気の高いティラノサウルスの化石です。
通常、恐竜化石の展示はその恐竜の生存時の姿を再現して骨格標本を展示するのが一般的ですが、これは発掘時のまま、つまり死んだ状態のまま展示されています。
このように、首を後ろに曲げ、尾を伸ばした遺骸の姿を「デス・ポーズ」というそうです。
恐竜をはじめとして動物の化石は、この姿で見つかることが多いそうで、これは頸部靭帯の影響ではないかと言う説が提唱されています。
まるで、雄叫びを上げているみたいですね。
ちなみに、化石が黒いのは、骨が化石になる家庭で、周囲の地下水に含まれるマンガンが染み込んだためだそうで、その色から「ブラック・ビューティー」の愛称がつけられているそうです。
ところで、ティラノサウルス類は、もとは小型の羽毛恐竜なのだそうです。
もしかしたらこんな風だったのかもしれませんね。
かなり私たちの持っているイメージと違うのですが・・・
だとしても、恐竜の頂点に君臨したティラノサウルスの魅力は不動のものです。
それにしても日本とは何もかもスケールが違う。
このバッドランドの荒野にまだまだ無数の恐竜が眠っている。
今後もどんな新発見があるのか楽しみです。
次号はカイロ・エジプト博物館です。