本を耳で読む Amazon Audible 30日間無料体験キャンペーン実施中

【世界の博物館】イスラエル国立博物館

世界の博物館、第40号はイスラエル国立博物館です。

イスラエルは3つの宗教の聖地であり、古代から歴史のドラマが繰り広げられた地。
その国立博物館には、その発見が世界を驚愕させた貴重な資料が展示されています。

【今号の一押し】

「死海文書」
IMG_1013_convert_20120603135334.jpg

死海文書とは、世界最古の『旧約聖書』の写本を含む巻物群で、1947年、死海の北西岸のクムラン洞穴で最初に発見されました。

それ以後、付近の11の洞穴から何十万もの断片が出土、900近くの異なる文書からなっており、その内容は、エステル記を除くすべての旧約聖書の写本、聖書注解書、外典・偽典、生活規則、祭儀規則、讃歌、終末の戦いの書などで構成されているそうです。

そのなかの「イザヤ書写本」が、全長7mの全編(複写だが)展示されているのが御覧の写真です。

そしてこの展示方法が秀逸。

IMG_1014_convert_20120603135430.jpg

7mものつなぎ合わされた羊皮紙でなっている「イザヤ書写本」を見せるための展示ケースは、巻物のローラー芯をかたどっています(上写真右下)。

また、この建物自体が死海文書を納めていたツボの蓋の形をしています。

IMG_1015_convert_20120603135518.jpg

それにしても、どうしてこの死海文書は洞穴に隠されたのか?

それは2000年も昔のユダヤ教団の派閥争い。
サドカイ派とパリサイ派の争いに端を発しているようですが、そのエルサレムから距離を置き、修道的共同生活を厳しく実践していたクムラン教団が、写本を制作し、やがて、この地を攻撃したローマから守るために洞穴奥深く隠し、やがて歴史から忘れ去られた・・・。

というのが経緯らしいです。
いずれにしても彼らの潔癖な信仰心が、考古学的貴重な資料(一部ではその真偽を疑う学者もいますが)を現代に伝えたということでしょうか。

次号はラファエル・ラルコ・エレラ考古学博物館です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA