おはようございます、小さい頃からもっと本を読んでおけばよかったと後悔しきりの一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は、中高生対象の読書術本のご紹介。
しかし中高生対象とあなどるなかれ、かなり本格的な読書術本でございます。
【目次】
第1章 本を読むとこんないいことがある!
第2章 読むべき一冊が見つかる「本の選び方」
第3章 頭がよくなる「本の読み方」
第4章 本を読んだ後は
PICASOが選ぶ!オススメ本100冊
【ポイント&レバレッジメモ】
■本の選び方
★周りの人におすすめの本を聞く
1. 尊敬する人に聞く
あなたがすごいと思っている人は、あなたの興味に引っかかる何かと、あなたのよりも優れた何かを持っているはずです。だから、自分の興味のある分野で、自分の知らない本を教えてもらえる確率が高くなります。2. その人に影響を与えた本を聞く
(尊敬する人に影響を与えた)本を読めば、尊敬する人のことを深く知ることができ、そして自分自身を成長させることができるのです。3. 感想を伝えることもお忘れなく!
自分の感想を整理して、よりしっかりした感想を持つことができるからです。また、自分が気がつかなかったことを相手から教えてもらうこともできます。
★書店に行ったらすべての棚をチェックする
1. すべての棚を眺めよう
今どのようなことが流行っているのか、どういう時事問題が注目されているのか、どんな有名人がいるのか。
書店は社会の縮図です。散歩気分でコーナーを巡回するだけでも、社会の出来事をひととおり知ることができるのです。2. 興味のない本こそ手に取ろう
興味のない本が(「オススメ!」のPOPつきで積まれて)売れていたら、その本を手に取って売れている理由を探してみましょう。<中略>
なぜ他の人はこの本を手に取るのかと考えてみることで、今まで興味のなかった本を知り、読書の幅を広げることができるのです。
★月の初めに図書カードを買う
「月初に図書カードを購入し、その月内で使い果たす」というマイルールを作ることです。
1. 強制的に本代を確保できる
気になる本を見つけたときに<中略>いつでも気持ちよく本を買うことができるようになります。
自然と毎月一定の量の本を購入するようになるので、読書量が増えるという効果も期待できます。2. 新しい本と出会える
残高が残っているようなら、その分で普段は読まないジャンルの本を読むようにするのもいいでしょう。<中略>
本題を強制定期に天引きすることで、「最低限欲しい本だけ買っておしまい」ではなく、あまり意識していなかった分野の本も、買ってみようかなという気になればしめたものです。
■本の読み方
★「何にために読むのか」をはっきりさせる
1. 読む前・・・まず、読書の目標を立てる。
2. 読んでいる途中・・・「目標達成のためになりそうなこと」だけを抜き出してメモを取る。
3. 読んだ後・・・今回の目標とその達成状況をもとに、次回の目標を決める。
★「はてなメモ」を貼る
本を読んで疑問に思う箇所、納得いかない文章があったときは、ポストイット(付箋)にはてなマークを書いて文章の隣に添えましょう。
一度この「はてなメモ」を貼ったら、あとはその部分を気にしてはいけません。今はわからなくてもいいんだと、軽い気持ちで読み飛ばしましょう。「はてなメモ」の効果
1. 疑問のほったらかしを防止できる
2. アイデアが整理できる。
3. 再読時に成長を実感できる。
■本を読んだ後
★「サマリー読書」をする
サマリーとは、要約のことです。<中略>「サマリー読書」は、あらすじなどの内容を要約することです。
1. あらすじをまとめる
一章ずつなどの区切りのいいところで本から顔を上げ、一番重要だと思うところを一文にまとめる「一文あらすじ」を作るのが効果的です。
そうすることで、頭が一区切りずつリセットされ、要点が「見える化」されます。2. 人物相関図をつくる
登場人物の関係自体が複雑なものは、文章という形にしなくても、図にするだけで、要約することと同じ効果を持ちます。
この人物相関図をつくっておけば、途中で本の内容を忘れてしまっても、図を見るだけでその本の内容を思い出すことができます。「サマリー読書」の効果
1. 要点や著者の言いたいことがわかる。
2. 読書の途中で頭が混乱しなくなる。
3. 記憶に残りやすい。
4. 読んだ本の内容を忘れてしまってもすぐに確認できる。
★本棚をいじる習慣をつける
1. 「未読コーナー」をつくる
その本を買ったときの心境が思い出され、懐かしい気持ちでその本を再び手に取ってしまうことでしょう。2. 「既読コーナー」をつくる
時間を置いて再度読んでもみてもいいですし、本棚を眺めて当時の余韻に浸るという楽しみ方もできます。
そして案外重要なのは、読んだ本を並べる「既読コーナー」の冊数が増えると、それが自信になっていくということです。3. 出版社別に分ける
本を出版社別に並べてわかることは、自分の好みの本はどこから出ていることが多いかということです。4. 色別に分ける
色事に綺麗に並んでいると本棚も美しく見えます。
【感想など】
これまでかなりの数を読んできたので、正直言って「もうお腹いっぱい」なのに、ついつい読んでしまうジャンルが”読書術本”。
読書好きの悲しい性なのでしょう。
さて本書。
PICASO(東大・早慶ベストセラー出版会)という難関大学の学生さんで構成されている出版サークルが、中・高生を対象として書いた読書術本。
(ワタクシ存じ上げなかったのですが、大学生に出版サークルというものがあること自体驚きました)
それにタイトルにある「難関大学生が書いた」「頭がよくなる」というキーワードから、「受験生対象の、本を読んだら成績が上がる」といった内容の本かなと勝手に思っていました。
それで、「見せてもらおうか、学生が書いた中高生対象の読書術の実力を」とシャー並みの上から目線で読み始めてしまったのですが・・・
これヤバいです。
ある意味、この本を狙い通りに中高生に読ませたらまずいですよ。
現在、社会人の平均読書量は月に1冊あるかないかぐらいだといわれています。
なのに、この本読んで中高生が月に4冊ぐらい、しかも読書ノートとか取りながら、本格的に読書しだしたら、あっという間に抜かれてしまう!
ワタクシも含めてOSN(おっさん)の立場が非常に危うくなる危険な本なのです。
こんなふうに書くと、「読書と仕事は別物」とか「勉強できても仕事とは関係ないで」と必ずいう人がいますが、そういう人は読書のメリットをもう一度考えて欲しい。
本書第1章の「本を読むとこんないいことがある!」にも書かれているが、我々のすべての仕事のベースは言語活動、特に読解力なのです。
今までは幸か不幸か、学校で徹底して読解力を鍛えるということをしてこなかったので(このこと自体おかしなことだが)、月に1冊ぐらいしか読まない社会人でもそれ程差は出なかったのでしょう。
しかし、本書のような大人向けの読書術も顔負けの本格的な読書術を知った子供達が増えてくると、かなりヤバイ。
と、いうことで、この本は中高生に読まれる前に読書習慣のない大人がまず読むべきである!(笑)
実際、ちょっと中高生にはハードルの高い内容もあります。
例えば、「月のはじめに図書カードを買う」というメソッド。
今、本って高いですよね。
文庫本でも1000円近いものがザラにある。
なのに中高生のお小遣いはたぶん数千円ぐらいでしょう。
だとすると、月に1冊文庫が買えるかどうか、といったところが現実でしょう。
これはお小遣い制のお父さんが取るべき方法ですよ。
(ちなみに小遣い少ないワタクシの一ヶ月の本代は1万円ぐらい)
それから、「図書館では借りないで買う」というメソッド。
よく耳にするメソッドですが、特に学生さんは大いに使ったほうがいいと思います。
お金がなくて読めないぐらいなら、手元におけなくても汚せなくても図書館で借りて読んだほうがずっといい!
特に中高生はいわゆる名作といわれる本を読む時期。
ビジネス書好きのワタクシのように新刊を追いかけるわけではないのですから、図書館をどんどん利用しましょう。
実はワタクシも今だに図書館を利用しております。
その経験からいうと、自腹を切って買った場合と、図書館で借りた場合で読書の質が変わるということはあまり無いような気がします。
新品を買うもよし、中古を買うもよし、そして図書館や人から借りるもよし。
一番重要なことは”読むこと”だと思います。
さて、最後に。
本書には読書習慣のつけかたから、本の選び方、読み方、そして読んだあとのフォローまで、ワタクシも参考になるメソッドが多数ありました。
ただ一点、「読書仲間をつくる」というメソッドで気になることが。
この方法自体はすでにポピュラーなもので、読書会なるものが広く行われております。
仲間の存在が読書経験を深めてくれるのは周知の通り。
大いに読書仲間をつくって読書を楽しんでいただければと思うのですが、何が気になったかというと「家族で」とか「親子で」というキーワードが出てこなかったこと。
ぜひ「家族で」「親子で」読書仲間になっていただきたい。
これかなり面白いですよ。
我が家の最近の例でいうと、ワタクシのビジネス書を家族が勝手に読みます。
妻はFacebookやiPhone関連本、娘は本田直之さんのレバレッジシリーズ、息子は美崎さんや奥野さんのノート術を読んでシェア。
息子の歴史小説や雑誌をワタクシが読み、アイドル雑誌と恋愛小説を妻と娘がシェア。
といった感じで家族中で読んだり読まれたり。
そしてその感想を聞くのがすごく楽しい。
特に子供の評価って辛辣ですからね、書評ブログやっているワタクシでもびっくりするような目の付け所や気づきをもらえることがあります。
(著者さんや編集者さんには絶対言えないですが・・・。けど一番辛辣なのは妻)
夏休みですし、どうせなら本書を家族全員で読んで、家族で読書仲間になるというのはいかがでしょう。
きっと楽しいと思いますよ。
本書はDiscover21社、編集者の三谷様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
本書巻末には PICASOが選ぶ!オススメ本100冊 が掲載されています。
夏休みの読書の参考にしてみてください。
100冊の中からワタクシの好きな本をいくつかピックアップ
1949年7月刊行の初版本を、本文・カバー・表紙・扉・帯まで完全復刻。付録として、三島由紀夫自らが「仮面の告白」の広告宣伝のために書き下ろした幻の文書、当時の書評などを収録。
約2000年前、中国は後漢の代。政治の腐敗はその極に達し、各地に跳梁する黄巾賊と役人の専横に民衆の生活は目をおおう惨状を呈していた。この時、血気にはやる一青年劉備は、同志関羽、張飛と義盟を結び、世を救うため起ち上る。――古代中国大陸を舞台に群雄争覇の壮大なドラマがここに始まる。〈全8巻〉
「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。かれは土佐の郷士の次男坊にすぎず、しかも浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説。
常識、漫画、良心、歴史、言葉、役者、ヒットラーと悪魔、平家物などの項目を収めた「考えるヒント」に比較的短かい随想の「四季」を加え、「ソヴェットの旅」を付した明快達意の随筆集
【管理人の独り言】
美崎さんの名前がちらっと出たので新刊2冊の案内を。
それにしても引き出しの多い方です。
アイデアを生みだすには、才能とか偶然ではなく、誰にでもできる手法がある!
化粧品、ゲーム、お菓子、金融商品、ウーロン茶、インナーウェア、キッチン、新事業立ち上げの分野でヒットを生んだ8人の思考法を紹介する。
あなたは 「スキル」さえあれば、 仕事がもっとうまくいくのに…… と思っていませんか
この本は、ビジネスの現場である、会社や職場で使える「気づかい」の本を目指しました。私の場合、「ビジネスの場で本当に大事なスキルは『気づかい』だ」ということに気が付くまで、恥ずかしながら、かなり時間がかかりました。
そして、大事な気づかいをしているつもりだし、相手に伝わっているつもりではいたけれど、実は伝わっていないんだということに、驚きましたやっているつもりになってはいるけど、なかなか、相手に伝わっていないことが多い。
それが、気づかいなのです。
上司や同僚のほとんども、あなたが気づかいをしてくれていると思っていない方が多く、それでいて「ノウハウ」としては、誰も教えてくれないのが、「気づかい」の方法です。ぜひ、気づかいの極意を自らのモノにするために、本書をご活用ください。