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社会化への修行です【書評】大塚 寿(著)『結婚を後悔しない50のリスト』 ダイヤモンド社

おはようございます、朝晩めっきり寒くなって布団から出られなくなっている一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、大塚寿さんの「〇〇を後悔しない50のリスト」シリーズ最新刊のご紹介。

考えてみれば、仕事の出来不出来も、人生の充実度もすべて結婚生活の良し悪しに大きく影響を受けるもの。
ビジネス書を読みあさるよりも先にこの本を読むことが成功への第1歩なのは間違いありません。

 

【目次】
序章 結婚が人生を左右する理由
第1章 結婚で何より大切にしたいこと
第2章 「相手を知る」ために押さえておくこと
第3章 ベクトルを合わせるためにやっておくこと
第4章 幸せな家庭をつくるために知っておくこと
第5章 「お互いの家族」と上手に付き合うために必要なこと
第6章 「間違わない子育て」のために考えておくこと
あとがき

【ポイント&レバレッジメモ】

★11 合う・合わないという相性は当てにならなかった

 合う・合わないという相性は性格の一致、不一致以上に過度に感覚的であり、一面的に過ぎないために、永続的なものにはなり得ません。
 そういう意味では、合う・合わないより「合わせられるか」「合わせられないか」が重要ですし、同じ方向を目指せるかどうかが肝心なのです。<中略>進路をしっかり描ければ、多少の違いがあっても、お互いが「合わせよう」という方向へ持っていけるのです。<中略>
 すり合せのコツは、「どうなりたいか」ではなく、「どうありたいか」について話し合うということです。

⇒ 「どうなりたいか」より「どうありたいか」をすり合わせる

★19 つい意地を張ってしまった

 面白いことに、夫婦間で意地の張り合いが起こるときは、実は「言い方」の問題がほとんどです。相手の言っている内容よりも、その言い方が気に食わずに、つい感情的に反論してしまうものなおです。
 頭ごなしに否定されるとつい反論したくなりますが、一度認めて、相手の意見を受け入れる気持ちがあることをきちんと表明すれば、お互いが意地の張り合いをせずに済むことも多いのです。<中略>
 ビジネスでも、最終的に伸びるのは素直な人だと言われています。自分の考え方とは異質の意見を受け入れたり、スポンジのように吸収していける素地があれば、成長につながりやすいわけです。
 逆に、自分のやり方にこだわる頑固な人、エゴが強い人というのは、はまれば粘り強さを発揮してよい仕事をすることもありますが、柔軟性に欠けるために守備範囲が狭いハンディを背負い続けなければなりません。<中略>
 結婚が成長への原動力だというのは、こうした、ともすれば自分の中だけで完結する習慣から脱して、他者との関係性の中で答えを出していく習慣を手に入れるチャンスであるということなのです。

⇒ 相手を打ち負かすことに意味はない。相手を尊重し肯定できるようにする

★23 〜は相手がして当たり前、と思ってしまった

 こういう(家事は妻がやって当たり前)偏見は、結婚をマネジメントしていく上では障害以外の何ものでもありません。
 会社でも、よく「これは私の仕事ではありません」とか「これはうちの部署のやることじゃない」といったように、お役所のようなセクショナリズムを主張する人がいますが、こうした発想の根本には、会社全体をよくしていこうという「全体感」が欠如しているといえます。<中略>
 夫婦関係を上手にやりくりしている先輩からアドバイスを受けたのが、結婚とは自分を「社会化」するプロジェクトだというこことです。
 仕事に忙殺され、くたくたになって帰宅した後でも、家事や育児を分担するということは、自分では気づかない世界の扉をノックし、社会という文脈の中でもう一度自分の存在を定義し直すきっかけになるということを教わったのです。

⇒ 自分を「社会化」するためにこそ、苦手なことに取り組む

★37 浮気をしなければよかった

 浮気はその経緯がどうであれ、裏切る側と裏切られる側ができて、なおかつ関係者を巻き込むので、深入りすればするほどややこしくなるものです。火遊びという「遊び」の感覚が少しでもあるなら、ロクなことにはならないというのは経験者たちが残した教訓です。
 社内での不倫などは、最終的に発覚して男性が左遷させられるなんていうのは日常茶飯事ですから、とにかくよほどの覚悟がなければしないということと、浮気は必ずバレるということは、知っておいたほうが懸命です。<中略>
 なお最後に、先人たちの教えの一つでもあり、実は私も実践させられた、浮気抑制法を一つご紹介しておきます。
 それは「立ち会い出産」です。
 
⇒ 知らぬは本人だけ、いつかバレる。その代償が半端ではないことを知っておく

★43 自分の育った環境を相手に押し付けてしまった

 家庭はつくっていくものであって、自分のやり方を押し付けるのでもなく、相手に合わせることでもありません。<中略>
 それをどちらかに押し付けたり、どちらが正しいかという基準で考えると、夫婦間はどんどんギスギスしていくので、その都度、新しい夫婦の習慣に作り変えていくというのが、成功者の弁です。<中略>
 会社でも、チーム間の情報や考え方のずれを調整するために「報・連・相」が行われていますが、ある先輩から結婚マネジメントは「対・相・共」であると言われました。
 「対話・相談・共有」というスタンスが、押し付けをなくし、新しいルールを決めていく上で役立つのです。

⇒ 家庭は創造するもの。「対・相・共」で自分たちだけのルールをつくる

【感想など】
大塚寿氏の『〇〇を後悔しない50のリスト』シリーズの新刊です。

著者のこのシリーズ、

の時は、ワタクシがちょうど40代と言うこともあり、心にジャストミート。
「そうそう、そうだよ」と共感し、「そうか、そうすればいいのか」とたくさん学び、最終的には「この著者わかってるなぁ。ありがとう!」となったのでした。

しかし

の時は、「あれもできてない、これもできてない」「ああ、もう遅いかなぁ・・・」と、まんまと”30代を後悔しないリストを読んで落ち込む40代の図”となってしまう始末。

大塚氏の本は、1万人のインタビューを元にしているので、良くも悪くも現実を見せてくれる本なのです。
それは、意識的に目を背けてきたものだったり、気がついていたけど改善してこなかったことだったり、あるいはもうあきらめてしまったことだったりして、読んでいて辛いけど自分を客観的に見直すきっかけを与えてくれる「良薬口に苦し」といった本でした。

そんな本シリーズの今回のテーマは「結婚」。

実は仕事以上にというか、人生でいちばん大切なテーマですよ。

結婚はビジネスパーソンにとって、その後の人生を決める最大の分かれ道です。

と、巻頭で書かれているように、はっきりいって仕事の良し悪しは家庭生活の状況で決まるといってもいいでしょう。

しかし、そんなことは既婚者なら誰でもわかっていることなのに、結婚生活を良好な状態で維持するのはとっても難しいのですよ。

たとえどんなに愛し合って結婚したとしても、赤の他人が一緒に生活するわけですからちょっとしたことの意見の不一致や、行動習慣の違いが本書で言う「チリツモ」(塵も積もれば山となる)となり、離婚に至ることもしばしばあります。

けっして最初から別れようとか、不幸になろうなんて思って結婚するカップルなんていないのに。

先日16回目の結婚記念日を向かえることができたワタクシも、それはもう「チリツモ」のチリの連続でした。

それでもなんとか今まで結婚生活が続いてきた要因はなんだったのかと、考えながらこの本を読みました。

自分が結婚して変えた習慣や気をつけたことをいくつか挙げてみます。

1. 残業はやめて仕事は持ち帰る。
 多分妻は気がついてないと思いますが、ワタクシは結婚と同時に残業をしなくなりました。
もちろん仕事の量が減ったわけではなく、家で出来る仕事は持ち帰るようにしたのです。

ワタクシは基本的に仕事とプライベートはきっちり別けるタイプなので、家庭では仕事の話は一切しませんし、仕事を持ち帰るのも嫌でした。
しかし職場だけで仕事を片づけていたら、本当に家には寝に帰るだけになってしまう。

それならばということで、当然家で資料作りなどPCに向かっている間は会話もそこそこなのですが、家にいるだけでもまだましかなと思って仕事のスタイルを変えてみたのです。

その結果劇的に夫婦の会話が多く、しかも維持されているか?というと全然そんなことはないのですが、この習慣には思わぬ副産物がありました。

ひとつは、妻が「この人は家で仕事する人」という固定観念が最初からできたので、ある程度、家でPCに向かう時間を容認してくれる、ひいては自分の時間を持つことができるようになりました。

また、上司や同僚は、「こいつは残業しないヤツ」というふうに認知されました。

これがいいことなのか悪いことなのかはわかりませんが(笑)。

2. 料理の文句は絶対に言わない。
 ワタクシが料理するのはうどんとバーベキューの時ぐらいで、あとはすべて妻に任せています。

もともと食べることに興味がなく、お腹がふくれればそれでいいという人間なので、料理自体にも興味がありません。
だから妻に頼り切っているのですが、そのかわり絶対に出された料理の献立にも味付けにも文句は言いません。

食事は三度三度のことなので、これにこだわるとそれこそ最大の「チリツモ」になる可能性があります。
幸い妻は料理上手なのですが、ごくたまに不味いものが登場しても、つくってくれたことを感謝してガツガツ食べています。

3. ペットは緩衝剤
 「子は鎹」とは昔からよく言いますし、それは実感としてそのとおりだと思いますが、残念ながら子どもは大きくなってそのうち巣立って行きます。

うちにはラブラドール・レトリバーとチワワの2頭の犬がいますが、この2頭に関する話題が、夫婦の会話のうちの大きな割合を占めていることに最近気がつきました。

それに犬を飼うと夫婦の会話のネタになるだけではありません。
うちのラブラドールは家族でケンカが始まるとワンワン吠えて仲裁に入ります(彼女が本当にケンカを止めようとしているのかは不明。息子とプロレスをしていてもワンワン吠えます)。
だから犬の前ではケンカができなくなりました。

さらに、愚痴を聞いてもらう相手にもなってくれますし、癒し効果も抜群です。

もし、夫婦二人とも動物好きならペットを飼うことをお勧めします。

<おまけ> うどん屋めぐり
食べることに興味のないワタクシですが、うどんだけは別で、美味しいうどん屋をつねに開拓しております。
そして「これは!」といううどん屋に出会ったら、休日のお昼に妻を連れて行くようにしています。
二人で行っても1000円でおつりがくる讃岐うどんはとってもリーズナブル。
妻は一食分料理せずに済むし、ワタクシにとってはブログネタにもなるので一石二鳥です。

さて、これら以外でも本書を読んでいて、「うちの場合はこうだな」というものは多々ありました。

まぁ、どんなに気を使ってもうまくいくとは限らないのが夫婦ですが、あまり考えすぎると、結婚生活ってとっても面倒くさいものの様に感じてしまいます。

実際、独身の方が気楽だなぁと思ってしまう場面は多々あります。

じゃぁそんな面倒くさいことを耐え、結婚生活を続ける意義はどの辺にあるのか?
本書を読んでいて一番腑に落ちた一節がこちら。

結婚とは自分を「社会化」するプロジェクト

ワタクシ自身、結婚して何が一番変わったかと訊かれたら、やっぱり行動範囲や付き合いの範囲が格段に広くなったことだと思います。

よく「1+1=2ではなく、3にも4にもなるのが結婚」と言われますが、結婚と同時に妻の親や親戚、友達との付き合いが始まり、いっきに行動範囲も付き合いの範囲も広がります。

また、子どもが出来ると、成長に合わせて幼稚園や学校関連の行事や付き合いも増えていきます。

まさに結婚生活=社会化のプロセスなのです。

そういった諸々のことも含めて結婚からは学ぶもの、得るものが非常に多い。
ぜひ独身の皆さんは結婚を成長の機会と捉えてほしいですね。

最後に、

どんなスキルも本を読んだだけでは身につきません。
しかし、例えば仕事術の本を読んで実践するのと、自己流で経験からだけ学ぶのでは効率が全然違います。

本書で著者が、「結婚は技術です」と言っていますが、だとすると本書はまさに”結婚生活術”を解説したビジネス書です。

結婚前の方は読んでシュミレーションを、既婚者は読んで問題解決を試みてはいかがでしょう。

そして老婆心ながらもう一つ。

「チリツモ」のチリは嫌なことだけに限定されているわけではありません。
ちょっとした楽しいこと、幸せを感じることも「チリツモ」となります。

結婚生活って、楽しい「チリツモ」を心がければ、何とかなるような気がします。

あまり難しく考えないでね、独身諸君!

本書はダイヤモンド社編集者の市川様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【管理人の独り言】
結婚本を紹介しておきながらアレですが、なんとあの「超訳ニーチェの言葉」の白取先生がこんな小説を出版されました。

Amazonの内容紹介より

「だめよ。絶対声がでるから」。施術中の客の前で犯されるマッサージ師・友美。愛液まみれの施術が描かれる表題作の他、視姦される快楽がお嬢様学生を変貌させていく「調律の季節」、モノレール内が情欲に飢えた男女の淫行の場になる「浜松町まで」等、全8作品収録。『超訳ニーチェの言葉』の著者が秘めてきた、もう一つの淫靡なる才能、解禁! !

「もう一つの淫靡なる才能」かぁ・・・

気になる・・・

2 COMMENTS

白取春彦

わたし、バツイチです
うどんも年に一度食べるかどうか…
女性関係はすごく××××です
でも、セーブしています
猫、います
その猫の金玉、最近目立ちます
国税庁が勝手にわたしの口座から金を抜いていきます
だから、メルセデスのマイバッハ買えません
仕事、てんこもりです
オナゴが寝てからも仕事してます
家が仕事場です

返信する
讃州屋 一龍

いや先生、私から見ると羨ましい限りなんですが。
じゃんじゃんミリオン出して納税してください。
日本の借金は約1000兆円ですから、まだまだ仕事してくださいね。

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