
マグロ船仕事術―日本一のマグロ船から学んだ!マネジメントとリーダーーシップの極意
- 作者:齊藤 正明
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/02/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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齊藤正明さんの新刊です!
今回はかなりガチのビジネス書。
特に、マネージャーさん、チームリーダーさん、そして若手や部下との接し方に悩んでいるすべての方に、
これは必読の本ですよ。マグロ船だけに目からウロコ(←ぜんぜんダメじゃん)
【目次】
はじめに
1章 マグロ船流 職場を活気づけるコミュニケーションの極意
2章 マグロ船流 職場のストレス回避術
3章 マグロ船流 統率力と部下指導のコツ
4章 マグロ船流 業績アップの考え方
5章 マグロ船流 リスク管理の秘訣
参考文献
【ポイント&レバレッジメモ】
1.部下に自信をつけさせる言葉を与えるのも上司の重要な役割のひとつ。
給料では漁師のやる気を保てなくなったマグロ船と同様、企業のマネジャーやリーダーも部下に自信をつけさせたり、「あなたのおかげで助かっています」というような存在を認めてあげるような言葉使い、やる気を高めないといいけない時代になったのです。
言葉にはカタチはないですが、誕生日に渡すプレゼントと同じく、相手を温かい気持ちにさせるものと考えた場合、伝える言葉は正しさよりも、安心感を与えられる家や自信を与えられるか、などを念頭に選んだほうがいいと思います。
2.「人は指示どおりに動かない」というのを前提に、物事を進めましょう。
船長の話では、「話せば相手はわかってくれる」という前提でコミュニケーションを取ってしまうと、つい無理に説得したりして、かえって人間関係を損ねると話していました。
逆に、「マグロに話しかけているんだから・・・」という、いい意味でのあきらめ感を持って伝えていれば、相手が聞く耳を持たなくても、「しかたがない」で終わらせることができたり、「オレはアイツとは気が合わない」と割り切ることができ、お互いにいがみ合うまで関係が悪化することはないと教えてくれました。
3.部下に“期待しないこと”は、“期待すること”以上に大切です。
部下に期待をかけることは、部下の励みにもなりますし、また、育てるという意味でも大事です。
しかし、今の企業では、部下に期待をし過ぎているのが問題なのです。
人は紙のように完璧にできないことなど頭ではわかっています。しかし、部下に期待しすぎることは、結果的には、「君は、完璧にならなければダメだ!」と、到底不可能な要求をしているのと変わらないのです。
「部下は人間だから、できないところや未熟なところはたくさんある」
そういう前提で部下に接することがリーダーのスタート地点であり、また困難なゴール地点でもあるのかもしれません。
4.部下のどこが成長したかを知り、具体的に伝えてあげることが大事です。
若手の漁師には、<中略>具体的に3つくらい改善点を教えてあげるそうです。
翌日になって、3つ教えたうち1つでもできるようになっているところがあれば、「おお!できるようーになったじゃねーか」と声をかけてあげるのです。
すると若手船員は、「船長は、ちゃんとおいどーのことを見ててくれよる」という安心感が芽生え、信頼のきずなができてくると教えてくれました。「上司だからできること」
それは部下の成長を見守り、成長を伝えてあげることであることを漁師から教えてもらいました。そのために上司は、自分は何を指摘したのかを記憶していないと、部下の成長に気づくことができないのです。
5.できたことよりも、努力したことを褒めましょう。
もちろん、うまくいったときも褒めるときは褒めます。しかし、それ以上に褒めなければならないポイントは、努力したことなんです。
努力して失敗したときは、もちろん、手放しで「よくやった!」と褒めるわけではありません。それでは部下によっては調子に乗ったり、同じ失敗を繰り返してしまう危険性があります。
それを防ぐ意味でも、挑戦したことについては、まず「よくトライしたね」と褒めてあげましょう。で、その後に、「次はこうしたら、うまくいくんじゃない?」とアドバイスしたらいいのです。
または「次はどうしたらうまくいくと思う?」などと考えさせると、部下に仕事へのやりがいを感じてもらえ、それによって自発的に動いていくのです。
6.注意する言葉は、褒める言葉の間に入れましょう。
褒める言葉+注意する言葉+褒める言葉
部下の真理として、たとえ指摘された内容があっているとしても、<中略>反発したい気持ちが芽生えてしまいます。
船長はきっと、その反発を抑え注意を聞き入れてもらうためにも、まずは褒める言葉を伝え、部下に聞く姿勢をつくらせるのです。
そのうえで、注意してもらいたいことを伝え、さらに反発心が芽生えないように「でも、お前のことは大事に思っている」というメッセージを込め、褒める言葉を最後に入れているのでしょう。<中略>
部下との会話を終わらせる際、大事なことは“相手の感情に嫌なものを残さないようにする”ことです。
7.部下が自ら動くには、上司自身が魅力的になることでが近道です。
上司にあこがれる、憧れない以前の問題として、上司が毎日、つまらなさそうに仕事をしていたら、きっと部下も毎日つまらなさそうに仕事をするでしょう。
ですから、もし上司の立場にある一で、日々「仕事がつまらないなぁ」と感じている人がいたら、本書を参考にして、まずは仕事を面白いと感じるように工夫することが最初のステップになると思います。
その次の段階として、部下に憧れられる上司を目指すといいでしょう。
【感想など】
今回は管理職、リーダーとしてマネジメントの観点から、マグロ船仕事術から学べるポイントを7つ選んでみました。
ワタクシもそうですが、仕事で何が難しいと聞かれたらやはり部下や若手を動かすこと、育てることと答える人が多いんじゃないでしょうか。
正直、お客の扱いの方がまだ気が楽だったりして・・・。
それはさておき、著者齊藤さんの前作
では、自己啓発的な内容が多かったのですが、今回は“仕事術”のタイトルどおりガチのビジネス書として濃い内容となっています。
とくに、今回ワタクシが取り上げたように、中間管理職やチームリーダーといった立場の方は必読かと。
「会社とマグロ船じゃ環境が違う!」とおっしゃる人もいるかと思いますが、
考えてみればマグロ船のような狭くて過酷な環境というのは“社会の縮図”、一つのモデルケースですよ。
ここでうまく機能するメソッドが陸の企業で通用しないはずがない。
とくに、船長や親方と船員のコミュニケーションに関する部分は秀逸。
キーワードは“褒める”そして“認める”
これって人間の基本的な欲求の部分。
しかしなぜかできないんですよね。
ついつい、できないところばかりに目が行って、できるところ成長したところも必ずあるはずなのにそっちには触れない。
それに、「部下に厳しくすることが部下のためになる」と変に思いこんでいたり。
本書の船長や親方の褒め方にまず脱帽。
これが自然にできるようになったら職場もスムーズに回るのになぁ。
反省です。
それから、ワタクシの自戒も込めてですが、同年代のリーダーたちへ。
若手に憧れられるベテランになりましょうよ。
で、どうすればいいか。
本書に登場する“若手がベテランにあこがれる理由”をご覧あれ。
①危険な目に遭ったとき助けてくれた
②自信を与えてくれた
③楽しい雰囲気をつくってくれる
危険な目に遭うことは陸の会社ではあまりないと思いますが、例えば“率先して手本を示したくれた”とかでしょうか。
これが一番ベテランがカッコいい瞬間ですよね。
山本五十六の言葉にもありましたけど最初に来るのが「やってみせ・・・」
そういうベテランでありたいものです。
して雰囲気作り。バブル世代なんだからお手の物でしょ!
ワタクシ思うのですが、結局、ベテランがいきいき働いている職場って凄く活気があって雰囲気もいい。
40歳より上の者がくたびれてたらいかんのですよ。
カラ元気でもなんでもいいからとにかく明日から背筋をぴんと伸ばして、ハキハキしゃべって、ウソでもいいから仕事が楽しいって顔しましょうよ。
そしたら日本もちょっとは変わるんじゃないですかねぇ。
絶対マグロ船より過酷な職場じゃないでしょうから。
特にマネージャー、チームリーダーに読んでほしい一冊。

マグロ船仕事術―日本一のマグロ船から学んだ!マネジメントとリーダーーシップの極意
- 作者:齊藤 正明
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/02/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
本書は著書、齊藤正明様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【おまけ】
いま世の中でマグロ船を超える危険で過酷で狭くて、でも職場のみんなが元気そうな仕事ってなんだろう?と考えていたら、一龍思いつきました!
それは
国際宇宙ステーション!
齊藤さん、マグロ船の次は国際宇宙ステーションにぜひ搭乗してください。
ここの仕事術も絶対勉強になるだろうなぁ
【関連書籍】
こちらが齊藤さんの出世作
そして、マグロつながりでコチラの本もご推薦。
面白いですよ
本、紹介してくださり、ありがとうございます。
しかも、内容をていねいにわかりやすく
解説してくださり、大変感謝しております。
ウロコ、使わせてくださいm(__)m
宇宙、過酷でしょうね!!
齊藤様
こちらこそ良い本をありがとうございます。
マグロって肌がツルっとしたイメージなんですが、やっぱりうろこはあるんですよね?
宇宙ステーションの人たちはどんなコミュニケーションを取っているのか、かなり気になるところです。