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お宝立地でリッチを目指せ!【書評】崎元 則也(著)『繁盛店をつくる立地選び』(日本実業出版社)

繁盛店をつくる立地選び

繁盛店をつくる立地選び

  • 作者:崎元 則也
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2011/03/17
  • メディア: 単行本
 

<楽天ブックスはこちら> 『繁盛店をつくる立地選び』

著者の崎元 則也さん。
本書出版に1年をかけ、しかも処女作。
ですが、印税を義援金として寄付されるそうです!
その心意気、書評ブロガーとして応援せぬわけにはまいりません。

しかし読んで納得。この本、義援金云々関係なくお店を出して独立開業を考えている方にはまさにバイブル!
必読の価値ありのスゴ本です!

【目次】

クエスチョン
はじめに
チェックリスト
スケジュール
1章 立地に関する「4つの勘違い」と「3つの勘どころ」をつかもう
2章 儲かるお宝立地とお得立地を探そう
3章 お客様を呼びよせる外観、看板、アプローチ術
4章 お客様を楽しませるお店づくりをしよう
5章 確実に利益を出すためのお金の基礎知識とスムーズな出店
6章 かしこい居抜き物件の活用法
7章 立地のハンデをものともしない繁盛店の秘密インタビュー

【ポイント&レバレッジメモ】
★「エリート立地」より「お宝立地」を探そう

 一般的に言われる「よい立地」と、「中小規模のお店が出店する立地」は、まったく違うわけです。<中略>中小規模のお店が出店するのに理想的なのは、お宝立地といえる1.5等立地です。
お宝立地が見つからない場合、2等立地も視野に入れて物件を探しましょう。2等立地はお値打ち立地です。

◇お宝立地=1.5等立地

集客のポイントと集客のポイントの間にあるなど、人通りが見込め、かつ目立つ位置にある立地。中小規模のお店が最も出店したい立地だが、よい立地である分、物件の数はあまり多くない。

◇お値打ち立地=2等立地

 集客ポイントと集客ポイントの間にあり、人通りは見込めるが、駅出口からは見えないなど、すごく目立つわけではない立地。通りの角から2件目にあるなど、アクセスはよいのが特徴。中小規模のお店がお宝立地の次に狙いたい立地。

★お宝立地で勝つ「勘どころ」
勘どころ1 初期投資を抑えて販促費に回す
勘どころ2 固定費を抑えてリピーター作りに回す
①新規顧客をリピーターにする
②リピーターの来店回数を上げる
勘どころ3 物件を吟味する
お宝立地は物件の争奪がエリート立地に比べると激しくないため、ゆっくりとしたスタンスで様々な物件を見ながら決められるわけです。大屋さんと家賃などについて交渉する際にも、お宝立地の方がその余地があります。

★立地選びは「面・線・点」の3要素を重視する
①面・・・人がいるか?
②線・・・店に行きやすいか?
③点・・・店が見えているか?

★好感度のファサードをつくる

 通りすがりの人が「なんとなく」お店に入ってしまう理由で、最も大きいのがファサードの印象です。
ファサードはフランス語で、「建物の正面」という意味で、英語のFaceとほぼ同じ意味をもちます。建物の正面、外観ですから、文字通り「お店の顔」となる部分です。
人の顔と同じように、店の顔、ファサードは見る人に強い印象を残します。できるだけ好印象を与えるファサードをつくりたいものです。

★「おっ」と思わせる看板の鉄則
鉄則① 何の店か、一瞬でわかるか?
「お店の名前より、業態を知らせる」、さらに「業種・業態を5文字以内で表現する」
鉄則② その看板はお客様に見えているか?
・視線を遮る存在を避ける
・周囲と同化させない
鉄則③ お客様を上手に誘導できているか?
置き看板は読ませる看板
・お店のこだわりを表示する(美味しさや魅力、キャッチコピーなど)
・店舗の様子うを表示する(店内写真、映像など)
・特に路面店以外の店は場所を知らせる

★アプローチではドラマを演出する
①アプローチを長くとる
②「くぐる」「またぐ」「歩く」で空間をつくる
③オープンにしすぎない
④お店のこだわりが垣間見える小物などをセットする
⑤庇やテントを使う

★左回りのレイアウトを意識する

 心理学では、人の習性は左回りと言われています。陸上競技のトラック、F1サーキット、競輪、競馬、も左回りです。スーパーやコンビニも左回りに設計されているところが多いでしょう。左回りのレイアウトは、人の動きとして自然なので、心地よい空間になるのです。
そこで、店の入り口の扉から、左回りを基本としてゾーニングしていきましょう。ストーリーを描き、それぞれのゾーンにテーマやコンセプトをもたせていきます。
(例)①店内を起承転結、シーンで分けてみる
②お客様の心理を読む
③お店のコンセプトやテーマに沿う

【感想など】
まずは冒頭部分のクエスチョンをご覧ください。
Q:①~⑤の空き店舗のうち、あなたならどこで開業しますか?
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ワタクシのような素人でも「駅前の①が一番よさそう」というのはすぐにわかります。
実際人通りは一番多いし、目立つところにあるので一番集客しやすそう。

でもそこには大きな落とし穴がありました。

本書では①のような一等地のことを「エリート立地」と呼んでいますが、「エリート立地」には大きなハンデがあります。

それは家賃の高さ。
家賃が高いために大手企業でも採算が取れないエリート立地の店もあるそうで、中小企業が出展して生き残るのは至難のワザ。

特に銀行から借り入れをし、なけなしのお金をはたいて独立開業、という人には家賃という固定費をできるだけ抑えることが生き残るためのカギとなるようです。

固定費を低く抑えることができれば、出店した後の売り上げが伸びない場合、商品の値段を下げたり、宣伝費を捻出するなど、“対策費”を捻出できる可能性が出てきます。

つまり、そのぶん試行錯誤できるチャンスが増え、お店が生き残る可能性が高くなります。

では、本書で言うところの「お宝立地」「お値打ち立地」といった、駅からは少し離れているけど集客が見込める立地や、路地を一本入ったところで目立たない立地の場所でどうやって集客するか?

それが本書のツボでして、それはもうありとあらゆる面から親切丁寧に解説してくれています。

例えば看板。
メインの通りから少し入ったところにあるお店の場合、どうやってお客様を誘導してくるか。
その時役立つのがメインの通りに設置する置き看板。

本書では「路面にメニュー台を置こう」というのが解説されていますが、この方法の実践例を先日偶然見つけました。
それは大型ショッピングモールのファーストフードコーナー。
ワタクシがよく行くところは、3Fの一画がハンバーガーやどんぶり物、アイスやたこ焼きといったファーストフードや軽食屋さんがずらっと並んでいるのですが、ここの一番端っこの方にあるハンバーグ屋さん。

お店はお客の動線から完全に外れています。
が、この店の置き看板がなんと3Fに至るのぼりエスカレーターの登りきったところ真正面にあるのですよ。

さらにワタクシ感心したんですよ。
これね、よく考えてるわ~って。
ワタクシのような長身のものでも、背の低い子供でもエスカレータで上がってくるときに必ず看板が目線に一致する時がある。
もうね、いやでも目に入る(笑)。

しかもその看板がすごくシンプル!
コルクボードにハンバーグランチの大きな写真を貼って、値段(500円)を書いているだけ。

お腹すいて3Fでなんか食べようとエスカレーターを上がっていったお客さんは、ファーストフードコーナーのフロアについて最初に見るのがハンバーグの写真。

これすごいですよね。

もちろん味がいいのと値段が安いというのはありますが、この看板の破壊力は相当なものだと思います。

本書ではこういった看板やお店のデザイン、レイアウトから、出店までのお金の基礎知識、さらには物件選びの際のポイント(ガスの容量とか排煙関連とか)などなど、とにかくこれからお店を出そうという人が知っておくべきポイントが満載。

まさにお店を出すための教科書です。

なんと著者の会社が手掛けた店舗の営業維持率は90%以上といいますから、これはすごい!

「繁盛するお店づくり」を目指す方は必読のバイブルかと。
独立開業するならぜひお読みください。

繁盛店をつくる立地選び

繁盛店をつくる立地選び

  • 作者:崎元 則也
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2011/03/17
  • メディア: 単行本
 

本書は日本実業出版社編集者の滝様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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【管理人の独り言】
先日撮った一枚
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これはなんという種類の桜だろう?
ソメイヨシノもいいけどこういう桜もいいですね。

桜の季節になるとこの国に生まれてた幸せを感じます。

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