<楽天ブックスはコチラ> 『ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術』
・予算がない
・人が足りない
・時間がない
・社内での人望がない
・女性である
・スキルも経験も十分ではない
こんな6重苦の「ないないづくし」の状態から、ユニクロV字回復の一翼を担い、ウイメンズのヒット商品が生まれる土壌を築き上げた凄腕マネージャーの仕事術。
上司や部下はもちろん、他部署や社長まで巻き込んで全社一体型のプロジェクトを成功させるための戦術が惜しげもなく披露されています。
これ、なにげにスゴ本ですよ!
【目次】
序章 100%の実行力は「巻き込み」から生まれる
第1章 「ないないづくし」でも必ず変化は起こせる!
第2章 中間から「中心」になってメンバーの「データベース」を集める
第3章 「巻き込み」で大ヒット商品誕生の土壌をつくる
第4章 できない・やらないと言わせない「巻き込み強化法」
第5章 ユニクロ流「プロフェッショナルマネージャー」五つの条件
第6章 伝え方を劇変させる!即効「巻き込みフレーズ19」
あとがき
【ポイント&レバレッジメモ】
★今必要とされる、日本式巻き込みマネジメント
日本人はもともと仕事の場において、契約がどうこうという認識を持たずに着た民族です。
家族のように助けあうとか、手が空いているなら手伝おうといった「お互い様精神」で、バランスを保ちながら仕事をし、経済成長を遂げてきた面もあります。
また、「〇〇さんが得意だから」と、仕事とは何の関係もない特技を見込んでお願いする、というような感覚も日本独自のものだと思います。これは、成果主義という考え方とは相容れない価値観です。<中略>
部署と言う単位で分断した法がマネジメントははるかに効率的ですが、ユニクロのように部署横断的にプロジェクトが立ち上がるような一体型組織の方が、情報や人の流動性を生み、さらなるスピードと実行力を実現できるのです。
★六重苦でも人は動かせる!
前職の経験から、自分がま難得着た理論上のマネジメント額は現場ではほとんど役に立たない、ということを私は痛感していました。教科書の中の部下は決して反発しませんし、理想的な職場環境で働いていることが前提になっています。
でも、現実の職場にはいろいろな「人」が働いています。そして、「人」にはそれぞれの個性、性格、考え方、感情があります。
「人の心を動かすのは大変なことだなあ」
そう考えたとき、キーワードは「人」ではないかとひらめきました。
よくよく考えてみると、マネジメントの苦労は「人と人との関係」にたどり着きます。
「そうか、人を動かす方法を私は間違っていたんだ」
このことに気づいたとき、一筋の光がさしたように感じたのです。
★巻き込み仕事術に必要な「5ステップ」
・ステップ1 「データベース」を整理する
・ステップ2 口説く相手を分析して「戦略」を立てる
・ステップ3 口説き方の「戦術」を練る
・ステップ4 「コミット&期限」の確認
・ステップ5 議事録をかぶせた「リマインドメール」の活用
★中間管理職から「中心管理職」へ
マネージャーとは中間管理職ではなく、「中心管理職」だということです。
一般的には、マネージャーは上と下に挟まれた中間管理職というイメージが強いと思います。<中略>
しかし、組織のマネジメントにおいて、このように縦割りで階層化してしまうことは、かえって組織本来の力を活かせなくなってしまいます。
「中間」であるという認識から、目線が上と下だけに向いてしまうのです。
周りを巻き込むためには、上司や部下という上下関係ではなく、全方位に目線を向け、自ら円の中心に位置するのだという認識を持つようにしました。
巻き込む対象は上や下とは限りません。同僚や隣の部署、時に社長を巻き込むことも頻繁にあります。自分の部署を超えて、上下横斜めを常に見ることが大切です。
★キーパーソンを口説く「魔法の言葉」
「力を貸してください」
プロジェクトのリーダー役になって人が陥りやすいミスが、この「主役意識」です。
自分のプロジェクトだから、自分が主役とばかりに振る舞ってしまいがちですが、こうした言動や意識はメンバーや関係者に反感を抱かれる原因になるからです。
自分がリーダーなのだし、他の人にとってもこれは仕事なんだから、命令を聞くのはあたりまえという態度に陥ってしまうのです。<中略>
ですから、主導権はあくまでも「あなたにあります」と言うふうに感じてもらいながら、誘導して、相手の意思を尊重して決定したという方向で、あらゆる物事を決めていくことが大切なのです。
★ユニクロ流「プロフェッショナルマナージャーの条件」
①前始末 ・・・ 前始末が仕事の成功を決める
②徹底力 ・・・ あたりまえのことを徹底してやる
③走りながら考え抜く ・・・ 結果はわからないけど見切り発車する。失敗しながらも学びながら前に進む。
④発信者責任主義 ・・・ 「相手に伝えることは、発信者の責任である」
⑤一緒になって考える ・・・ 関係するすべての人と一緒になって考え、行動していく
★コミュニケーション五つのポイント
①フットワークは軽く「自ら足を運ぶ」
②経営陣の言葉を変換して「自分の言葉」で話す
③ネガティブなこともポジティブに変換する
④一方的な発言はしない
⑤上下意識は「捨てる」 ・・・ 立場は「中心」
【感想など】
本書を読んで、最初に頭に浮かんだのがコレでした↓
著者さんに怒られるかな?
美人に怒られるのは嫌いじゃない一龍です(笑)。
えーと、ふざけているわけではなくて、「巻き込み」仕事術をイメージしてたらタコが8本の足を八方に伸ばして、キーパーソンを絡みとり、吸盤にプロジェクトメンバーを吸いつけていく様が浮かんだんです。
でもこれ、あながち外れてないですよね。
組織全体で大きなプロジェクトを動かすためには、あちこちで小さな渦巻きを発生しつつ、同時に全体も大きく回転する。それによって、点である個々のビジネスパーソンが線で結ばれ、全体が回転することによってその活動領域が面となり大きなムーブメントとなる
そんな感じだと思うのです。
ワタクシも昨年からチームリーダー的な仕事を任されるようになって悪戦苦闘している中で、やはり感じるのは
「一人ではできることに限りがある」
ということ。
ところが、人を動かすということは最も仕事の中でやっかいなことでもある。
これ、多分多くの方が苦労している点だと思います。
結果、下から突き上げられ、上からプレッシャーかけられ、マネージャーなんて割に合わないぜってなるんですよね。
でも今回本書を読ませていただいて、ワタクシ的に幾つものパラダイムシフトをいただけたのは大収穫。
とくに、「中間管理職」ではなく「中心管理職」という考え方。
なるほどねぇ。
挟まれているんじゃなくて、中心にいるんですね。
そして、本書には、自分が「中心」となり、人を「巻き込む」技術が多数紹介されています。
これがもうどれも秀逸。
ネタバレ自重のため、その辺りは割愛させていただきましたが、「共犯者」とか、「同伴者の選択」とかこれまで“マネージャー本”を何冊か読んできましたが、これほど実戦的な戦術をこと細かく紹介してくれている本はちょっとなかったなぁ。
で、極めつけが 第6章 伝え方を劇変させる! 即効 「巻き込みフレーズ19」
これ、ぜひ本書にあたって読んでほしい。
これもネタバレ自重のため割愛させていただきますが、どれも魔法の言葉ですよ。
一つだけ紹介すると・・・ 「ぜひ、ご指導いただきたいのですが・・・」 ←コレ早速明日から使います。
上司にも同僚にも殺し文句ですね。
それにしても、この19のフレーズを読んでみると、いかに自分がいままで相手の気持ちや立場を考えずに巻き込もうとしていたか・・・。
反省しきりです。
だって、ワタクシの対上司巻き込み術を一つ披露すると、 「食い物でつる」 ですからね。(別名、餌付ともいう)
ワタクシの直の上司は50代の女性。
「これ、こないだ子供と駄菓子屋いったときに見つけたんですよー。味見してみません?」とかいいながら、4時ごろの小腹がすく頃を見計らっておやつを持って行く。(←スイーツじゃなくておやつ。駄菓子なんかも意表をついてありです)
献上したおやつを食べたのを見届けてから、「ところでお願が・・・」と言うと、たいがい断りません。
というか断らせません。
何んという安直な戦術(笑)。
それはともかく、あと、本書の楽しみ方として、ユニクロ拡大期の舞台裏や柳井さんの語録がふんだんに登場します。
そういったところも読みごたえあり。
ワタクシが引っかかったのは柳井さんの話し方の特徴
柳井正さんの話し方の特徴
・短いセンテンスで話す
・わかりやすい言葉を使う
・ゆっくり話す
・まず結論、次に理由を話す
・誰もが知っている例え話をする
「伝える」ということを大切にした柳井さんの話し方の特徴は、非常に参考になりました。
ワタクシなどはついつい早口で専門用語を使いながら話してしまうので、これも反省ですね。
しかし、「すべてを変えてください」といえる柳井さんってやっぱすごいわ。
こういう人とワタクシも仕事してみたいです。
まずはチームリーダー、マネージャーの皆様へ。
非常に実践的な戦術本としてお読みいただきたい。
これは現在発売されているマネージャー本の中でもトップクラスの実戦書。
スゴ本です!
本書はダイヤモンド社編集者の市川様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
【管理人の独り言】
今日ご紹介したのがマネージャー本ということで、併せてコチラも読まれてはいかがかと
どの本も、にわかチームリーダーとなって悪戦苦闘した(現在も進行中ですが)ワタクシが読んで、本当に参考になった本です。
ぜひ!