当ブログでは久々の菊原さんの著書。
今回は上司に関する本なのですが、世の中には“イヤな上司”“困った上司”に悩まされている人が多いことでしょう。
どう対処していいのやら、今悩んでいる方、これは必読ですよ。
【目次】
はじめに
第1章 モチベーションを下げまくる上司
第2章 部下を信用しない上司
第3章 部下を追いつめる上司
第4章 自分の価値観を押しつける上司
第5章 部下のジャマをする上司
おわりに
最後の最後に
【ポイント&レバレッジメモ】
★守ってくれない上司
対処法
1.あなたがミスをして落ち込んでいる時に、上司がさらに追い打ちをかけてきたら、まずは「その通りです」と受け入れるようにする。
2.ふだんから、「そもそも問題は起こるものだ」ということをあらかじめ受け入れておけば、もしミスが起きたとしても「想定の範囲内」として冷静に対処できるようになる。
3.「どうすれば、この問題を解決できるか?」に集中する
起こってしまったことは仕方がない。「さあ、この問題をどう解決しようか?」と前向きに受け止め、頭を切り替えて解決策を考えよう。自分の考え方次第で、失敗は毒にも薬にもなるのだから。
★自分のミスは部下のせい、部下の手柄は自分のものにする上司
対処法
1.「目の前に、まさに失敗の事例があるんだ。勉強になるなぁ」と考える
2.上司のさらに上役に「今回はサカモト部長に手伝っていただいたことで、大変うまく行きました」と、先回りして報告しておく
★部下の意見を全否定する上司
対処法
上司に企画書などを提出する場合、
1.上司が疑問に思いそうな部分を客観的なデータに基づいて、すべてつぶしておく(「後で口で説明しよう、書かなくてもわかってもらえるだろう」などという思いは禁物だ)。
2.さらに、上司に提出する際には、言葉で説明しようとせず、「まずはひと通りお目を通してください」と黙って全文を読んでもらう。
3.その時に出た質問や、ダメ出しに答える形にアップデートした企画書を、再提出すればいい。
4.企画書や提案書を上司に提出する前に、上司が信頼しているあなたの先輩や同僚に見せ、アドバイスをもらうようにする。
5.そこで指摘されたことを踏まえて修正し、上司に提出する。
人間関係の上では、悲しいかな、「何を言うか」よりも、「誰が言うか」の方がはるかに重要な場合が多い。
★いつも不機嫌な上司
対処法
1.その上司がなぜいつも不機嫌なのか、その理由を考えてみてほしい。
2.一度や二度は取り合ってもらえないと言うつもりで、余裕を持って上司に話しかける
3.あとは、どのタイミングで上司に話しかけるかを決めよう。手帳にその時間を書きいれてもいいだろう。
4.そして、その時間が来るまでは、他の仕事に打ち込むと決心する。
不機嫌な上司は、自分がイヤな上司であることを、あまり認識していない場合が多い。その意味では、あなたのことが嫌いだからそういった態度に出ているわけではないのだ。
だから、「自分は嫌われているかも?」などと思いつめずに、「そういう人なんだからしょうがない」と気軽に考えた方がいい。
★部下を辱める上司
対処法
1.上司に対する期待や甘えを、きれいさっぱり捨て去ると決心しよう。
「上司なんて自分を守ってはくれないもんだ」「上司に不条理な理由で怒られても、反面教師として前向きに捉えよう」と、きっぱり割り切るのである。
2.一度犯したミスは、細心の注意を払って二度と繰り返さないようにする。
やっかいな上司への対応も仕事の一部であると考え、どうすればその仕事をスムーズにこなせるかに集中するのである。
【感想など】
本書は以前、当ブログで紹介した
参考記事
の著者、菊原智明さんの新刊です。
ワタクシ、タイトルからてっきり
「階層社会では、すべての人は昇進を重ね、それぞれ最終的には無能のレベルに到達する」
つまり人は能力の限界で昇進がストップするから上司はバカばっかり
という、「ピーターの法則」の本かと思ってしまいましたが、困った上司に対する対処法本だったんですね。
まぁ、それにしてもいろいろなタイプの困った上司を想定して、その対処法を詳しく解説してくれているのですが、ワタクシも社会人長いので、「あぁ、こういう人いたなぁ」と思いつつも、「でも、わりと上司で困ることなかったなぁ」と自分の運の良さに感謝したりしながら読ませていただきました。
さて、それぞれのこまった上司に対する対処法は、本書にあたっていただくとして、ワタクシこの本を読みながら少々気づいたことがありました。
それは本書の各パートの解説部分に出てくる“仕事ができる人”に関する記述なのですが、これすごくいい!
仕事も業種も千差万別、その職場にいる上司も十人十色なのはもちろんですが、どんな職場でも“仕事ができる人”は共通点があるんじゃないかと、本書を読みつつ気がつきました。
例えば、著者が全国の営業マンの中でMVPに選ばれるまでに成長していく過程での気づき。
ここから得られる教訓が一つある。それは、上司にほとんど怒られず、飄々と仕事をこなしながら結果を出している人は、上司の心ない言葉や環境に一喜一憂せず、自分がやるべきことに完全に集中できる人だということだ。
彼らは、仕事や上司に過度の期待を抱かず、日々の仕事の中に、周囲からの評価以外の小さな喜びを見つけ、些細な気づきを大事にして、慌てず騒がず淡々と業務をこなしている。
ようするに、誰に何を言われようと、そんなことは気にせず、自分のやるべきことをひたすら淡々と達成していく。
こういうタイプ、ワタクシの職場にもいますが、たしかに仕事できるし、上司も一目置いてますね。
そしてこういう人は、たとえ上司に怒られても「あたふたしない」。
いつも冷静。
それはなぜかという答えを、著者は
・仕事は仕事と明確に割り切っている
・気持ちの切り替えが早い
と分析していますが、これもワタクシの周りを見渡すと確かにそうですね。
飲んだ席で愚痴っている姿なんて一度も見たことない。
そして、組織で生きていく究極の方法が書かれています。
人間関係において、他人をアテにしない人間ほど強いものはない。極端な例でいうと、人に裏切られたとしても「まあ、そういうこともあるさ」と、すぐに切り替えができるのだ。そもそも他人に何かしてもらおうと期待していないので、こういう人にとっては「裏切られた」という概念がない。だから、ちょっと上司に怒られようが、試み出さず、淡々と対応策を見いだすことができる。
そう、
他人をアテにしない
上司だろうが、同僚や部下だろうが、そんなもんはアテにせず、自分の仕事は自分がかたをつける。
何かあったときには「テメェのけつはテメェで拭くさ」という覚悟ができている人
そんな精神で働いている人は、いわば、組織には属しているけれど、組織の中で“独立している”状態。
こういう人は強いですよ。
ワタクシはその境地にはまだまだ到達していないなぁ。
書類にハンコ押してもらいに行く時は、心の中では「なんかあっても、あんたは守ってくれないし、責任とるのは俺なんだからさっさとハンコ押せよ!この野郎!」的なノリで行くのですが、怒られたときにはシュンとなる。
そんな時は、本書に書かれていたこの言葉を思い出そう。
イヤな上司に対する一番の仕返しは、あなたが圧倒的な成果を上げることである。
これが究極の真理です。
イヤな上司、こまった上司に対する対処法はもちろん、最強のビジネスパーソンの姿も浮かび上がってくる一冊。
そして、部下を持つ上司のみなさんもぜひ!
本書はスタジオビビ、乙丸様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関係書籍】
素晴らしいご紹介をありがとうございました。
心より感謝いたします。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
菊原様
読んでいて参考になる対処法満載でした。
ワタクシも早速使わせてもらいます。
今後ともよろしくお願いいたします。