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明日は我が身かも・・・【書評】小林直樹(著)『ソーシャルメディア炎上事件簿』(日経BP)

今日ご紹介する本は、「軽い読み物感覚でお読みください」といっていただいた本。
ですが、読んでいて最初は面白かったのですが、ブロガーとしてはだんだん恐ろしくなってきました。

明日は我が身という・・・

SNSを活用している皆さん。読んでおいたほうがいいですよ。

 

【目次】

はじめに
第1章 毎月起こるソーシャルメディア事件・・・事件簿1~7
第2章 「炎上」パターン6分類・・・事件簿8~30
第3章 炎上防衛Q&A 知っておきたい20の知恵
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】
★簡単に伝達できるツール、すなわち簡単に漏れ出すツール

(九電のやらせメールに関して)「バレずに遂行する」という観点からすれば、この要請をメールで送ったのはあまりに無防備すぎる。説明会の主旨すら不当に歪めるような問題ある要請を、形ある文章で数千もの人たちに発信すれば、今回のように愚痴を漏らす人、メディアにリークする人、自ら匿名でソーシャルメディア上に投稿する人が現れるのは当然だ。とりわけ“悪事”はソーシャルメディア上での燎原の火のごとく燃え広がる。自社グループ社員だからといって、デジタルツールで統制できるなど夢にも思わない方がいい。

★短期決戦に向かいないツイッター

 ツイッターは、「リアルタイムweb」と呼ばれる象徴を象徴するメディアだけに、その情報の波及速度は極めて速い。だがこの早さを、手っ取り早く(しかも安く)告知宣伝できると考えると間違ってしまう。<中略>
 テレビCMなら視聴率わずか1%でも関東地区の約40万人にリーチする。1~2週間やそこらで告知効果や売り上げ効果を求めるのなら、ツイッターはまったく向かない。じっくり腰を据え、中長期で自社の関心層と対話を繰り返し関係性を深めるメディアだ。

■炎上防衛Q&A知っておきたい20の知恵 より抜粋

★炎上しやすい話題・発言

1.口汚い言葉、不穏当・不謹慎な発言
2.イデオロギーがかかわる話題
3.人を見下す言葉、発言
4.犯罪自慢、武勇伝を語る
5.価値観の否定、押し付け

★「炎上」のターゲットになりやすい企業

 企業規模や事業内容以外で注意したいのは、顧客が抱く期待感とのギャップという点だ。
 「高額商品を買ったのにすぐに故障した」「リフォームしたばかりなのに水漏れが」・・・こんな場面の当事者になったとしたら、誰だって腹立たしく感じるだろう。支払った額から期待する品質・サービス水準を下回ればそれだけ、不満は膨らんでいく。それが自分だけでなく、他にも期待を裏切られたり迷惑を被ったりした人がいることがわかると、ネットで同調し、一種の「被害者の会」のような連帯感を伴って抗議の声に発展していく。自社の商品サービスで顧客の期待値と実態とが乖離しやすい点があれば、早めにギャップを縮小・解消しておくことがリスクマネジメントになる。

★「なりすまし」アカウントへの対処

 偽アカウントと正式アカウントが混同されることによるトラブルへの懸念がある場合、自社のwebサイトに公式アカウント一覧ページを設けて紹介することをお勧めしたい。「ここに載っていないアカウントは、自社とは無関係」であることを示すのが、問題発生を避ける第一歩となるだろう。

★お詫びを出す際の注意

 お詫びにあたって注意点が2つある。1つは安易に先延ばしをしないこと。もう1つはお詫びと講義をセットにしないことだ。<中略>
 お詫びのリリースや謝罪会見ではその内容に終始したほうがいい。仮に他社の責任論や自社への誹謗中傷について言及したいことがあっても、また別の会見、文章ですべきだろう。

★ツイート継続で信頼回復を

 そのためには発信を継続する必要がある。炎上の事後対応において「沈黙は金」は当てはまらない。「嵐が過ぎ去るまで待とう」と考えがちだが、だんまりを決め込んでいても“自然治癒”はない。引きこもっている限り、自社に関するネット上の情報は、不祥事の件が最新情報として残り続けるだけだ。ソーシャルで悪評が広まったら、ソーシャルで挽回するのが筋ではなかろうか。

【感想など】
本書は前半部分で、ソーシャルメディアにまつわる炎上事件の実例を30。
そして、後半部分で炎上防衛のための20の知恵を掲載しております。

個人として読むのであれば、前半部分の炎上事件の実例は、「ああ、こんなことあったなぁ」とか、「なんでこんなことつぶやくの?アホちゃうん」といった感じで、エンタメニュースを楽しむ感覚で読んでしまいそうなのですが・・・。

これねぇ、人ごとじゃないですよ。

ワタクシもこうしてブログをやってるし、ツイッターもFBも使っているわけで、いわば明日は我が身。

企業の炎上事件の方が、社会的影響力は大きいでしょうが、会社という組織が守ってくれる部分もあるので、むしろ個人で炎上したときの方が恐ろしいような気がしました。

例えば、ウェスティンホテル店員が大物カップルの来店・宿泊を暴露した事件。
もちろん、お客のプライベートな情報を流した店員に全面的に非があるのはワタクシも同感ですが、このアルバイト女子大生はすぐに所属大学・学部やアルバイト先の店舗が割り出され、さらに翌日には顔写真までネット上に流出。

いやはやすごい時代になったもんです。

【ポイント&レバレッジメモ】に抜き書きした、炎上しやすい話題・発言 の項目をしっかり注意しようと思いました。

しかし、ブログをはじめ、SNS上は基本的に“文字”で表現する世界。
自分では冗談のつもりでも、声のトーンや表情が伝わらないため、キツイ表現に取られるといったボタンの掛け違いから炎上という事態がいつ起きるかわかりませんよね。

関西では“アホ”といったら結構親しみもこもった表現ですが、関東の人には言われてキツイ表現であったり。
逆に関西人は“アホ”には耐性があるものの、関東の人に“バカ”と言われたらカチンと来ますからね。

地域による表現のニュアンスにも気をつけたいところです。

さて、遅ればせながら、これからSNSを販売促進に使っていこうと考えている企業さんもまだまだあるでしょう。
しかし、“お詫び会見”とか見てたらやっぱり躊躇しますよね。

SNSを使っていると、もしかしたら“炎上”という事態に陥ることもあるかもしれません。
でもワタクシはあえて「やってください」といいたいと思います。

孫さんがいい例ですが、企業のトップが顧客と対話できるって凄いことじゃないですか。
そりゃ孫さんもいいことばっかり返信されませんよ。

しかし我々消費者にとって、その企業のトップの顔が見えるということが、どれほどその企業への信頼につながるか。

長い目で見たらきっとプラスになると思います。
会社のブランド力や商品の品質だけでなく、
企業・商品の魅力=企業の人の魅力
という時代が来るんじゃないかと、ワタクシ常々考えています。

Appleなんかがこれに近いですよね。

この本を読んで、恐れることなくSNSを駆使して顧客と深い絆を結ぶ会社を目指しましょう。

本書は日経BP社営業の東城様より手渡し献本していただきました。
ありがとうございました。

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