その美貌からは想像できないガチで使える仕事術本!
これは必読、激オススメです。
【目次】
プロローグ
第1章 「残業は仕方がない」という意識を変える
第2章 残業スパイラルから抜け出すスケジューリング術
第3章 残業スパイラルから抜け出すための仕組みづくり
第4章 コミュニケーション上手は残業知らず
第5章 チームで残業スパイラルから脱出する
第6章 プライベートも段取りよく過ごす
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★不況の時代にこそ、ワーク・ライフバランスが必要
ワーク・ラィフバランスは福利厚生ではありません。経営戦略に関わる仕組みです。ワークの場で効率よく成果を出すためには、ライフでのインプットが大切。ワークとライフがお互いに刺激になって、相乗効果を生み出すこと、それが「ワーク・ライフバランス」。
★「段取り」が会社を救う
ほうっておいたら売り上げは落ちるだけという状況の中、労働時間を増やさずに、社員のクビを切らずに、そして会社の業績を落とさずにやっていくための、唯一無二の方法。それが、「効率化」です。
★「負の残業スパイラル」
スキルを磨くことができない→アイデアが出ない→仕事の能率が上がらない→残業がやめられない
⇒ 抜け出すためにも、効率よく仕事を終わらせて、定時に会社を出る
★ワーキングマザーの働き方をお手本にする
「保育園のお迎え」というリミットがあるワーキングマザーには、なんとしても定時までに仕事を終わらせようという気迫があります。<中略>
彼女たちが定時に仕事を終わらせるために、どんなふうに仕事の段取りを組んでいるのか、どうやって仕事をこなしているのか、その技は参考になるはずです。
もう一つ彼女たちに見習いたいのは、「明日も会社に来れるという保証はない」という危機感です。
いつ子どもが熱を出すかもしれない。伝染病にかかるかもしれない。
そんな毎日を過ごしているので、突然休むことになっても周りに迷惑をかけないように、周りと情報を共有し、仕事を引き継げるようにする工夫を身に付けている方も多いでしょう。
★残業スパイラルから抜け出すスケジューリング術
1日をどう過ごすか。1週間をどう過ごすか。そして、一つの仕事を締め切りに間に合わせるために、どう時間をやりくりするか。しっかり作戦を立てて実行する
・朝ギリギリの出社をやめる
・1週間のスケジュール配分を見直す。・・・あらかじめ金曜日は仕事のアポイントや会議を少なめに入る。
・アポイントの前後に「15分」の作戦タイムをとる
◇会議の時間を短くする(抜粋)
・「会議8分の1」・・・会議に来る人の数を半分に、会議の頻度と時間をそれぞれ半分にするというもの。(1/2)×(1/2)×(1/2)の積算で、8分の1にできるというのです。
・「タイマー会議」・・・会議のアジェンダを作成するときに、各議題の横に、8分、5分というふうにそれにかける時間も記入しておくのです。
◇スケジュール帳を徹底活用する・・・「手帳を制する者はワーク・ライフバランスを制する」
①フセンを徹底活用する
フセンに「○○の資料作成」と書いて貼っておけば、会議やアポイントメントに上書きされて消えてしまうということがありません。もしその時間に予定が入ってきたら、別の日や別の時間に貼り替えていけばいいのです。
ただし、必ず前へ前へと移動させていくことが原則です。
このとき、必要な時間の長さによって、フセンの太さを変えて使うと便利です。
鋤分、1時間、2時間と太さの違うフセンをいくつか用意しておき、2時間の作業だったら、2時間分の太さのフセンに書いて、貼っておくのです。
この手帳術がそのままできるのがコチラ
②働いた時間を記入する・・・「レコーディング残業ダイエット」
スケジュール帳には、月ごとの労働生産性を書き込む欄をつくりましょう。月末に、1ヵ月の自分の給与を働いた時間で割って、その月は時間当たりいくらで働いたかを計算して書き込むのです。<中略>
時間を書いて意識することで、早く帰る日が続くと「今月は時間単価が結構高くなるぞ」と楽しみができますので、ダラダラ働くということがなくなります。
★残業スパイラルから抜け出すための仕組みづくり
◇自分のためのマニュアルをつくる
①頻度の低い作業のマニュアルをつくる
作業手順や注意事項を忘れてしまうことで、効率が落ちないようにするためのマニュアル。担当の人の名前や内線番号、メールァドレスも記入しておくとさらに便利。
②頻度の高い仕事のマニュアルをつくる
自分の日ごろやっている仕事にムダがないか、もっといいやり方はないかをあらためて見直すことができます。
③メールのひな形をつくる
◇「誰でもできる化マニュアル」
その名のとおり、自分の仕事を突然誰かに振る必要に迫られたとき、その人が迷わずに仕事を引き継ぐことができるからです。異動になったり、急にフルで働けなくなったときにも、あわてることがありません。こういったマニュアルというのは、いざ必要になってからつくり始めるのでは遅いのです。
「誰でもできる化マニュアル」をつくると、有給休暇がとりやすくなるというメリットもあります。
◇「一度ですませるフォーマット」
私の会社では、必要な項目を一度に聞くための「一度ですませるフォーマット」をつくっています。
取引先に最初にこれをメールで送るだけで、面倒なやり取りを省くことができます。<中略>
最初に答えられない項目は空白にしておいてもらって、常にそのフォーマットを添付しながらやり取りすれば、何が今ペンディングなのかがひと目でわかります。
◇「マルチ担当制」・・・「一つの仕事をやっている人が一人ではない」という状況を作る
A社のメイン担当者は、別の仕事ではサブ担当を受け持ち、A社のサブ担当者は、また別の仕事ではメイン担当を受け持つという具合に、それぞれの人が複数の担当を持つようにすればよいのです。私はこれを「マルチ担当制」と呼んでいます。
★コミュニケーション上手は残業知らず
◇対・上司編
・仕事の受け取り方を工夫する
(上司の説明を受けながらとるメモは)自分だけにわかるようなメモではなく、上司に見せるためのメモをとるのです。
「では、こういう感じですね」と、その場でアウトプットのだいたいのイメージを図に書いてみます。すると上司は、「いやいや、こういう感じだよ」と、その図に書き加えてくれるかもしれません。そんなやりとりをしているうちに、たちまちたたき台のできあがりです。
・プレゼンスキルをアップする
①「驚かせプレゼン」をしない
②自分とバックグラウンドの違う人と交流する
③プレゼン後は、必ずフィードバックをし合う
・ミスは一刻も早く報告する
バッドニュースほど、早く上司に伝えなくてはなりません。早く伝えることで、最善の策を打とうとしている様子がわかってもらえます。
上司は、のんびりと悪いことを報告されるのがいちばん困るのです。昨日起きたことに対して、今日おわびの電話をするのがどれだけ気まずいことか。それが嫌だからよけいに怒ることになります。
◇対・同僚編
・女性社員のモチベーションを上げる
女性は、結果よりも途中のコミュニケーションを重視する傾向があります。いつも自分の仕事ぶりをちゃんと見てくれて内容にコメントを言ってくれたり、「いつもありがとう、助かるよ」とレスポンスしてくれている上司だったら、多少悪い評価をつけられても納得できます。
・メンバーで、お互いに欠点をフォローしあう
お互いに、自分に足りない能力を埋めてくれていることをほめ合うことで、うまくいきます。
自分だけで完全無欠になろうとせず、職場全体でフォローできているという体制を目指しましょう。
・プライベートを適度に会社に持ち込む
自分の家族のことを上司や同僚にある程度知ってもらっていると、自分も周囲も働きやすくなりますし、早く帰りやすくなります。
◇対・後輩編
・人に仕事を振るための時間を惜しまない
自分のできることをずっとやっているだけでは、成長できません。できない人に仕事を教えて、自分が次のステップに進むことで、ようやく成長できるのです。
・若い社員はほめて育てる
年齢が上の人たちは、「俺達の若いときは、もっともっと忙しかった」などと言いがちですが、今よりも、すべてのスピードがゆっくりだったことを忘れてはいけません。
世代の違う社員とは、違う環境で育ってきたんだ、こんなに変わったんだということをもう一度自覚する必要があります。
★自分だけでなく、チ‐ム全体の効率を考える
効率よく仕事をすればするほど仕事が増える・・・これでは、いつまでたっても残業をやめることができません。これからは、自分の効率だけでなく、チーム全体の効率を上げることを考えながら働きましょう。
⇒ 毎日の仕事を「見える化」「共有化」していくことがいちばんのポイント
◇「朝メール」と「夜メール」でスケジュール管理
・朝メールで仕事の段取りと優先順位をすり合わせる
「優先順位をつける力」「所要時間を見込む力」が身に着く
1日分の業務が定時に終わるように全体を組み立て、優先順位の高い順に、午前の早い時間から仕事を入れていくことを原則
上司と部下の優先順位のずれがすり合わされて解消
上司に伝えるためだけのものではなく、自分のための予定表でもあります。これがあれば、迷わずに1日の業務をこなしていくことができます。
・夜メールで仕事の成果を報告
夜メールは、その業務が実際はどうなったのか、上司に報告するためのメールです。
朝メールで予定していた仕事に、実際はどのくらいの時間をかけたのか、また、どの仕事が終わらなかったのか
◇朝メールは、働き方の「脳トレーニング」
朝メールが残業時間の短縮につながる理由は、「何十分で終わらせる」というふうに時間で指示しているところ。肝心なのは毎日タイムプレッシャーを脳に与え続けること。それが、脳の処理能力を活性化させ、時間内で高い能力を発揮するためのトレーニングになる。
【感想など】
パンダ顔好きのワタクシは以前から当ブログでも公言してきましたが、小室淑恵さんのファンでございます。
表紙に小室さんの写真が載っているだけで雑誌も買ったこともあったり。
そうそう、某K女史が本を出された時は、「『結局、女はキレイが勝ち』は小室さんが書かなアカンやろ!」などと本屋で独り言をつぶやいたこともありましたっけ。
でも、実を言うと小室さんの書いたものを読んだのは雑誌の記事ぐらいで、本をちゃんと読んだのは本書が初めて。
「ライフ・ワークバランス」を提唱している方ということは知っていましたが、某K女史ほどTVにも出られませんし、それほど小室さんの主義主張に触れることってなかったんですよね。
だいたいTVに出演されていてもその美貌にボーっと見とれてるので話聞いてなかったかも(スイマセン)。
そんな既得情報ほとんどゼロの状態で今回本書を読んでみたのですが、もうビックリ!
「もう、なんで早く読まなかったんだろう」と大後悔ですよ。
これ、マジで使える仕事術ネタ満載じゃないですか!(天は二物を与えるんだなぁ)
あまりに全編にわたって使えるネタがありすぎて、今回の【ポイント&レバレッジメモ】では涙をのんで大幅に割愛させていただいたほど。
そんな中でも特にこれはというものを、
例えば、
「朝メール、夜メール」などは今すぐにでも導入したいですね。
以前当ブログで紹介した上村敏彦さんの
に登場する「日報を朝書く」ハックとつながるテクだと思うのですが、さらに可視化が進んでおり、これは有効に機能しそう。
ただ、ワタクシの職場を振り返ってみると導入には大きな壁があるんですよね。
それも本書に書かれているのですが、
多くの企業で仕事の効率化がなかなか進まない理由の一つに、このような「40代以上のITスキル不足」があります。
ということ。
とくに50代の年配の女性職員が、「PCやなんもわからへんわ~」と公言して幅きかせてるうちはIT化は進まないだろうなぁ。
でも、お願いですからメールぐらいは自分で開けるようになってくださいよ。
マニュアル(←これも本書に登場)も作ってあるんですから…。
それから忙しいのに改善しようとしない“思考停止状態”になっている場合も。
「昔からのやり方に従わなくてはいけない」という決まりはありません。
なのに旧態依然として変わらないことって多いですよね。
そんな時、上司にたいしてどうもっていくかというのも本書では 対上司編 なんか読んでいるとヒント満載でした。
最終的にポイントは「相互理解」なんですよねぇ。
こうして見るとこの本、至れり尽くせりですね。
また、男のワタクシには女性目線の仕事術というものが大変新鮮でした。
これは世のビジネスマンは必読かと。
特にこれから結婚するであろう若いビジネスマンと、仕事至上主義でここまでやってきたけど親の介護で急にワーク・ライフバランスを考えなければならなくなったベテラン組は、第6章のプライベートでの段取り術もあわせて読んでみてください。
いろんな意味で“手遅れ”にならないように。
これだけの内容でこの値段。
コストパフォーマンス激高な1冊。ワイフ・ワークバランス、小室淑恵入門書(?)としても激オススメ!
【関連書籍】

超人気ワークライフバランスコンサルタントが教える キャリアも恋も手に入れる、あなたが輝く働き方
- 作者:小室 淑恵
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/03/14
- メディア: 単行本