EC studio様より献本御礼!
そして、ついに出るべき本が出たと直感した。
【目次】
はじめに
第1章 ツイッターを会社で導入する目的とは
第2章 ツイッターを全社導入して起きたこと
第3章 ツイッターのメリット・デメリット
第4章 アイフォーンとツイッターが会社にもたらすもの
第5章 グーグル・アップスとアイフォーン
第6章 コミュニケーションのクラウド化で会社は儲かる
スペシャル・インタビュー グーグル 辻野晃一郎社長
おわりに
イーシースタジオ社員の全社導入アンケート
【ポイント&レバレッジメモ】
★ツイッターは新しいコミュニケーション・ツール
イーシースタジオでツイッターを導入しようと判断したきっかけも、「社員のふとしたつぶやきから何か新しいことが生まれるのではないか、今まで吸い上げることができていなかった情報が吸い上げれるのではないか」という期待からでした。
★ツイッターは心の距離が近くなるツール
自分がフォローしているユーザーが有名な方であっても、ふとしたつぶやきが投稿されるため、会ったことがないにも関わらず親近感を覚えます。つまり、ツイッターは心の距離が近くなるシールなのです。
★社長がツイッターを始めるメリット
企業の場合は、社長自身がツイッターを始めることによって、社長だけでなく社員にもメリットがあります。一般的に社長は急にアイデアを出したり、進行しているプロジェクトをひっくり返して社員を驚かせることが少なくないと思います。しかし、イーシースタジオの社員は私のつぶやきを見ているため、今どこで誰と会っていてこんな話し合いが行われたという事実を把握しており、私が会社に戻って「こんなアイデアを思いついたので実行したい!」と言っても誰も驚きません。
★ツイッターはPR目的で導入すると失敗する
ツィッターは、自分の心の声をつぶやくシールであり、いくらユーザー数が増えたとしても、自ら能動的に情報を探している検索エンジンとは利用目的が異なっているのです。そして、ツイッターはユーザー自らが望んでいない広告に対しての拒否反応が強い傾向がうかがえます。
★PR効果はオマケ
PR目的でのツイッターの企業導入は、うまくいかないことが多いですが、コミュニケーション目的でツイッターを導入したことが、結果的にPR効果につながっていくことがあります。
★ツイッターで「にぎやか」な職場
ツイッターを全社導入して社員がつぶやき始めると、業務が忙しい、部署やオフィスが違うなどの垣根をこえて社内のコミュニケーションが活性化します。つぶやかれた内容をネタとして、同じオフィスであれば口頭で声をかけることもできますし、オフィスが離れていればツイッター上でコメントしたり、次回会った時にそのつぶやきについて話が盛り上がります。
★ツイッターを全社導入してイーシースタジオで起きたこと
◇社内コミュニケーションの活性化
〇おとなしい社員がツイッター上でいきいきつぶやく
〇ゆるーいお誘いつぶやき (例)〇〇カレーに19時頃に行こうかな。誰か参戦する人?
〇体調についてつぶやく (例)頭痛はおさまったが、薬を飲んでとても眠い…
〇仕事についてつぶやく (例)明日はやること終わったら1人でお酒のみに行く ←何かあったのか?
◇つぶやきで情報共有
〇遅刻状況のつぶやき (例)○○線が人身事故で30分遅れてる。ダッシュすれば間に合うかも
〇ねぎらいの言葉 (例)オートロックの鍵が回らない140分格闘したけど開かないのでオフィスに戻って床で寝よう
次の朝に社員が出社するなり「○○さん大丈夫?」「クローゼットに毛布あったのに使わなかったの?」
〇急ぎの連絡にも効果的
ツイッターの個別で送れるダイレクト・メッセージ・・・特に効果的なのが電車の中です。電車の中では比較的時間がありますから、ツイッターを見ている可能性も高く、電話には出られなくてもツイッターのメッセージが届いたと同時にチェックされることも多いのです。
◇社外とのコミュニケーション
〇人力辞書
私が何か困っていることがあってツイッター上につぶやくと、2500名の(フォロワーの)中からその答えを知っている方が、すぐにアドバイスしてくれます。私もそのアドバイスに対してお礼を言ったり、さらに深く質問させていただくこともあります。<中略>ツイッターのよさはつぶやきによって今を共有するサービスであるため、即時性が高いということです。何かを知りたい場合は、内容や緊急度によってツイッターか人力検索をうまく使い分けるのが良いと思います。
〇会社名やサービスに対するつぶやき
ツイッターにはPR効果を求めるよりも、カスタマー・サポートという視点において活用すると顧客満足度も上がります。そして企業のアカウントにフォロワーがついてファンを増やすのが効果的だと思います。
〇有名人につながることができる
ツイッターをやっている方であれば、コンタクトを取ることが難しい方であっても比較的容易につながることができます。<中略>ツイッターは本人が直接利用しているため、コメントを送れば非常に高い確率で目を通してもらえます。<中略>ツイッターであれば目を通してもらうことができ、相手の気になるポイントさえついていれば、返信をもらえたりフォローしてもらえたりします。
〇社外を巻き込んだ会議(ブレーン・ストーミング)
一般的に会議というと社内の特定のメンバーが会議室で行うものですが、アイデアが煮詰まって似通ったアイデアしか出ず、会議自体が頓挫することがあります。
そんな時は、ツイッターにつぶやいてみることで会議に参加していない社内の社員だけでなく、社外の方を巻き込んでアイデアを出してもらうことができます。
〇休日の社員の動き
ツイッターを導入してからは社員が休日にいろんな場所に行って、いろんなことをしているのをつぶやきで見て、意外な一面を知ることができます。<中略>月曜日になれば休日に面白いことをつぶやいていた社員に、出社するなりみんなから突っ込みが入るというのが日常化しています。
★ツイッターのメリット
◇メリット(抜粋)
②組織のベクトルが揃う
社長ブログは社外に向けた情報発信の意味合いが強いですが、社長ツイッターは社長の普段の考えていることや行動がつぶやかれ、社員にとってもこれからの自社の方針や方向性などを知る貴重な情報源になります。
③ガス抜き効果
自分では悩んでいて聞いてもらいたいことがあっても相談するほどでもないと思うこともツイッターが効果的です。今までであれば自分の心に留めておくだけだったこともツイッターでは思わずつぶやいてしまいます。それだけでもスッキリ効果はあるのですが、共感してくれたり、反応してくれる人がいます。
⑤情報感度が上がる
最新情報を能動的に取りに行かなくても、つぶやきを見に行ったらその中に最新情報が埋もれているのです。これまでの「情報収集しないといけない」という義務感から、ツイッターでは気になる人のつぶやきを見ていたら、いつの間にか最新情報まで収集できてしまうのです。
⑥社外とのコミュニケーション
ツイッターを全社導入し、社員のつぶやきに対して私がリツイートすることで、イーシースタジオに興味を持っていただいている方は社員もフォローします。中には全社員をフォローしてくれている方もいます(全社員をフォローするとイーシースタジオ社内の様子が良くわかると思います)。
⑦商談がスムーズに進む
これまで会社概要ページだけでは商談相手の情報は思うように得られませんでしたが、先方がツイッターを活用していれば情報が手に取るようにわかります。普段からフォローしていれば、商談担当者の思考や生活パターンまで把握できますが、商談直前に相手のつぶやきに目を通しておくだけでも十分な効果はあります。
⑨採用のミスマッチが減る
会社概要ページに社長ブログやスタッフブログがあれば、その会社を真剣に検討されている方は目を通してから応募されます。そしてこれからは、ツイッターのつぶやきに目を通してから応募する時代がやってきました。
【感想など】
以前、当ブログで、ワタクシの知り合いで、
「会社からiPhoneを支給されて、その条件がツイッターでつぶやくこと、という人がいる」
と何ともうらやましい人のことを書いたことがありましたが、その会社こそまさしく本書の会社。
テレビマンの心を射抜くキューピットになる!【書評】野呂エイシロウ(著)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)
そのEC studio様から献本いただいたのですが、
ワタクシ、本書のタイトルからてっきり
「社員全員でツイッターで自社をPRして、営業活動することで儲ける本」
かと誤解してました。
まず、皆さん間違えないように!
この本はツイッターをPRや営業に利用する本ではなく、マネージメントに利用した実践例の本なのです。
ツイッターで社内のコミュニケーションを活発にして強い組織になる。
さらに社外とのつながりも強化することによって、儲かる会社になる。
というのがコンセプト。
そして、その実践例が生き生きと語られています。
ですので、今回の【ポイント&レバレッジメモ】はその実践例とツイッター導入のメリットを中心に抜き書きさせていただきました。
もうね、この実践例を読んでるとこちらも楽しくて、「こんな会社で働きたーい」と絶対思いますよ。
“誕生日のサプライズ”なんて最高です。(詳しくは本書で)
さて、
EC studioさんは社員30名ほどの小さな会社。
普通、このサイズの会社なら意志疎通は簡単と思いますよね。
でも、ワタクシの職場もそうですが、同じ部署にいても1日に一言もしゃべらない同僚もいるわけで、気がついてないだけでそれほどコミュニケーションを取っているわけではありません。
それに、名前は知っていても、趣味とか家族構成とかプライベートなことはよほど仲の良い同僚しか知りません。
また、ワタクシもあまり知られたくない部分もあったりします。
(書評ブロガーやってることは絶対内緒!)
しかしツイッターの“ゆるくつながる”という特性は、
「集団でありながら、個々のつながりが薄い会社組織」にはぴったりなじむような気がします。
さらに本書を読んでいて気がついたのですが、
以前紹介した小室淑恵さんの
人生と仕事の段取り術 (PHPビジネス新書) (2010/01/19) 小室 淑恵 |
はじめての「ワーク・ライフバランス」【書評】小室淑恵(著)『人生と仕事の段取り術 』(PHPビ ジネス新書)
では、
ワーク・ライフバランスのポイントとして、職場で「プライベートの話題も話す」といったことも挙げられていましたが、ツイッターのつぶやきはワーク・ライフバランスにも効果があるのではと思うのです。
(例)「幼稚園のお迎え時間、ピーンチ!」とか「今日は妻の誕生日、定時で帰るぞ!」とか。
なかには、「自分のつぶやきを社長が見てるなんていや」と思う社員もいることでしょう。
でも、「社長に面と向かっては言えないけどツイッターでならつぶやける」といった目安箱的な使い方ができるソーシャルネットワークがあるのは社員にとって大きなメリットだと思うんですよね。
そういえば、先日この会社のワタクシの知り合いに「iPadは会社で支給してくれないの?」と聞いたところ、
「どうだろう」という反応だったので、
「ツイッターでつぶやいてみたら、社長見てるんでしょ」と言っておきました。
はたしてどうなる事やら。楽しみ!
ちなみにこの知り合いとも話したのですが、全社員ツイッターでつぶやくメリットは、大きな会社ほど効果が高いのではないかと。
社員数万人を抱え、全国に支店があるような会社ほど、コミュニケーション促進剤としてマネージメント面でのメリットがあるし、副産物としてのPR効果も大きいこと間違いなし。
社員一人6000円ほどのコストを、高いとみるか安いと見るかは経営者の力量が問われるところではありますが。
経営者のみなさん。
まずは本書を読んで、そしてご自分でツイッターをやってみてください。
個人でツイッターを始めるのはタダですから。
そして、これは使える!と直感が閃いたら本書を参考にiPhone&ツイッターを導入してみてはいかがでしょう。
ワタクシもツイッター実践者として言わせていただきますが、
社内のコミュニケーションが劇的に変わるのは間違いありません!
【関連書籍】
「ツイッター」でビジネスが変わる! Twitter Power
- 作者:ジョエル・コム
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
【参考記事】