4月から新米課長さんになった方、はじめて部下を持った方。
この1カ月大変だったんじゃないですか?
ワタクシは課長ではありませんが、この本のおかげで胸のつかえが取れてスッキリさせていただきました。
【目次】
第1章 まずはじめに、「志」をもちなさい
第2章 課長になって2か月でやるべきこと
第3章 部下を動かす
第4章 社内政治に勝つ
第5章 自分を成長させる
【ポイント&レバレッジメモ】
■「志」
★課長ほどやりがいがあって、面白い仕事はない
◇部下の成長を確認したり、チームとしての結果が出た時の満足感は何物にも代えがたい
◇一緒に働いた仲間との「絆」を持つことができれば、それは幸せな仕事人生というべきです。
◇読んでほしい本・・・「一人の父親は百人の教師に勝る」
★高い「志」が人を動かす
◇その「志」さえ高ければ、スキルなど自然と後からついて来る ⇒ 部下の心を動かす高い「志」と「パッション」を持たなければ、誰もついてきてくれないのだ
★ノブリス・オブリュージュであれ
◇「『世のため人のため』に生きることが『自分のため』になる」
「人間の究極の幸せは、人に愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、人から必要とされることの4つです。働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのです。・・・」
■部下を動かす
★部下の人生にコミットする
◇君は部下の成長にコミットする力を持っている、ひとりの人間の人生を変える力をもっている ⇒ 部下にやりがいを与えてあげるのは、課長の大事な仕事なのです。
★全員の戦力を最大に高めよ
◇粘り強く指導することによって、仕事の遅い人、要領の悪い人の効率を上げることでチーム全体の仕事の成果を上げる
◇重要なのは個々人のモチベーションを高めることです。仕事の結果に差をもたらすのは、能力というよりは熱意
★はっきりと言葉にする
◇何事も言葉でしっかりと伝えるとともに、相手の話をしっかりと聞く努力をすべきです。「まぁ、分かってくれるだろう」とか「聞かなくてもわかるよ」などという考えは捨て去ってください。
⇒ 要所要所で念入りにコミュニケーションを取る手間をかけることで、ロスは大幅に減る
◇家庭の事情もオープンにする ⇒ 人というものは、自分の抱えている問題を平然と受け止めて、当たり前のように処する人に共感するもの
★人事評価
人事評価は本来、給与・処遇の差をつけるために行うべきものではありません。そうではなく、部下の現状を正しく評価することによって、これから身につけなければならない能力・技術・人間力について自覚させるとともに、君が上司として指導するためのものです。
★異端児こそ大事にせよ
◇一つのカラーに統一しようとする圧力の働くチームというのは極めて脆弱です
◇異質な考え方の提案によって、組織の中にコンフリクト(対立)が起こり、既存の考え方の検証が行われ、それがイノベーションを起こす ⇒ “異端児”はいかさなくては損
★部下を守る
◇再びミスをしないようにしてあげるのが、部下を守るということ
◇会社は人助けの組織ではなく、あくまで戦闘集団 ⇒ 下手な“温情”は、部下を殺してしまいかねない
◇「正面の理、側面の理、背面の恐怖」
リーダーが仕事を進めていく上で、部下に対して、まず「理」で説得し、ときどき「情」でサポートする。しかし「それで従わねば、わかっているな」ということです。
【感想など】
まずはじめに、この本から本当にいろんな指針をいただきました。
著者に感謝したいです。
佐々木さんありがとうございました。
というのも、この本に書かれているテーマは今のワタクシの悩みの種でした。
ワタクシごとですが、以前も書いたように今年度からチームリーダー的な仕事も任されてしまいまして。
それも別に課長とか主任とか肩書のないまま(←要するにヒラ)
自分では気がつかなかったのですが、上からは本書風にいえばワタクシは“見えないヒエラルキー”のなかで“隠然たる影響力”を持った人に見られたのでしょうか?
ともかく、「面倒見てやってくれ」の一言で、自分自身の仕事の上に新人の教育と50代のおじ様のおもりやくまで押し付けられてしまいました。
これきついですね。
新人の教育は大変だけどまだいいんです。成長していく姿を見るのは楽しいものですから。
で、問題はワタクシよりはるかに年上の50代のおじ様。
この方、仕事に集中するあまり周りが見えなくなり、暴走してしまって何度もトラブルを起こしてしまい、
その結果、前の部署では自分の居場所がなくなったように感じ、仕事を辞めようかと悩んでいたそうです。
それで上からは「あんまり仕事任せたらいかんぞ」「暴走せんように見といてくれ」といった要望とともに押し付けられたのですが、どう接したものかわからず、でも仕事はまってくれないのでそうそうかまってもいられず。
任せても大丈夫な仕事は何なのか?どういう説明をしたらこちらの要望が分かってもらえるのか?
4月はそんなこんなの試行錯誤の1か月でした。
ただワタクシにとっては色々学ぶ点も多く、いい経験でもありました。
まず、本書にも書かれていますが、「前任者の評価を鵜呑みにしない」ということ。
伝え聞いていた評価はけしてウソではないのですが、実際に話してみたり一緒に仕事をしてみるといい人で、「意外と大丈夫やん。偏見持ったらあかんわ」と大いに反省。
あくまで自分の目で相手を見ることの大切さを学ばせてもらいました。
また、このおじ様、自分の仕事の仕方に固執する頑固なところもあるのですが、
「その仕事は何のため?誰のため?」といったファンクショナル・アプローチ的な問いかけを持ちだして説明していくうちに理解してくれたりもします。

ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
- 作者:横田 尚哉
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
やはり言葉を尽くしてこちらの意図を伝える、コミュニケーションの重要性も学ばせていただきました。
まぁ、何度説明しても理解してもらえず、結局「自分でやったほうが早い」といったん任せた仕事をこっちで勝手にやってしまったこともありましたが・・・。(←これは一番してはいけないこと。面子をつぶしますからね)
さて、この「その仕事は何のため?誰のため?」という問いかけのベースが、実は本書でいう「志」なのだということに気が付きました。
本書冒頭で著者は
色々なことを書きました。それぞれが大事なことですが、すべての背後にあるのは「志」です。課長にとって一番大切なのは、何かを成し遂げようとする「志」であり、なんとしても部下を育て上げるという「志」なのです。これさえあれば、スキルやノウハウは後からついてくるのです。
そう、部下に限らず、最終的に人を動かすのはお金とか地位ではなく“高い「志」”なのですね。
これを示すことができるかどうか。
まずはそこが課長の腕の見せ所。
まぁワタクシは課長ではありませんが、今回本書からこれを学べたので、仕事も“おじ様”との付き合い方についても、チームでの自分自身の方向性がはっきり見えてきた気がします。
なんかもやもやしたものがスッキリした感じ。
佐々木さんありがとうございました。
そして、日本中すべての課長さんに読んでもらいたい1冊です。
【関連書籍】