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歩くスピードが速くなる!?【書評】千田 琢哉(著)『転職1年目の仕事術』(ディスカヴァー21)

 

転職1年目の仕事術

転職1年目の仕事術

  • 作者:千田 琢哉
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/07/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

転職1年目の人だけに読ませるのはもったいない。

転職1年目という微妙な立場のときの仕事術は、そのまま生涯を通じての仕事術としても役に立ち、ひいては人間としての生き方にもつながります。

ありそうでなかった仕事術本!

 

【目次】

プロローグ 転職を経験しなければ、人生を生きたことにはならない。

第1章 入社前にしておきたい「下準備」
1 職場のすぐ近くに住む
2 最初の挨拶で「まだ何もわからない未熟者ですが」と言わない
3 フルネームで名乗る癖をつける    他

第2章 転職1日目から意識しておきたいこと
9 腰の低さは新入社員、仕事の中身は年齢以上を目指す
10 質問するタイミングには気を遣い、依頼されるタイミングは相手に遠慮させない
11 年下の上司にこそ気を遣わせない   他

第3章 はじめの10日間に意識しておきたいこと
22 会議で使う機材の操作をマスターする
23 前職での教訓から「たったひとつ」のルールをつくり、それを死守する
24 前の会社の話を、聞かれもしないのに自分から口にしない    他

第4章 はじめの90日間に意識しておきたいこと
30 忙しくても夜のつき合いには顔を出す
31 上司に「うるさい」と言われるくらいに報・連・相を徹底する
32 会社の周辺でタクシーのつかまりやすい場所を把握しておく   他

第5章 はじめの90日間を過ぎてから意識しておきたいこと
38 出張の帰りに3回に1度はお土産を
39 取引先との飲み会には極力参加する
40 自分を採用してくれた担当者に暑中見舞いと寒中見舞いを出す   他

エピローグ 壁にぶつかったら、ひとつ目の会社に感謝を忘れている。

【ポイント&レバレッジメモ】 

■ 入社前にしておきたい「下準備」
01 職場のすぐ近くに住む

転職を成功させる人は、ここで、職場に接近している住居を自腹で選ぶ。

そして何よりも大好きなことを仕事にするわけだから、万一の際には終電を気にすることなく、いつも働き放題の環境にあるのだ。
存分に働いた後には、今から同僚が1時間以上かけて帰るところを、5分後にはシャワーを浴びて、そのままぐっすり眠ることができる。

(通勤に1時間かけることで)気持ちの切り替えをしなければならないような仕事をしていること自体が、
そもそも人生の無駄遣い
でありもったいないとおもわないだろうか。

08 速く歩く癖をつける

普段の仕事を自然にスピードアップさせる方法がある。
それは、歩くスピードを速くすることである。

歩くスピードと思考回路は連動しているといていい。
周囲を見渡しても、仕事のできる人は歩くスピードが速いが、仕事のできない人は歩くスピードが遅いkとに気づかされるはずだ。
歩くスピードは頭の回転と比例する。
頭の回転が速いから歩くスピードが速くなるわけではない。速く歩くから、頭の回転が速くなるのだ。
頭の回転が鈍いから歩くスピードが遅くなるわけではない。遅く歩くから、頭の回転が鈍くなるのだ。

■ 転職1日目から意識しておきたいこと
09 腰の低さは新入社員、仕事の中身は年齢以上を目指す

入社初日から心に誓わなければならないことがある。
それは立ち居振る舞い、姿勢に関しては新入社員のように謙虚な心を忘れず、
仕事の中身に関しては一日も早く年齢以上の成果を発揮するということである。

自信がないから虚勢を張りたくなる気持ちはわかるが、逆効果である。
それよりは入社初日から自分は最下位であることを認識し、周囲をみんな先生だと思って接していくことである。

仮にひと回り以上歳が離れていようと、親と子ほどの年齢差があろうと、そんなことはいっさい関係ない。
仕事は年齢ではなく実力で競うものである。

19 誰にでもできる雑用にこそ、自分のDNAを刻む

誰がやっても同じ雑用というものは、逆にいえば、その他大勢とは違った工夫をすることによって、強烈な印象を与えることができるわけだ。

人間というものは不思議なもので、その人がいる間にはその人の価値がまったくわからないものだが、いなくなった瞬間に、初めて存在価値に気づかれる。

雑用は誰もがルーティーンワークとして手を抜くからこそ、少し工夫するだけで大きく差をつけることができる。

■ はじめの10日間に意識しておきたいこと
23 前職での教訓から「たったひとつ」のルールをつくり、それを死守する

前職からもらった最高のプレゼントは、退職金ではなくて教訓なのだ。

お気づきのように、すべて仕事能力の問題ではなくてむしろ人間性や性格の問題に行きつくわけである。そして、その性格の問題である「たったひとつ」を死守することによって、他の反省点にも直結することに気づくはずだ。
原因の原因である「真因」は常に、究極的にいえば「たったひとつ」だと憶えておくといい。大半のビジネスにおいて関係が終わってしまう要因は、能力ではなく性格の問題だということを、ここで改めて肝に命じて欲しい。

■ はじめの90日間に意識しておきたいこと
31 上司に「うるさい」と言われるくらいに報・連・相を徹底する

上司は有能な部下を信頼するのではない。
上司は情報共有化の重要性を理解している部下を信頼するのではない信用するのだ。

社会人になったら、
ほとんどの仕事は個人プレーではなくてチームプレーになる。
その時に周囲をきちんと巻き込んで情報共有化ができているかいないかの差は、いざというときに極めて大きな差になる。

■ はじめの90日間を過ぎてから意識しておきたいこと
42 厳しいけど仕事ができる人にしがみついていく

見かけ上、あるいは短期的な華々しい数値のみならず、本当の意味で実力があって、長期的に成果を挙げ続けている人を、あなたのベンチマークにしていこう。

【感想など】

プロローグの

「人は転職を通して大人になる。
転職を経験しなければ、人生を生きたことにはならない。」

はキャッチーでインパクトはあるが、ワタクシ個人的には全く賛同しない!

武道の世界に
「一門に通じるものは百門に通ず」
という諺があるように、一つの職種を極めることで、その職種のプロとしても、人間としても成長される方も大勢知っている。

逆に、自分に合った職種や有利な条件に誘われて転職したものの、とても“人生を生きている”といえない人たちもいっぱいいる。

だいいち、ワタクシが転職経験がない!(笑)。

「なんて失礼な本だ!俺はまだ子供か!」とちょっとカチンと来つつ、そこは根っからのビジネス書好きなもので、「転職1年目に絞った仕事術かぁ。目のつけどころが面白いやん」と読み進めていくことに。

そしたら、著者の“熱さ”がワタクシ好みな上に、「そうそう、それってちょっとしたことだけど大切だよな」という内容のオンパレード。

さらに、仕事術と言ってもいわゆる“効率化のためのハウツー本”ではなく、“仕事に対する姿勢や心構え”が大きなウェイトを占めている点もワタクシ的に好感ど高し!

いつしか頭にきたことも忘れ、本に引き込まれてしまいました。

この本に書かれている仕事術は転職1年目だろうが、新入社員だろうが、定年間際の大ベテランだろうが関係なく、職場で円滑に仕事をすすめ、成果を出すためにとても大切なことばかりなんです。

ぜひ全てのビジネスパーソンに読んでもらいたいですね。

本書読んでいてワタクシの頭に浮かびあがってきたキーワードは「スピード」「挨拶(礼儀)」でした。

「スピード」とはもちろん仕事の速さのことですが、本書に書かれているように確かに歩くスピードと頭の回転には関連があるかも。
というか、歩くスピードだけじゃなく、普段の行動、話のテンポ、食事のスピードも。

そういえばユニークな入社試験で知られる日本電産さんの試験に、「試験会場に来た順に採用」とか、「お昼の弁当を速く食べ終えた人から採用」といったものがあったような。

しかもそれがおおむね“当たり”だったというのだから、たぶんこれ本当だと思います。

ちなみにワタクシ、歩くのめちゃ早いです!(仕事できるかどうか分かりませんが 笑)

まぁ、注意点はそこではなくて、仕事は前倒しでやるというところですが・・・。

それから「挨拶(礼儀)」

仕事に限らず、人間社会のどんな場面でも大切なことなのに出来ていない人が多いですねぇ。

よく採用試験で体育会系の人が優遇されますが、挨拶ができるというのが大きな理由の一つです。
ちょっと仰々しい挨拶でも、嫌みなくスッとできちゃう。

たとえ相手がこちらを向いてなかったり、目が合っていなかったとしても、名前を呼んで、こちらを振り向かせて挨拶してしまうことだ。

というのは迷惑ですが(笑)、挨拶一つで人間関係がすごく円滑になるんだから恥ずかしがらずにやるべきですよね。

それと、ワタクシ大きく共感したのですが

新しい職場の掃除係や守衛の人にこそ、きちんと挨拶して、名前を憶えておこう。そうすれば、きっと1年以内に何らかのいいことがあるはずだ。

社内でも社外でも関係ないから、とにかくお茶を机に置いてもらったら、話を中断してでも、「ありがとうございます」と伝えよう。

この2点は絶対やるべきです。

雑用や、みんながやりたがらない仕事をしている人を大切にする。
すると普段誰からも感謝の意を受けないからか、ちょっと挨拶やお礼を言っただけで「あの人私なんかにまで挨拶してくれて、すごく礼儀正しくていい人」という口コミが必ず広がります。

で、この口コミは“横”だけでなく“縦”にも広がるのが不思議。
おためしあれ。

現にワタクシ、若いころ訪ねてこられたお客様にお茶を出す係などしてましたが、お客様が返られた後、
「あの会社、めっちゃ横柄やなぁ」とか「社長さん自らこられてしかもすごく感じがいい」とか言ってたもんな(←口コミ広めてた一人)

もちろん、そんな効果を狙ったアサマシな考えではなく、自然とできるようになることこそが人間的成長なんですけどね。

「スピード」「挨拶(礼儀)」
盆休み明けからの職場では、これをテーマに働いてみるか。

転職する人もした人も、転職しない人も読む価値大ない1冊。

 

転職1年目の仕事術

転職1年目の仕事術

  • 作者:千田 琢哉
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/07/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

本書はディスカヴァー21社様から献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】
今回は本書巻末にある スペシャルサンクス・参考文献 にある6冊をピックアップ

 

マッキンゼー式 世界最強の仕事術 (ソフトバンク文庫)

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僕はこうやって11回転職に成功した

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  • 作者:山崎 元
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/05/28
  • メディア: 単行本
 

 

 

「先読み力」で人を動かす ~リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント~

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  • 作者:村中 剛志
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2008/03/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

なぜあの人は仕事ができるのか

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  • 作者:中谷 彰宏
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/03/19
  • メディア: 単行本
 

 

 

やりたいことは全部やれ! (講談社文庫)

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  • 作者:大前 研一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/05/13
  • メディア: 文庫
 

 

 

バルタザール・グラシアンの 賢人の知恵

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【参考記事】
ディスカヴァー社長室ブログ:ありそでなかった仕事術 ●干場

2 COMMENTS

一龍

千田 様
コメントありがとうございます。
御著書、転職云々関係なく、ビジネスパーソンが組織の中で成果を出す方法として楽しく読ませていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。

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