<楽天ブックスはこちら> 『生きるための哲学 ニーチェ「超」入門』
なるほど、ニーチェは“生きるための哲学”なんだ。
重くも暗くもなく、むしろ“生”に対して明るい、いや眩しくギラギラしている。
人が本当に人生を生きるとはどういうことなのか、あらためて考えるきっかけとなる本でした。
【目次】
はじめに
ニーチェの短い人生の短い年譜
�真実のニーチェ
ニーチェの風貌
わからないニーチェをわかりやすくするために
哲学は生の芸術だ 他
�生きるためのニーチェ
決断する
贅沢を敵にしない
徹底した自分主義 他
あとがき
参考文献
【ポイント&レバレッジメモ】
★決断する
それはともかく、問題解決に役立つものをどこかに探すという依存的な姿勢を脱するべきだろう。では、人生最初の問題に面したときにはどうすればいいのだろう。
確実な答えがある。問題の前でいつまでもぐずぐずしていないことだ。すなわち、決断をする。
★贅沢を敵にしない
人は豊かさを好むものだ。禁欲よりも放縦になびく。誰が好んで広い空よりも狭い空をあおぎたがるだろう。誰が好んで、多くの可能性よりもわずかな手だてを選択するだろうか。人間の本性の顔は贅に向いているのだ。
★徹底した自分主義
人生は固定観念を習う時間ではない。自分が生きて行く時間であり、自分が生きていく場だ。頭と行動を固定観念で染めてしまうと、自分はいなくなる。自分の中に古い他人がたくさん詰まっているだけだ。そんな人に個性などないのも当然だ。<中略>
したがって、この一回限りの人生を本当に行ききりたいのなら、自分主義でいかなければならない。自分が自分のルールを決め、自分がその責任をとるのだ。人にいわれたことをするのではなく、自分の意志と計画で行動するのだ。
★真の教師を見つける
本当の教師はさまざまな角度から能力を自覚する契機を与えてくれる人だ。知識など二の次にすぎない。日陰に押し込められている能力を解放さえさせてくれれば、必要な知識などはおのずと吸収されてくるものだからだ。
★本能こそ命の力だ
本能は、欲望せずに、欲求する。欲求は生命維持のために働く力だ。<中略>
本能は純粋なのだ。命をつなぐためにのみ人を根底から動かしているものだ。
ニーチェはこのことをよく知っていて、本能こそ人間の最大の理性だとした。その表現だけでは一種の反語のように聞こえるが、真実そのままの表現なのだ。
★人を尊重する英雄になれ
ニーチェは古代の英雄や支配者のような生き方をしてみたらどうだという。それは威張った生き方ではなく、自分に誇りを持ち、相手の誇りをも尊重するような精神を持った生き方なのだ。
★人生を愛する気高さを持つ
人生を愛さないのならば、生きている価値はない。人生はすでに始まってしまったのだから、人生そのものを愛するのが、人生を味わいつくすベストな方法だ。
【感想など】
正直言って難しいです(汗)。
先日ツイッターで難しいとつぶやくと、白取先生は「えッ!あれがムズい。ううう、困ってしまった。」とおっしゃってましたが・・・。
タイトルに「入門」とあるものの、はじめに では 「ニーチェの入門書ではない」と書かれておりまして、
先著の
![]() |
超訳 ニーチェの言葉 (2010/01/12) 白取 春彦 |
が、
説明なしで現代の若者にも理解できるように工夫をほどこした
ものであるのに対して、本書は
本書ではそれでは物足りないという人のために、ニーチェが何をどう考えていたのかということの中核を、できるだけ哲学用語を使わずに書いてみた。
いわゆる解説書という位置付けの書。
ですから、先著とは違いニーチェの思考、哲学を丁寧に飄々と白取節で解説してくれている部分がメインディッシュなのですが、遠近法にしても超人思想にしても、キリスト教批判とルサンチマンも本当に何の予備知識のないワタクシにとってはかなりハードルが高いものとなりました。
ですがそんなワタクシでも、何度か読み返すうちに、ニーチェの思想が古代ギリシャ哲学の「万物の根源は何か?」といった探求とは全く異質なもの、それこそサブタイトルにある“生きるための哲学”であることは茫洋としているものの、感じ取ることができました。
ですので、今回の【ポイント&レバレッジメモ】では、解説にあたる第1章 真実のニーチェは全て割愛(←オイッ!)
第2章 生きるためのニーチェ から抜粋させていただきました。
だって、断然こっちの方が面白いんですよ。
哲学って実際の人生と結びつくんだなってことが感じられて。
例えば、ニーチェのいう“超人”については、ワタクシはまだまだ理解できてはいないですが(だから間違ってたらごめんなさい)、こういう生き方への憧れって誰しも持っているのではないでしょうか。
特に日本人って人目を気にする民族。
空気を読むことが奨励されるぐらいですからね。
そんな社会でニーチェのように宗教的倫理観や社会的伝統に縛られず、自分自身の価値観にしたがって生きる潔さは、憧れるけど実際にはなかなかできません。
しかし、こうした何者にもとらわれない人が、世の中を変える真のクリエイターとなるんだろうと思います。
ワタクシが敬愛する坂本龍馬は
「世の人は 我を何んとも 言わば言え 我が成す事は 我のみぞ知る」
といっていますが、この域に達すればまさしく超人。
せめて、プチ超人、なんちゃって超人ぐらいからワタクシの様な凡人は始めてみましょうか。
たまには贅に向いてもいいじゃないですか。
人生を楽しみ、味わいつくしましょう。
そうでないと
たとえば、返済に数十年もかかるローンを組んだために、好きな本も買えずに図書館から借りては返し、質の悪い衣服をまとい、質素な物を食べなければならない生活というのは、それ自体が豊かなことではないし、豊かなものを生むのがとても難しくなる。
というワタクシのために書かれたような一節の状態に、世の多くのお父さんたちはあるわけですから。
ということで、この後ワタクシ、300円のワインと雪印のカマンベールチーズでプチ超人します。
そして、クリエイティブな作業(次の記事の構想を練る)をすることにしよう。
【関連書籍】
白取先生の著書
こんばんは!ツイッターからきました。
最近ニーチェをはじめ哲学が流行っているような気がしますが、私は哲学的思考が好きなので読むようになってきています。当然難しいんですけどw
『自分に誇りを持ち、相手の誇りをも尊重するような精神を持った生き方』というところが目に留まりました。私もそんな生き方をしたいなと思います。
タカダ 様
コメントありがとうございます。
哲学は確かに難しいですが、ビジネス書を読むようにもっと気軽に触れてみるのもいいかもしれませんね。
もしかしたら、我々が哲学を小難しくしているのかもしれません。