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30歳超えてからが勝負!【書評】糸井重里、池谷裕二『海馬 脳は疲れない』(新潮文庫)

今回ご紹介するのは、
 

 

海馬 脳は疲れない (新潮文庫)

海馬 脳は疲れない (新潮文庫)

 

 

 

2002年に初版が刊行された古い本ですが、実は私が6月にフォトリーディングの講習会に出席した時席が隣り合わせになった方から「面白いですからお薦めですよ」と言われた本。

で、実際に読んでみたらまさに「目から鱗」でしかも面白い上に元気づけられてしまう一冊。

特に30歳オーバーの方々、必読ですよ。

 

【目次】

 第1章 脳の導火線
     生きることに慣れてはいけない 
     頭のいい人って、自分の好きな人のことかも
     一流と言われる人は、実は案外「おしゃべり」だぞ    他

 第2章 海馬は増える
     脳は「べき乗」で発展
     科学者が海馬に惹かれる理由
     海馬があるから人間でいられる   他

 第3章 脳に効く薬
     物忘れさせる薬
     頭が良くなる薬は、あることはある
     朝鮮人参やイチョウの効果   他

 第4章 やりすぎが天才をつくる
     1000億の細胞からつながる相手を選ぶ
     受け手が主導権を握る    他

 あとがき

 追加対談 海馬の旅
       誤解を招く=魅力がある   他

【ポイント&レバレッジメモ】
第1章 脳の導火線
☆30歳を超えたほうが脳が活発になる
 ・記憶には二種類、「暗記メモリー(意味記憶)」「経験メモリー(方法記憶)」がある。
 ・「経験を下敷きにして憶える」ことは子供より大人のほうが発達。30歳を超えると「脳が経験メモリーどうしの似た点を探すと、『つながりの発見』が起こって爆発的(べき乗)に頭の働きが良くなっていく」

☆「頭がいい」とは?
 脳の働きは、「ものとものとを結び付けて新しい情報をつくっていく」というのが基本 ⇒ 「ものや人とコミュニケーションがきちんと取れている状態」を、「脳のはたらきがいい状態」といってもいいのでは。
例えば、一流の人ほどおしゃべりだったりする。

☆脳は疲れない
脳はいつでも元気いっぱい。全然疲れない。「脳が疲れた」と思うときでも実際に疲れているのは「目」⇒休息は「考え続けると、必ず答えが出る」のだと信じ、脳は働いたままで体を休ませる。「いったん忘れる」という休息方法は良くない。

☆脳はガンコ
脳は自分に都合のいいように解釈する。かなりひとりよがり。見たものを「きっとこんなものだろう」と決め込んでしまう。また、見たいものしか見ない。

第2章 海馬は増える
☆脳の機能を煎じつめると、「情報を保存する」と「情報を処理する」のふたつ

☆海馬は増やせる
脳の神経細胞は生まれた時が一番多く、後は一秒に一つぐらいのペースで減っていく。一方「海馬」の神経細胞は成人を超えても増える。
「新規な刺激」が海馬を成長させ、頭をよくする。
(例)旅行 恋愛(失恋) 特に生存にかかわる刺激

第3章 脳に効く薬
☆脳に効く薬 ⇒ 朝鮮人参。脳の可塑性を高める。

☆「やる気」を生み出す場所は側坐核
ただし、即坐核はなかなか活動してくれない ⇒ ある程度刺激を与えられると活動し始めるので、「やる気がないなぁと思っても、実際にやりはじめてみるしかない」すると作業しているうちに脳が興奮してきて、作業に見合ったモード、いわゆる「作業興奮」状態に入る。

☆やる気を奪う薬
風邪薬や下痢止めにはやる気を起こさせる物質アセチルコリンを抑える物質(ジフェンヒドラミン、スポコラミンなど)が含まれている場合がある。

☆やる気を出す(持続する)コツ
脳にとって快感はなにより大きなご褒美⇒「目標は小刻みに」して達成感という快楽を継続させる

第4章 やりすぎが天才をつくる
☆センスは記憶 ⇒ センスも「経験メモリーとして学ぶことができる」

☆天才とはやりすぎてしまった人 ⇒ 「強烈な動機の塊」みたいなものが、トップクリエイターの根っこにある力

☆「脳は使い尽くすことができる」
どんな年齢であっても、脳を使い尽くす方向で進み、自分の視点に新しいものを加え、脳の中のパターン認識が飛躍的に増えることを繰り返せば、人の考えというものは驚くほど面白いものに発達する。

【感想】
オーバー30の私にとっては先ずは元気づけられる一冊でした。

人生経験や知識が豊富になる30歳を過ぎると、つながりを発見する能力が非常に伸びる。だから記憶力が落ちるというのは間違い

これはうれしいですね。
ようは日ごろの「考え方や視点の持ち方」しだいでいつまでも賢くなり続けられるということ。
ならば、その能力使わない手はないですよね。

逆に「頑固」は頭を悪くする。これ、気をつけたいところです。

それから「センスも学べる」というのもなんだか嬉しいですね。センスというと「持って生まれた特別な人だけのもの」というイメージですが、「勉強」である程度身に付くとのこと。
実はこれについてフォトリーディングのセミナーで似たような話がありました。

フォトリーディングの創始者ポール・R・シーリィの奥さんが絵描きさんなんだけど絵が全然売れない。そこで美術書や画集をダイレクト・ラーニングしたところ、絵のセンスが良くなったのか、以後描いた絵が売れ始めたという話。
ただし、奥さんがこなしたダイレクト・ラーニングの量が半端じゃない。2000冊だそうです。

ちなみにダイレクト・ラーニングとは自分が身につけたいスキルについて書かれた複数の本をどんどんフォトリーディングしていくことでスキルや行動を向上させるものです。

さて最後に、本書は2002年に初版が発刊されていますが2005年に発刊された文庫本では追加対談が掲載されています。
これがまた秀逸。池谷先生がアメリカ留学から帰ってきての対談で、さらにパワーアップされた対談内容になっています。
読まれるなら文庫本がお薦めです。

「毎日が面白いと脳が発達」を肝に銘じてどんどん新しい刺激を求める人生を送りましょう。

 

海馬 脳は疲れない (新潮文庫)

海馬 脳は疲れない (新潮文庫)

 

 

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