本を耳で読む Amazon Audible 30日間無料体験キャンペーン実施中

【読書カード】福岡伸一『できそこないの男たち』(光文社新書)

 

できそこないの男たち (光文社新書)

できそこないの男たち (光文社新書)

  • 作者:福岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/10/20
  • メディア: 新書
 

 

○ママの遺伝子を、誰か他の娘のところへ運ぶ「使い走り」。現在、すべての男が行っていることはこういうことなのである。アリマキのオスであっても、ヒトのオスであっても。

○Y染色体という貧乏くじを引いたばかりに、基本仕様である女性の路線から外れ、遺伝子の使い走り役に作りかえられた男たち。このプロセスで負荷がかかり、急場しのぎの変更が男性の生物学的使用に不整合を生じさせたのである。ちょうど、カスタマイズされたPCの内部で、カスタマイズされたがゆえに、思いがけないソフト同士の衝突や設定の不整合が発生して、PC自体がフリーズしてしまうように。弱きものもの、汝の名は男なり。

○生命は時間という名の媒体の中にどっぷりと浸されているがゆえに、私たちはふだん自分が生きていることを実感できないのであると。ならば、時間の存在を実感できる一瞬だけ、私たちは私たちを運ぶ媒体の動きを知り、私たち自身が動いていることを、つまり生きていることを知覚しうるのではないだろうか。

■ヒトのオスはメスよりも大きな体と強い筋力をもつが、これすらも、より遠くへより広範囲にそしてよりたくさん確実に遺伝子を運ぶためではないかと思えてきた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA