『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界バイク紀行』
『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見』
の2冊の感想、3回目です。
以前書いたようにこのシリーズを読むきっかけとなったのはロバート・キヨサキ著『金持ちとうさん貧乏父さん』でロバート・キヨサキ氏がこの本を推薦していたからです。しかしご存じの通りロバート・キヨサキ氏は不動産投資が本業。ジム・ロジャーズ氏は株や商品投資が本業。二人の投資スタイルはまったく違うのになぜ推薦するのかと不思議に思っていました。
しかし読めばわかりました。
この本はジム・ロジャーズ氏の投資に対する考え方やスタイルを学ぶために読むべき本なのです。
ジム・ロジャーズ氏は株・商品・不動産とその投資対象はオールラウンドプレーヤータイプ。そしてこの本で見られる彼の投資対象物へのアプローチと分析方法は「現地に行って自分の目で見て肌で感じて確かめる」というもの。そして「その国の地勢学的位置や歴史背景」からもアプローチするのが他とまったく違う点。
正直言ってこの方法は誰も真似できないと思います。
今、BRICSが調子いいからと言ってこの4国を実際に旅して投資するか辞めるかの判断を自分でする個人投資家はいないでしょうし、私もしたくありません。
ましてやアフリカや中近東の情勢不安定なところに行くなど考えられません。
ではこの本から何を学ぶのか。
それは「自分のお金とそれを投資する対象へのスタンス」とでも言うべきものでしょうか。
ジムは大学の講義や講演会などで「自分の金がかかっているのだ。そんな甘っちょろい調査で投資するのか!?」と生徒を叱咤激励するそうです。
そう、このスタンスこそ私たちが学ぶべきものなんでしょう。
経済的成功をつかむためにはいずれ投資はしなければなりません。
その時のためにもこの両書は読んでおくべき良書だと思います。
最後にジムの中国に対する期待は非常に大きなもので、逆に日本に対しては人口減少と巨額の財政債務を理由に悲観的に見ています。
中国が経済大国になるのは時間の問題だと思いますが、日本に対する予想だけは当てさせたくないですね。
頑張りましょう。