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できる人の意外とシンプルだけど大切な心構え【書評】川井隆史(著)『「すぐ成長する」仕事術』日本実業出版社

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おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのは、仕事術本。
著者の川井隆史さんは外資系3社を渡り歩き、それぞれで成果を残していった方。
すぐに結果を求められる外資系企業で身につけた「すぐ成長する」仕事術とはいかなるものか。

新人からベテランまでビジネスパーソン必見です。

はじめに

外資系3社を実績をあげつつ渡り歩いて来た著者による、「どうしたら早く成長できるのか」をテーマにした仕事術本です。

タイトルに”エリート”とありますが、優秀な人が集まっている会社でもすぐに成果を上げて人より抜け出す方法にはすべてのビジネスバーソンが範とするべきものがあるはず。

まずはそのポイントを見ていきましょ。

すぐ成長するためのポイント

★GEで学んだ「すぐに動け」

 FMP(Financial Management Program というエリートコース)生に代表されるような高い潜在能力を持つ人間を、GEでは「ハイポット(ハイポテンシャルの略)」と呼ぶ。上司たちは新米社員がハイポットたる人物かどうか判断するのに半年も待たない。長くて3週間、短くて3日で判断する。
では、どんな人間がハイポットなのか?それはとにかく「すぐ動く」人だ。具体的には次の4ステップを高速で回しているイメージだ。

ステップ1 全体的な流れを俯瞰しながら、一回りさせる
ステップ2 頭を使いながらも、とにかく自分から手をつける
ステップ3 上司からフィードバックをもらい、途中で「よい質問」をする
ステップ4 ダメ出しされてもめげずに、完成度を上げていく

★アーサー・アンダーセンで学んだ「期限は死んでも守れ」

 アーサー・アンダーセンでは顧客に対する監査やコンサルティングを「アサインメント」と呼んだ。アサインメントに入る時点で、過去の資料はすべて読み込んであり、専門用語も理解できていて当たり前だと考えられている。たとえあなたが就職や転職して初めての顧客のところに行く、つまり人生初のアサインメントであっても、顧客の前ではまるで、「僕はすべて理解しています。あなた方の全てを知っています」という顔をしなくてはならない。<中略>
たとえ1年目であろうともプロフェッショナルとして高いレベルを求める、それがアーサー・アンダーセンの教育だったのだ。

★コカ・コーラで学んだ「言われたことだけやるな」

 コカ・コーラに入社して一番最初に困ったのは、「手を挙げた人間には仕事を任せるが、手を挙げないと仕事がこない」ことだ。<中略>
ここで気づいたのは、彼(先輩)は、社内の仕事とはいえ上司を顧客として仕事をしていることである。<中略>
コカ・コーラでは、上司の仕事は部下に仕事を与えて細かく管理することではなく、部下の提案を引き出してサポートすることであった。したがって最低限の指示だけがあり、言われたことだけやっていたら、まともなアウトプットは出てこない。

★すぐ成長する人は悩んでいる暇があれば考える

 すぐに成長する人は、何か大きなミスを犯したり、トラブルに巻き込まれたとき、「悩むよりも考える」タイプの人が多い。当然、人間なので最悪の事態を想像してしまうことはあるだろう。しかし、そこで「悩みの損切り」をすれば早く開き直れ、とりあえずどうやって事態を打開するかに気持ちを切り替えることができる。
あなたも悩むことがあれば、途中で気持ちを切り替え、懸念点をどのように打開するか、そのリカバリープランを考えてほしい。

★自分の仕事をブラックボックスにしてはいけない

 その人は、職場の中で専門性をアピールしたいばかりに、まだ「これに関しては私に聞け」と言われたいばかりに、情報を無意識に囲い込んでいるのかもしれない。
あるいは職人が弟子に技を継承するときのように、「私のやり方を見て盗め」と考えているのかもしれない。
どちらにせよ、その人がいないと何もできないのだから、何かのさいに全体の仕事の流れを止める可能性は高い。専門性を高めているどころか、情報を囲い込むことで、先述したボトルネックとなり、自身の価値を下げてしまっているのだ。
それならば、自分がいなくても後輩だけで仕事が回るように仕組み化する意識を持って、一段上の仕事をしてもらうほうが組織にとって有益である。

★数字は英語と同じく「世界共通語」である

 英語が世界共通言語と言われて久しいが、数字もまた世界共通言語である。
言葉が通じない国でメモに数字を書くことで金額交渉しながら買い物をしたことがある人もいるかもしれないが、ビジネスでも同じようなものだ。世界中のビジネスマンと話すときに、数字を押えていないとコミュニケーションができない。逆にしっかりした数字の使い方をすれば、本来の意図が伝わるのだ。<中略>
「ずいぶん」や「いっぱい」「今一つ」というのは、人によって感じるものが全然違う。しかし、「20%」というのはどの人にとっても共通な意味を持つはずだ。ざっくりした数字でもいいから、「世界共通語」で事実を語るクセをつけよう。

★上司が必死になって守る人材に変わるピラミッド型能力のつくり方

 先の項目で、「一山いくら」の人材になりたくなければ、会社で付加価値を生めという話をした。しかし、そもそも柱となる専門能力がなければ、付加価値を生むのは困難だ。そして、専門能力においても、その中で自分はこの部分が一番得意だという柱が必要だ。その柱を中心にして関連分野の能力を少しずつつけて、能力を広げていく。私はこれを「ピラミッド型能力」と呼んでいる。
注意したいのは、柱となる能力とのつながりを意識して、横の能力を広げることだ。そうしないと、ただの何でも屋になってしまう。

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★自分の「レジュメ(職務履歴書)」を年に1回書き直そう

 外資系企業に勤める人間は、四六時中転職しようと考えているわてではない。ただ、つねにジョブマーケット(転職市場)で売れる人間になろうという意識を持っている。そして、「レジュメ(職務経歴書)」を年1回は更新する。くり返すが、必ずしも転職するためではない。自分が何をしてきたかをわかりやすく整理し、これからのキャリアの方向性の参考にするためだ。

感想

◆仕事の基本はエリートも外資系も一緒

本書は、「外資系」とか「エリート」という単語がタイトルにあるので、ちょっと身構えてしまいます。

著者は慶応出身でテンプル大学でMBAとられているし、公認会計士の資格取得しているし、アーサー・アンダーセン⇒日本コカ・コーラ⇒GEと名だたる外資系で実績を残してこられている。

「俺とは違うよなぁ」と思いながら読み始めました。

すると、確かに外資系ということで日本の企業とは違う文化は伺えますが、仕事の基本というかできる人の行動っておんなじなんだなと。

外資のほうが契約がドライな分、”できる人”の行動がはっきりと浮き彫りとなっていて、日本の文化の中で働くわれわれには分かりやすいかもしれません。

◆できる人の行動

その”できる人の行動”ですが、本書冒頭部分で「シンプルだけど大切な仕事についての心構え」として以下のことをあげています。

1 すぐに動け
2 期限は死んでも守れ
3 言われたことだけやるな

これらは言わば当たり前のこと。
ビジネス書を読めば繰り返し必ず登場して来るフレーズです。

でも当たり前のことと言いつつ、なんどもなんども登場して来るということは、分かっていても徹底できないんですよね。

おそらくこの”当たり前”を徹底してやり通すだけで、相当”できる人”の部類に入るんじゃないかと思います。

その徹底してやり通すことのモチベーションを維持するベースとして著者は、「あなたに持ってほしいもの」として

「つねに優秀であろうとする誇り」

という気持ちを持ってほしいと。

なかなか成果につながらなくても、この気持ちがいずれ「成長曲線」の角度を急激に上げることになるんですね。

◆外資系ならではの習慣を取り入れよう

さて、本書では外資系ならではの日本とは違う習慣も登場して興味深いです。

いくつか自分も取り入れようと思うものがありました。

例えば職務経歴書を1年に1回書き直すというもの。

別に転職に備えるためではなく、これをすることで自分の1年間の仕事の成果を整理することができるし、それを見直すことで自分でも気づかなかった自分の適性が見えてくるんじゃないかと。

個人レベルで自分の目標とかに「週次レビュー」⇒「月次レビュー」⇒「年次レビュー」というレベルで振り返りをやっていますが、仕事に関してもこれをするべきでしょうね。

もうすぐ年末ですし、半年後には年度末ですから一度やってみよう。

ほかにも「上司は顧客」とか「同僚との協力関係」とか、外資系ならではだけど見習いたい点がたくさんありました。

自分の職場にあてはめて考えてみよう。

皆さんもぜひ。

本書は日本実業出版社編集者の滝様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

PROLOGUE 外資系一流企業3社で学んだどんな仕事・会社でも大切な3つの心構え
CHAPTER1 外資系企業3社で学んだ「すぐ成長する人」に共通する心構え
CHAPTER2 仕事の質を高めスムーズに進めるためのコツ
CHAPTER3 成長の機会を増やすコミュニケーションのポイント
CHAPTER4 若くても大きな成果をあげるリーダーになる方法
CHAPTER5 少しの工夫で信頼を生む数字の使い方
CHAPTER6 さらなる成長のために自分に投資すべきこと
EPILOGUE 視点を高くあげ、あなたを閉じ込める柵を越えよう

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