おはようございます!
今日ご紹介する本は
伊藤 羊一(著)『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』SBクリエイティブ
です。
ビジネスシーンにプレゼンはつきもの。
ですが、プレゼンでなかなか言いたいことが伝わらない、成果が出ないという方は多いと思います。
そういった方に是非本書を一読してもらいたい。
もしかするとあなたのプレゼンには大きな欠陥があることがわかるかもしれませんよ。
では早速、気になるポイントの読書メモをシェア!
伊藤 羊一(著)『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』:読書メモ
★ゴールは何かーー「理解してもらう」はゴールにならない
「何のためにプレゼンをするのか」「聞き手はどんなイメージか」を考えたあと、次に考えるべきは「ゴールは何か」です。このプレゼンを通して、「聞き手をどういう状態に持っていくか」「どこをプレゼンのゴールとするのか」を言語化します。
具体的にいえば。
- 聞き手が賛成にせよ反対にせよ、何らかの意見を表明してくれればいいのか
- 聞き手が賛成してくれたらいいのか
- 聞き手に動いてもらう必要があるのか
というように、聞き手が「どこまでやればいいのか」を決めるのです。
そもそも、「理解してもらう」というゴールがおかしいのです。伝える側が、聞き手に、「理解したうえで、どうしてほしい」のか、君が動くのか私が動くのか、どうすればいいのか、ということを、必ず考えなくてはならないのです。
★ピラミッドストラクチャーでロジカルにストーリーを考えよう
話には結論と根拠があり、その結論を一番上に、根拠をその下に並べたものです。根拠は複数あることが多いので、三角形、つまり、ピラミッドのような形をしているので、「ピラミッドストラクチャー」といいます。
このピラミッドがしっかり組めれば、話が長くなったり、伝わらなかったりすることはなくります。
「これが結論です」
「理由はAでBでCだからです」
「わかった、了解」
これだけです。
★考える=結論を導き出す
知識と情報というのは、いずれにせよデータです。「知識」とは「すでに自分の中にあるデータ」、「情報」とは「自分の外にあるデータ」です。
つまり、「考える」とは、「自分の中にあるデータや自分の外にあるデータを加工しながら、結論を導き出すこと」なのです。
悩んでいるだけで結論が出ない無限ループにおちいった時は
「悩んで」いても結論は出てきません。この「無限ループ」を避けるためにも、機械的に「考える」=結論を出す習慣を作るのです。そのために自分の問う。黄金の質問は、「だから何?」「ファイナルアンサー?」「本当か?」です。
★根拠は3つ
ピラミッドがしっかりとできていれば、その通り人に話せばいいのです。「私の主張はこうです。理由は3点あって、1点めはこう、2点めはこう、3点めはこうです」という感じです。
プレゼンというのは、自分が伝えたいことを「伝えていく」行為ではなく、「相手の頭の中に、自分が伝えたいことの骨組みや中身を、『移植していく』作業」なのです。ピラミッドそのものは見せなくても、
「ああ、結論はこうなのだ」
「そしてそこに根拠が3点あって、それぞれこういうことなのだな」
と自分の頭の中にその骨組みをつくり、それを伝えていけばいいのです。
★意味がつながっていれば「ロジカル」
「ロジカル」とは「意味がつながっていればロジカル」ということ。
「主張と根拠を言う時、聞いている人にとって、意味がつながっているとすぐに分かるようにする」ことがが大事です。この、「主張と根拠の意味がつながっている」のがロジカルということです。
意味がつながっているかどうかは、
「〜だから、〜だ」と言ってみて、他の人に聞いてもらい、「本当に意味が通じるか?」とチェックする
★いらない言葉をいかに削るか
例えば次の文章の場合
「基本的に、先に述べたように、『スッキリ、カンタン』の観点で、『削る』ことを念頭にブラッシュアップしていきます」
・「基本的には」→不要
・「先に述べたように」→話をする際には不要
・「の観点で」「を念頭に」といった言葉
「スッキリ・カンタンの観点で」→「スッキリ・カンタンに」、「『削る』ことを念頭に」→「削るべく」
・カンタンな言葉を使う
「ブラッシュアップしていきます」→「磨いていきます」
以上の結果、例文は以下のようになります。
⇒「『スッキリ、カンタン』に『削る』べく、磨いていきます」
★話が伝わらなくなる余計な話
- 「プロセス」を話す
- 気を遣いすぎる
- 自分の意見とは違うことを言う
- 笑いを入れる
★通じないときは、前提を揃えておく
長く話をする人の中には、相手に伝わらないことを恐れて話しすぎる人もいるでしょう。確かにいくら話してもかみ合わない時はありますね。
そんな時、大抵の場合、前提がずれているのです。1分で話すときも、相手との間で、ピラミッドが成立する前提を揃えておく必要があるのです。
では、どんな前提を意識すればいいかというと、
・こんな事例において
・今の時代において
・このコミュニティで
といったことです。
伊藤 羊一(著)『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』:感想
◆「伝わらない」を前提にスキルを磨く
本書は巻頭に
「人は、相手の話の80%は聞いていない」
という言葉が出てきます。
プレゼンをよくする人にはかなりショッキングな言葉かもしれませんが、僕は実感としてわかりますよ、高校教師してましたから。
授業なんて毎時間プレゼンやってるようなもの。
ある意味、教師はプレゼンのプロです。
で、その経験から言えるのは、とにかく伝わらない。
「ココを伝えたい、理解してほしい!」というところほど伝わらないんですよね。
そして、間違って理解されることも多かった。
全く言っていないことを、「先生はこういう説明をしましたよね」と言われることも。
おそらく、生徒が頭の中でかってに僕の言葉を変換しているのです。
そういう誤変換がないように、言葉を尽くして、しかもシンプルで理解しやすいように毎回考えて授業をしていましたが、それでも伝わらないもの。
前提条件として、「伝わらない」ということを覚悟して望むべきなのかなと経験から思っていました。
まぁ、高校の授業とビジネスシーンでのプレゼントは説明を聴く側の真剣度が全く違うので一概には比べられませんがね。
(ついでにいうと、この本を読んで伝わらない理由が色々と見えてきました。教師と生徒では前提条件が違うとか、脳内誤変換は僕が色々トピックスを話しすぎていたからとか。若い時に読みたかったなぁ。)
ちなみに、この「伝わらない」問題は、例えば文章の世界でも同じ傾向を感じています。
「どうしたらこの文章を読んでそういう理解になるのか」ってこと、インターネットの世界でもよくありますから。
で、だいぶ話がそれましたが、話し手と聞き手、そういった齟齬が生じるのは当たり前として、その食違いや溝が生じないように一つ一つ前もって埋めていく作業を「こうすればいいですよ」と提示してくれているのが本書なのです。
どうしたら「伝わる」のか。
そして伝わったあと、どう動いてほしいのか。
そのためには当然、「相手にしてほしい動き」である「結論」がないと話になりませんし、その結論に到達するために材料を取捨選択して、さらにスッキリ・カンタンにしていく。
で、ここで皆さんにもう一つわかってほしいのは、これはあくまでスキルであって、そうであればテクニックを練習すれば身につけることは必ずできるということ。
持って生まれたものとか、人を引きつける魅力とかは関係ないです。
スティーブ・ジョブズはプレゼンの天才と認識されていますが、ではティム・クックのプレゼンは伝わらないかというと全くそんなことはないですよね。
内容がしっかり作られていれば、スタイルはそれぞれあっていい。
本書を読んでそんなことを感じていました。
ぜひ本書を参考にして、自身を持ってプレゼンに臨んでください。
本書はSBクリエイティブ様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに 私は、人に何かを伝えることが本当に苦手だった
序章 そもそも「伝える」ために考えておくべきことーーうまいプレゼンより、「動いてなんぼ」
第1章 「伝える」ための基本事項
第2章 1分で伝えるーー左脳が理解するロジックを作る
第3章 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう
第4章 1分でその気になってもらうーー右脳を刺激してイメージを想像させよう
第5章 1分で動いてもらう
第6章 「伝え方」のパターンを知っておこう
第7章 実践編
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