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栗田正行(著)『すごい話し方50のルール』学陽書房【本の紹介】ちょっとしたコツで見違えるほど伝わる!すごい話し方のポイント

2014-10-04-17-38-46

おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのはブロガー仲間であり、現役の高校の先生をされている栗田正行さんの著書。

特に小学校の先生を対象にした話し方の本なのですが、大人を相手にするセミナー講師やプレゼンでも役立つ「話し方」のルールが満載ですので紹介させていただきます。

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はじめに

著者の栗田正行先生はブログ「マロン先生の奮闘日記」

の管理人であり、現役の高校の先生でもあります。

本書はその著者が培った教師としての経験から、授業での話し方のコツを綴ったもので、小学校の先生を対象読者とした本なのですが、人前で話すことを仕事にしている人全般に役立つメソッドが紹介されています。

今回は本書の中から、セミナー講師やプレゼンでも役立つ話し方のコツをピックアップしましてので、まずはご覧ください。

栗田正行(著)『すごい話し方50のルール』のポイント

★凸凹をつけて、「マヌケ」にならないように話す

声の抑揚には、大きく分けて次の3つがあります。
・声の大小・・・大事なところを大きな、または小さな声で強調します。
・声の高低・・・高いと声の通りがよく、高揚感を与えます。低いと重厚さが増し、説得力が増します。
・話すスピード・・・重要なところはゆっくりと。軽く聞くだけで大丈夫なところは速く話すなどメリハリをつけます。
 大事なところを小さな声で話すというのは意外かもしれません。しかし、落語家はあえて小さな声で話し始めることによって、観客に集中して聞かせることもあるのです。<中略>
 間をあけることには、次の2つのメリットがあります。
①子どもたちに「次に何を話すのか」という期待感をもたせる。
②受け身⇒自ら聞こうとするきっかけづくりとなる。
 たとえば間をあけるために、話している途中でたった3秒沈黙する。これはやってみるとわかりますが、かなりの勇気が必要です。なかなかできないことだからこそ、やる意味があります。

★「要点」は絞れば絞るほど伝わる

 意見+論拠(=機能する話の大原則)
 この公式を利用すると、子どもたちが授業で効率的に学習できるようにしたいときには、こんなふうに伝えることになります。
「書くときは書く。読むときは読む(意見)。1つのことをやるほうが集中できますよ(論拠)」
これは一例にすぎませんが、子どもたちに話すときにはこの公式を常に意識しておくと、余計なことを言わずに済み、伝わりやすくなります。子どもたちに一番伝えたいことは何かを常に自問し、それを短いフレーズで表すクセをつけていきましょう。<中略>
「一生懸命な人、優しい人ほど余計な情報を盛り込みすぎて、結果として冷たいことをしているのです」(中谷彰宏『人を動かす伝え方』)
 大人相手に話すプロのセミナー講師はこのような意識を持っています。子どもたちに話したり、授業をしたりする私達はなおさら意識しないといけないこと、それが「丁寧すぎると伝わらない」なのです。

★伝えたければあえて「逆」を言ってみる

 多くの子どもたちに伝えていときの裏技があります。それは、「この話、絶対に他の人に言わないでね」と言うのです。
 こうすると、どういうことが起きるのか、あなたはわかりますか?子どもたちの間では「ココだけの話なんだけど・・・」という枕詞と共に、みんなに伝わっていくのです。
 「みんなに伝えて」と言われると強制されるように感じてしまう子もいます。大人も子どもも人から強制されるのは嫌なものです。逆に、禁止されると話の内容にそそられてしまうから不思議なのです。

★「相手への思いやり」が話し方の極意

 コミュニケーション力=(内容+声+態度)×相手への思いやり
 (菊池省三『授業がうまい教師のすごいコミュニケーション術』)
 この公式は、本書でこれまで述べてきたことを一つ一つ意識することで、コミュニケーション力が確実に向上することを表していると言っても過言ではないと私は思っています。
 この中でも、私が一番意識しているのは相手への思いやりです。
 「今、この子たちはどんなことを考えているのかな」
 「今日は疲れていそうだから話題を絞ろう」
 「集中力が高まっているから、いろいろ聞いてみよう」
など、子どもたちの状況を見ながら、その時のベストな話し方・伝え方を模索します。通り一辺倒な対応では、子どもたちの心をつかむことはできないのです。

★発問回数はなるべく多くする

 発問回数をなるべく多くするのには、明確な理由があります。人は繰り返し接すると好意度や印象が高まる効果があることを1968年、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが発表しました。これは単純接触効果あるいは、ザイアンスの法則と呼ばれ、ビジネスの場でも積極的に用いられる考えです。
 もっといえば、この効果には次のような関係があります。
 接触回数>接触時間
 これは、ある子どもと1日50分間ずっといっしょに話すよりも、5日間毎日10分間ずつ話したほうが好感を持ちやすいということを表しています。
 つまり、発問して答えてもらうというわずかな時間だったとしても、日々繰り返して行うことで子どもたちとの信頼関係を築くには十分効果があるということなのです。
 この考え方を授業でも利用し、発問を通して子どもたちと接触する機会を多く設けるようにするのです。

★指示のポイント①「単指示」

「単指示」とは一度に一つのことしか指示を出さないということです。
 人は2つ以上のことを同時にやろうとすると極端に集中力や注意力が散漫になります。年齢が低い子どもであれば、なおさらです。
 ですから、「読む」「書く」「聞く」「解く」というような指示を一度に1つずつしか出さないという「単指示」はとても有効なのです。たったこれだけを意識するだけで、子どもたちの集中力は驚くほど上がります。<中略>
 単指示とはいっても、「この問題を解きましょう」という指示だけではもったいないです。単支持を徹底するのはよいのですが、端子時の際にセットするとよい指示があります。
 それは、時間・量・個数・範囲などの具体的な指示です。

★指示のポイント③「具体性」

私が考える具体的な指示とは、子どもがその通りに行動できる指示です。換言すると、誰でもできる、つまり再現性のある指示が具体的だということです。
具体的な指示には次のようなものがあります。
○聞く
「顔を上げて前を向いてください」
「筆記用具を置き、手は膝の上で聞きましょう」
「後で質問してもらいます。そのつもりで聞いてください」
○書く
「後で説明するので、今は書くことだけに集中してください」
「ココに後で書き加えるので、2行空けておきましょう」
「ココとココは関係があるので、同じ色のペンで書いてください」
○読む
「3分間でP.10〜12を黙読しましょう」
「私に聞こえるよう、大きな声で音読練習をしましょう」
「たとえ最後の1人となっても、同じ声の大きさで音読しましょう」

★子どもの心に残るように答える

 子どもの質問に対して答えるのはと自然ですが、いかに「なるほど!」と子どもに思ってもらうかを、私は常に考えています。
 質問に答えて「分かった」と子どもが思うのは普通です。「なるほど!」と思ってもらうには、質問してきた子どもの期待以上の内容を返さなくてはなりません。<中略>
 やり方を教える場合、「みんながこうしています」というより、「私はこうしています」と答えると説得力が増します。
 なぜなら、他のだれでもないあなたがこうやっている、こう考えていると一人称で伝えることで言葉から自信伝わるからです。

★「なぜかいというと」を伝えられる先生になる

 質問に答えるときには、必ず理由や根拠を添えて答えられるようにしましょう。そうなるために簡単な方法があります。それは、「なぜかというと」を口グセにすることです。
 「なぜかというと」と言い始めたら、必ず根拠を伝えなければなりません。ハンバーガーを買うとポテトをつけたくなってしまうように、この「なぜかというと」を口にすることで、必ず答えに根拠がセットになります。これは、根拠づけを自動化する便利な一言なのです。<中略>
 ちなみに、根拠を伝えるようになるためには本を読んだり、体験や経験を積んだり、学び続けるしかありません。<中略>
 根拠を伝えることで、子供の心への響き方は格段に違ってきます。なぜかというと、自分のためにしっかりと勉強してくれていることが、言葉だけでなく態度からも伝わるからなのです。

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栗田正行(著)『すごい話し方50のルール』:感想

◆子供も大人も「伝える」の基本は同じ

いかがだったでしょうか。

本書では「子ども」を対象に話すことを想定して書かれていますが、すべて「子ども」を「大人」あるいは「お客様」と置き換えて読んでみても十分役立つことがわかっていただけると思います。

というのもベースは大人も子ども同じだからです。

セミナー会場に訪れる大人たちは講義形式の座学を受ける訓練をどこで積んだのでしょう?

学校ですよね。

小学校から長ければ16年以上”授業”を受けてきたのです。
その授業形式の慣れ親しんだ”場”で先生から話しを聴くという行為は本質的に同じなのです。

違うのは先生の技量だけです。

◆「伝わらない」「動かない」と思ったら立ち止まってみる

私はこれまで講演やセミナーにもたくさん出ましたが、有名な先生が必ずしも素晴らしい講演ではありませんでした。

もちろんどなたもその道の第一人者でいらっしゃるので、話されている内容は素晴らしいのですよ。

ですがその「伝える」技量はかなりばらつきがあります。

それがよく現れるのがちっとしたワークをやるとき。
セミナーの中でよくありますよね。

その指示が分り辛いことがあるのです。
席の前後で何人組を作れとか、何について話し合いをするのかとか。

おそらく講師自身は何度も同じことをしているのでわかっているのでしょうが、そのセミナーを受ける人は今日が初めて。

「こういう指示を出したほうがわかりやすいかな」「スムーズにワークに入れるかな」という想像をされていないのでしょう。

これはすごくもったいない。
多人数でも「単指示」で「具体的」に支持すればいいだけのことなんですけどね。

もしあなたが「それではワークを始めてください」と指示したのになかなか受講生が動き出さないとしたら、あなたの指示がわかりにくいという可能性があります。

本書を読んで一度自分の伝え方を確認してみてはいかがでしょうか。

◆もちろん小学校の先生にこそ読んでほしい

よく、「塾や予備校の先生の授業は上手い、学校の先生は下手」といいますよね。
私も予備校に行ったときそれは感じました。

しかしそれには理由があります。

本書の”はじめに”にかかれていますが、著者は学習塾の経験があります。
塾は授業評価が厳しい競争社会です。

そのため意識して「話し方」を磨いてきたのです。

しかし、学校の先生は授業が下手でもクビになることはありませんし、授業の仕方とか話し方の研修も殆ど無いそうです。

自分で自分を磨くしかありません。
でも、難しくはないですよ、本書に書かれているちょっとしたコツを使うだけでも見違えるほど良くなるはずです。

ぜひ本書を読んで「話し方」「伝え方」を磨いてください。
先生方の仕事は日本の未来に繋がりますから。

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本書は著者の栗田正行先生に献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 どんな子供もひきつける「話し方」のルール
第2章 授業がガラッと変わる「発問」のルール
第3章 子どもがパッと動く「指示」のルール
第4章 子どもからの信頼感が高まる「質問の受け方」のルール
おわりに

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