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鵜呑みにしてはいけない上司の言葉、タテマエと本音はこんなに違う

おはようございます、一龍です。

労働者の権利が守られるのはいいことですが、その結果、マネジメントが非常にやりにくい時代になったような気がします。
職務上必要な命令でも◯◯ハラスメントと言われて避難されかねない昨今、管理職の皆さんは部下にストレートな物言いができなくなっているのではないでしょうか。

そしてそれは同時に、部下が上司の言葉を取り違える要因にもなっています。

そんな食い違いを見事にまとめたのが今日ご紹介する『上司のタテマエと本音 なぜ、あなたは評価されないのか?』 です。

今回は本書の仕事力編から、職場でよく聞く上司からの言葉は実はこんな意味だったのかというものをいくつかピックアップしました。

上司のタテマエと本音のポイント

★<タテマエ> 「協調性はあるんだけどな」

<上司の本音> 「主体性が足りない」

<部下の誤解>
「協調性は認めてもらっているのか」
「周囲とうまくやっていることが評価されているんだ」

まずはこの言葉、「協調性はあるんだけどな」ですが、褒め言葉と受け取らないほうがいいとのこと。

 「協調性はある」というのは、決して褒め言葉ではないことがわかります。むしろ、「主体性が足りない」という指摘、そして「主体性を高めよ」という指示と受け取ったほうがよいセリフです。

上司が求めるのは「自分の意思で、自ら考えて行動でき、成果を上げられる人」なわけですから、協調性があるだけの人というのはただのいい人です。

では、主体性を高めるためにはどうしたらいいのか。

著者は、主体性を高める方法を2つ挙げています。

 ひとつは「私」を主語に話すこと。「私はこう思います」というふうに話せば、上司が期待する自らの意思や考えを表明する機会を増やしていけます。
もうひとつは、上司に報告や相談をする際、必ず提案をプラスすること。

★<タテマエ> 「君は惜しいんだよな」

<上司の本音> 「君はいつも期待を下回っているね」

<部下の誤解>
「いいところまで来ているのは認めてくれているんだ」
「結構がんばったと思われている」

これも厳しいですね。
ですが、考えて見ればあたりまえで、小学生じゃあるまいし、仕事は結果が全て。
途中の努力を評価してくれるわけではありません。

 達成率99%はあくまで未達成。

この言葉を肝に銘じておきましょう。

そして、

ビジネスで、「惜しい」と言われることは、期待を下回っているということ。ポジティブな評価ではありません。

「惜しい」というセリフは、「未達成である」「詰めが甘い」「肝心のところがダメ」と言われていると解釈しましょう。

これが現実です。

★<タテマエ> 「期待しているよ」

<上司の本音> 「オレを喜ばせろよ」

<部下の誤解> 「可能性を認めてくれているんだ」

今回本書を読んでいて、一番「マジかよ!」と唸ったのがこの言葉。
「期待しているよ」って、よく聞きますよね。

なぜならこの言葉には使い方がいくつかあって、部下を励ます時とか、部下を叱った後でフォローするときとか、「もう少し頑張ってよ」という意味で使う場合、「やってくれるんだろうな」という念押し、「君の仕事ぶりは見てるからしっかりやってよ」という場合とか。

とにかく職場でよく聞く言葉です。

が、著者はいいます。

ただ、いずれの場合も、上司は「自分を喜ばせてほしい」という動機から、「期待している」という言葉を使います。解釈に悩んだら、とにかく「オレを喜ばせてね」もしくは「迷惑をかけないでね」と言っているのだと思っておけばよいでしょう。

んー、これからこの言葉を言われたら、「なんでお前を喜ばせるために働かなあかんねん!」と心の中で叫んでしまいそう。

★<タテマエ> 「あれ、どうなった?」

<上司の本音> 「聞かれる前に報告しろ」

<部下の誤解>
「その後の話を説明すればいいんだな」
「心配性だなあ」

この言葉は注意すべきです。
著者が

「あれ、どうなった?」と言われたら、マイナス点が一つ付いたと思いましょう。

というように、自分の報告不足だったと気がついたほうがいいです。
ただし、この言葉を言われることを回避する方法があります。

それは以下の2つのタイミングを観察しておくこと。

1つ目は

 上司も部下の案件を四六時中、気にしているわけではありません。一番気にするのは、管理職の会議の前です。

上司が会議の資料集めを始めるタイミングを予測しておくのです。
会議の2、3日前に重要案件の報告をしておけばいいということです。

そしてもう一つは

他のメンバーが「あれ、どうなった?」と聞かれたときは、報告するタイミングです。

一つ報告を促すと、上司は関連して次々と案件を思い出して報告をうながすものです。
誰かが聞かれたらすかさず報告で「あれ、どうなった?」を回避しましょう。

★<タテマエ> 「なるべく早めにやってくれ」

<上司の本音> 「できれば今日中、遅くとも明日中にやってくれ」

<部下の誤解> 「なるべく早くでいいんだな。2〜3日中にやろう」

時間の長短の感覚は人によってまったく違います。
ここでは「早めに」という言葉が例としてあげられていますが、僕が経験したのは「急がなくてもいいよ」という言葉。

僕はてっきり2,3日猶予があるのかと思っていたら、その上司の感覚では「明日でいい」ということだったようで、次の日に猛烈に急かされたことがあります。

著者が

「なるべく早く」と言われたら、そのままにせず、正確な納期を確認しましょう。

というように、時間に関する曖昧な表現は絶対に確認しておくべきです。

ちなみに、この例の「なるべく早く」は

上司の「なるべく早く」は、原則として今日中、リミットは遅くとも明日と想定したほうがよいでしょう。

とのこと。
「えっ?今日中のことなの?」と思った方は特に要注意です。

★<タテマエ> 「できる範囲でかまわないから」

<上司の本音>  「まぁ、全部君がやることになるんだけど」

<部下の誤解>
「可能な範囲だけやればいいんだな」
「ちょっと手伝うぐらいかな」

僕はこの言葉は注意しています。
なぜなら、上司が仕事を押し付ける時の常套句だからです。

著者も

「できる範囲」という言葉は、ほぼタテマエです。部下が一度着手したら、「できる範囲」という言葉はどこかに消え、完成を求められるでしょう。

というように、うっかり軽い気持ちで引き受けてしまったら、ほぼ間違いなくいつの間にか総責任者になっているでしょう。

 部下としては、「できる範囲でかまわないから」と言われたら、「これは全部やることになる」と予測したほうがよいでしょう。

と書かれていますが、まさしくそのとおり。

これを回避するためには、自分がどこまではやるがどこからはできないということをはっきりと宣言することです。

若手にはちょっとやりづらいでしょうが、自分の身を守る手段だと思って、上司との関係がギスギスしない範囲で駆け引きをしてみてください。

感想とまとめ

本書を読んでの素直な感想。
それは「知らなきゃよかった・・・」(笑)。

いやぁ、ある意味今年読んだどんなビジネス書よりも衝撃的でした。

本音とタテマエって煩わしいことも多いですが、知らないほうがいいこともあるんですね。

ただ、思うのは最初にも書いたように

僕らは、労働者の権利がどんどん守られるようになってきたために色々と恩恵を受けているわけです。

その結果昔ながらな体育会系のオラオラ言う上司がいなくなり(パワハラだと言われますからね)、部下に非常に気を使った物言いをする上司が増えたことからくる意思の行き違いは、ある程度しょうがないと納得して受け容れなければならないと思います。

部下としては、「上司もいろいろと大変なんだろうな」と気遣ってあげなくてはいけない時代なんだろうな。

なんだか腹の探り合いみたいで嫌ですが、上司も部下も大人になれよということでしょうか。
「察する」ということが大事ですね。

ただ、グローバル社会と言われて久しいのに、こんなことしていていいのかという考えも浮かんできます。
外国の方が日本の会社に就職したらかなりわかりにくいことだらけでしょう。

どこかで上司と部下がストレートに意思疎通できるようになる日が来ないといけないと感じました。

◆まとめ

・100%達成ではじめて仕事をしたといえる
・報告はタイミングをはかって
・納期は絶対確認する

本書はSBクリエイティブ、木村様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
Chapter1 仕事力編
Chapter2 モチベーション編
Chapter3 人間力編
Chapter4 コミュニケーション編
Chapter5 思考力編

関連書籍

濱田秀彦氏の既刊本
上司と部下の関係をもっと学びたいならこの2冊がオススメ

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