おはようございます、一龍です。
仕事上の業務の中で無駄なものを挙げろと言われたら、「会議」と答える人が多いのではないでしょうか。
実際僕も会議は時間が長い割には大した意見も出ないため、できれば出たくないなぁといつも思っています。
しかし、今日ご紹介する『会議に呼ばれる人 はずされる人』の著者、放送作家の野呂エイシロウさんは会議に呼ばれることはビジネスパーソンが成長するのに欠かせないことだといいます。
今回は「会議に呼ばれる人になれ!」 説く、野呂エイシロウさんの著書の中から、会議中に取るべき戦略を幾つか紹介したいと思います。
会議に呼ばれる人になるための戦略
★偉い人の真正面は避ける
まず著者は
戦略的に会議に参加するためには、どの席に座るかが非常に重要な要素になります。
と言っています。
「◯◯君から時計回りに」などと、参加者全員に意見を聞く場合が多々あるので、議長や決裁者に近い席は避けたいところです。
逆に「なるべく下座」と考えて偉い人から遠い場所に座っても、議長席の真正面となって、「誰だ、お前」となったことが著者はあるそうです。
それ以来、私にとっての理想の席は、真正面から外れた側面の一番端となりました。この席は、偉い人から見ると最も印象が薄くなります。緊張してしまうような会議では、できればこの席をゲットしましょう。
ただ、注意点もあります。
ただし、この席ならではの注意事項もあります。偉い人からの視界に入りにくいからといって油断するのは禁物です。うっかり、椅子の背にもたれたりしないこと。もたれかかるだけで、偉そうな態度に映ります。
それよりも、前のめりになって「やる気」を表現しましょう。遠くの目立たない席にいながら積極的な参加姿勢を見せる。これが戦略的にもベストです。
★率先して「議事録係」に
会議に呼ばれる人になるには「便利な人」になるというのも一つの手です。
その観点からぜひ立候補したいのが「議事録係」です。
「議事録」をとるのは大変な作業ですが、実は議事録係は”おいしい”と著者はいいます。
といのは
議事録を取っている人間は、ある意味、最も客観的にその場の力学や全体像を把握することじできます。
とのこと。
各人の発言を聞くだけででなく、書き留めることで、ほかの人が気づかなかったことが見えてきます。
こうした理解は、あなたの会議の参加技術や、ひいては仕事の能力を相当アップしてくれるはずです。
いちど「議事録係」を体験してみるといいですね。
★「それ、間違ってます」はNG
基本的に会議に”聖域”はなく、参加者であるなら誰が何を言ってもOKです。
たとえば、自分より目上の人の言っていることが明らかに間違っていると思ったら意見していいのです。
と著者は言いますが、ものには言い方があって、「部長、それは間違っています」とみんなの前で言ってしまい、偉い人の面子を潰すとあなたはもう会議に呼ばれなくなるかもしれません。
ではどのように言ったらいいのでしょう。
重要なのは、「大半については賛同しているが、ちょっとだけわからないことがある」というアプローチです。
「すみません。今、部長がおっしゃった3つの理由のうち、2つ目について私は逆に考えてしまうのですが・・・」
「部長がおっしゃったことはこう考えることもできるでしょうか。もしかしたら、逆から見ることになるかもしれないのですが・・・」
こんな言い回し1つで、偉い人への印象は全く変わってきます。
あくまでもあなたの発言の目的は、部長の間違いを指摘することでも、自分が正しいということを主張することでもありません。
会議の目的である「みんなでいいアイデアを練る」ことが最重要です。
★ボードには文字を書かない
会議にはホワイトボードがつきものですが、何かを書き込む役目を担ったとき、著者はこうアドバイスします。
「文字」を書こうとするのは愚の骨頂。書くべきは図です。
というのも、
文字にできるのなら口で話せばいいのです。言葉では表現しにくかったり、共通認識を持ちにくい概念を、図を使って「見える化」するのがホワイトボードです。
では著者がすすめるホワイトボードに書くべきものは
1つは数値の視覚化です。たとえば、割合などの数値は言葉より図のほうが頭に入りやすいでしょう。
文字はあくまで図を補足する単語のみにとどめるのです。
さらに著者はホワイトボードの具体的な使い方を次のようにアドバイスしています。
まず、あなたが左上6分の1くらいのスペースに何かを書きます。あくまできっかけなので、結論を書いてはいけません。
そこから物語がスタートし、さまざまな人たちの意見が書き足され、最後に右下に決定権を持つ人が望ましい結論を書けるように誘導する。これがホワイトボードの最適な使い方です。
★パワポ資料は時代遅れ
近年、会議やプレゼンの資料には、パワーポイントを用いるのが当たり前のようになっていますよね。
しかし著者はこれに疑問を投げかけます。
その理由の1つは、パワポで作った資料をプリントアウトする紙やインク、プロジェクターの電気代などが無駄だから。
そしてもう一つの理由がより本質的ですが
立派なものを作った気になってしまうから
というものです。
パワポを使うと誰でも「それらしい」物ができてしまって、中身はどうあれ「自分だってできるじゃないか」と満足してしまうし、周囲もそれで良しとなってしまうのです。
会議はみんなでアイデアを練る場。なまじ、中途半端な資料があると、それを眺めてしまうことで肝心の会議が活性化しなくなります。
そもそも、パワーポイントの資料を大量につくって平気でいるのは、その会議が予定調和で進むと考えているからです。どこへ進むかわからない本来の会議では、そんなものは一切、必要ないのです。
★休憩時間にお尻を洗う
会議が行き詰まり、重苦しい空気が漂い始めると、「ちょっと休憩」となることがあります。
そんな時著者は
もし休憩が決まったら、たとえ5分であっても遠慮なく席を外しましょう。そしてトイレに向かいましょう。
といいます。
その目的は2つ。
歩くことと、お尻を洗うこと。
あることで気分転換になり、新しいアイデアが浮かぶことがありますよね。
廊下をちょっと歩く必要があるトイレは、休憩時間に向かうには絶好のスポットといえます。せこせこ急がずに、ゆっくりと大股で歩いていけば、呼吸も整い気持ちがリフレッシュされます。
歩くことについてはその効用はわかりますよね。
問題はもう一つのお尻を洗うということ。
これについて著者は
本当は顔を洗いたいところなのですが、タオルも持ってないし、シャツやネクタイを濡らしてしまってはみっともないので、代わりに(ウオシュレットで)お尻を洗うのです。
かなりのリフレッシュ効果があるとのことですが、逆にNGなのが喫煙。
「さあ仕切りなおし」というところでタバコの臭いをさせて戻ってくる社員は、相当のイメージダウンです。
感想とまとめ
◆会議芸者を目指せ
おそらく若いビジネスパーソンほど会議って嫌なんじゃないでしょうか。
通常業務が忙しいのに、会議とその準備に時間を取られ、本番では気を使い、かなり疲れる割にはプラスのリターンよりマイナスの方が多い場合もある。
できれば会議なんてない方がいい、そう思っている人が多いと思います。
僕も若い頃はそう思っていました。
「どうせもう決定していることの報告で、自分がなにか言っても何も変わらないのにどうして出ないといけないんだ」と。
ところがこの思いが変わったのが、組織の意思決定のための会議に出席できるようになった時でした。
自分の発言が組織の方向性に影響をあたえることができるとなると、俄然会議が面白くなったのです。
で、その会議が面白いと感じるレベルまで到達するためには、何らかの責任ある地位に登らないといけないわけですが、そのための重要な要素がやっぱり”会議”なんですよね。
本書の序章で著者が言っていますが、会議というのはビジネスパーソンが鍛えられ、そして目上の人に覚えめでたく記憶してもらえる絶好のチャンスなのです。
時代劇で織田信長が藤吉郎時代の秀吉を見て、「こやつなかなかやるわい」「ういやつよのう」と思う、あれですよ。
だから会議に呼ばれるというのは最初のチャンスですし、その後も呼ばれ続けることでチャンスが回ってきます。
そのためには会議で何をするべきか。
そこが本書のキモの部分。
このエントリーでは本書のほんの一部だけ紹介しましたが、更に詳しい会議に呼ばれるためのテクニックを是非本書で学んで欲しいと思います。
ここまで読めば会議の何たるかはおわかりいただけたと思います。
本書で著者は会議に呼ばれる便利な出席者となれ、”会議芸者”になれと言っています。
会議に出て持論を展開し、上司や先輩の間違いをただし、「俺ってできるやつだ」と悦に入っている若手を時々見かけますが、こういう人がどれほど愚の骨頂かもうおわかりですね。
なお、本書の第4章は 私が見てきた「ダメな人」 と題して、野呂さん御自身が今までに見てきた会議中のNG特集となっています。
この章を読むだけでも本書を手にする価値があると言っていい内容です。
僕もいくつか当てはまっていたのでかなり焦りました。
まずはしてはいけないことだけでも知るといいかもしれません。
◆まとめ
「場をつなぐ技術」があれば、あなたは便利な会議出席者になれる。
本書は日経BP社、東城様から献本していただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
序章 会議はバレーボールである
1章 準備編
2章 シミュレーション編
3章 戦略編
4章 私が見てきた「ダメな人」
おわりに
関連書籍
野呂エイシロウさんの著書は面白く読みやすいのでオススメです。
特にセルフブランディングを考えている人は参考になるかと。