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栗田正行(著)『保護者の心をつかむ「言葉」のルール』東洋館出版社【本の紹介】現役高校教師が保護者と信頼関係を築く「PARENTS」の法則は、そのままビジネスパーソンがお客さまと信頼関係を築く法則になる

おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのは、現役の高校教師である栗田正行先生の著書、『保護者の心をつかむ「言葉」のルール』 です。

本来、学校の先生のために書かれた、保護者とのつきあい方、保護者への伝え方を説いた本なのですが、本書の 第1章 保護者との関係づくりの基本ルール 「PARENTS」の法則  は、「保護者」を「お客さま」と読み替えた場合、非常にビジネスパーソンにとって有益な考え方となると思われ、このエントリーで紹介することにしました。

「お客さま」との関係を築くのに役立つであろうと思われる「PARENTS」の法則とは果たしてどのような 法則なのでしょうか。
早速見ていきましょう。 

保護者の心をつかむ「言葉」のルール

保護者との関係づくりの基本ルール、「PARENTS」の法則のポイント

★「PARENTS」の法則とは

著者の栗田先生は保護者との関係づくりの基本ルールを「保護者」=「親」になぞらえて、”「PARENTS」の法則”という形でまとめています。

「PARENTS」とは以下の単語の頭文字をまとめたものです。

(1)Partnership    ・・・パートナーだと考える  
(2)Action       ・・・行動で示す
(3)Reason       ・・・根拠を伝える
(4)Entertainment・・・楽しませる
(5)Needs            ・・・ニーズをつかむ
(6)Timing            ・・・タイミングを考える
(7)Speed            ・・・スピードを重視する

では一つ一つ見ていきましょう。

★Partnership(パートナーだと考える)

 保護者と先生は子供の成長を見守るパートナーである。この考え方を常に胸に秘めて、子どもや保護者と接していくことが、保護者と良好な関係を築く、第一歩と言えるのです。

昨今はモンスターペアレントと呼ばれる保護者が何かと話題に登ったりしますが、そんなことを思っていると対応にも気持ちが表れてしまいます。

お客さまの中には”クレーマー”と呼ばれる方もいるでしょうが、お客さまは共通のテーマを一緒に解決し、お互いの利益を生むためのバートナーとして接していくことが顧客と良好な関係を築く第一歩だといえます。

★Action(行動で示す)

著者が以前勤めていた女子校では「礼法」という授業があり、先生も一緒に授業をうける機会があったそうです。

そこで著者が出会ったのは「心を形にして表す」というもの。
これは

 あなたの想いや心は自分以外の誰かの目には見えないですし、伝わりづらいものです。その心をお辞儀や身振り、さらには言葉遣いという行動で示すことで、初めて相手に伝わるという考え方です。

このことから著者は、口先の言葉だけでなく、実際に行動する「言行一致」を心がけるようになるのですが、お客さまの信頼を得るための行動もまさに同じですよね。

★Reason(根拠を伝える)

まず次の一文

 あなたが対応する保護者には、じつに多種多様な職種の方々がいます。会社の社長や職人の方もいるでしょう。そのような方々に対し、あなたの一方的な思いや常識だけで話そうとすると、時にはぶつかってしまうことがあります。だからこそ、先生としての常識だけではない幅広い教養を、学校な以外の学びや読書をすることで身につける必要があるのです。

これは先生に限らず、どの職種のビジネスパーソンも同じです。
幅広い知識や教養を見につけ、多角的なものの見方ができるように意識することは大切なことです。

なぜなら、それができないと、自分自身の言動を日頃から客観的にとらえ、ひいてはお客さまに客観的根拠を伝えることができないからです。

あなたの業界の常識は必ずしも世間の常識ではないことを常に意識しましょう。

★Entertainment(楽しませる)

教師はお笑い芸人ではありませんから、「楽しませる」といっても、学級通信に子供の楽しそうな様子を載せたり、保護者会で面白いエピソードを用意したりするといったちょっとした工夫だということですが

 なぜ、これほどまでに意識するのかといえば、人を楽しませようとすることは人間にしかできないことだからです。これからの時代、コンピューターに取って代わられる仕事が数多く出てきます。そんな中で、気遣いは人間であるあなたにしかできないことの一つです。

さて、楽しませることで得られるメリットを著者は2つ挙げています。

一つは保護者からの指示や信頼です。
そしてもう一つが、リラックスしていろいろな話してもらえるということ。

この2つ、営業の方ならどれほど大切なことかお分かりだと思います。
「営業は聞き手に徹しろ」とよく言われますが、いろいろ話してもらうためにはまず自分のことを信頼してもらわなければなりません。

ちょっとした工夫でお客さまを楽しませること。
「おもてなし」の心がお客さまとの関係づくりの基本の一つなのです。

★Needs(ニーズをつかむ)

「ニーズをつかむ」ということについては、ビジネスパーソンの方が敏感でしょう。
企業は常に顧客ニーズを気にしていますから。

教職についている方から「ニーズ」という言葉を聞くことにちょっと驚いてしまいそうですが、むしろ教師はどのようにして「保護者のニーズ」をつかむのか、ビジネスパーソンとしては気になるところ。

 ニーズをつかむヒントの一つに、家族構成・環境の把握があります。保護者の学歴や職業、兄弟姉妹がいる場合、特に兄と姉の進学先・就職先には、保護者のニーズが如実に表れます。面談や保護者会をする場合は必ずこれらをチェックします。

なるほど、これは観察点が鋭いですね。

ビジネスパーソンにとって、お客さまのニーズをつかむための観察点は、業種によって千差万別です。
どこを注視すれば「ニーズ」を発見できるのか、まずはそのポイントを探すことが大切ですね。

★Timing(タイミングを考える)

物事には”絶好のタイミング”というものがあります。
そのタイミングによっては

同じことを伝えたり、行動で示したりするにしても、その時期やタイミングによって効果が倍増・半減する

ことがあります。

著者は保護者への電話連絡のタイミングはもとより、学期はじめや学期終わり、入学式や卒業式など大きな区切りで何を伝えからよいかを事前によく考えておくことをおすすめしています。

ビジネスパーソンの場合、お客さまへ「伝える」タイミングだけでなく、社内でのホウレンソウのタイミングも大切ですよね。

なぜか影響力を持つ先生は、「何を伝えるのか」だけではなく、「何をいつ伝えるべきなのか」まで考えている

といいます。
「何をいつ伝えるべきなのか」は、常に意識しておきたいです。

★Speed(スピードを重視する)

著者は先生という仕事に熱意や情熱を持つことは必要最低限のことだといいます。
では熱意を表すにはどうすればいいのでしょうか。

このといに対して著者は

 その答えがスピードです。個人的には、熱意はスピードでしか表すことができないとさえ思っています。

と答えています。

ビジネスシーンでも悪い報告ほど早くするべきだといわれています。
学校でのトラブルも同じで、保護者への連絡が遅れるほど、先生への悪い感情が増大していくものです。

予期せぬトラブルは抜き打ちテストのようなもので、実力が試されるときと考えて、

決して臆することなく、即対応というカタチで熱意をアピールしていきましょう。驚くほど保護者からの信頼が集まってくるはずです。

また、”報告”にまつわるものだけでなく、仕事全般において”遅い”と感じさせてしまうことは、やる気の無さを感がさせることにつながります。

100%の完成度でなくても、途中報告というカタチで「やってますよ」アピールはこまめにしておくべきだと思います。

保護者の心をつかむ「言葉」のルール

感想とまとめなど

◆「PARENTS」の法則はビジネスパーソンが心得ておくべき法則

以上「PARENTS」の法則をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?

言うまでもなく本書は、現役教師に向けた仕事術の本です。
そのため、今回紹介した「PARENTS」の法則は本書の第1章で紹介されているものに過ぎず、この後、学校現場を想定した保護者との「話し方」、保護者への連絡のための「書き方」、そして懇談などの場の「つくり方」といった実際的な内容が続いていきます。

しかし、この法則が仕事のベースとなるキモの部分であり、なにも教職限らず他のいろいろな業種の、特にお客さまと直接相対する職業の方にとっては「信条」となるような法則だと気がついたのでご紹介しました。

特に営業職の方には参考になると思います。
というのも、自分自身が”お客さま”としての経験上、「PARENTS」を全然考えていない営業さんが多いなと感じているから。

こちらの都合(タイミング)を考えず、自分の言いたいことだけ言って帰っていく営業さんがすごく多いんてすよね。

また、職場の同僚との関係作りも、この法則を基に行動すると有効かと思います。
特にチームで動く場合、パートナーシップとスピードを意識してくれるだけで、すごくチームが活性化するものです。

ぜひ「PARENTS」の法則を意識して行動することを実行してみてください。
かならずいい方向の変化が起きると思います。

◆まとめ

「PARENTS」の法則をしっかり意識しましょう。

(1)Partnership    ・・・パートナーだと考える   
(2)Action       ・・・行動で示す 
(3)Reason       ・・・根拠を伝える 
(4)Entertainment・・・楽しませる 
(5)Needs            ・・・ニーズをつかむ 
(6)Timing            ・・・タイミングを考える 
(7)Speed            ・・・スピードを重視する

保護者の心をつかむ「言葉」のルール

本書は著者の栗田正行先生より献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 保護者との関係づくりの基本ルール「PARENTS」の法則 保護者から信頼を得るための考え方
第2章 保護者をファンにする「話し方」 保護者との距離を近づける方法
第3章 保護者が思わず読みたくなる「書き方」 「書く」ために必要な3つのSTEP
第4章 保護者の記憶に残る場の「つくり方」 ちょっとした気づかいが場の空気を変える
第5章 保護者に信頼される「考え方」 保護者との関係づくりはシンプルに考える
おわりに 

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