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あのミリオンセラー作家による本格的ニーチェ哲学の入門書【紹介】白取春彦(脚本・監修)『まんかでわかるニーチェ』

おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。

日本にニーチェブームを巻き起こした白鳥先生の新刊が、古典やビジネス書をマンガでわかりやすくエッセンスを伝えてくれると好評の「まんがでわかる」シリーズで登場しました。

今日は『まんがでわかるニーチェ』 をご紹介します。

 

白取春彦先生の『まんがでわかるニーチェ』をご紹介

★本格的ニーチェ哲学の入門書

白取春彦先生といえばあのミリオンセラー、『超訳 ニーチェの言葉』で一躍ニーチェブームを起こし、その後の”超訳”本ラッシュ現象の火付け役となった方。

ニーチェといえば「ニヒリズム」と最後は狂人になって亡くなった方というマイナスイメージを持っていた僕に、本当のニーチェは「生きるための糧となる哲学」であると教えていただいたのが白鳥先生の本でした。

ただ、やはりニーチェの著書を読むのは結構ハードルが高いモノ。
最近大人の教養として哲学がブームとなっていますし、ニーチェも読むべき古典ではあると思うのですが、なかなか手が出ませんよね。

そういった方にうってつけなのが今回紹介するマンガでわかりやすく解説してくれている『まんがでわかるニーチェ』です。

主人公はファミリーレストランでアルバイトをしている桂フミ。
ごく普通の女の子ですが、彼女を取り巻く人々とレストランを舞台に起こる様々な問題をニーチェ哲学で乗り越えていき、最後に自分の本当の人生に目覚めるといったストーリー。

なかでもメンター役となる猫ジイとよばれるいわくつきの初老の男性がいい味を出しつつ、ニーチェ哲学を伝えていく重要な役割を果たしています(白鳥先生のようですね)。

★自分が「やりたい」と感じるものに価値があり、正しさがある

さて、本書はマンガとはいえ内容はなかなかしっかりしています。

その例として、本書で僕が一番印象に残ったシーンを一つご紹介します。

それは

 Chapter5 自分が「やりたい」と感じるものに価値があり、正しさがある  

でのシーン。

image

レストランの常連客の若いビジネスマン木島が、大きな仕事を任され、なんとか期待に答えようとして奮闘しているところへ猫ジイが

もっと楽しめ、面白がれ

とアドバイスします。

以下猫ジイのセリフの抜粋

まずは仕事を「手段」 とは考えないこったな

「給料もらうため」「生活のため」「人並みでいるため」「いつか家庭を持つため」こういった「何かのため」に働くことを「手段」にする人は「何か」に裏切られると仕事の意味を見失っちまう
自分の人生の価値は自分で考える
メリットだの効率化のごちゃごちゃ考えず仕事そのものを楽しむんだ
今は難しいかもしれないが
自分の求めるものについていちどしっかり向き合ってみるといい

見えている世界ががらりと変わるかも知れんぞ

image

この猫ジイのセリフだけでも僕にはグサグサと来たのですが、しっかりとこのセリフに対応した捕捉となる文章が記載されていて、理解を促してくれます。
 

 

何かのために生きている限り、その根っこにはニヒリズムが横たわっている。

誰かのため、何かのために生きたり働いいたりすれば、その「誰か」や「何か」が消えたとき、深い空虚、空洞を感じるだけである。

「〇〇のために」と思うから、悩みがその隙間から生えてくる。そして悩むほど、一層、自分の道を見失い、悩みのスパイラルに陥るのだ。

人は自分の考えや行動を「何かのため」だと考える癖を今すぐに棄てた方がいい。

自分の好むところをはっきりと知り、世間や他人の評価など気にせず、それを追求していくべきだ。

ニヒリズムも一瞬の後悔すらもない充実した日々を送るには、とことん自分に正直になることである。
 
この解説で、ようやく猫ジイのセリフだけではわからない部分も理解できます。
僕のレベルだとここまでで十分なのですが、本書はしっかり出典も掲載されています。
 
個人は、何かまったく新しいものであり新しいものを創造するもの、何か絶対的なものであって、すべての行為は全部その個人自身のものである。/個々人が己の行為にとっての価値を取ってくるもの、結局はやはり己自身からである。
私たちの新しい「自由」。 私たちは「目的」の体系のうちに紡ぎ込まれてはいないのだと、私たちの解放された精神が感取するごとく感取することのうちには、いかなる自由の感情があることか!

 
原書を読むとやっぱりかなり難しいですね。
やっぱり僕にはまだまだ原書は無理だな。

ただ、原文を掲載してくれると、逆に解説へのフィードバックがあって、より解説文への理解が深まる気がします(←僕の場合は本当に理解できているのか怪しいですが)。

★Chapterごとの解説、そしてコラムも読み応えあり

 
 
さて、各Chapterのテーマは下記の目次を見ていただくとして、各Chapterの最後に、その章で扱ったテーマのさらに解説が載っています。

本書をひと通り読んだあとは、このまとめだけをざっと眺めて”復習”するのも いいかもしれません。

 
 
 
また、コラムも充実しています。
 

まんがではありますが、かなり内容濃くニーチェ哲学を知ることができる本書。
大人の教養として、特に若い方にお薦めです。 

 

本書は宝島社編集者の宮下様より献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

Chapter1 それぞれの眼にはそれぞれの世界が映っている
Chapter2 安易な優しさや思いやりは相手を見下す自己満足にすぎない
Chapter3 肩書にすがって自分を大きく見せようとしない
Chapter4 人生とは瞬間を生きることの連続である
Chapter5 自分が「やりたい」と感じるものに価値があり、正しさがある
Chapter6 言い訳は挑戦を遠ざけ自分を弱くする
Chapter7 自分にとって「一番正しい選択」は身体が知っている
Chapter8 人生のすべてを受け入れすべてに価値を見出す

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