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文系が20年後も生き残るためにいますべき「9つの戦略」は現代にこそ通用する自分改革だ

おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。

Aiなどの技術の進歩でこの先、職業と働き方が激変することが予測されていますが、そんな時代でも生き残っていくための本が今日ご紹介する、岩崎日出俊(著)『文系が20年後も生き残るためにいますべきこと』 です。

特に本書では文系の人の仕事と生き残り戦略についてスポットを当てています。
今回は本書の第5章より、 文系のあなたの人生を一変させる「9つの戦略」を簡単にご紹介したいと思います。

 

文系のあなたの人生を一変させる「9つの戦略」

★「三種の神器」を手に入れる

 

 今の会社で上を目指すにせよ、転職するにせよ、起業するにせよ、役に立つのは、(1)英語、(2)ファイナンス、(3)コンピューター(プログラミング)の三種の神器だ。この三つを手に入れることで、あなたの市場価値は格段に上がる。

★同調圧力に屈しない、自分の頭で考える

 

 イノベーションは他人と違う独創的なことを試すところから生まれる。同調とは正反対だ。困ったことに、同調圧力は周囲と違った異才を押さえつけてしまう。自分だけでなく、他者に対してもネガティブな影響をおよぼしてしまうのだ。
 もちろん、だからといって、協調性やチームプレーが重要でないといっているわけではない。ある程度、空気を読むことも必要だろう。要は、「考えもせずに周囲と同じ行動を取るな」ということ。闇雲に周囲と同じ行動を取るのではなく、「自分の頭で考える」ことが重要であり、他が違うことを認める「寛容性」も必要だ。

★クリティカル・シンキングを身につける

 

 クリティカル・シンキングとは、書いてあること、聞いたことを鵜呑みにしたり、間違って早合点したりせずに、自分の頭で考え直してみることをいう。そしてこのことが、不透明な時代をこれから生きていくうえで非常に重要になる。

★統計・確率を意識して合理的に考える

 

残念ながら多くの人は「統計・確率を意識し、合理的に考える」ことをしていない。

★ディジョン・ツリーを描く

 

 「ディシジョン・ツリー」というのは有益で、私自身、人生で重要な判断を行う際に、実際に「ディシジョン・ツリー」を描いて意思決定の参考にしてきた。
 役立つツール(道具)なので、文系読者のみなさんで馴染みのない方は、ここでしっかりマスターして、実際に使ってみて欲しい。やっていることは「期待値」の計算なので、高校で習うから、文系の人でも触れたことかあるかもしれない。

★ディベートで論理的思考力を養う

 

 ディベートで議論を建設的に運び、相手を説得する方法を学べるが、日本でいると、そんな機会があまりないかもしれない。そういう人は、たとえば歴代の米国の大統領選のテレビ討論会などを聞いてみることだ(最近ではネットなどで英語や日本語の字幕を入れているものもある)。

★速読する本、熟読する本を使い分ける

 

 人によってどんな本を熟読するかは当然違うだろうが、「これだ」と思う本があったら、自分の血となり肉となるまで、じっくり読むことをおすすめしたい。

★「文系・理系」の枠を超える

 

残念なことに、日本では文系・理系の色分けがなされ、その固定観念に縛られている人がいる。その結果、自分で勝手に「これはできない」と限界の線を決めてしまっているのだとしたら、もったいない話だ。そうすることで、できるものもできなくなってしまう。

 

もしあなたが「自分は文系だから」と、無意識のうちに勝手に「枠組み」を定めてしまっているのだとしたら、まずはこれを打破することが重要だ。

★自分の限界よりも「ちょっとだけ」がんばる

最後のこの項目に関してはイチローが子どもたちを前に野球がうまくなるための心構えを語った内容が紹介されています。

 人の2倍とか3倍、頑張ることなんてできない。だから、自分の中で(限界よりも)ちょっとだけがんばる、というのを重ねていって欲しい。僕も米国で3000本も打てるなんて想像はできなかった。でも、それを重ねてきたことで、僕は今現在にいたると実感しています。この言葉をみんなに伝えたいと思っています。

感想

 

◆20年後というより今現在即効性のあるアドバイス

本書の著者である岩崎日出俊さんは外資系の投資銀行を渡り歩いてきた投資畑出身で、現在はコンサルタント業を営んでおられる方。

それゆえ本書では一貫して投資家や経営者の視点で文系の人を語りその生き残り戦略についても語られています。

「文系」という言葉である種の労働者を一括りにするのはちょっと大雑把すぎないかと思いますが、今回ご紹介した「9つの戦略」は文系理系関係なく今企業が欲しがる人材像ではないかという印象を受けました。

また、今現在働いている方にとって、自分をバージョンアップする方向性を示してくれていると思います。

その点はすごく著者に同意します。
至極まっとうなんです。

が、この戦略の内容が本書のタイトルの「いますべきこと」という点ではいいのですが、「20年後に生き残る」ための戦略として通用するかというと、そこは大きな疑問を感じます。

これを続けただけでは何か足りないんじゃないかと。

上記の「9つの戦略」の要旨をまとめると

・英語、ファイナンス、コンピューター(プログラミング)の三種の神器に加えて、ロジカルシンキングといった武器を身につける。
・幅広い教養や知識を身につける
・努力を続ける

この3つになると思いますがここで考えてみてください、Aiが得意とするのは何かを。

英語、ファイナンス、コンピューター、ロジカルシンキングというのはむしろAiの得意とするところではないですか。

確率や統計をもとに判断するのもAiの得意分野。
そして、専門分野の知識の深さという点でもAiに人間はとうてい勝てません。

本書で示されている「9つの戦略」は、まだAiの能力が稚拙な今現在において、文系人間がグローバル社会で生き残るための戦略だと思います。

そういう点においてこの戦略は価値があると。
いまスタートしておいて、ある程度の地位を確保しておけば、それが担保となる可能性は高いですね。

ちなみに僕が考えるAiに負けない人材というのは

・自分の好きなものに徹底したこだわりを持つ
・協調など屁とも思わない突出してとんがった性格
・直感とインスピレーション、そして点と点を結ぶ発想に長けた人

だと思っていますがいかがでしょうか。

本書はイースト・プレス社様からご恵贈いただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに 20年後も生き残る文系の条件
第1章 20年後、文系の仕事の3分の2はなくなっている?
第2章 日本型雇用の崩壊で文系の居場所がなくなる
第3章 リスク要因と化した日本の文系教育
第4章 20年後に生き残る文系の条件
第5章 文系のあなたの人生を一変させる「9つの戦略」
特別鼎談 鈴木淳氏×福原正大氏×岩崎日出俊氏

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3 COMMENTS

zzzzawa

AIの得意分野であり、かつ、
人間が努力すべき分野は、あるか。
という命題の答えはある。
だと思います。
この命題に対する否定派は
過激に出ると
AIで代替できることを人間がやる必要はない。
合理的にでると
AIで代替できることを人間がやるのは効率が悪いからやるべきでない。
と主張すると推測します。
しかし、僕は、
AIと人間の共生社会という観点でなく
人間同士の競争社会という観点でみると、
(否定派のいう)不必要であり非効率な力が、有用に働く可能性を指摘したいです。
理由は、AIを使いこなすために前提となる素養で、かつ、AIの方が優秀な分野が、簡単に想定できるからです。
…………
たとえば、今電卓は、小学生レベルの計算から、大学レベルの計算まで、できますが、
小学生に対し
「これは電卓に任せた方が効率がいいんだ。人間がでしゃばって、割り算の記号とか覚えても仕方がない」
という大人は日本中見渡して、100人レベル(適当)でしょう。
この電卓の例のように、電卓を使いこなすために前提となる素養で、かつ、電卓の方が効率よくできる分野がありました。これはAIについても同様と言えると想定します。
……………..
これにて、あの命題を肯定する僕なりの回答ができました。

返信する
zzzzzawa

(800字制限があったので分割しました。
しつこいわけではなく、文章の凝り性なだけです。)
では、本ブログでのコメントについて、検討したいと思います。
上記の命題より、
AIが得意であり、本の筆者のあげる人間の要努力項目は、本当に人間の要努力項目である可能性があります。
すくとも、このブログの筆者のいう
「AIが得意だから」
という反論でこの可能性を潰すことが、出来ません。
そして、僕はこの可能性を肯定することもできません。つまり、これがAI時代に必要な能力かは、上の命題では肯定できないからです。
しかし、銀行業務を経て、AIなどの技術革新を見ている筆者の言動は、注目すべきものであり、僕は筆者の意見にある程度の妥当性があると思います。(ラストの根拠づけはは権威主義とも言えますけど)
受験真っ盛りの昨日この本を買った男子でした。
失礼しました。

返信する
管理人

zzzzzzawaさん
コメントありがとうございます。
受験真っ盛りということは、就活中の大学生さんでしょうか?
本書を読んだとのこと、素晴らしいことだと思います。
さて、僕の感想に対するご指摘ですが、まず最初に言っておきたいのは、僕は本書の著者が言う”生き残るための戦略”を否定しているわけではないということです。
本書のタイトル『文系が20年後も生き残るためにいますべきこと』は非常に考えられてつけられていると思います。
この”いますべきこと”は著者が主張することで間違いないと思います。
というのも、たとえば「三種の神器」などは、それこそ大前研一氏などを中心に何十年も前から言われてきたことです(時代によって中身は多少変わりますが)。
ビジネスパーソンがレベルアップするための必須課題と言えます。
おっしゃる通り要努力項目です。
ですが、「20年後」というキーワードで考えた場合、これだけでは足りないんじゃないかというのが僕の考えです。
時代の変化に伴って、「3種の神器」も変化しますから。
では今後必須となる三種の神器はなにか?
それはこの著者にも、そして今生きている誰にもわからないんじゃないかと。
とくにシンギュラリティポイントを越えた世界は、誰にも想像できないと思います。
AIと人間の共生とかいったレベルではなく、AIを使っているのが人間かすらもわからない。
したがって、「AIの得意分野であり、かつ、人間が努力するべき分野はあるか」という命題も、僕は分かりません。
というのが今のところの解答です。

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