おはようございます、一龍です。
仕事術本をたくさん読んでいると、必ず耳にするのがマッキンゼーという社名。
今日ご紹介するのもそのマッキンゼーの仕事術紹介した本、服部周作氏の著書、『47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』 です。
さすがに優秀な人達の仕事術は感心させられるものばかりですが、今回は本書で紹介されている”世界で一番仕事ができる人たち”の仕事術の中から、すぐに真似出来そうなものをピックアップしてみました。
すぐに真似できる世界で一番仕事ができる人の仕事術
★もう一踏ん張りするための4つのポイント
(1)自分の限界を受け入れる
自分の限界に達した時、その事実を受け入れなければなりません。その事実をじっくり考え、ひと息つきます。
そして、次のように考えてみてください。「華々しい成長などというものは幻想であり、現実の成長には必ず痛みを伴う。後から思い返して、華々しいかのように思えるだけなのだ」と。
物事への臨機応変な対応能力を伸ばすには、忍耐力とともに行動を伴うなければなりません。ハンナに必要だったのは「今日はどうしたらいいかわからないが、明日になったら分かるようになり、それを実行する」と繰り返し自分に言い聞かせることでした。最悪なのは、文句を言って何もしないことです。自分が責めたり弱音を吐いたりしている暇はありません。やるべきことが山積みです。とにかく前に進まなければなりません。小さなステップを積み重ねるのです。それには「誰でもどん底を経験するが、必ず這い上がれる」と信じることです。
状況を形成している物事が1ダースある場合、私たちは見当はずれな物事に全ての責任を負わせてしまうことがよくあります。したがって、誠実で思いやりのあるアドバイザーに、正しいものの見方を教えてもらうことが大切です。助けを求めることにより、発想を転換させることができます。
成功するリーダーの頭には、常に次の問題と次の解決策のことがあります。困難な状況に陥っている場合はより一層、「今現在を生きる」モードに入っていることを確認し、やるべき仕事をこなすことに集中してください。
★フォローアップ上手になる”符号化”のコツ
私の思うところ、優れたフォローアップ(仕事の進捗や人間関係の継続的な確認)に欠かせないのは”符号化”です。「プロジェクトの序盤に全力を注ぐ」原則で紹介したマリアは、次のように述べています。「メモを取るスキルはフォローアップがうまくなるための必要条件です。単純な符号を使いましょう。円、四角、蛍光ペンが便利です。見聞きしたことを素早く完全にメモとして再現できることが肝心です」例えば、社内研修会でメモを取ると、マリアはまずやるべきことをすべてに四角い印をつけます。次に黄色い蛍光ペンを使い、数週間かかると思われる項目に印をつけます。完了まで数ヶ月を要する項目には別の色を使います。フォローアップが完了すると、オレンジ色の蛍光ペンで済みの印をつけます。項目を線で消さずに記憶として残しておきます。そこまで完璧なメモ取れる状況になくても、もし私が「ひょっとしたら忘れてしまうかもしれない」と思った時は(かなりよくあることですが)、紙ナプキンやレシートの裏にすぐにメモを取ることにしています。
少し変わった点で言えば、別のディレクターは、プロジェクト終了後でも遠慮せずにクライアントを食事に誘うことが大事だと言っていました。彼はリーダーの卵たちに「これも一種のフォローアップだ」と常にアドバイスしていたものです。特別な理由や目的は必要ではなく、ただフォローアップそのものが目的なのです。
★迷ったら24時間ルールを徹底する
そんな時(誰かに限界を超えて理不尽な仕事を命じられたと感じた場合)は、24時間の猶予を自分に与えましょう。こうすると、状況把握する力が高まります。感情に任せてはねつけたい衝動に駆られたり、100%の確信が持てない時には、24時間ルールを使ってみてください。このルールに従うと、少なくとも深く納得して全力投球で仕事に取り組めるだけでなく、一生懸命取り組んだことがアウトプットにも反映されるという、二重のメリットがあります。
★交わし上手ほど多くの仕事をこなす
直属の上司かクライアント側の担当者でない限り、「一般的な経験則として、シニア・リーダーからの指示の大半はできるだけ聞き流すこと」と、あるプリンシパルが教えてくれました。「『この3つのアイディアが(10個のうちで)特に気に入ったので詳しく教えてください』などと言って、あなたにとって不要なほかの7つを除いた、その3つの素晴らしいアイディアだけに焦点を絞り直して尋ね直すんだ。すると、”選択的記憶”に作用するので、残りの7つのことは忘れてしまうよ」
優れたプロジェクトリーダーは、10個の指示を受けたらその場で5個にしてしまう。平凡なリーダーは10個すべてを受け入れる。最悪のリーダーは10個を倍にしてしまう。10個を受け入れて60%の成果は上げるより、3個にして120%の成果は上げる方が絶対にいい」何よりも肝心なのは、仕事の依頼を交わすのが上手な人たちは、結局多くの仕事をこなすことができるということです。
★プレゼン冒頭の3文は暗記する
マッキンゼーのシニア・エキスパートのポールによると、プレゼンの導入部話が全体の行方を左右します。「新規クライアントのプロジェクトで私がプレゼンを準備する際は、最初のほう、つまり導入部分で自分が話すべき内容を書き留め、確実にクライアントの心をつかめるように工夫します」最初の3文を暗記する理由は、この部分が1番注目を浴び、iPhoneをいじくり回さずにみんなが耳を傾けている瞬間だからです。まだスクリーンなどにもスライドは映さず、全員があなたの話に集中できるようにします。プレゼンの冒頭で自信がなさそうな様子を見せると、あなたに対する興味が何となく失われてしまいます。
4個のマス目は「現在の仕事」「プライベート」「(将来の仕事のための)今週の新たな業務」「新たな学び」に分類されています。「4マス方式」が優れているのは、左側はおおむね現在の活動に注目し、右側は未来に注目している点です。また、未来をさらに2分割することにも明確なメリットがあります。さまざまな仕事に関わり始めると、自分の成長のニーズがどの分野にあるのかを見失いがちです。上下に2マスあるので見比べて確認もしやすく、現在手掛けているプロジェクトと目標との整合性を図りやすくなります。
★メールは「5Dルール」でどんどん処理する
(1)Delegate(振る):メールを書く仕事をできるだけ他人に振る
あなたがリーダーの役割に移行しつつあるのなら、あるいはリーダーになることを意識しているのなら、メールを受信した途端、反射的に返事を書き始めるのではなく、他の人に”振る”習慣を身につけましょう。
出張中の移動時間や毎日の通勤時間は、非常に貴重です。これを賢く使いましょう。疲れているなら仮眠をとることが大事ですが、そうでなければ、この時間を使ってメールを削除しましょう。長い目で見ると、これは大きな時間の節約につながります。また、仕事の効率が上がって満足するでしょう。緊急のメールを読む以外は、重要性の低いメールへの対応に集中して取り組みましょう。
返事を忘れずに書きたい場合には「保留する」姿勢を持つことが大事です。私はいつも、保留すべきメールは受信箱の特別なフォルダーに移していますが、自動振り分けを設定したうえで、自分自身に転送するのもいいでしょう。その日、またはその週のうちに、時間をとって、保留したメールに返事を書きましょう。不思議なことに、この手の保留したメールを何日も書き忘れる事は滅多にありません。
メールを書き終えて誤字脱字がないか確認している間に、「無駄な言葉を削る」習慣もつけましょう。意味のない不要な単語を取り除くと言う、至極単純なことです。
日本語であれば、「〜という」「〜のような」「〜なこと・もの」といった捕捉する用語や、不要な接続詞などといったところでしょう。
効率的にきちんと仕事をこなす人は、そうした(週末も関係なくいつなんどきでも返信するよう期待される)無言の返信圧力にめげず、自らに厳しいルールを決めています。例えば、週末のメールチェックは、せめて返信だけと決めて、それも日曜日の夜に限定しましょう。
★簡潔にメモを取る練習に役立つポイント
(1)小型の手帳を買う
まず、1ページずつ大事に書き込みたくなるような、趣味の良い高価な手帳を買ってください。ポケットサイズよりは大きい、小型の手帳にしてみてください。オススメは、プロフェッショナルな印象与える、黒い革製あるいはモレスキンの手帳です。
自覚がない場合には特に、集団の中で積極的傾聴は難しいものです。
(3)リスクのない場面を練習する
フィードバック会議はうってつけです。研修はなお良いでしょう。研修の機会を一年中設けている企業が多いので、その機会を利用してメモを取る腕を磨きましょう。
(4)同僚に力を借りる
研修や会話の要点をまとめてメモを見せ合い、どれだけ「少なく」メモを取れたか確認しましょう。
(5)時間をかけて練習する
私たちは学生時代を通じて、非常に「良い」メモの取り方として、長く、詳しく書くように教え込まれてきました。しかし、短いメモを取る方が、記憶力と傾聴力が向上し、優先順位づけがうまくなることを、しっかり覚えておきましょう。
感想など
タイトルとおり、本書ではマッキンゼー流の仕事術を47個紹介してくれていますが、それぞれのメソッドには付随した細かいコツがあり、そのちょっとしたコツ自体も一つの仕事術として成り立つものが多いです。
そのため、タイトルでは”47”とありますが、おそらく全体では100以上のメソッドが紹介されている感じがあり、仕事術本としてはとてもお得感があります。
また、仕事術本のネタは、これだけビジネス書が出版されていると、だいたいどこかで読んだことがあるネタが多く、”オリジナルネタ”に出会えることは少ないものです。
ですが僕にとっては、本書は「おおっ」と思うお初ネタが多数ありが、そういう意味でもお得感を感じられる本でした。
そんなたくさんの仕事術ネタの中から、今回のエントリーでは「自分個人ですぐに真似して取り入れることができるもの」をピックアップしてみました。
意外だったのはフォローアップの符号化やメモ術に見られる基本の徹底。
世界一優秀な人達だからこそ、そういった地味な積み重ねを徹底している姿を知ることができたのは収穫。
「メモなんかしなくてもすべて記憶できるよ」なんて言われたら身もふたもないですからね。
中には「これはちょっと真似できないな」というメソッドもありました。
悔しいけどこれは優秀な人(あるいは優秀な人の集団)しかできないなというメソッドです。
しかし、こういった仕事術本を読むたびに思いますが、結局優秀な人とそうでない人の違いって、「基礎基本をあたりまえにやっているかどうか」に尽きるんじゃないかとも思います。
本書を読む限り、マッキンゼー他”超”が付く優秀な会社の人達は地頭が優秀な上にこれが徹底して出来ているんですよね。
その基礎を徹底することは優秀かどうかに関係なく出切る部分。
本書を読んで「これはいい!」と思った方法をどんどんためしてみるといいと思います。
また、本書はメンタルに関する項目や生き方や人生に対する姿勢に関する項目も登場します。
仕事や人生に迷っているという方にもオススメできる”全方位型”仕事術本となっています。
本書はダイヤモンド社様より献本していただきました。
ありがとうございました。
目次
はじめに
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