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そうか、これは化学反応の具材のひとつだったのか【書評】奥野 宣之(著)『読書は1冊のノートにまとめなさい[完全版]』 ダイヤモンド社

おはようございます、読書ノートは何度も挫折している一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、昨日に引き続き奥野宣之さんの新刊のご紹介。
2冊同時発売となった「1冊のノートに〜」シリーズ完全版の読書ノートの方をご紹介します。

【目次】
完全版の発刊にあたって
はじめに
第1章 ノートで「読書体験」をマネジメントする
第2章 必要な本を指名買いする「探書リスト」のつくり方
第3章 読んだ内容を財産にする「読書ノート」のつくり方
第4章 自分をつくるノートの「読み返し方」
第5章 読書体験をより充実させる20のアイデア
付録 ノートづくりに役立つ文房具26
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】

★読書ノートをつければ読み方が変わる

 目的を「読了する」から「読書ノートをつくる」に変える。それによって、自然と読書のアプローチが変化してくる。「読んだから読書ノートをつくる」のではなく、「読書ノートをつくるから読む」のです。

★リストをノートと連動させる
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 もし新聞や雑誌の書評記事を見て、ある本が読みたくなった場合は、タイトルを「探書リスト」に書いておくと同時に、その記事もノートに貼っておきましょう。<中略>
僕の場合、書評の他に、雑誌や新聞に載っている「〇〇さんが選ぶ10冊」や「△△を知りたい人のためのガイドブック」なども、切り抜いてノートに貼っておくことがあります。<中略>
結局、大事なことは「読書に関係する情報を散逸させない」ということです。「読書情報」は読書ノートと探書リストだけではありません、インタビュー記事も国債ニュースも、友達の話も、街で見かけた光景もあらゆるものが本探しにつながっていくからです。

★新聞書評は一週間かけて読む

 書評の読み方にもコツがあります。
まずは、他の記事のように読み流すのではなく、興味のあるものはじっくり読むこと。
この「熟読」ができるということが、新聞や雑誌といった紙媒体の強みだと思います。<中略>
僕は、家で読む時間がないときは、新聞の書評ページだけを切り取ってカバンに入れておくことにします。移動中などを使って、何日もかけて読み、気に入ったものはノートに貼って、さらに線を引いてコメントを書き込んだりする。
さらに、その本を買ったときには、ノートに貼った書評を読み返してみます。

★読書ノートは「一言」でいい

 読書ノートの書き方にもコツがあります。
簡単に言うと「自分にとって大切なこと」に徹底してフォーカスすることです。
読書の目的は、何かを自分なりに学ぶことです。評論家のマネをしても仕方ありません。自分にとって本当に役立つ知恵や言葉を咀嚼し、吸収していくことが一番大切です。
逆の言い方をすれば、自分にとって不要な情報は思い切って捨ててしまってもいい。必要なことだけに着目し、それを自分の体に落とし込むことこそ重要なのです。
ならば、読書ノートに書く感想が「一言」だっていいはずです。

★読書ノートを前提に本をさばく

 僕が提案したいのは、次のように、最重要箇所を段階的に洗い出していく「スクリーニング作業」のような読み進め方です。

1.通読
普通に読みながら「いいな」と思ったところはページの上の角を折っておく。
2.再読
読了したら、角を折ってあるページだけを読み返していく。その際、「あらためて、いいな」と思ったところだけ、ページの下の角を折っておく。
3.マーキング
上下の角が折られたページだけを読み返し、「三度目だが、やはりいいな」と思ったところだけ、ペンで印を付けておく。

読書ノートをつくるのに使うのは、この3でマーキングされた文章のうち、さらに読み返しても「いいな」と思う文章だけです。

★スクラップ式読書ノート

「貼ってつくる」読書ノートもあります。
たとえば、次のような「その本にまつわるもの」を集めて、感想などのメモと合わせて収録しておくという方法です。
・帯・・・ノートに貼れるサイズに切った上で貼っておく。帯には本の内容を表したキャッチコピーが書かれているほか、著者の顔写真などもあるので、印象的な読書ノートがつくれる。
・補充カード・・・タイトル、著者名、出版社名が入っているので、書誌データを書く手間が省ける。
・しおり・・・文庫や新書にレーベル独自のものが挟まっている。タイトルを書き込んでから貼っておくと目立つ。
・その他・・・挟み込んである広告、解説リーフレットなど、関係のあることを切り抜いてはる。

★読み替えしで確固たる自分をつくる
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 本の再読と言っても、はじめて読んだときと同じだけ時間をかけて読んでいくケースは少ないでしょう。だったら、ノートで十分というケースもあります。つまり。
・軽く振り返りたい場合=読書ノートの読み返し
・もっと思い出したい場合=本のチェック箇所の参照
・ゼロから頭に入れ直したい場合=本そのものの再読
と、必要に応じて、参照のレベルを上げていけばいいでしょう。
再読においては、本を読むか読書ノートを読むかという形はどうあれ、折に触れて、本のことを思い出すことが大事だと思います。
そうやって「何度もその本に触れている」という認識が自信につながっていきます。読書が確固たる自分を養うためのものとするならば、読書ノートはそれを補強するシステムになると言えるでしょう。

【感想など】

◆2冊同時の5年ぶりの大改訂
昨日の

に続いて、奥野さんの新刊のご紹介です。
今日は2冊同時発売のうちの2冊目、読書ノートの方です。

こちらの方も、基本的なメソッドはそのままですが、改訂版というよりはほとんど新たに書き下ろされたようなまったく新しいものとなっています。

そしてワタクシ、恥ずかしながら奥野式の読書術の本当のすごさを今回はじめて理解できました。
というか、オリジナル版のときは見えてなかったのです。

ですので、本書ではじめて奥野式読書ノート術を読む人に忠告しておきます。
この本を読むには少々注意が必要ですよと。

◆違和感の解消
どういうことかというと、実は5年前に本書のオリジナルである

を読んだ時に、かなり違和感を感じたものでした。

それに関しては、当時の紹介記事を読んでいただければと思うのですが、

要するに、アナログ式の読書ノートのメリットがワタクシは感じられなかったのでした。

昔の記事にも書いているように、例えば探書リストなら当時からiPhoneのメモを使っているし、

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(今はこんな感じ、クラウドのおかげでiMacとも連携してさらに使い勝手が上がりました)

本の要点ならこのブログ自体が読書ノートとなっていて、ブログですから当然検索性も高い。

ノートに切ったり貼ったり、さらには書いたりの手間を考えると、”費用対効果”ではデジタルの方がいいのではないか?という結論に達したのでした。

実際、ノートにマインドマップ式に読書ノートを書いたり、名言やポイントを抜き書きしたり、表やグラフをコピーして貼付けたりした時期もありました。

けれど、どれも続きませんでした。
時間がかかりすぎるのです。

それでいまでは、ワタクシの読書ノート役をこなすのは、このブログだけとなったのです。

ですが、今回『情報は〜』の完全版を読んでようやくわかりました。
いや、そちらを読まないと奥野式読書ノート術の真価は理解できないと思います。

まずわかっておいてほしいのは、奥野式読書ノート術は奥野さんのなんでも1冊にまとめるノートの一部であること。
単体で読書ノートが存在しているわけではありません。

そのうえで、今回の完全版では奥野式ノート術が「情報整理術」から「アイデア発想術」へとノート術の志向が変化・昇華していることを理解してください。

本書の読書ノート術というのは、奥野式ノート術の色々な情報が混在した舞台を構成する”一役者”なのです。

奥野さん自身が

 この「情報同士の意外なつながり」は予想できないで、あえて分類しないようにしています。つまり、僕の場合、ノートは「読書ノート」でもあり「スクラップ帳」でも「アイデアメモ」でもあるということです。

と書いているように、

”化学反応を引き起こす”ための薬品のひとつなのです。

もちろん、アナログ読書ノート術としての魅力は備えていると思います。
ですが、本書を読んで、単に読書ノートだけのノートをつくるのはあまりにももったいない。

他の様々な情報と、それこそそれ単体では何の役に立つのかわからないような情報と同じノートに収めて、見返した時に想像もつかなかった化学反応が起こり、アイデアにつながる。

そういう活用法までできる可能性があるからこそ、圧倒的なオリジナリティと魅力が醸し出される。

そのことにようやく気がつきました。
いやはやお恥ずかしい。

読書ノートだけならブログで十分ですが、雑多な情報をあれこれ詰め込んで、しかもそこに個人的な情報も盛り込んで、というのは公開しているブログではやはり難しい。

こういうことはやはり閉じられたノートの上で行われるべきで、だからこ極めてパーソナルな、それでいて過激な実験ができるというもの。

ということで、読者の皆様に申し上げます。
今回出版された完全版は2冊とも読んでください。

でないと、奥野式ノート術の本当のすごさを理解できないというもったいない読書体験に終わってしまう可能性大です!

オッ君恐るべし。

本書はダイヤモンド社編集者の市川様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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