おはようございます、息子には口でも頭でも腕っ節でもまだまだ圧勝の一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は、当ブログ初登場、伊藤徳馬さんの本をご紹介。
「ほめて伸ばす」子どものしつけ本なのですが、非常に実践しやすい内容となっています。
親御さんにとって気軽に取り組める方法ですので、子どもの躾に悩んでいる方はぜひ!
【目次】
推薦のことば
はじめに
準備編
1 どならないですむためのコミュニケーションの基本
2 どならないですむためのしつけの基本
3 どならない子育て実践編1 効果的にほめる
4 どならない子育て実践編2 事前に子どもに説明する
終わりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★グッドサイクル
グッドサイクルを回すには親が子どものよし行動をほめるところからはじまります。すると、親子の関係がよくなり、親子間でのコミュニケーションが増え(「ママ、ぼく○○してえらかったでしよ?」「うん、○○できてえらかったね」とか)、子どもは「どうすればいいのか」をより理解し、よい行動を繰り返しやすくなります。
そして、子どもがよい行動をすれば、親のイライラは減ります。
ここでまた、2周目以降の効果です。親はさらに負担感が減り、余裕ができ、子どもの行動をほめやすくなります。
★しつけの目的は教育
しつけの目的は教育であり、伝えることです。叱るのは、しつけの手段であって、目的ではありません。
では、なかなか話が伝わりにくい子どもたちに、どのようにすれば伝わるようになるのでしょうか。
1.行動を具体的に表現する
2.肯定的表現を使う
3.共感的表現を使う
4.環境を整える
の4つがあります。
◇行動を具体的に表現する
・具体的に表現するのは「行動」です。…「〇〇してね」「〇〇することはよいことだよ」
・人格ではなく、行動を指摘する…「〇〇するのはよくないよ。△△してね」
◇肯定的表現を使う
否定的な表現では、「今している行動はダメだ」ということだけがよく伝わり、「代わりにどうすればよいのか」ということは伝わりません。「○○しないで!」は、よく使う言い方ですが、わかりにくいのです。
◇共感的表現を使う
親も共感的表現を使うことで、子どもの気持ちに理解を示すことができ、親が一方的に叱る形を避けることができます。・・・「○○したい気持ちはわかるけど、△△しようね」
◇環境を整える
・子どものそばまで行って、目線の高さを揃える。これだけです。特に叱るときは、この環境を整えることが大事なのです。
・子どもの目や耳などに刺激となるものを避ける
★いつ実践すればいいのか
講座の中で、受講したママたちに必ずお伝えしているのですが、CSPを実践するのは、時間と気持ちに余裕があるときだけで十分です。<中略>
やれるときにやればいいんです。それで十分、効果は出ます。時間的にも、気持ち的にも余裕があるときに、「あー、ちょっとやってみるかな」と思ってやってみれば効果は出ます。そうすると、「この場面でも使ってみよう」と、自然と実践が増えていくことになります。
★よい行動には、よい結果=「よかった体験を」
子どもがよい行動をした場合、与えるとよいのは「よい結果」、つまり「よかった体験」です。文字どおり、子どもが「よかったぁ」と思えるものです。
具体的には、よしよしする、頭をなでる、抱きしめる、ハイタッチをする、「えらいね!」「すごい!」などと言葉でほめるなど、親の行動でできるものがよいです。
CSPは「ほめましょう大作戦」なので、小さなこともたくさんほめます。そうなると、お金やモノではなく、親の行動なら無限に使える「よい結果」となるのでおすすめです。
★悪い行動には、悪い結果=「しまった体験」を
悪い結果とは、子どもが「しまった」と思えるもの、つまり「しまった体験」です。そして、罰ではなく、「しまった体験にとどめる」というのがポイントです。
罰と「悪い結果」の違いは、子どもの気持ちに余裕を残せるかどうかです。しつけとして叱る以上は、「やめとけばよかったな」「ああすればよかったな」と子どもに反省させる必要があります。
そして、反省するには、ある程度の気持ちの余裕が必要です。めちゃくちゃ強く叱られているなか、もしくは重たい罰を受けた後では、反省どころじゃないです。だから、「悪い結果」にとどめる必要があるのです。
◇「悪い結果」3パターン
1.子どもたちの楽しみに制限を加える方法
例:テレビを見はじめる時間を数分遅らせる、食べるおやつの量を少し減らす
2.もう一度させる方法
例:「ただいま」と言わずに家に入ってきた子どもを玄関まで連れて行き、「ただいま」と言わせる
3.元に戻す責任をとらせる方法
例:洗面所を水ぴたしにしたので拭かせる、イスを倒して遊んでいたので元の場所に戻させる
★ほめる対象
ほめる対象となる行動は、次の3パターン
1.すでにできてしること
当たり前だと思わずにほめましょう。ほめればいっぱいよいことが起きます。
2.できたり、できなかったりすること
できたところをほめていきましょう。そのほうが楽だからです。
3.今は全然できないこと
少しだけできたところからほめて、少しずつできるようにしていきましょう。
★効果的なほめ方の4つのステップ
効果的なほめ方は、次の4つのステップで構成されています。
1.賞賛を与える・・・えらいね、すごいね、できたね、立派だよ
2.よい行動を具体的に表現する・・・○○したんだね
3.子ども側の理由を話す・・・そうすると、○○だよね
4.よい結果を与える・・・よしよしなど
【感想など】
◆「CSP」って?
著者の伊藤徳馬さんは市役所に勤めるかたわら、CSPトレーナーとして講座も開いている方だそうです。
で、ワタクシも初めて聞く単語なのですが、「CSP」って何?というところから。
本文脚注より
CSP(コモンセンス・ペアレンティング)は、アメリカの児童福祉施設「ボーイズタウン」で開発された親支援プログラムです。それを、「神戸少年の町」(児童養護施設)の野口啓示先生が、日本の文化にあわせて開発されたのが、この本でご紹介している「神戸少年の町版CSP」になります。
この本の中で出てくる「CSP」は、「神戸少年の町版CSP」のことを指します。
まぁ小難しい理論などは抜きにして(実際本書にはそういうところは触れられていません)、おおざっぱに言うと「ほめて伸ばす!」っといった感じでしょうか。
子どもの問題行動をしつけるのに厳しく叱りつけたり、罰を与えるのではなく、理解させ反省させる。
よい行動をした時にほめて、次もまたよい行動につながるようにする。
ただ、
間違ってほしくないのは、本書では厳しく叱ることを否定しているわけではないということです。
時に厳しく叱ることや躾を徹底させることも必要ですが、ほめるところとのバランスを取っていきましょうという点が面白いなと。
ですから、本書(CPS)の狙いは
どなる頻度を1やOにする必要はないし少し、減らせられれば、それでOKと。
親御さんが「どならない子育て」を練習することで、実際にどなる頻度を少し減らして、しつけの負担感を少し減らすことをめざします。
といった感じで、これなら親御さんも気軽に取り組めるのではないかと思います。
◆ほめて伸ばす!
さて、「ほめて伸ばす!」が基本姿勢ですが、それはなぜなのか?
叱るよりほめるほうが子どもに伝わりやすぐ成果が出やすい。
だから「ほめましょう」、なのです。
ということです。
上記の【ポイント&レバレッジメモ】ではグッドサイクルの例を載せましたが、ワタクシも含めて頻繁に遭遇するのはバッドサイクルですよね。
まぁ、うちの場合は子どもたちがもう大きくなってしまったので、このイラスト見ると、「ああ、うちもそうだった・・・」と懐かしく感じてしまうのですが、今まさにこの状況が日常茶飯事の方は深刻な悩みだと思います。
我々親だって、本当は子どもと穏やかに楽しく接したいし、強く叱ったあとには「あんなに叱るんじゃなかった」と心に”しこり”が残るもの。
できればこのサイクルからは抜け出したいですよね。
叱るのも結構しんどいし。
それにもうひとつ心配なことが。
「ちゃんとした大人になってもらいたい」という親御心から必死で叱ってしまうのですが、それが子どもたちが理解できていない場合、自己肯定感や自尊感情が育たないままで成長してしまい、将来深刻な精神的疾患につながることもあるということ。
子どもの将来のためにも、ほめて伸ばすグッドサイクルへの転換を心がけたいですね。
◆なにをほめたらいいの?
ところで、「ほめることがいいのはわかるけど、いったいなのをほめればいいの?」という親御さんもいることでしょう。
そういう時は問題行動を観察するといいみたいですよ。
問題行動に焦点を当て、その問題行動をひっくり返せば、ほめる対象は意外と簡単に見つかります。
この場合、ほめる対象は「立派なこと」「すばらしい行動」ではなくて、「普通のこと」です。普通のことをほめればよいのです。
どんないたずらっこでも、普通のことができる瞬間があるはず。
顔が洗えた、歯みがきができた、靴を左右間違えずに履けた。
そんなことでもいいのです。
なにかちゃんとできればほめてやる。
そういうスモールステップを積み重ねていくことで、徐々にグッドサイクルを増やしていけばいいと思います。
最後に、子どもの密な時間を過ごせるのは、長い人生の中でほんの一瞬です。
あっという間に子どもは大きくなって、自分の世界に飛び立っていきます。
本当に貴重な子どもとの時間を、できる限り楽しい時間にしたいですよね。
楽しい思い出は人生の宝物になります。
本書を読んで、宝物が増えることを願います。
本書はDiscover21編集者の三谷様より献本していただきました。
ありがとうございました。