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「プロセス」は目的地にたどり着くためのナビゲーション【書評】芝本 秀徳(著)『やりたいことはあるのに実現できないあなたがやれる人に変わる方法』(中経出版)

あなたは、やりたいことがありますか?
それをやろうとしたことはありますか?
それは実現しましたか?

もし、3つ目の問いの答えがNOだったら、あなたは本書を読むべきです。
この本にはあなたが目的に地に到達するための方法が書かれています。

【目次】
はじめに
この本の流れ
序章 実現に必要なのは「プロセス」だ
第1章 START ACTION 練る
第2章 START ACTION 巻き込む
第3章 START ACTION 段取る
第4章 START ACTION やる
第5章 START ACTION 振り返る
おわりに
参考文献

【ポイント&レバレッジメモ】
★実現しない「5つの原因」

「やりたいこと」が実現しない原因は、大きく5つに分けられます。
1. 思いつきのレベルを超えていない
2. 人をうまく巻き込むことができない
3. 何をやるのかがはっきりしていない
4. どれくらい進んだのかを把握していない
5. 変更に振り回される

★「プロセス」とは

あらゆる資源を加工して、価値を生むための一連の取り組み
ということです。
資源とは「ヒト・モノ・カネ」や、他には時間や知識、技術なども含まれます。それらの資源をインプットとして活用し、付加価値を足してアウトプットを生み出す活動が「プロセス」です。<中略>
あるあ揺る成果はプロセスを通じて生み出されます。会社やプロジェクト、あらゆる活動は「プロセス」がつながってできています。成果を生み出すためには、この「プロセス」を設計し、「プロセス」の質を高め、「プロセス」をコントロールすることが欠かせないのです。

★プロセスを描くメリット

1. プロセスは、関係者と共有する地図となる
プロセスの全体像を示し、それが共有されると、関わる人が全体の中での自分の役割を理解できます。
2. プロセスは、「つながり」を教えてくれる
プロセスがうまくつながって、はじめて成果(実現)が生み出されます。
3. プロセスは、見積もりのベースとなる
プロセスを設計することで、どのタイミングで何をしなければならないのか、必要となるものは何なのかを知ることができます。
4. プロセスは、創造性を最大化する
「力を入れるべきところに力を入れる」ためにプロセスを設計する。プロセスは常に「最適化する」。

★やりたいことを実現する「5つのプロセス」

1. 練る
「構想」の段階です。思いつきレベルのアイデアを、ここで「コンセプト」にまで練り上げます。
2. 巻き込む
周りを巻き込んで協力を得ること、そしてチャンスが回ってくるような人材になることの両方が必要です。
3. 段取る
具体的に何をするのか、どこまでやるのかを決め、詳細なスケジュールに落とし込む。
4. やる
「モニタリング」と「コントロール」により、状況を見続け、適切な処置をとること、そして変化に適することが重要です。
5. 振り返る
学びを最大化するための取り組みを行います。

★「いまできること」をやる

 やりたいことを実現するための原則のひとつは「目の前のことをやりとげる」ということです。ただ「将来、こんな大きなことがしたいんだ」と言っても、何も始まりません。当たり前のことですが「いまできることしかできない」のです。

★「人のために何ができるか」を考えよう

 「やりたいこと」を実現している人は、「人のために何かをする」ことが好きな人です。そういう姿勢に打たれた人がチャンスを運んできますし、いざ自分がやりたいことをはじめたときに、協力してくれるのです。

★とれるリスクを積極的にとる

リスクがあるということは、そこにチャンスがあるということです。リスクを考えるときに大切なのは、「とるべきリスクを積極的にとる」ということです。そのためには「リスクに向き合うこと」が必要です。いちばんやってはいけないのは、「知らず知らずのうちにリスクをとっていた」ということです。

★「一歩目」は限りなく小さくする

 実際、物事を実現している人は、計画よりも実行を重視します。<中略>
最もエネルギーが必要なのは、「0」を「1」にすることです。その「1」をかぎりなく小さく、簡単にしてあげることが、何かを始めるときのコツなのです。
「0」を「1」にさえしてしまえば、あとはどんどん加速していきます。慣性の法則がはたらくからです。アイデアを実現する人は、この慣性の法則をうまくつかっています。

★「すべてがそろう日」なんてやってこない

 プロセスを始めると、「あれも足りない、これも足りない」と足りないものが見えてきます。リソースが十分そろってから始められることなど、ほとんどありません。足りないまま始めるのがほとんどです。
そして、足りないまま始めるのが正しいのです。なぜなら、始めること、進めることで、足りないものがそろってくるからです。

【感想など】
本書は当ブログでも応援してきた上村敏彦氏が、ペンネームではなく本名の芝本秀徳氏として出版した最新作です。

タイトルからてっきり自己実現のための自己啓発書かと思ってしまったのですが、さにあらず。

アイデアをプロジェクトに昇華し、実現するためにいかにプロセスを構築するかの、プロセス設計の指南書。
ガチのビジネス書であります。

これまでの著書のイメージは”質実剛健”でしたが、今回はイラストも多数使用。

例えば本書のキモである、プロセスの5つの段階

練る → 巻き込む → 段取る → やる → 振り返る

これもイラストで

やりたいこと1

こんな感じで表現され、「おお、イメージ変わったなぁ」という印象を受けます。

が、先ほども書いたようにこれはガチのビジネス書。

そしてこの分野は、プロセスデザインのプロフェッショナルとしての氏のホームグラウンド。

中身は相当濃い上に、プロセスの各段階で、細部にわたって言葉を尽くして微妙なコツを伝えようとしている、かなりハイレベルな解説書です。

さて、先ほど「プロセスの5つの段階」について触れましたが、みなさんはこの5段階の中ではどの段階が重要だと思いますか?

もちろん著者の芝本さんは、全部重要だと答えることでしょう。
だって、アイデアが浮かんだ瞬間から、それを実現でき、その後振り返り検証するところまで、全てはつながっているわけですから、特定の段階だけ特別重要ということはないのです。

が、ワタクシは著者と比べれば比較にならないほど拙い経験しか持ち合わせていませんが、「たぶんあそことあそこだろうなぁ」というのは経験上何となく想像できるのです。

そこでこんなことをしてみました。↓

やりたいこと2

5つの段階のどの段階がページ数をとっているか?
こうして見ると一目瞭然でしょう。

「巻き込む」「やる」ですよ。

そして、ワタクシ的にこの二つを比べれば、圧倒的に「巻き込む」が優先されるような気がします。

誰を巻き込むことができるかで、勝負は決まる。

経験的にそう思うのです。

正直言って、ワタクシは著者のように綿密に計画を”練る”ことをせず、直感をたよりになんでも「とりあえずやってみよう」で始めてしまうタイプです。

だから、途中で困り果てて、「誰か助けて~」となってしまう傍迷惑なヤツですが(いちばん本書が必要なタイプ)、ありがたいことに助けを求めると

「あんたがやることならしゃあないなぁ、協力したるわ」

と言ってくれる人が何人かいます。

それはワタクシが日ごろからその人とガッチリ協力体制を築いているから(その人の頼み事には絶対いやとは言わない)なのですが、最終的にこの人間関係が、やりたいことを実現するためのカギとなるんですよね。

つまり、「巻き込む」はプロセスが始まる前の常日頃から、5つの段階の前段階として存在するのでは?と思ったりしました。

結局は”人”なんですよね。

そして人を「巻き込む」のも、チームを組んで「やる」原動力になるのも”情熱”です。

求心力と推進力の燃料は情熱。

では、”人”がそろい、”情熱”さえあれば、やりたいことは実現できるのか?

実は”情熱”は無尽蔵ではない。
だから本書が必要なのです。

情熱を尽きることなく、無駄にせず、目的地まで燃やし続けるためのナビが本書で解説される「プロセス」設計です。

実現のための燃えるような”情熱”に「プロセス」設計というナビが備わったとき、目的地に到達できる。

やりたいことはあるのに、いつも燃料切れになる人へ、この本があなたをナビゲーションします。

本書は、著者芝本秀徳様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】
<著者の本> (注:”上村敏彦”は以前のペンネームです)

参考記事

www.s-ichiryuu.com

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www.s-ichiryuu.com

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www.s-ichiryuu.com

<紹介・引用されている本>

「忘れる」ことは決して悪いことではない! 人間の記憶は膨大な情報を捨て去ることによって、整理され構造化され、思考力と問題解決能力が高まるメカニズムになっている。忘れて脳を活性化し、脳力と仕事力をUPする方法を、気鋭の学者・慶応大学大学院システムマネジメント研究科・前野教授が解き明かす。忘却力を活用し、仕事や人生の様々な局面で成功することを解説した注目の書。

【管理人の独り言】
紹介が後先になってしまったのですが、芝本さんの本名での出版はこちらが先。

こちらは久保憂希也さんとの共著です。
近日中に記事にしようと思っていますが、かなりのオススメ作。
ビジネスマインドを学びたいならぜひ!

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