ゆっくり職場を見渡すと、仕事が出来るヤツと出来ないヤツが必ずいます。
両者の差は一体何から来るのか?
そして、仕事だできるヤツになるにはどうしたらいいのか?
本書にはその答えとなる87のテクニックが掲載。
きっとあなたのスキルを瞬時に上げ、あなたを”仕事が出来るヤツ”の仲間入りをさせてくれます。
【目次】
CHAPTER1 報連相のコツ
CHAPTER2 会議のコツ
CHAPTER3 メールのコツ
CHAPTER4 文章作成のコツ
CHAPTER5 コミュニケーションのコツ
CHAPTER6 時間のコツ
CHAPTER7 チームワークのコツ
CHAPTER8 目標達成のコツ
【ポイント&レバレッジメモ】
★自身があるようにふるまう
ホウレンソウをする前に「すみません、まだ準備不足なのですが」とか「うまく言えないのですが」という言い訳をしてしまうことってありませんか?
実はこれ、確実に逆効果です。無意識にこうした枕詞を習慣として使っているなら、今すぐやめるべきです。<中略>最初に自信があるという暗示をかければ、相手からはポジティブな反応が返ってきます。
あえて自信満々にふるまうことで、相手の反応をポジティブなものにし、自分自身の追い風にする、裏を返せば、自分からわざわざ逆風を作り出し、無用な労力・時間を生むような愚はあえて冒さない、ということです。
★ホワイトボードを使う
以前、「優秀な人の特徴」を複数のベテラン社員にヒアリングしたことがあるのですが、いろいろ意見が出てくる中で、不思議と一致したのが、
「優秀なヤツは、若手中堅ベテランに限らず、議論の最中に立ち上がってホワイトボードに書きはじめる」というものでした。<中略>
この「優秀な人たち」がホワイトボードを使ってやろうとしているのは、言葉だけが行き来して、なかなか議論が進まない「空中戦」を避けることです。つまりホワイトボードで論点を整理し「つまり、こういうことですか?」と、会議参加者の認識をそろえるということです。<中略>
「優秀な人」とそれ以外の人の違いは、こうしたちょっとしたアクションをとれるかどうかの違いだけです。
★受信者にスクロールさせない
私の経験では、受信者に「スクロールを強要」するメールというのが見てもらえないメールの典型です。「どこまで続くかわからない」という不安感が見る気を起こさせないのです。
すなわち、画面びっしりに文字が並び、見るからに量が多いメールや、量は多くないものの不必要な改行をして、縦に長くなったメールなどです。
改善のポイント2つ
・簡潔に書く
・ムダな人為的改行は行わない
★「KISS」を心がける
「KISSの原則」をご存知ですか?
これは「Keep It Short & Simple」の頭文字を取ったもので、とにかく冗長になりがちなビジネス文書は、何を置いても「短く」、「単純に」まとめることを心がけるべきだというメッセージです。
中には「Keep It Simple & Stupid」と解説するものもありますが、これは「馬鹿がつくほど簡単に」と、前者をさらに強調したものと言えるでしょう。
★オフィスでは真ん中を歩く
ちょっとした発想の転換で、特に労力を必要とせずにコミュニケーションの機会を増やすことができるオススメの方法があります。それは、「オフィスでは真ん中を歩く」です。
朝、出勤するときにエレベーターホールから自席に向かうまでのコース取りを思い浮かべてください。<中略>少しコースを変えて、フロアの真ん中や部署の島と島の間をあえて通った場合はいかがでしょう?それだけで、目が合う人は10人、20人に一気に増えるのではないでしょうか。
目があった人と「おはようございます」と挨拶するだけでなく、<中略>気軽に会話をしながら仕事を前に進める機会に変えるのです。
あるいは実際に会話しなくても、机の上にある資料や書籍を目にすることで「あ、あの人こんな情報を持っているんだ」という情報収集の機会にしたり、同僚の顔を見て「彼からもらった例のメールの件、締め切り今日だったな」など、確認の機会にすることもできます。
★すぐやる
会議終了直後に「促成メモですがご確認ください」と議事録を送信してしまえば、かかる時間は数分です。会議で発生した新たな仕事についても、その場ですぐに確認できれば、万が一、理解の違いがあったとしても「いやいや、そうじゃなくって、こう」と、作業に入る前に修正を受けられますし、場合によっては「あ、やっぱりそれ、やらなくていいや」と、のちの手間を省けることもあるのです。<中略>
この「すぐやる」恥分の時間の飛躍的な有効活用以外にも、もう一つメリットがあります。ある人がこんな話をしてくれました。
「問い合わせのメールを送信、マウス空手が離れるかどうかというときに手元の電話が鳴った」。
圧倒的なスピードは、人に感動を持って自分を印象づけるのです。
★手が届くフライ球は自分が捕る
チームで仕事を進めるときに「これは自分の仕事ではない」とそれぞれが思った結果、誰も手を出さないまま作業が放置されてしまうことがよくあります。
野球で言えば野手と野手の間にフライが落ちてしまう「ポテンヒット」というやつです。
誰が捕るべきか明らかでない場合 ⇒ 迷わずあなたが取りに行きます。
一時的にあなただけが負担を負うような形になりますが、実際には、そうすることで次の3つの効果があります。
・ポテンヒットを防いだことで、チームの作業が予定通りに進む
・人より多くの仕事をすることで、あなた自身の経験が増え、それを通じて能力が上がるという、形のない財産を得ることができる
・あなたへのチームからの信頼が集まる(これが最も大きな効果)
★課題は常に頭のデスクトップに出しておく
目標達成のために、今、自分が持っている課題を、意図的に常に頭の隅に置いておき、お風呂の水が溢れるとか、りんごが木から落ちるといった、一見全く関係のない現象を目にした時も、すぐ課題と関連づけられるようにしておくと、目標達成のきっかけとなるひらめきの回数が多くなります。
これを私は「アタマのデスクトップに出しておく」と言っています。<中略>
こうしておけば、例えばエレベーターで、その課題と関係のある誰かとすれ違っても、すぐに伝言や相談ができるため、チャンスを逃すことがありません。
また、考える時間がまとまって取れない時も、ちょっとした切れ端の時間で少しずつ考えることができるものです。
【感想など】
新年度が始まって2週目。
日本中で、新社会人の方々が必死で研修に取り組んでおられることと思います。
まずは、みなさん、就職おめでとう!
そして、社会人へようこそ。
これから30年以上にわたって続くはずの社会人人生のスタート、ゴールははるか彼方、先は長いです。
まぁ、みなさんは目の前の研修で必死で、そんな先のことに思いを巡らしたり、周りの人や環境に気を配ったりする余裕なんて無い状態でしょうね。
今はそれが当然。
ただ、研修が終わり、現場に配属され、仕事に慣れてきたときに多分気がつくと思います。
先輩だろうが、同期だろうが、はたまた来年以降入ってくるであろう後輩であろうが、どの世代でも、どの持ち場でも必ず見えてくる現実。
それは、世の中には仕事ができるヤツとできないヤツがいるということ(笑)。
同じ会社の就職試験を受かったのだから能力的にはさほど差はないはず。
さらに、毎年同じような内容の研修を受けているわけだから、学んだことも同じなはず。
なのに、仕事ができるヤツとできないヤツがいる!
これは一体どういうことなのか?この差は一体なんなのか?
本書は、”仕事のコツ”という形で87のテクニックが紹介されています。
どれもちょっとしたコツ、でもするとしないとでは大違いといったテクニック。
目からウロコのテクニックもたくさんあったのですが、それよりも「うん、そうそう!」とか、「あっ、これは〇〇さんだな」といった感じで、身近な仕事ができるヤツとできないヤツの顔を思い浮かべながら読んでしまいました。
するとワタクシ、現実に存在する身近な人を想定して読むことで、おぼろげながら仕事ができる人とできない人の差がつくポイントをいくつか発見することができました。
どうしてあの人は仕事ができる人と感じるのか。
どうしてあの方は仕事ができないと感じるのか。
その違いを生むもののキーワードは スピード&シンプル
スピードとクオリティのバランスは、場面場面で変わるもの。
「なにに対しても一生懸命に取り組んで、クオリティの高いものを!」という姿勢は本当に素晴らしいと思いますが、荒削りの7割程度の出来でもいいからすぐに出してくれた方がありがたい場面の方が、現場では圧倒的に多い。
投げたボールがすぐに返って来れば、それだけ期限までにたくさんキャッチボールができ、結果的には質の高いものになる。
それに、時間をかけてクオリティの高いものを返されるより、「こういうのでいいですか?」とか「まだアイデアの段階ですが」と言ってすぐに返球してくれる方が、「こいつ仕事できるな!」という印象になるのです。
そう、
圧倒的なスピードは、人に感動を持って自分を印象づけるのです。
社会人1年目のみなさんは、 仕事はスピード と心得られよ。
そして
このスピードを生むのは、シンプル。
メールにしろ、報告にしろ、それこそコピーを取る所作一つにしても、シンプルを心がけるとスピードアップにつながります。
そしてこのシンプルにはもう一つ効用があります。
しかもそれは、職場でもっともしてはいけないことの防止につながります。
職場で最もしてはいけないこと、それは他人の時間を奪うこと。
だらだら長くて要点のわかりにくいメールや報告、論点がハッキリしない相談などはその典型です。
新人にとって、仕事のわからない部分を質問するのは仕方がないことですが、けっして”当然の権利”とは思わないことです。
さて、
新人さんはここまで読んで、なんだか気が重たくなっているかも知れませんが、最後にフォローしておきましょう。
出来るヤツと出来ないヤツの差はそんな大差ではありません。
それこそほんのちょっとした”コツ”程度のものです。
早く仕事を覚えて、その上で、本書に書かれていることを実践していけば、すぐに「あいつできるな」となりますから、今は必死で研修に汗をかいて取り組んでください。
全ての新社会人へ。
本書はディスカヴァー21社の大竹様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
本書巻末に記載されている参考文献より
なぜ頭のいいあなたが成功できないのか?
「結果を出せる人」と「出せない人」は何が違うのか?本書では、ソウル五輪「シンクロ」の銅メダリストで、現在、メンタルトレーナーとして数多くのアスリートの潜在能力を引き出している田中ウルヴェ京氏が、「自分の壁を打ち破るメンタル強化術」を紹介する
なにかが足りないと思っているあなたへ。コミュニケーションをテーマに実体験から学んだことをみなさんにお伝えします。
前753年、一人の若者ロムルスと彼に従う3千人のラテン人によりローマは建国された。7代続く王政の下で国家としての形態をローマは整えてゆくが、前509年、共和政へ移行。その後、成文法制定のために先進国ギリシアへ視察団を派遣する。ローマ人は絶頂期のギリシアに何を見たのか―。比類なき大帝国を築きあげた古代ローマ。その一千年にわたる興亡の物語がいま幕を開ける。
戦中は大本営参謀。戦後は大商社の企業参謀。そして総理の政治参謀─激動の昭和を裏からリードしてきた男の60年の軌跡を検証する
【管理人の独り言】
すでに話題になっていますが、気になる新刊のご紹介。
ワタクシも多大な感銘を受けた名著、
の入門書的な位置づけの本書。
Amazonの内容紹介に
『失敗の本質』は素晴らしい示唆を含みながらも難解で、最後まで読み通せた人、きちんと理解できた人は少ないかもしれません。
そこで、本書は若手戦略コンサルタントが23のポイントに整理して、日本軍と日本企業が直面する「共通の構造」を、普通のビジネスマンでも理解できるようにやさしくまとめた本です。
みなさんが所属するあらゆる組織への応用も可能です。
とあるように、ビジネスパーソン必読の本となりそうな予感です。
沢山の学びや気づきがありそうで
興味がそそられる本ですね