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あなたにとっても成長の時期【書評】江藤 真規・長野 雅弘(共著)『思春期の女の子の育て方』 Dicover21

おはようございます、最近娘が妻と同じ叱り方で、「本片付けなよ!」と説教されている一龍(@ichiryuu)です((涙)。

今日ご紹介するのは、いわゆる子育ての悩み相談本。
特に、タイトルのとおり、思春期の女の子に特化した悩み相談。
しかもその回答が秀逸で、すごく痛快なのです。

きっとあなたの悩みもスコーンと晴れ渡ります!

 

【目次】
まえがきにかえて  巻頭対談 江藤真規×長野雅弘
第1編 学校生活と勉強に関すること
第2編 子どもの問題行動に関すること
第3編 子どもの性格に関すること
第4編 コミュニケーションに関すること
第5編 お母さんご自身の心に関すること
あとがき

【ポイント&レバレッジメモ】
★ケース2 いじめの被害者になってしまった

江藤:まずは家庭の中に、安心できる環境をつくってあげて
 まずは、とにかく、何をさしおいても「家の中では安心できる」という空気で、家庭を満たしてください。夢を語り、あなたはすごい、〇〇の才能がある、産めたことに感謝していると、認められている自分、必要とされ愛されている自分を感じさせ、自己肯定感を取り戻してやってください。

長野:いじめを解決できない学校に行かせる必要なし!
 これは学校が毅然とした態度をとるべき問題です。教育現場として見逃していいわけがありません。ですから遠慮することなく、学校に、改善を強く要請してください。お子さんには内緒でかまいません。
 もし養成をしても事態が好転しないのであれば、転校してもいいくらいです。いや、すべきです。それは決して「逃げ」などではありません。

そんな”腐った”学校に、あなたの大事なお子さんを通わせる必要はありません。

★ケース14 服装の乱れが目につくようになった

長野:自分の価値を貶め、周りの自由さえも奪っている事実に気づかせよう
 マトモな男子の目線からすると、自分を安売りしている女の子にしか見えません。自分の価値を貶めているだけです。スカートを短くしたり、髪を染めたり、そういった着こなしを喜ぶのは、女の子を性の対象としか見ていないような、ろくでもない男だけです。そのような男に好かれたいのか?マトモな人からは嫌われるだけだ、ということを、私はこんこんと言ってきかせています。お説教でいいのです。

 また、こういった「嫌われる服装」は、男女問わずお子さんだけの問題ではありません。まず、それを許している家族が嫌われます。そしてその子の通う学校も嫌われますその子が所属するあらゆるものがそういう目で見られるのです。<中略>
 軽はずみな行動で、自分を不幸にするだけでなく、結果として家族や友達にもダメージを与えているのだと言ってきかせなければなりません。

★ケース26 何をやっても続かない

江藤:もしかしたら、親子でタイプが違うのかも?
 お母さまは「目標設定型」で、お子さまは「積み上げ型」なのではないでしょうか?<中略>
「長続きしない」という性格も、とらえ方次第だと思うのです。根性がないのではなく、好奇心旺盛で、夢中になれるものを探している途上、と見ることもできます。途中で放り出しているのではなく、自分なりに全力を尽くして、納得のいく答えや満足を得たから、次の目標に向かっているのだと考えることもできます。<中略>
 
長野:子どもなんて、みんなそんなもの!
 よく「夢や希望があるから頑張れる」と言いますね?それは間違いではないのですが、たいていの子はその前にワンステップ踏まないといけません。つまり順番が逆。
小さな成功体験の積み重ねがあってはじめて夢を描き出すことができるのです。<中略>
みんな始めは根性なんてないのです。<中略>
小さなゴールと達成感を積み重ねる発想に変えてください。
そして、できたことをしっかり褒めてあげてください。

 

★ケース32 何かにつけ、やたらと反抗してくる

江藤:わがままなのか自立への過程なのか、見極めて
 反抗期に子にとって、親というのは、「自分のやることなすことに反対してくる、うっとうしい存在」なんです。<中略>
 これはもうしかたないですし、むしろ健全な成長の過程です。
 ですから、「反抗期は、あって『ありがとう』」、これを基本の心構えにしてみると、いろんな面で気持ちが楽になると思います。<中略>
 お子さんがいろんな反発をしてきますから、それが単なるわがままなのか、自立への過程なのかを区別するといいでしょう。

長野:父親と母親で、叱り役とフォロー役の連携を
 どんな場合であろうと、わがままを許してはいけません。
 そこだけは、しっかり線引きしておきましょう。
 また、反抗期の子どもを甘やかすという傾向は、特に「お父さんと娘」というケースに見られがちです。つまりお父さんが、娘に嫌われることをすごく恐れているのです。<中略>お父さんは、グッとこらえて厳しさをもつようにしなければいけませんね。<中略>
 「ダメなものはダメ」という毅然とした態度を父親が示し、そのフォローを母親がする、という連携をとるのが理想だと思います。

★ケース49 もっと自分の時間がほしい

江藤:むしろ、どんどん自分の時間をもって!
子どもの思春期というのは、親が子離れする大きなチャンスでもあるのです。
 お子さんもお母さまも、それぞれの自分の大切な時間をもつことで、子どもを接する短い時間がますます貴重になって、愛情をよりたくさん注げるようにもなります。

長野:自分の時間を楽しめるお母さんは、子どもにとって誇らしい存在
 お母さんが社会と関わりをもとうとされるのは非常に素晴らしいことですし、どんどん積極的に動いてみればよいのです。
 それに、お母さんの活動・交友関係が広くて、我が家にいろいろな人が出入りするのは、子どもにとってもうれしいことなんですよ。きっと、お母さんと我が家のことを誇りに思うはずです。
 「子育てができるのは幸せなこと」という気持ちだけは忘れずに、お母さん自身の生活をもっと楽しんでください。それこそ、母親として理想とも言える人生だと思いますよ。

【感想など】
まずは著者のご紹介。

江藤真規さんは二人のお子さんを東大に現役合格させたお母さん。

当ブログでも以前紹介した

の著者でもあります。

参考記事:勉強好きで何が悪い!【書評】江藤 真規(著)『勉強ができる子の育て方』(ディスカヴァー)

そしてもう一人、長野雅弘さんは今回はじめて知った方ですが、聖徳大学付属取手聖徳女子中学校・高等学校の校長を務められる現役の教育者。

このお二人が、思春期の女の子の育て方に悩むお母さんたちの質問に回答する形で本書は構成されています。

しかも、その悩みのケースが50個も!

ワタクシも中学生の娘を持つ父親ですので、新春期の子どもの難しさは身をもって体験中。
非常にタイムリーすぎるので食い入るように読んでしまいました。

そして感じたのが、回答者の人選した人が天才!

こういっては何ですが、この手の子育て相談本というのは昔から多々あります。
単行本意外でも、雑誌や新聞の相談コーナーだってあります。

けれども、これほど温かく、しかも痛快な回答を、ワタクシ見たことがありません。

とにかく秀逸なのは、江藤さんと長野先生の役割り分担というか、コンビネーションといえばいいのか、お二人の回答者のそれぞれのキャラが抜群にいいのです。

江藤さんは前著でもそうでしたが、ひたすら温かく優しい、それでいて芯の強いお母さん。
すごく母性を感じさせる回答で、悩めるお母さんと共感する形で答えていきます。

それに対して長野先生のスパーンと竹を割ったような回答(ポイント&レバレッジメモで分かると思いますが)。
これが痛快過ぎて心地よい。

長野先生の厳しい父性の回答が、江藤さんの母性の回答と見事な調和をしているのです。

このお二人を回答者に選び、一つの相談に対して二人の回答を掲載するという、人選と手法が”あっぱれ!!”なのです。

ワタクシも人様のことは言えないのですが、子育ての主要な部分を占めているのはお母さんですよね。
そして、子育てに悩んでいるお母さんというのは、まずは自分の悩みを共感してほしい、と同時にスパーンとはっきりダメなものはダメといってくれる人もほしいと思うのです。

なぜなら、その役目を担うはずのお父さんが不在だから(←我が家もですが・・・)

まさにこの本には、お母さんが求める2つの要素が盛り込まれているのです。

そして、男のワタクシが本書を読んで感じたことを少々。
それは、「世のお父さんこそ、この本読みなさい!」ということ。

我が家は娘と息子、二人とも中学生ですが、父親にとって年頃の娘とのつき合い方って難しいですよね。

息子の方は自分が中坊のころを思い出して、バカ話やエッチな話で盛り上がれるのですが、娘はそうはいかない。

そんな、娘とどうつき合ったらいいか戸惑っているお父さんに、本書はつき合い方の参考となる本です。

そしてもう一つ、本書を読んでわかること。
それは、子育てしているお母さんの気持ち。

「私にばっかり押し付けて・・・」とか、「あんたは何にもわかってない・・・」とか奥様に言われているお父さん(←これワタクシ)、日ごろ奥様が子育てのどんなことに悩み不安を覚えているか、それが本書を読めばわかります。

最後にちょこっと一龍的アドバイスを。
思春期だ反抗期だといいますが、時が経てば何とかなるものです。

どんなに反抗しようとも、勉強しなくても、言うことをきかなくても、だんだんと大人になるものです。
だって、自分自身がそうだったでしょ(笑)。

少し距離を置いて見守ってあげましょう。

案ずるより産むが易しですよ。

思春期のお子さんを持つ親御さんへ。

本書はディスカヴァー21社様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【管理人の独り言】
先日、中学校へ子どもの運動会を見に行ってきました。

そこでふと気がついたのですが、親が中学校の運動会を見に来るなんて昔はなかったなぁと。
聞くところによると、最近は高校の運動会もたくさん保護者が見に来るのだとか。

まったく最近の親は子離れできないんだから。

もし、うちの子が高校生になったら、ワタクシは・・・

こっそり見に行きます(笑)

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